巷ではきょうからお正月ですが、我が家では旧暦の1月1日を生活上のお正月としています。
別に地域性の理由ではなく、その方が日々の暮らしに合うと思うからです。
そこで、暦のことについて少し書いてみますね。
いわゆる旧暦は、1269年間もつつがなく使用されていたのに、1872年(明治5)に強引に改暦されました。
理由は、欧米列強(米・英・仏)からの圧力があったようです。
(日本は外圧に弱いのよね〜)
しかし、それよりも大きな理由は「財政難」だったとか。
簡単にいうと、明治6年は旧暦(天保暦)での閏年で、1年が13ヵ月あったのですが、新暦(太陽暦)なら1年が12ヵ月なので、新暦の方が官僚の給料を節約できると考えたようです。
そこで、明治5年の12月3日を明治6年1月1日に改暦したのです。
その結果、明治5年の12月分と、明治6年の1ヵ月分の都合2ヵ月分が節約できたと言うわけです。
(従って日本史では、明治5年12月4日以降、年末までは存在しません。)
岩倉具視、大久保利通らの実力者は、明治4年から欧米視察に出かけており、帰国したのは新暦になった明治6年の9月だったので、改暦の事実は外遊先で知って驚愕したそうです。
では、誰が?
それは、大隈重信が鬼の居ぬ間の何とかで、独断だったようです。
明治5年11月9日に「改暦の詔」が出されて、翌12月3日から新暦の明治6年ですと言われてもねぇ。
翌年のカレンダーも刷り上っているのに、大混乱の中で断行されたようですよ。
(そりゃそうだ)
* * *
そんなわけで、日本人の生活を無視した新暦より、旧暦の方が日本人にはしっくりすると思っています。
特に農業をするなら尚更です。
事実、中華文化圏は「農暦」といって、旧暦を大事にしています。
中国などが「春節」とよぶ、日本のお正月にあたる日は、旧暦の1月1日ですね。
ちなみに、2006年の春節は1月29日です。
我が家もその日が「お正月のつもり」でいます。
かくいう我が家も、マクロビオティックを知る前は、新暦どおりに生活をしていたのですが、マクロビ生活を続けていると、どうしても新暦では不自然な点が出てくるのです。
そのうちの一つが、「七草粥」です。
マクロビオティックでは、「旬のもの」をいただくはずなのに、新暦の1月7日に七草粥を作ろうと思えば、温室栽培された「七草セット」を買うことになります。
しかし、旧暦の1月7日(今年の場合は新暦の2月4日)なら、立春のころなので、野原に出ると自然に育った七草を採ることは可能です。
都会に住んでいると、いつも野菜を買うことになるので、旬に鈍感になりがちですが、マクロビ生活を大切にしようと思えば、これはとても重要なことです。
旬のものをいただくということは、パワーの面でも違いますし、何より石油を使ったハウス物より環境に負荷をかけていません。
不自然に育った物を体に採り込むと、体は不自然になると思いませんか?
自然な環境を求めて、地方に移住したマクロビアンはいっぱいいます。
職まで変えて。
引っ越しまでできなくても、自然にはできるだけ多く接したいですよね。
私がリマ・クッキングスクールに通っていた時のこと。
田中愛子先生が、御殿場の自然いっぱいの中から、野草を摘んでリュックで持参してくれたことがあります。
それを天ぷらにしていただいたのですが、先生いわく、「野草はパワーがあるから、ちょっとでいいのよ」。
なるほど、少食少飲にぴったりだと思いました。
また、リマ・クッキングスクールで、たまたま私の隣で一緒に食事中だった某先生は、「私ね、野草が採りたくて山を買っちゃったの」と仰っるので、思わず「すご〜い!」と言ってしまったことを思い出します。
旧暦に従って自然体で生活をし、大地のパワーをいただきながら、2006年を実り多い年にしたいと思っています。