秘伝コースで中川さんの絶品鱧料理を味わってしまったむそう塾生は、早速鱧の入手から苦労して復習していますが、お魚屋さんにしてもらった骨切りでは満足できません。
なぜなら、中川さんが骨切りした鱧は、まるで骨のないお魚のようにちっとも骨の存在を感じさせないほど、ビロードのような食感だったからです。
関東と関西では鱧のおろし方が違うので、習ったとおりの形にならないなんてこともありました。
鱧がいかに新鮮で、いかに腕の良いお魚屋さんを探すか。
このことと、自分の腕を上げたい気持ちの狭間でウロウロしている塾生さんには、思い切って挑戦してごらんとエールを送ります。
骨切り用の包丁は5万円未満で買えます。
おそらく孫の代まで使えます。
その舌が中川さんの鱧料理のお味を覚えているうちにトライしましょう。
チャンスをつかんだ時に自分のものにするのです。
自分のものにして損することは何もありません。
先日の授業で中川さんが鱧をおろしながら話をしていましたね。
質問:どうして中川さんはそんなに鱧の骨切りを練習されたのですか?
答え:京都では夏になるとどこでも鱧料理をするから、よそのお店と差をつけるためには、よそより美味しい鱧でなければならないと思ったから。「鱧を食べるんならあそこの店に行こか〜」ってお客さんが来てくれるでしょ?
お店の繁盛を願って練習した技術は、おそらく20年ぶりくらいに切った骨切りでも、有次さんを唸らせる腕前だったそうです。
(有次さんがこの動画を観てくれたそうです。)” frameborder=”0″ allow=”accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture” allowfullscreen>
(真新しい包丁は使いにくいそうで、使い込んで手に馴染んだ形になった方が使いやすいそうです。)
(鱧の棒寿司 料理:京料理人 中川善博)
ちなみに有次さんはこの棒寿司を1.5万円〜2万円とおっしゃったそうですから、その味を再現したくなる塾生さんの気持ちはよく分かります。
ハードルが高くても、今それを助けてくれる人がそばにいるのですから、私なら躊躇なく挑戦します。
秘伝コースは美味しいものを知るだけではなく、生き方を問われているコースなのかもしれません。