マクロビオティックと七十二候

息子が北大路魯山人展を観に京都に来たので、10日から3日間一緒に京都にいました。
その間何回も外でお食事をしたわけですが、小さかった時よりグンと食べられるものが増えていて、母親としては嬉しかったです。
小さい時には好き嫌いが多かった息子ですが、今はこうしてお料理の味をともに語り合える大人になってくれて良かったなあと思いました。

下の写真はきょうのお昼にいただいたお椀です。
立秋を過ぎたので、すでに松茸が使われています。
とても良いお味に仕上がっているだけでなく、夏から秋への季節の移ろいがお椀の中に表現されていて素晴らしかったです。

加賀屋 京都店

 
 

(加賀屋 京都店 お椀 清汁仕立て/海老安平 スライス冬瓜 軸法蓮草 ヤングコーン 早松茸)

マクロビオティックでは陰陽を大切にしますが、その変化は自然界でははっきりと現れ、すでに吹く風にちょっと変化を感じ始めた人もおられることでしょう。
二十四節気とか七十二候という言葉は、その季節の変化を細かく知るためにも良い目安になります。
たとえば、二十四節気では立秋ですが、七十二候では初候、次候、末候とあって、それぞれ次のように分けられます。
【初候】8/8〜8/12頃 涼風至(すずかぜいたる)涼しい風が立ち始める
【次候】8/13〜8/17頃 寒蝉鳴(ひぐらしなく)蜩が鳴き始める
【末候】8/18〜8/22頃 蒙霧升降(ふかききりまとう)深い霧が立ち込める

1年中空調を電気の力に頼っていると、つい季節の変化を見落としてしまいますが、自然界の変化と食べ物や暮らし方を同期させる生き方がマクロビオティックの考え方でもあるので、この七十二候は大切にしたいものです。
お料理をする人にとっては、これをきちんと把握しているかどうかでお料理の格が上がりますし、健康につながるお料理にもなります。

京都の自宅近くでもヒグラシがギシギシワシワシと鳴いていました。
朝や夕暮れにはヒグラシの大合唱です。
毎朝シャワーのように降ってくるヒグラシの鳴き声とともに朝を迎えていましたが、これからはどんどん鳴き声が秋の虫に変化してくることでしょう。

マクロビオティックの陰陽を意識することは、こんな季節のとらえ方をして行くことでもあります。

 
 

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第204次「むそう塾 パスポート取得者」を発表します

<204次 むそう塾 パスポート取得者>
Ts(89−5)さん

<寸評>

◆中川善博より
途中、鍋の検査等が入りましたが、ほぼ順調にマイペースでパスまで到達したのではないでしょうか?
火と圧と水はなかなか人間の思い通りにはいうことを聞いてくれません。
操るのでは無く、同調する姿勢で望んでください。
ブレずにこのパスポート品質なご飯を食べ続けてくださいますように。
おめでとうございます。

◆マクロ美風より
頭でじっくり考えてからそれを実行に移すタイプのあなたは、この玄米という我儘娘には手を焼いたのではないでしょうか?
ましてや使い慣れない圧力鍋とも仲良くしなければなりません。
どちらも今までの暮らしには遠い存在だったものばかりです。
でも、玄米も圧力鍋も「なりたいようにさせてあげる」だけです。
これは子育てや病気にも通じるところがあって、生き方の根底に深く横たわっていることだと思えば間違いないでしょう。
生きる過程において、自分で能動的になんとか出来るのはほんの一部か、もしくは一時期です。
その他の多くは自分ではどうすることも出来ないところで勝手に動いています。
ですから、私達はそれをうまく受け取りながらそれに合わせて生きるのが人生だと思います。
もしそうであるならば、マクロビオティックの陰陽はその受け取り方、合わせ方を誠に合理的にロスを少なくしてくれる考え方だと思います。

あなたががこれからこの陰陽を駆使して、少しでもストレスを軽減できて、必要以上に負担を多く背負い込まない人生が歩めることを、心から願っております。
まずはあなたやあなたの周りの陽性化から始めましょう。
そのためにこの玄米ご飯は、大切な土台を作ってくれます。
3か月後にはその実感が湧いてくると思います。
これからは是非むそう塾の三種の神器を大切にしてみてください。
体は正直に応えてくれます。
このことはお嬢さんやその他のご家族様にも朗報になるかもしれません。
現に愛クラスの時には便秘症だったあなたが、今では毎日お通じがあるようになったのですから、すでに変化が起きているわけです。
これからは体に教えてもらいながら、マクロビオティックを愉しんでみてください。

お味噌汁講座でお待ちしております。

 
 

お米の花 2

 
 

(お米の花 撮影 Ka(89-3)さん)

