マクロビオティックのブログを書いて18年 出会いと陰陽に感謝

私がマクロビオティックを知る前は、いわゆる体に悪そうなものは使用しない生活をしていました。
農薬や添加物を避け、調味料もかなり厳選していました。
独身の頃から糠漬けも漬け、一番だしもひいてお料理していましたし、和食中心の食生活で、甘いものもそんなに多く食べませんので、いたって健康人でした。

ところが、結婚して生まれてきた長男は、生後間もなくから湿疹があって、どんどんその範囲が広がっていきました。
毎日血だらけになる衣服と寝具を洗いながら、私も寝不足と子育ての疲れが極限状態に達し、何度この子を殺して私も死のうと思ったことか。

ある日の朝、仕事に出かける夫に、「あなたが帰ってくるまでに、私とこの子の命があるか分からない」と言ったこともありました。
かろうじて残っていた理性が私を犯罪者にしなかっただけで、現実は地獄でした。
その頃、新聞にアトピーの子どもと母親が無理心中した記事が載っていましたが、他人事とは思えませんでした。

 
 

今のようにネットがある時代ではないので、頼るのはもっぱら活字です。
何年も一進一退を繰り返しているうちに、夫の知人が1冊の本をくださいました。
愛知県の医師が書かれた本で、「マクロビオティック」という言葉を初めて知りました。
巻末にマクロビオティックを教えている教室が載っていたので、すぐ電話をして、翌日から通いました。

私が感動したのは、「陰」と「陽」というものの見方があるということでした。
それまで知らなかった世界に、私は夢中になって、大森英櫻氏の「正食医学講座」を受講しました。
これが私の人生を変えたと言っても過言ではありません。
来る日も来る日もマクロビオティックの本を読み、大森英櫻氏の他の講義も欠かさず受講する日々でした。

また、他のマクロビオティック指導者の講義も受けて、同じマクロビオティックでも微妙に存在する温度差も感じ取りました。
中には180度真逆の見解を述べる指導者もいて、本当にビックリしたものです。
でも、それが私の勉強を深めることになったのですから、何が幸いするかわかりません。
九州・大阪・四国・愛知・静岡にも出入りして、東京では学べなかったことも補えました。

 
 

***

2005年8月4日。
恩師大森英櫻氏が亡くなりました。
この日は、マクロビオティックの仲間と伊豆の温泉旅館にいて、訃報を知りました。
大森先生の講座でよく会場になっていた旅館です。
その日はちょうど、ブログを始める話をしていて、ハンドルネームを決めているところでした。

たくさん教えてもらった陰陽のことを、このまま私の中に閉じ込めておくのではなく、誰かのお役に立てるようにしようと思いました。
それで、2005年8月15日からブログを始めたのです。
ちょうど今日で丸18年経ちました。明日から19年目になるんですね。

今もまったく当初の気持ちは変わることなく、ブログを通じて交流することもできるので、書き続けてきてよかったと思っています。
そして、振り返ると、必ず誰かに助けられている自分がいます。

一番最初は本をくださった人。
マクロビオティックや陰陽を教えてくださった先生たち。
ブログを始める手ほどきをしてくれた仲間。
ブログを読んでくださった人たち。
「マクロビ井戸端会議」や「美風ゼミ」に集まってくださった人たち。

そして、2008年7月から一緒に「むそう塾」を始めてくださった中川善博さん
「むそう塾」に通ってくださった皆さん。
今も「むそう塾」に通い続けてくださる皆さん。
人はいつも人に助けられていることを、改めて感じています。
ですから、私も誰かを助けてあげたいです。恩返しをしたいです。

 
 

外は台風7号が京都に接近しているようで、風雨が激しくなっています。
長く生きていれば、良いことも悪いこともありますが、それがそもそも陰陽なので、その陰陽の波をサーフィンのように楽しみながら乗り越えたいと思っています。

陰陽に助けられ、陰陽に恋をしているマクロ美風でした。

 
 

(うざく 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

動物性を排除することや、食べ物だけがマクロビオティックではありません。
あくまで陰と陽のバランスを取ることが目的です。
肉体的にも、精神的にも。

 
 

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すりこ木の使い方 胡麻和え からし酢味噌 京料理人の動画あり

(九条ねぎと蛸の芥子酢味噌かけ 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室  むそう塾)

 
 

昨日は「幸せコース」の授業がありました。
メニューは次のとおり。
・うざく
・新蓮根と茗荷の甘酢漬け
・小松菜の胡麻和え
・九条ねぎと蛸の芥子酢味噌かけ(ぬた)

 
 

