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体験報告 『アメリカ小麦戦略』と日本人の食生活
たまたまFacebookで私の古い記事がシェアされていました。
その記事は「食生活欧米化の真の原因」でした。
これは2006年に書いたものですが、こうして今でも読んでくださる人がいて嬉しく思いました。
この記事は鈴木猛夫氏がが2003年に書き上げた本を参考にして書いたものです。
その『アメリカ小麦戦略』と日本人の食生活という本は、今なおAmazonで購入することができ、その内容は多くの人が共有しつつある時代になりました。
(残念ながら、著者の鈴木猛夫氏は、2008年に急逝されました。)
私は息子が義務教育のときに学校給食の改善にも取り組みましたが、行政の厚い壁に阻まれて困難を極めました。
給食利権の凄さは恐ろしいものがあります。
巨大利権に立ち向かうのは無謀なことなのですが、子どもたちの未来を考えるとじっとしてはいられなかったのです。
でも、そのおかげで、今も参考になる経験ができましたので、無駄ではなかったのだと思います。
* * *
鈴木猛夫氏がこの本を出版されてから13年。
確実に世の中は食生活に関する認識が変わり始めました。
私がマクロビオティックを始めた頃は、病気を治すためにする食養としての認識が強かったのですが、だんだんその認識が変わってきて、まるでファッションのように軽い感じで広がるようになりました。
今ではマクロビオティックもすっかり資格取得の対象に位置づけられてしまいましたが、それでも小麦にまつわる問題を把握するには、新しいマクロビオティックの広がりも悪くはなかったのだと思います。
もしあなたが今、体調が思わしくないのであれば、小麦製品を一時的にでもよいので止めてみましょう。
そして、白米でもよいのでご飯を食べてみましょう。
できれば柔らかく炊けた玄米ご飯を召し上がるのが一番なのですが、炊き方が分からなければ無理をせずに白米にしてください。
硬い玄米ご飯は絶対避けてくださいね。
胃腸を傷めますから。
1か月も小麦なしの食生活を続けると必ず体調の変化に驚かれることでしょう。
まずはお通じが変化します。
それに加えて砂糖も止めると、女性なら生理のときや目覚めに変化を感じるはずです。
甘いもの・小麦粉・脂肪、これらは摂りすぎてしまう傾向にあります。
減らすという選択もありますが、はっきりした結果を知りたい場合は、摂らない選択の方が分かりやすいです。
その後それらとどうつき合うかは、個々人の生き方の問題になります。
どのように生きたいか?(なりたい自分)を描いて、それに合った食生活をするからです。
* * *
過去記事でとても懐かしいコメントがありました。
沖縄からむそう塾に通ってくださったMさんです。
彼女は潰瘍性大腸炎だったのですが、幸せコースの途中からお元気になられて、幸せコースが終わる時には、パパイヤの糠漬けを沖縄から持参してくれたのですが、とっても美味しく漬かっていました。
Mさんはそれまでの食生活を改めるべく、小麦粉とお砂糖を止めて、玄米と糠漬けで健康を取り戻してくれました。
それまでは糠漬けの習慣がなかったMさんですが、中川式糠漬けに真剣に取り組んでくれました。
彼女のコメントをご紹介してこの記事を終わります。
(文中金Bとあるのは、金曜Bクラスの意味です。)
<Mさんのコメント>
中川さん、美風さん、金Bのみなさん、こんばんは。
昨日は楽しい時間をありがとうございました。
今帰ってきました。今朝は早起きをして、沖縄では味わえない紅葉の中お散歩してきました。
幸せコースに通い始めて半年はいつも体調に不安を感じていて、せっかくの京都を楽しむ余裕はありませんでした。
それが、玄米を炊きぬか漬けを自分でつけるようになり、なかなかやめられなかったお砂糖と小麦粉を避けるようになって、今までの不調が信じられないくらいの体調の変化に驚いています。
パスポートは頂いたものの、玄米の炊き方に不安を感じていましたが、中川さんに改めてOKを頂けたので、安心して炊こうと思います。そして良く噛んでいただきます。
今朝目覚めたとき、昨日の座学でのお話を思い出し、涙があふれてきました。
むそう塾と素敵な方たちと出会えた私はしあわせだな、と。
幸せコースでもっともっと健康に幸せになって行くと信じています。
来月もよろしくお願いします。
<小麦関連の過去記事>
・マクロビオティックの陰陽を活かした家事アドバイスを始めるにあたって 2015.3.31
・日本人(特にアトピーの人)はなぜ小麦粉を多く摂らない方が良いのか? 2015.2.1
・マクロビオティックにおける小麦粉とお砂糖と油 2010.11.14
(この記事はコメントもじっくりお読みくださると参考になります。)
(中川式玄米ご飯 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾, からだ, 体験談, 本の紹介
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桂剥きの手の動きから人生を考えた塾生さん
8月18日・19日に開催された「包丁を泥で砥ぐことと桂剥きの面圧を理解する特訓講座」は、次の時間に1か月間の投稿期間が終了します。
・8/18受講:9/18(日)の21時迄
・8/19受講:9/19(月)の21時迄
その桂剥き投稿のメールに、昨日素敵な文章がありましたので、ご紹介させていただきます。
<Kuさんの投稿より>
包丁を上下だけさせる、と意識していて「あれ、こんなに力入れなくてもいいものなんだ」とやっと少し感じました。まだ体現できていませんが。
上下だけ、と意識していると、進もうとする自分に気づき、「ただその場で自分のやるべきことをやる」という辛抱が無い自分に気づきました。