長野にお住まいの直前のパスポート取得者Kaさんが送ってくださった写真です。
あなたと同期です。

(マクロビオティック料理教室 むそう塾 玄米炊飯指導によるパスポート取得者の過去記事はこちらから)

 
 

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「前期 煮物講座(全5回)」開催のご案内

マクロビオティックでは食材の陰陽だけでなく、お料理の陰陽がとても重要です。
なぜなら、最終的にお口に入るときの陰陽が私達の健康を左右するからです。
同じ大根でも大根おろしにした場合とふろふき大根にした場合では陰陽が違いますし、大根ステーキになるとさらに陰陽が変わります。
食べる人の体調に合わせて食材や料理方法の陰陽を調節することを頭では理解していても、実際に美味しいお料理としてテーブルに出せるかどうかは別問題です。

煮物は中庸の仕上がりになるものが多いので、陰性の人も陽性の人も仲良く美味しさを楽しむことが出来ます。
10月から、そんな中庸料理で美味しさ保証付きの煮物講座を開催することにしました。
全5回で下記のような内容です。
あいにく平日開催になってしまいますが、ご都合のつく方にお集まりいただけたら幸いです。

*   *   *

【講座名】
「前期 煮物講座(全5回)」

【開催日】
<月曜クラス>
1回目:2015年10月5日(月)
2回目:2015年11月9日(月)
3回目:2015年12月7日(月)
4回目:2016年2月8日(月)
5回目:2016年3月7日(月)
<金曜クラス>  8/13追加
1回目:2015年10月9日(金)
2回目:2015年11月13日(金)
3回目:2015年12月11日(金)
4回目:2016年2月12日(金)
5回目:2016年3月11日(金)

【会場】
「なかがわ」京都市左京区孫橋町18

【内容】
幸せコースのように1名ずつ各自がお料理を作る。
次の他に何品か追加する。
(メニューは変更することあり。)
・鰊茄子
・子持ち鮎の煮浸し
・棒湯葉含め煮
・粟麩の揚げ煮
・里芋の海老そぼろ餡
・金時豆の甘煮
・おでん
・鯛かぶら
・ぶり大根

【タイムテーブル】
・11:00  開場
・11:30〜17:00 実習&試食
・17:00 解散

【定員】
各クラス8名

【受講資格】
幸せコース修了者または在籍者

【お子様】
会場が狭いため、申し訳ありませんがご同伴出来ません

【受講費】
162,000円(消費税込)

【受講費の支払期限】
仮受付メールが届いてから7日以内

【申し込み方法】
こちらの予約システムから 8月13日(木)21:00受付開始

【締切】
定員になり次第

【キャンセル料】
・入金前:0%
・開催日の15日前~8日前:受講費の50%
・開催日の7日前~当日:受講費の100%
(ご返金に伴う振込手数料はいただきません)

 
 

筑前煮 マクロビオティック料理教室 むそう塾

 
 

(筑前煮 料理:京料理人  中川善博)

 
 

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第203次「むそう塾 パスポート取得者」を発表します

<203次 むそう塾 パスポート取得者>
Ka(89−3)さん

<寸評>

◆中川善博より
東京での講座の終わりにあなたをハグしたときに大泣きされましたね。
そのとき私の母の声が聞こえた気がしました。「なんとかしてあげなさい」と。
私は自分の母にしてやれなかった指導をあなたに授けました。
少しでも検査の結果が良化したのはこれ以上嬉しい事はありません。
これからも気を緩めずに消化吸収の良い中川式玄米ご飯を食べ続けてください。
ひとまず おめでとうございます。

◆マクロ美風より
愛クラスを受講されてからお引越しをして、環境もお米も変わった中での玄米投稿でしたが、よく頑張って続けられましたね。
34回に及ぶ玄米投稿指導は、中川さんがひたすらあなたの健康を願って続けたことです。
中川さんのお母様が玄米ではなく西洋医学を選ばれたため、その時にはしてあげられなかったことを今こうしてあなたに授けてくださったのは、とてもありがたいことですね。
これからは糠漬けとお味噌汁も味方に加えて、お医者さまもビックリされるような結果に結びつけましょう。
では、お味噌汁講座で再会出来ることを楽しみにしています。

 
 

魔法のメガネ マクロビオティック 桜沢如一

 
 

この本があなたの人生に大いに役立ちます。
健康へのヒントと生き直しのポイントがいっぱい書かれています。

(マクロビオティック料理教室 むそう塾 玄米炊飯指導によるパスポート取得者の過去記事はこちらから)

 
 

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マクロビオティックにおける動物性と鱧の生命力

鱧寿司 京料理人中川善博 むそう塾

 
 

(鱧寿司 料理:京料理人  中川善博)

