昨日は「夏のお弁当講座」の試作会でした。
試作会と言っても、中川さんがお料理を作って私とスタッフの麗可ちゃんが食べる側です。
私はパソコンを持ち込んで、試食をしたり写真を撮ったりTwitterに漏洩をしたり、ブログ記事を更新したりしながら、出来上がりを待つのですが、麗可ちゃんは大変です。
何をするのかまったく分からないのに、あれこれと推測しながら材料を用意したり計量をしたり、洗い物をしたり、作り方のポイントを記録したり大忙しです。
その上、食材の用意をかなり前から中川さんと打ち合わせをして、希望の食材をお店に手配しておき、当日はそれを引き取ってから教室に来るのです。
食材によってはお店に無理なお願いをして特別に用意していただくこともあります。
産地はもちろんのこと、大きさ、切り方まで図解入りでお願いすることもしばしばです。
それらを事前に何度も繰り返してから、いよいよ食材の手配が完全にできた状態で試作会になります。
ですから、試作会当日が大変なのではなくて、試作会に至るまでも大変なのです。
場合によっては新しくお店を開拓する必要性も出てきます。
前からのつき合いだからとか、近いからだとか、そんな基準で選ぶのではなく、すべては最高に美味しいお弁当のために照準を合わせて選ぶのです。
お店にある物の中から選ぶのではなく、「こんな物がほしい」という希望をお店に伝えて、その希望を最大限に叶えてくれるお店が選ばれます。
中川さんも麗可ちゃんも、ネットや自転車を駆使してあちこち駆け回ります。
その結果「ここ!」というお店だけが材料入手先として、講座の時に紹介されるわけです。
「お料理は店選びから始まっている」と中川さんはいつも言っていますが、その店選びも厳しい基準で選ぶからこそ、あの美味しさが生まれるわけです。
* * *
さてさて、やっと材料の手配が済みました。
いよいよ試作会当日となるわけですが、麗可ちゃんは大阪から食材をあれこれ抱えて、夏なら大汗をかいて京都までたどり着きます。(冬でも超薄着)
いつも戦後の闇市のようにいっぱいの荷物とともに転げるように教室に到着します。
例によって朝早くからご主人様のお弁当を作ったあとで、長時間労働のスタートです。
試作は1回で済むものもありますが、何回も配合を変えて作り直すものもあります。
そしてお弁当のおかずの試作ですから、経時変化を確認するために、時間が経ってからも試食をします。
その状態を見てから、さらに材料の良し悪しや調味料の増減も見直します。
ですから、試作とは時間のかかるものなのです。
ところで、試作会ではもっぱらお料理を作ることになる中川さんを思って、麗可ちゃんがいつもお昼ごはんを作って持参してくれます。
炊き込みご飯だったり、昨日のようにサンドイッチだったり。
昨日は焼きたてのパンを大阪で買ってきて、教室で作ってくれました。
(麗可ちゃん作のサンドイッチ)
さて、いよいよ試作会です。
食べ進むうちに美味しくてたまらなくなると、つい私がTwitterに漏洩してしまいます。
本当は当日まで内緒にしておいた方がお楽しみがあっていいのですが、美味しいものを食べると共有してしまいたくなるのが私の困ったところなんです・・・。
というわけで、昨日の漏洩第一号はエビチリでした。
(エビチリ 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
こんなのも漏洩しました。
(寄せ枝豆揚げ 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
その合間にこんなのも漏洩しました(笑)
あんこが尻尾まで入っているのがいいという私と麗可ちゃん。
いや、あんこが入っているところと、入っていないところがあってこそ味の変化があっていいのだという中川さん。
これはちょっとしたおやつとして余興で作ったものなので、お弁当講座とは無縁のものですから、念のため。
(中川善博作たい焼きと小判焼き 良質のあんこが特別美味しい!)
こうして10種類のお料理すべての試作が終わって、後片付けをしたら23時10分前でした。
麗可ちゃんはこの時間から大阪まで帰ります。
そんな麗可ちゃんの後ろ姿を見送りながら、スタッフとは実に頭と体力のいる仕事だなぁということと、気持ちよく笑顔を失わずに働ける健康と根性も必要だなぁと実感したのでした。
そして何より、平日にこんなに遅い帰宅になっても、文句も言わずに協力姿勢を貫いてくださるご主人様にも改めて感謝したのは言うまでもありません。
損得勘定抜きで身を粉にして働く。
そんな人が稀有な時代だからこそ、そういう人に恵まれたことを心からありがたく思うと同時に、そんな人間関係を構築していける場があって良かったなと思いました。
元々は私が中川さんのお料理の腕とお人柄に惹かれて、無理なお願いをしたのがむそう塾の始まりにつながったのですが、その私の想いに大きく応えてくださった中川さんのおかげで、次なる人間関係が構築できました。
こうして、信頼や感謝を土台にしてつながる人間関係って、本当に心地よいですね。
いつもむそう塾生の皆さんに、そして、まだ見ぬ将来のむそう塾生の皆さんに、この心地良い氣を発信できる場として、むそう塾をしっかり熟成させ続けたいと思った試作会でした。