最近はすり鉢の使い方が分からない人が多いのですが、ご家庭で和え物を作ると添加物の心配もなく、とても美味しいですから、ぜひマスターして召し上がっていただきたいと思います。
欠席された方がおられましたので、フォローをかねて動画をご紹介します。
過去にも記事にしていますが、改めての掲載です。

今回の授業では2種類のすりこ木の使い方をお教えしました。
それぞれの使い方には理由がありますので、それをご理解いただいたうえで、自然に使えるようになっていただけたら嬉しいです。

 
 

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【胡麻のすり方】

 
 

【からし酢味噌のすり方】

 
 

【芥子酢味噌をつくるときのスピード】
勢いよく回して中に空気を入れると、ふわっとして艶が出てきます。

 
 

【芥子酢味噌のかけ方】

 
 

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和え物はお弁当のおかずにもなりますが、出来てすぐいただくのが一番美味しいです。
理由は浸透圧の作用が起きるからですね。
ですから、デパ地下やスーパーで出来上がりを購入するより、自分で作った方が断然美味しいのです。

酸味は肝臓を助けてくれますので、お疲れ気味のかたにはぜひとも召し上がってほしいです。
お酒を呑まれるかたは、いつも酢の物を用意してほしいくらいです。
なお、むそう塾でお教えしている酢の物は、まろやかでやさしい仕上がりなので、一般の酢の物にありがちなツンとしたキツイ味がしませんから、お子さんも喜んで食べてくれますよ。

 
 

このクラスは男性が5名いらっしゃるのですが、皆さんが楽しそうにお料理されています。
この笑顔、いいですねぇ。
すりこ木の使い方がとてもお上手でビックリしました。
スピードもあるのが、写真からも分かりますね。
ご自分で作ったお野菜を、ご自分でお料理するなんて、最高に理想的な暮らし方です。

 
 

(幸せコースの授業より マクロビオティック京料理教室  むそう塾)

 
 

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マクロビオティックがつないでくれたご縁 そして、むそう塾生の結婚

先日、昔の知り合いに会った。
ブログを通じて知り合った男性(Pさん)だ。
お仕事で京都に来られるということで、ご連絡をいただいた。

私がブログを書き始めたのは2005年8月15日
その後の2006年10月8日、「第4回マクロビ井戸端会議@GAYA」で初めてお会いした。
Pさんはまだ大学生だった。

縁というのは面白いもので、彼と話をしていたら、なんと、むそう塾生のCさん(15-14)と結婚されているではないか!
彼の奥様は2009年3月29日に、「第15回むそう塾」の講座を受講されている。
当時はまだ「愛クラス」という名前もなく、ただ単に玄米炊飯のみを教えていた時だ。
教室をリニューアルする前の最後の講座だった。
なんと、この時は15名が受講されている。

そして、Cさんもまた「第4回マクロビ井戸端会議@GAYA」つながりで、GAYAさんにはその後もご縁があったのだ。

久しぶりにお会いしたPさんは、相変わらず穏やかで笑顔が自然で、話し方が誠実で、Cさんが結婚したくなったのがよく理解できる。
話をしていると、私まで癒やされた。
いくつもの点と点がつながって結婚に至っているので、結婚とは本当に面白いものだと思う。

どんな状況下にあっても、どんな環境にあっても、結ばれる人はちゃんと結ばれるんだなとも思った。
最終的にはなにが決め手かというと、やっぱり「考え方」かもしれない。
考え方にも共通の接点があった方がうまくいく。
許容範囲の広い人ほど、接点も多くなるから、話しているとそれがはっきり分かる。

ちなみに、PさんとCさんは、接点の一つに玄米があるのが面白い。
私はマクロビオティックと玄米の素晴らしさを伝えたくて、このブログを書き始めたのだけど、その目的が達成できているようでよかった。

 
 

(京都タワー 2023.8.10)

 
 

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「2024年度(第16期)幸せコース」受付開始のご案内

今年もありがたいことに、「来年の幸せコースに申し込みたい」とのご希望がありました。
今からだと9か月間お待たせしてしまうことになってしまいますので、早く学びのチャンスを提供すべく、幸せコースが始まる前から単発講座を受けられるようにしてみました。

むそう塾にはおびただしい数のお料理があって、そのどれもが美味しくてすぐ役立つ内容ばかりなので、そこから入っていただくのも良いかと考えています。
マクロビオティックを知っている人も知らない人も、「美味しい♪」を中心に笑顔が広がってくれたらいいなと思っています。

