マクロビオティック京料理教室 むそう塾」カテゴリーアーカイブ

偉大な先人の教えであっても、常にアップデートが必要

私がマクロビオティックを教わった大森英櫻という人は、本を出さない人だった。
その師である桜沢如一は、反対にものすごい量の本を出版し、あちこちに文章を寄せ、手紙も大量に書いている。

桜沢如一資料室というのがあって、そこでコツコツと資料を集めたり、データベース化している。
たとえば、書籍はこんなふうに
朗読もしている。
「永遠の少年」

 
 

では、なぜ大森英櫻は本を出さなかったかというと、「世の中の万物は刻々と変化しているのだから、桜沢如一の唱える『無双原理』をそのまま、その時代に当てはめればよい」と考えたからである。

そこには大きな理由がある。
桜沢が本を書いた時代にはうまくいった食事法が、すでに大森の時代には合わない事例がたくさんあったからだ。
桜沢の本のとおりに実践して体調が思わしくない人を、大森はたくさん治すようになってしまい、本を残すことの不都合を知ったのだった。

だからこそ、『無双原理』の解釈に力を注ぎ、その時代に合ったマクロビオティックを実践できるように、あえて本を残さなかったのだ。

 
 

「万物は刻々と変化している」のだから、私たちの体も、食べ物も、環境も変化している。
だから、食べ方も常にアップデートが必要なのだ。
しかし、何年も前に出版された本を参考に、あるいは、古い記事をネットで見つけて実践する人が後を絶たない。

その結果、思ったより体調が良くならなかったり、むしろ体調が悪くなってしまう人が出てきてしまう。
仮にどこかで指導者に習っても、その指導者が古い考えのままだったりする。

医学の世界でもそうであるように、食べ方の世界でも「今」に即した情報をもとにして、健康を守らなければならない。
時代は目まぐるしく変わっている。
嘘も多い。

体内に入れるものは、食べ物だけでなく、薬も空気も注意しよう。
触れる情報も選別しよう。
不自然なことには簡単に納得しない姿勢。
みんなで貫いて行こう。

 
 

(焼きプリン 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
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46年ぶりの初心 修業の空間へ 萬亀楼 「自由人コース3」課外授業

2022年11月27日。
この日は京料理人中川善博にとって、忘れられない日になったことでしょう。

18歳で修業に入って、7年間京料理を真剣に学んだお店、「萬亀樓」さん。
そのお店に「第1期 自由人コース3」の皆さんと一緒に、課外授業として訪れることができたのです。
そして、それに同行できた私たちも、特別な想い出を共有できた一日でした。

すでに中川さんのブログで記事になっていますが、私の方でも写真をアップしておきましょう。

 
 

***

11時半過ぎ、萬亀樓さんの前に到着。
空の青さが清々しい日になりました。
まるで、中川さんのお里帰りを祝福しているかのようです。

 
 

左側の板壁の杢目(もくめ)が素敵です。

 
 

 
 

真ん中下部の白い丸印の中には「歴史的意匠建造物」のプレートが。

 
 

 
 

ここで動画を。
全員の到着を待っているときのものです。

 
 

さあ、中に入りましょう。
この日は12名のため、2階のお部屋になります。
1階では結婚式があって、残念ながら素敵なお庭を拝見することはできませんでした。

入り口から見えるお庭の一部です。

 
 

お部屋に入りました。

 
 

 
 

 
 

 
 

着席して感慨深げな中川さん。

 
 

私の席から観た床の間。

 
 

美しい天井。

 
 

さあ、いよいよ始まりです。
まずはシャンパンで乾杯を!
(おいしかった♪)

 
 

その後は各自でお好みの飲み物を。私は梅酒のロック。

 
 

おや? 面白い蓋が。

 
 

 
 

ここで女将さんから説明が入ります。
この紙蓋は「御玄猪(おげんちょ)といって、収穫を祝うところからきていて、イチョウも松も実がなるので採用されているとのこと。
「亥の子」や「亥の子餅」にもついても触れていました。
奉書紙の横縞が落ち着きます。

 
 

