Twitterで起業のことが話題になっています。
といっても、むそう塾仲間のつぶやきの話ですが。
器用にお裁縫をする塾生さんに起業の話をし合っていたのでした。
しかし、言うは易く現実は厳しいのが世の常。
生半可な気持ちでは起業はできません。
でも、だからといって可能性を追求しないのも寂しいですね。
年月がかかっても夢は地道に追求するべきだと私は思います。
ちょうど岡部賢二先生の新刊本が発売されました。
「心とからだをキレイにするマクロビオティック」
この本のタイトルは当初「夢をかなえるマクロビオティック」でした。
ゲラ段階の原稿を拝見してビックリ!
むそう塾のことと私のことが載っているではありませんか!
つまり、マクロビオティックをして夢を叶えた人として。
でも、申し訳ないけれど私は丁重に辞退させていただきました。
なぜなら、私は夢を叶えるためにマクロビオティックを始めたのでもなければ、むそう塾が私の夢だったからでもありません。
マクロビオティックの考え方に共感して、マクロビオティックの食事や考え方を取り入れていたら、自然と体が変化し、次に心が変化して、人間関係に大きな変化が出て来たのです。
その出会いを一つひとつ大切にしていたら、その中の一人に中川善博さんがいました。
その中川さんと色々な話をしているうちに、私のやりたいことと中川さんの出来ることに接点が出て来ました。
京都に住んでお母様の介護とお店をされながらの中川さんと、埼玉に住んで主婦もしている私との調整は、二人の本氣だけが頼りでした。
多額の出費を伴う計画は、お互いの信頼関係がなければ出来ないことです。
でも、私も中川さんも、お互いを信用出来る人と認識してスタートしました。
振り返ると、そこには夢が先にあったのではなく、わずかでもマクロビオティックに対する認識の共通点があったのみです。
この共通点は巷で流行しているマクロビオティックとは少し温度差のあるものでした。
ちょっとおかしいんじゃないか?
こんな感覚を二人とも持っていて、そのスタンスで巷のマクロビオティックを交通整理したいと思ったのです。
では、伝える場を作ろうということで、むそう塾が出来上がったわけです。
ですから、最初から夢があってそれを実現したのではなく、流れに乗っていたらむそう塾が出来ていたというのが現実です。
そんなわけで、岡部先生にも編集者の方にも、せっかくのご好意を無にしてしまうことに大変申し訳ないと思いながら辞退させていただいた次第です。
その後、本のタイトルは「心とからだをキレイにするマクロビオティック」と改題されて出版の運びとなりました。
☆ ☆ ☆
ここであえてこのことを書くのは、日々を真剣に生きていたら、どこでどんな展開になるか分からないのが人生だと言いたかったからです。
いい加減に時間を浪費するのではなく、「今、この時」を真剣に生きること。
その積み重ねが思わぬ道を用意してくれることをお伝えしたかったのです。
安易な夢や野望を持つのではなく、「今」をきちんと生きること。
これは時にはつらいこともあります。
楽な方に流れたいこともあります。
でも、流れたらおしまいです。
楽から生まれるものは長続きしません。
意識して夢を叶えるのも素晴らしいことですが、気がついたら何かが出来上がっていたというのも結構楽しいものです。
飄々としていてね。
人生って人と人の出会いの繰り返しですから、やはり人間関係を大切にしたいと思います。
それらの関係の中で自分が育ち、気がつくと思わぬことが現実になっていたという方が、ロマンがあっていいなぁなんて思います。
魂と魂のぶつかり合いとでもいうのでしょうか。
そんな生き方が私は好きです。
私は生きるためには覚悟が必要だと思っています。
腹をくくって生きる。
これが間違いなく不足している人を多く見かけます。
一見豊かに見える時代ですが、実は今はとても貧しい時代だと私は思っています。
むそう塾は硬派ですが、この貧しい時代だからこそ、覚悟をもって生きることをお伝えする意味があると信じています。
ほんまもんの人生を生きるために。