マクロビオティックは良い面もありますが、誤解される教え方もあるために、あまり健康的でない食べ方をされている人もいるのが現状です。
むそう塾では、そんな現状を打開して、真の健康と陰陽の考え方を伝え続けています。
むそう塾の「本物の美味しさ」を味わってもらえたら嬉しいです。

「陰陽の考え方」があなたの人生の宝物になってくれますように。

 
 

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【単発講座の種類とご案内記事】
むそう塾で京料理人中川善博が教えた陰陽料理名一覧 (随時更新)
再開催ご希望講座 (随時更新)
「これから開催予定の講座案内」 (随時更新)

【受付方法】
こちらの予約システムからお申し込みしていただきますと、マクロ美風から仮受付メールが届きます。
そこに受講費のお振込先を書いてありますので、指定口座にお振込みください。
ご入金が確認されましたら、受付完了メールがマクロ美風から届きます。

【受講費のお支払い期限】
・2024年度の幸せコースから受講ご希望の場合は、2024年1月31日までにご入金ください。
・幸せコース受講前に単発講座を受講されたい場合は、幸せコースの受講費を先にお振込みください。翌日から単発講座を受講することができます。

【ダブル受講について】
「幸せコース」はお料理の基本を学び、「上級幸せコース」はたくさんの種類のお料理を学べますので、ダブル受講して一気にレパートリーを増やすことも可能です。
ダブル受講は、要領のよいお料理の幅がグンと広がりますので、むしろ忙しい人の味方になります。

【ご注意】
むそう塾は素人さんにお料理をお教えする教室なので、飲食店関係・お料理教室関係、セミナー関係の方のご参加はご遠慮いただいております。
こちらの注意点を必ずお読みいただいて、どうぞご理解いただけますように。

 
 

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【2024年度(第16期)幸せコースの講座内容】

【講座名】
「2024年度(第16期)幸せコース」

【コースのカラー】
若草色

【授業時間】
11:00     入室および準備
11:30~16:00 実習&試食
16:00~17:00 座学
17:30     退室可能時刻(これより遅くなることあり)

【授業内容】
【5月】
◎実習
・一番出汁の取り方(煮え華の見つけ方も)
・中川式お箸の持ち方
・中川式糠漬けの漬け方
◎座学
・むそう塾での学び方、復習の仕方
・食事日記のつけ方指導
・毒消し方法

【6月】
◎実習
・包丁の砥ぎ方、まな板の選び方
・千切りにした1本の断面正方形を目指す
・乱切りの仕方
・桂むきの仕方(桂剥き投稿は希望者のみ
・発酵を学ぶ 2024年4月26日追記
◎座学
・なし(食事日記のアドバイスを各自にメールで伝える)

【7月】
◎実習
・カレーうどん
・煮麺(にゅうめん)
・冷やし麺と麺つゆ
◎座学
・マクロビオティックの考え方と陰陽

【8月】
◎実習
・うざく
・新蓮根と茗荷の甘酢漬け
・小松菜の胡麻和え
・九条ねぎと蛸の芥子酢味噌かけ(ぬた)
◎座学
・お料理の陰陽

【9月】
◎実習
・出汁巻き玉子(出汁巻き投稿は希望者のみ
・キノコのガーリックバター
◎座学
・個人別食事指導

【10月】
◎実習
・もう一度一番出汁の取り方
・丹波栗の栗ご飯
・丹波松茸の炊き込み玄米ご飯
・松茸のお吸い物
◎座学:中川善博担当
・常識としての和食のルール
・盛付の基本

【11月】
◎実習
・中川式筑前煮
・里芋の炊いたん
・手綱蒟蒻
◎座学
・陰陽別体調のコントロール方法

【12月】
◎実習
・トンカツ
・キャベツの千切り(百切りではない)
・焼き野菜
◎座学
・氣の流れをよくする具体的方法

【1月】
◎実習
・プロの天ぷら
・素揚げ
・揚げ出し豆腐
◎座学
・価値観・人間関係・生き方における中庸とは?