桂剥きのような、ただ自分のやるべきことを淡々と(優しくしっかりと面圧をかけながら)やり、いつの間にか周りと調和が取れているような、必要なものだけがやってきて剥けていくのを感じられるような生き方がしたいなと思いました。
* * *
<マクロ美風より>
素晴らしいですねぇ。
包丁を持つ手は、上下に動かすだけ。
これが桂剥きの極意なのですが、今までの人生で包丁を上下させるだけなんて、おそらく誰もしなかったことなのです。
ですから、そこに包丁の初めての使い方である上下運動を入れて、大根を持つ手とバランスを取って進んで行くことがとても難しく感じるのです。
何が難しいかって、それは過去の自分の癖と戦うことですね。
自分の癖を捨て去り、新しい動かし方を定着させることは、思っている以上に大変です。
でも、Kuさんは、包丁の動きをご自分の人生に重ね合わせて、新しい気づきを得ておられます。
ここが偉いなと思いました。
Kuさんが気づかれた生き方ができたら、穏やかで信望も厚く尊敬される人になるでしょう。
良いところに気づかれましたね。
(蓮根の桂剥き 剥いた人:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
蓮根の桂剥きのなんと難しいことか。
それをこんなにも美しく剥けるなんて、ただただ感動します。
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カテゴリー: むそう塾スタイル, マクロビオティック京料理教室 むそう塾, こころ・想い, 体験談
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現代版マクロビオティック食事法(3)動物性の割合
<動物性の割合>
前回むそう塾として提案した「食事バランスの目安」は、動物性の割合が少なくてビックリされたでしょうか?
反対に、マクロビオティックを厳格に解釈されている人からは、動物性が入っていることに異議がおありかもしれません。
でも、実際にむそう塾の指導の中でご家族の反応を確認しながらこの割合を探っていると、動物性を求める声はとても多いのです。
特に男性は動物性のものを食べた後の満足感に、別格のものがあるようですね。
だからといって日々それに流されていると、だんだん動物性の割合が増えてきますので気をつけなければなりません。
動物性には美味しく感じる成分が含まれているので、ついつい食べ過ぎるからです。
ですから、動物性を摂る時には「上質のものを少量」と心がけておきましょう。
「動物性を摂る時には毒消しできる量にとどめる」ことを肝に銘じてください。
最初は少なく感じるかもしれませんが、だんだん動物性が少ない方が食後感の体調が良いことに気づけるはずです。
そんなことも加味して考えると、次のような食事バランスが受け入れられやすいと思います。
(食事バランスの目安 標準型 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
* * *
たとえば、京丹後市では次のような表を使って、食事バランスの啓蒙をされていますが、これもなかなか良いですね。
ただ、マクロビオティックの観点からですと、「牛乳・乳製品」はおすすめしませんので、その部分を発酵食品に置き換えてもらった方がバランスが取れます。
(出展:食事バランスガイド 京丹後市)
<関連記事>
・現代版マクロビオティック食事法(1)序
・現代版マクロビオティック食事法(2)食事バランス
* * *
【ご案内】
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【サイト内の記事】
・マクロビオティックの盲点
・塾生のきょうの100点お弁当
・陰陽を感じる日々の暮らし
・中川善博から娘へのお弁当
現代版マクロビオティック食事法(2)食事バランス
<食べ物の割合を整理してみよう>
私たちは何かしら食べながら生きるわけですが、一体何を食べれば健康に良いのかという食べ方に関する本はいっぱい出版されています。
しかし、その内容は千差万別で、もうわけが分からなくなるほどです。
さらにその情報の背景まで考えると、それを信じてはいけない場合もあるので厄介です。
ですから、そんな情報に一喜一憂するくらいなら、自分の体をよく観察しながら自分で答えを出しましょうよと言いたいです。
そのためにはマクロビオティックの考え方がとても素晴らしいのですが、時代とともに提唱者の目指した方向とは少しずれて認識されつつあるので、今は本来の考え方を現代に当てはめて弾力的に受け入れるのが良いのではないかと思っています。
<食べ物の割合>
最初にそれぞれ異なる立場で出されている食べ物の割合を見比べてみましょう。
* * *
(1)【日本CI協会が提案する「マクロビオティック食事法:食材の割合」】
(出展:リマ・クッキングスクール)
* * *
(2)【桜沢如一が提案した「マクロビオティックの食の10段階」】
下の表を最新版に作り直したものが、上記(1)のコマ型になります。
(マクロビオティックの食の10段階 出典:マクロビオティック ムーブメント)
* * *
(3)【久司道夫が提案した「マクロビオティック食事法ガイドライン」】
桜沢如一の門下生である久司道夫氏がアメリカで考案したもの。
(出展:THE マクロビオティック 久司道夫著)
* * *
(4)【農林通産省の「食事バランスガイド」】
(出展:食事バランスガイド 農林通産省)
* * *
(5)【むそう塾が提案する「食事バランスの目安」】
<食事バランスに中心軸をつくる>
あなたのお食事の割合はどの表に一番近いですか?
