玄米や麦ごはんなどの「全粒穀物」が糖尿病を改善 睡眠やうつの改善効果も

糖尿病になってしまう人は実に多くて、あなたの周りにも予備軍を含めて糖尿病の人がおられるのではないでしょうか?
しかし、食事を変えることによって、ずいぶん良い影響が出てきますから、ぜひ食生活の改善に取り組まれたらよいと思います。

むそう塾にも糖尿病を上手にコントロールして、元気に明るくお暮らしの塾生さんがおられます。
お薬だけに頼るのではなく、ぜひ食べ物の力も借りましょう。

糖尿病ネットワークの記事で、玄米について書かれたものがありました。
これは常々むそう塾でも確認していることなので、特別目新しいものではないのですが、まだ玄米を召し上がっておられない人がいらっしゃいましたら、参考になると思いますので転載させていただきます。

 
 

<玄米や麦ごはんなどの「全粒穀物」が糖尿病を改善 睡眠やうつの改善効果も> 2020.1.31


全粒粉のパン、玄米、発芽玄米、雑穀米、麦ごはんなどの「全粒穀物」を食べると、糖尿病や肥満のリスクを低く抑えられる。
全粒穀物を食べる食事スタイルは、睡眠の改善やうつ病予防につながるという研究も発表されている。

炭水化物はすべてが同じではない
炭水化物を適切に選び、食べる量を調整することは、糖尿病をコントロールするための最良のアプローチとなる。三大栄養素のうち、血糖にすぐに影響するのは炭水化物なので、その摂り方には注意が必要だ。

「精製された小麦粉や白米などを食べると、炭水化物の量は同じであっても、食物繊維が少ないため吸収が速く、食後の血糖上昇が起こりやすくなります。血糖値をコントロールする必要のある糖尿病の人にとっては勧められるのは全粒穀物です」と、カーラ デュエナス氏は言う。

デュエナス氏は、米フロリダ州の7つの病院を擁する臨床ケアネットワークであるバプテスト ヘルス サウスフロリダで働く管理栄養士だ。「健康な食生活を実現するために、良質なタンパク質、野菜や果物とともに、全粒穀物を食事に取り入れるべきです」と強調する。


白米を玄米に置き換える食事スタイル
「全粒穀物(ホールグレイン)」とは、精白などの処理で、果皮、種皮、胚、胚乳といった部位を取り除いていない穀物のこと。

食事で全粒穀物を多く摂ると、精製された穀物の多い食事よりも、糖尿病や肥満、心臓病などのリスクを低く抑えられることが、多くの研究で示されている。

身近にある全粒穀物として、全粒粉の小麦を使ったパンやパスタ、オートミールなどの食品、玄米、玄米を発芽させた発芽玄米、雑穀米、大麦などの入った麦ごはんなどがある。

「玄米は全粒穀物で食物繊維が豊富に含まれます。全粒穀物であれば、いくら食べても良いというわけではありませんが、白米を玄米に置き換える食事スタイルは、糖尿病や肥満のある人に勧められます」と、デュアナス氏はアドバイスしている。


不足しがちな食物繊維を摂れる
糖質は、血糖値を早く上げる「単純糖質」と、ゆっくり上げる「複合糖質」に分けられる。単純糖質はお菓子や果物などに含まれる糖質で、複合糖質は穀類やイモ類、豆類などに含まれる糖質だ。

複合糖質は、消化・吸収されるまでに、単純糖質へ分解される過程が入るので、吸収に時間がかかり、血糖値を上げる速度が遅い。

「複合糖質は”健康的な炭水化物”です。精白されていない小麦粉や玄米などの全粒穀物には、複合糖質に似た性質があります。精白される過程で失われてしまう食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質など、不足しがちな栄養素が豊富に含まれます」と、デュエナス氏は指摘する。


精製された炭水化物は不眠の原因にもなる
成人の30%が不眠に悩まされているが、その原因の一端は食事スタイルにあるかもしれない。精製された炭水化物は、女性の不眠症のリスクを高める可能性があるという研究が発表された。

研究では、とくに糖質を多く含むジャンクフードや清涼飲料などをよく食べる閉経後の女性は、不眠症になる可能性が高いことが示された。

逆に、食物繊維を多く含む野菜や果物を多く摂取している女性は、不眠症のリスクが低下するという。

研究は、米国のコロンビア大学バゲロス医科大学院のジェームズ ガンウィッシュ氏らによるもの。


7万7,860人の女性を3年間調査
「不眠症は薬物療法や認知行動療法で治療されるのが多いのですが、それらは患者の負担が大きく、医療費もかかります。食生活を改善することは、低コストで簡単に実行でき、副作用の心配もありません」と、ガンウィッシュ氏は言う。

研究は、女性の健康障害を予防・治療するための情報を得るために、米国国立衛生研究所(NIH)が実施している「女性の健康イニシアティブ研究(WHI)」の観察研究のデータをもとにしている。

研究チームは、WHIに参加した7万7,860人の閉経後の女性と不眠との関連を調べた。食生活についてアンケート調査を行い、1997~2001年まで3年間追跡して調査した。

食後の血糖値の上昇しやすさを示す指標であるGI値により、参加者を5つのグループに分けて解析した。

その結果、食事のGI値の高いグループでは、不眠症の発症リスクが16%高く、有病率が11%高いことが明らかになった。また、野菜や果物の摂取量が多いほど、不眠症のリスクは低下することも分かった。


うつ病の発症リスクが下がるという調査結果も
「食後に血糖値が急上昇すると、血糖を下げるインスリンの分泌が刺激され、高インスリンの状態になるおそれがあります。その結果、血糖値が下がり、アドレナリンやコルチゾールなどのホルモンの分泌が増え、睡眠を妨げられるおそれがあります」と、ガンウィッシュ氏は説明する。

不眠の引き金となった食品は、果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)を成分とする異性化糖を大量に含む加工食品である可能性がある。そうした食品は自然にはみられないもので、工業的に大量生産され、安く売られている。

なお、果物にも果糖が含まれるが、食物繊維も豊富に含まれている。果物のGI値は低く、食後の血糖上昇を起こしにくいと考えられている。

ガンウィッシュ氏らが2015年に発表した、WHIに参加した6万9,954人の女性を対象とした研究では、GI値の高い食事をしている女性は、うつ病の発症リスクが22%高いことも示された。

「不眠症やうつ病を予防・治療するために、食事を改善して、全粒粉や複合糖質の摂取量を増やすことで効果を得られるかを調べる無作為化臨床試験が必要です」と、ガンウィッシュ氏は指摘している。

 
 

Diabetes Control: Healthy Carbs vs. Unhealthy Carbs(バプテスト ヘルス サウスフロリダ 2018年8月9日)

Refined Carbs May Trigger Insomnia, Finds Study(コロンビア大学アービング医療センター 2019年12月11日)

High glycemic index and glycemic load diets as risk factors for insomnia: analyses from the Women’s Health Initiative(American Journal of Clinical Nutrition 2019年12月11日)

[ Terahata ]

日本医療・健康情報研究所

 
 
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