【2月】
◎実習
・出汁巻きデモ
・盛付の徹底指導
◎座学
・病気との向き合い方

【3月】
◎実習
・魚をおろす
・お刺身定食を作る
・魚を焼く
・カラスガレイの煮付け
◎座学
・各人への陰陽アドバイス

【4月】
◎実習
・卒業作品としてお弁当を作って持参する
・お弁当を料理雑誌のように撮影して修了!
◎座学
・各人の1年間の報告

座学は生きた陰陽を理解できるように、各人の心身の陰陽状態をキャッチしながら、勉強を進めて行きます。
一人ひとりの体調に合わせた直接指導付きです。
ご自宅での復習料理投稿の添削付きですが、投稿は強制ではありません。

【授業日】(第3日曜日)
<2024> 5/19 6/16 7/21 8/18 9/22 10/20 11/17 12/15
<2025> 1/19 2/16 3/16 4/20

【定員】
8名

【申込資格】
・飲食店/料理教室/セミナー関係者以外の人(こちらの記事をお読みください)
・再受講や他のコースとのダブル受講も可能

【受講費】
440,000円(消費税込)

【受講費の振込期間】

仮受付メール到達後〜2024年1月31日(水)
2023年度の単発講座を受講する場合は単発講座前にご入金のこと

【申込方法】
こちらの予約システムから 随時受付

【キャンセル料】
・入金後〜2024年3月31日迄:受講費の20%
・2024年4月1日以降:受講費の100%
(ご返金に伴う振込手数料はいただきません)

 
 

(出汁巻き玉子 幸せコース9月の授業から 料理&盛付:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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病気に対するマクロビオティックの陰陽の考え方と切り替え時

昨日は初めてのかた(A子さん)にお会いしました。
A子さんは、ご自身の病気をマクロビオティックのお食事で寛解までこぎつけたという、頑張り屋さんです。
私のブログを長い間お読みくださっているそうで、過去記事のお話がスルスルと出てきてビックリしました。(ありがとうございます)

お話を伺っていると、やはり病気を克服された人にありがちな「切り替え時」を過ぎた感じがしました。
これはマクロビオティックで病気治しをした人が陥りがちな現象です。

下図をごらんください。
病気に対する食事と精神面のあり方を、マクロビオティックの陰陽で考えたものです。
まず、人の体調や体質は「極陽性・陽性・中庸・陰性・極陰性」の5つに分類できますが、病気というのは「極陽性」か「極陰性」のときに発症しやすくなります。
つまり、偏りすぎた状態ですね。

偏りの原因は実にたくさんありますが、先天的なもの、後天的なものすべてが影響します。
西洋医学なら病気になると薬で対処しますが、マクロビオティックではなるべく食事や生活面で対処しようとするのです。
ですから、陽性に偏ったのが原因なら、陰性なお食事にしますし、陰性に偏ったのが原因なら陽性なお食事にします。

A子さんはマクロビオティックの指導者から陽性に偏ったとの見立てで、陰性のお食事を続けて来られたそうです。
病名(ここでは伏せます)からして、陽性な病気なのでその指導に間違いはないのですが、もうA子さんは陽性さが減って来ているので、中庸のお食事にした方がよい状態でした。

ここです。ここが誰しも陥りがちなところなのです。
もう偏りはなくなった(寛解した)のに、それまでと同じ食事を続けていると、今度は反対側の病気に近寄ってしまいます。
ですから、病気がよくなったら、意識的に中庸の食事に戻すことが必要なのです。

現在のA子さんは、「陽性のお食事を食べたいな」という体の声をお持ちでした。
ほらね。ちゃんと体はバランスを取ろうとして、発信してくれているのです。
なんて賢いのでしょう!
ここは素直に体の声にしたがって、陽性なお料理を召し上がるべきです。

野菜を陽性な料理方法で召し上がるのもよいし、動物性の食材で質の良いものを少量召し上がるのもよいです。
ただし、動物性のときには毒消しをお忘れなく。

 
 

 
 

そして、食事と同じくらい重要なのが、精神面の陰陽です。
精神面でも陽性になりすぎて病気になったり、陰性になりすぎて病気になったりします。
その原因は食べ物から来ていることもありますが、環境から来ていることもかなり多いです。
人間関係や仕事関係で問題を抱えていると、いずれ病気になってしまうこともあります。

A子さんは生真面目なタイプとお見受けしました。
ですから、忠実に病気対応の食事をされて来て、寛解に至ったわけですが、精神面に陰性な状態が少し出ていました。(これはお食事のせいです)
この辺で切り替えて、本来お持ちだった陽性のよい面を活かせるような環境が必要だと感じました。

これからは、中庸のお食事や暮らし方を取り入れて、精神面も中庸を目指しましょう。
愉しいこと、心地よいことに接して、心から安堵できるご自分を確認しましょう。
そうすると、少々羽目を外しても、ダイナミックな行動をとっても、体調や人間関係を壊すことはありません。
むしろ、スマートに成し遂げられるでしょう。
これこそがマクロビオティックが目指す「自由人」です。

一病息災といいますから、病も無駄ではありません。
すべては学びになります。
これからは、病気前よりお元気になられますように。

 
 

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