過去に吉兆さんでいただいた「焼霜造り」が美味しくて、鱧落としは存在が薄くなった記憶がありますが、中川さんが作る鱧料理はどんなお味だろうとずっと想像していました。
それが今年の秘伝コースでは、その鱧料理を教えてくれるとなって、一番喜んだのはこの私かも知れません。
台風の影響が関西にもかなり大きくて、生きた鱧の入手にハラハラしながら当日がやって来ました。
いよいよ授業が始まって、中川さんが作ってくれた鱧料理の美味しさは、私が今までの人生で味わった鱧料理にはない世界を教えてくれました。
絶品とはこういう時に使うものだよね〜と思ったものです。

その美味しさに感動した秘伝コースの人たちが、あちこちで鱧料理の復習を始めました。
しかしどこで購入した鱧も中川さんのように「骨の存在を忘れる仕上がり」ではなかったのです。
それにがっかりしたむそう塾生たちが、それなら自分で骨切りをするしかないということになって、急遽骨切り指導をすることになったのでした。
鱧は日々成長していますから、日毎に骨は硬くなってしまい、素人が練習するには難易度が高くなってしまいます。
それで本当に急に開催日を設けて、都合のつく人たちだけが集まった骨切り講座でしたが、参加者5名なのに中川さんが用意した鱧は30匹でした(゚д゚)!

その日の様子はこちらにありますが、鱧をおろす前に大根の桂むきがあり、それを使って骨切りの練習です。
これは中川さんが編み出した練習方法で、これがとても効果的でした。
桂むきの指示が出ると、すっと桂むきが出来るむそう塾生って本当に素敵だなと思いながらその光景を見ていました。
その原点は幸せコースの最初の授業なんですよね。
基本中の基本がこんなところでも必要になります。

*   *   *

いよいよ骨切りです。
時計はすでに16時を指しています(汗)
それまでひたすら鱧をおろしていたのです。
その間にも鱧の生命力が強いことを確認して、みんなでビックリしたのですが、だからこそその強い生命力をいただいて暑い夏を乗り越えようとして、骨がいっぱいある鱧の料理方法が考え出されたのでしょう。

鰻ほど油こくなくて、白身魚のさっぱりさがありながらも陽性な生命力は、まるで京都の人のようです。
見かけや言葉遣いはしなやかではんなりとしているのですが、中には独自の芯の強さを感じます。
つまり、芯が陽性なんですね。

ところで、鱧料理をあれこれ頑張っている秘伝コースの舞ちゃんが、昨日のお弁当100点のコメントで次のような文章を書いてくれました。
鱧の陽性がジワジワと効いてきた感じですね。

鱧をいただくと、じわっと、気づいたら体力気力が続いている感じで、お肉よりも負担が少ない感じがします。

そうそう。これが同じ動物性でもお肉とお魚の違いです。
生きている時の体温が陰陽判断の一つの材料になりますが、マクロビオティックでは動物性を摂る場合はなるべく人間より遠いものを摂るように教えています。
人間より遠いというのは、学校で習った進化の歴史図を思い浮かべれば解りますね。
具体的にするため、イラストを二つご紹介します。

 
 

【資料:環境省

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ヒトに至るまでの生物進化

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魚類は人間より圧倒的な昔に出現しています。
ということで、マクロビオティックではお肉よりお魚をおすすめするわけです。
最も危険なのは同種を食べることで、いわゆる共食いですね。
ですから狂牛病はマクロビオティックの考え方からすれば、当然の結果だと言えます。

でも今の人は、動物性というとすぐお肉を連想する人が多いですね。
お値段もお魚より安いことが多いし、何よりもお魚のお料理の仕方が分からないというのが最大の理由のような気がします。
でも、むそう塾生は中川さんからお魚をおろすことから始まって、お刺身・煮魚・焼き魚・椀種にいたるまで習えるのですから、とても心強いはずです。

疲れたなと思ったり、陽性の応援がほしいなと思ったときには、上手に動物性の力を借りて陰陽をコントロールしましょう。
舞ちゃんの文章にあるように、体への負担が少なくて気力体力に陽性の力がみなぎってくるのが分かると思います。

 
 

焼き鱧 京料理人中川善博 むそう塾

 
 

(鱧の焼き霜造り 料理:京料理人  中川善博)

なお、マクロビオティックの陰陽はお料理方法についても考えなくてはなりません。
私が鱧の焼き霜造りで感じた美味しさは、鱧落としより陽性な料理方法だったことが大きいです。
ですから、そんなに量を食べるものではありません。
これから秋に向かって、もう一つ美味しい鱧の食べ方があります。
「鱧しゃぶ」
中川さんはこの鱧しゃぶもかなり美味しい方法を開発されているようなので、松茸の出回る季節を今から楽しみにしています。
この鱧しゃぶが鱧料理の中では一番陰陽バランスが取れたお料理方法だと思います。

 
 

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