紙蓋をとったところ。
むそう塾生にはお馴染みの味です。
(以下、お料理や器の向きは提供されたまま)

 
 

いよいよ煮物椀です。
蓋の高台部分に亀甲模様が。

 
 

湯気もごちそう。

 
 

 
 

 
 

この器は、中川さんがいた頃にもあったそうで、懐かしそうでした。
1枚1枚微妙に模様が違っているのが面白いところ。

 
 

お塩も添えられていました。
(撮影のためにお塩は動かしました)

 
 

金色の焙烙(ほうらく・ほうろく)が登場。
ここで女将さんの説明が。秋は金、春は銀。

 
 

 
 

 
 

 
 

お、鯖寿司が!
大きなからすみ(゚д゚)!

 
 

 
 

イケる口の塾生さん(^o^)

 
 

 
 

 
 

 
 

うっかり斜めに撮影してしまった💦

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

蓋の裏には「萬」の文字が。

 
 

鯛茶漬け。

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

***

【番外編】
実は、中川さんが18歳でこのお店に入ったとき、今の女将さんは中学生だったそうです。
高校、大学と進む女将さんと同じ時期に、中川さんはお料理の勉強に明け暮れる日々を送っていて、昨日は久しぶりの再会でした。

 
 

 
 

若主人さんの小西雄大さんが集合写真を撮って、iPhoneを中川さんへ。

 
 

この集合写真は、「式庖丁」生間(いかま)流を継承する30代家元の小西将清さんが撮影してくれました。

 
 

46年前の中川青年です。
このときには考えもしなかった人生になりましたが、美味しいもので多くの人を喜ばせて、幸せに導いてくれている素敵な現実がここにあります。
女将さんとの再会を、「自由人コース3」の全員で祝福した日でもありました。

 
 

残念だったのは、1名が急用でご一緒できなかったことです。
いつか、一緒に訪れる機会がありますように。

 
 
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京都 「cenci (チェンチ)」さんでの課外授業を終えて 

きょうは「自由人コース1」の課外授業の日でした。
「cenci (チェンチ)」さんは、予約の取りにくいお店なので、7月に直接お店に行って、仮予約をお願いしたほどです。

そしてきょう。
朝から青空が広がって、穏やかで気持ちのよいお天気に恵まれました。

 
 

 
 

 
 

カンパーイ!

 
 

お食事の詳しい内容は、中川さんのブログに載っていますが、毎年伺うたびに美味しくなっていることに驚きです。
丁寧な仕事と、その味を引き出すためにかけた時間を思うと、感謝の気持ちが湧いてくるお料理でした。

そして初めてお邪魔したときからそうだったのですが、スタッフの皆さんのレベルが高くて、お料理とともに、とても満足の行くサービスでした。
このような体制を保つには、裏で相当な努力がされていると思われます。
お料理だけでなく、こういう面もお店としては大切なことなので、人気店である理由がわかる気がします。

 
 

春と秋にはチェンチさんのある東山方面は混みますが、運良く予約が取れたらお薦めのお店です。
ちょうど11月5日(土)から12月4日(日)まで、永観堂のライトアップが始まりました。
「紅葉の永観堂」と言われるだけあって、すでにきょうも夜には永観堂帰りの人たちが多かったです。
チェンチさんと永観堂という組み合わせも良いかもしれません。

 
 
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本人がよければそれでいい 人間は究極は一人なんだもの

先日、久しぶりに講座を受講してくださった塾生さんが、「相談があって…」とのことでしたので、少しの時間でしたがお話しをしました。

どうやら周りにワクチンを接種した人が多くて、その人たちの体調が気になっているとのこと。
その人たちのために、自分でできることをしてあげたいというお話でした。

今回のコロナ問題に関しては、まさに人それぞれの対応が浮き彫りになってきました。
夫婦であっても、親子であっても、兄弟であっても考え方は同じではなく、「自分が信じた」方法を選択しています。

本来人間は誰しも自由なので、このコロナ問題に関しても自由なのです。
ですから、親子でも、夫婦でも、兄弟でも、自分と選択が違ってもそれぞれが受け入れるしかないのです。