きっとどれにも当てはまらないという人が多いことでしょう。
案外正解かもしれません。私も当てはまりません。
こんなに日々お食事のことを仕事にしている私でさえ該当しないのですから、世の男性たちならもっと割合なんて気にしていない人の方が多いと思われます。
それがむしろ平均的な姿なのではないでしょうか。
ですから食べ物に関してはこれらの分け方より、もっと簡単に大雑把だけど中心軸のあるバランスを意識するのが良いと思います。
それにはありきたりな分け方ですが、「主食」「副食」と分けて、その副食をマクロビオティックの陰陽で調整すれば簡単なのです。
しかし、世の中にはマクロビオティックを知らない人がほとんどですから、陰陽を知らない人でも理解できる分け方を次にご紹介します。
なお、ここでいう中心軸とは、「ご飯・味噌汁・発酵食品としての漬物」を中心に据え、その他は添え物と位置づける方法です。
農林水産省の食事バランスガイドでは、
「主食」(ごはん、パン、麺)
「副菜」(野菜、きのこ、いも、海藻料理)
「主菜」(肉、魚、卵、大豆料理)
「牛乳・乳製品」
「果物」
に分かれていますが、私は「主食」「副食」「果物」に分ければ十分だと思います。
「副食」の内訳には「主菜」として野菜・きのこ・いも・海藻・豆をベースにし、「副菜」として少量の動物性を添えます。
肉・魚などは主菜ではなく副菜としての位置づけになりますので、農林水産省が示したガイドラインの逆になります。
ここの認識が一番難しく、メインが動物性になるような食べ方しか出来ない人は、お肉やお魚を摂らない日を1週間に何回か作るべきです。
これらを踏まえて一日合計の食事バランスが次の表ぐらいになっていたら理想的ですね。
もしこのようになっていない場合には、時々1食〜2食を抜くとか、全体の食事量を減らすとかして、体への負担を減らしてあげましょう。
ポイントは空腹を楽しむことです。
人間はそんなに食べなくても生きられるので、大抵は食べ過ぎ傾向にあるのです。
もちろん個人差がありますから、この目安に拘束されないようにしてくださいね。
(食事バランスの目安 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
なお、副菜が「魚・肉・卵」という分け方には反対される方も多いかと思いますが、実際に観察していると多くの方が動物性食品の持つ旨味に弱いのです。
どうしても動物性がないとお食事をした気にならない人も多く、そんな現実を踏まえて動物性を副菜にしてあります。
おかずは動物性がメインなのではなく、植物性がメインなのだという認識を持てると、一気に色々な体調の変化を感じることでしょう。
動物性を排除するのではなく「減らす」認識です。
このぐらい厳しくしておいてやっと結果が「動物性の毒消しができる」程度に落ち着きます。
これが現実なのです。
<関連記事>
現代版マクロビオティック食事法(1)序
* * *
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微量栄養素(ミネラル・ビタミン)は足りていますか?
「長友佑都 食事革命 ベストパフォーマンスを作る栄養学」の「vol. 5 食材の数に注目する。」という記事があります。
幸せコースでは今、3週間の食事日記をつけている最中ですが、こういう記事も参考になりますね。
食養の世界では、石塚左玄の「夫婦アルカリ論」ですでに微量栄養素の大切さが認識され、その流れでマクロビオティックでは陰陽として常に意識されるのですが、マクロビオティックを知らない人は健康食品がらみで認識する人が多いように感じます。
微量栄養素(ミネラル・ビタミン)は、量はわずかだけれど、それがなくては全体が足を引っ張られるというものです。
往々にして三大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)は摂り過ぎる傾向にあるのですが、微量栄養素の摂取はバランスが悪くて、特にミネラルは不足している人が多いですね。
特に丼物が多い人や、電子レンジを多用する人、さらに甘いものが好きな人はその傾向にありますので、注意が必要です。
しかし、栄養面に詳しい人でない限り、微量栄養素を過不足なく摂るのは難しいですね。
そういう場合には主食を玄米にするだけでも、かなりのミネラルやビタミンを摂ることができます。
主食というのは毎日欠かさず摂るので効果が大きいのです。
日本食は長友佑都さんも書かれているように、少しずつ色々な栄養素を補いやすい食べ方なので、ぜひ常備菜を作るようにして、ちょっとずつ色々な色や形の食材をいただくようにしましょう。
なぜなら、色や形にはそれぞれの陰陽エネルギーが備わっていて、結果として陰陽バランスに貢献してくれるからです。
<参考記事>
・マクロビオティックをしてミネラル不足にならないでください 2015.3.21
(金平牛蒡 料理:中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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