人間とは、究極は一人なんだなと感じる場面でもあります。
虚しさを伴うこともあるでしょうが、「本人がよければそれでいい」と納得するしかないのだと思います。

割引に踊らされる人もいるし、それを無視できる人もいるのが世の中なんですよね。

 
 

少しお話をして、それだけでは足りなかったでしょうが時間になってしまいました。
それでも別れ際に、「身近に安心して話せる人がいないので、話せてホッとしました」と笑顔を見せてくれたのがうれしかったです。

そうなんですよね。
人に囲まれていても、今はその人の「考え」を斟酌しながら話す内容を選ばなければ、余計な波風を立てることになってしまいます。

なんともいやな空気ですが、むそう塾にはそんな空気はありません。
みんな気持ちのよい空気を吸って、笑顔が溢れています。
3年前から納得できない選択はしていません。

 
 

気落ちしたら、むそう塾の空気を吸いにいらしてください。
ついでに、美味しいものを召し上がって、気持ちをリセットしましょう。

 
 

(京都の空 2022.11.5)

 
 
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玄米ごはんを食べて体調不良になる場合は、その炊き方を疑うべき

「私と玄米ごはんの出合い 46年前の西荻窪」「玄米の排出力の素晴らしさに驚いたマクロ美風の体験」のつづきです。

 
 

私がマクロビオティックを知ったのは、パソコンも携帯電話も使っていないときでした。
その後何年か経ってパソコンを習い、ブログを書き始めるようになりました。
まだまだ玄米に関する情報は少なかったのですが、今ではマクロビオティックや玄米の情報が洪水のように溢れています。

しかし、その中には間違っているもの、不正確なものが多くて、それゆえに体調不良になった人たちがむそう塾にも来られます。
ここで一つだけ確かなことがあります。
それは、体調が悪くなる場合は、その方法が合っていないということです。

一時期は体調がよくなっても、それを続けているうちに体調が悪くなるのも合っていないことになります。
なぜなら、体は嘘をつかないからです。
その方法が合っている場合は、体は快調になり軽く感じられます。

 
 

***

【玄米を炊くには微妙な加減が必要】

では、玄米について考えてみましょう。
玄米は白米のように簡単には炊けません。
もし「簡単」を前面に出していたら、それはあまり体によくない可能性があります。
「白米と同じように炊ける」というのも、本来の玄米のままなら体によくない可能性があります。
だって、白米と玄米は構造が違うのですから。

そういう意味においても、私が白米に玄米を混ぜたごはんを美味しくないと感じたのは、体の声でもあったわけです。
体調がよくなるような玄米ごはんの炊き方は、玄米の特徴をしっかり踏まえたうえで、限りなく白米の炊きあがりに近づけなければ実現しません。

なぜなら、玄米は消化吸収しにくい特徴があるからです。
そのために、今は炊飯器でも炊けるように改良された玄米が色々出されていますが、どれもイチオシできるものがありません。
どちらかというと、避けた方がよいものばかりです。

白米はどのようなお鍋で炊いても、大きく体調を悪くするようなことはありませんが、玄米はお鍋の種類と炊き方によって、天と地ほども差があります。
そして、それがストレートに体調の変化につながるのです。

むそう塾では、長い間食べ続けても体調が悪くならない玄米ごはんを目指し、炊き方も15年間で少しずつ変えてきました。
硬い玄米を白米のような柔らかさにするには、水分・時間・温度・圧などの微妙な加減が必要になります。
しかし、それらがピッタリ揃うと、まさに白米のように消化吸収のよい玄米ごはんが炊きあがります。

このような玄米ごはんなら、長く食べ続けても大丈夫です。
胃腸にやさしい炊きあがりなので、離乳食から高齢者の介護食まで幅広く食べられています。
念の為に書いておきますが、玄米は何も加工していない普通の玄米です。
炊き方次第でここまで可能になるのです。

では、どうしてそんなに大変な思いをして玄米を食べようとするのか?
なんだか振り出しに戻りそうな内容ですが、次は玄米の栄養について考えてみたいと思います。

つづく

 
 

(京都 鴨川の堤防にて 2022.10.27)

 
 
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