日本文化の断絶~「幸せコース」の中間報告~

「幸せコース」は全部で7クラスありますが、そのうちの4クラスの第1回目が昨日までに終了しました。
受講された皆様、お疲れ様でした。
きのうまでに感じたこと。
それはひと言でいうと、「日本文化の断絶」です。
ちょっと大袈裟に聞こえるかも知れませんが、それが正直な気持ちです。
日本人は本来器用な国民です。
ですから、包丁を使うことも、指先を使うことも、いとも簡単にやってのけたはずです。
それがものの見事に、今、崩れ去ろうとしています。
原因は様々あるでしょうが、一つは幼児期に手にする玩具に完成品が多過ぎるのではないかと思います。
それから二つ目は、学校教育があまりにも知識偏重になって、知恵や技術の価値観を疎かにして来たのではないかと思うのです。
さらに三つ目として、お母さんが台所でお料理をする姿を、子供が目にする光景が少な過ぎるということです。
この三つ目の原因が一番大きい問題です。
本来お料理に関する様々なことは、祖母から母へ、母から娘へと伝えられたものであって、ことさら習いに行かなくても、それなりに必要なことは身につけたものです。
しかし、女性の高学歴化・社会進出に伴って、幼い時からお料理について自然に学ぶチャンスを失ってしまったんですね。
幸い私の母は、古い世代の女性なので、私たち姉妹は母の背中やお尻を見ながら、お料理のことを空気のように身につけて育ちました。
お絵描きをしていても、積み木をしていても、お料理の音を聞きながら「今何を作っているな」と察したものです。
何かをこねている時のお尻の動き具合などは、懐かしい母の後ろ姿に繋がります。
また、小豆を煮ている時のフツフツとした音で、明日はおはぎが出来るんだな?と思ったり、あるいはプッツン、プクンと煮詰めていると、「あ?、羊羹が出来るんだな?」と楽しみになったりしたものです。
そんな何気ない日常の一コマが、間接的なお料理教室になっていました。
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ところで、「幸せコース」にいらして下さった方々の包丁さばきを拝見していると、「包丁を怖がる人」が多いです。
これは単純に包丁を手にされる回数が少ないだけですね。
ですから、当然のことながら包丁を研いだ経験がある人も少なく、8割の方が未経験でした。
それでも最後に、中川さんから包丁の研ぎ方を教えてもらって、綺麗に洗った後の皆さんのお顔には、爽やかな安堵の笑みがこぼれていました。
たった4回の経験ですが、どのクラスにも共通しているのは、「切る」ことを意識して、きちんと包丁と向き合った経験がない人ばかりだったことです。
年齢に関係なく、そのチャンスがなかっただけなんですね。
だからこそ、お料理教室にいらしてくださったわけですが。。。
それはそれでいいのですが、そのようにしてしまった親世代の家庭料理のあり方、学校教育のあり方、こちらの方が問題だと思います。
いわゆる「日本料理(日本文化)の断絶」が起きているからです。
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一昨年、おせち料理をみんなで作るイベントがありました。
参加者は40名くらいいたのですが、昆布巻きを始めたところ問題が発生しました。
かんぴょうで昆布を結べない人が続出したのです。
本来の日本人ならなんてことのない行為「結ぶ」。
着物を着なくなったせい?
風呂敷を持たなくなったせい?
大急ぎで結び方特訓をしました。
なぜなら、昆布巻きの結び目は「縦結び」になっていると、煮ている途中でほどけてしまうので、必ず正しく結ぶ必要があるからです。
次から次へと結び直しをして数えたところ、正しく結べていたのは全体の3分の1でした。
参加者の多くはお料理教室に通った経験があるというのに・・・。
「結ぶ」というのは、生活のあらゆる場面で登場する基本になる行為です。
マクロビオティックでいうところの陰陽からみても、とても意味のあることなのです。
しかし、この「むすぶ」行為がきちんと出来ないということは、そこから派生するあらゆる行為が上手くいかないことが予想されます。
身近なところでは、エプロンのひもを結ぶ。
女性ならヘアースタイルの一部にリボンを結ぶ。
街の中でも「あれっ?」という人を見かけます。
「むそう塾」にご縁のあった方々は、ぜひ「むすぶ」ということを意識なさってみてください。
そして、「幸せコース」にいらした方は、絶対に「美しい切り口」と「美しい結び目」を作れる人になりましょうね。
なぜなら、その結び目は、あなたと誰かを結ぶ絆になるからです。
ほどけやすい結び方をし続けて、誰かとの絆が切れてしまわないように。
優しい、丁寧な想いを込めて、ふんわりと、しかし要所はキリッと結んだ固い絆は、一生のあなたの財産になるはずです。
一方、自然と切れて行く人間関係は、整理にもなり、新しい始まりのスタートでもあります。
ことさら意識しなくても、何だか風通しのいい人間関係もまた、かけがえのない財産です。
お料理における「切る」・「結ぶ」は、人生の「切る」・「結ぶ」に繋がります。
だからこそ、お料理における一つひとつの行為を、きちんと自分のものにして、次の世代に渡してあげたいですね。
断絶されかかった日本文化を、今のうちに正しくお伝えすることはとても大切なことです。
その一つの場所として、「むそう塾」が何かしらお手伝いが出来たら嬉しいです。


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赤杉 卵中(らんちゅう)箸のお話

「なかがわ」さんでは、昨日から「赤杉の卵中箸」を使い始めました。
でも、お客様は誰も気づかれないのだとか。
う?ん、お茶をされる方ならお分かりですよね?
今回のリニューアルに際しては、食器だけでなく、お箸も新しいタイプにしました。
エコのことを考えて採用したお箸は、この「赤杉 卵中箸」です。
しかし、このお箸は高いです。
白杉の卵中箸の何倍もします。
一般の割り箸に比べると、う?んと高いです。
それでも「なかがわ」さんの「福ZEN」のお味には、このくらいのお箸が似合うと私が判断しました。
中川さんはかつて京料理のお店を経営されていた時に、このお箸を使われていたのだとか。
それもそのはず。
このお箸を出すようなお店は、ン万円の料亭料理を出すようなところです。
「福ZEN」を召し上がった方は、そのままそのお箸をお持ち帰りになれます。
ご自宅にも「なかがわ」さんの「福」をお持ち帰りください。
何回も洗って使えます。
昨日私もそのお箸で夕食をいただきました。
赤杉の香りがほのかに漂って、心を落ち着かせてくれます。
幸せ感を感じます。
お料理をいただく前に、まずは香りをいただく。
何と日本人らしい感性でしょう。
先人の精神性の高さと美意識に酔いしれます。
きょうの「幸せコース」でも、このお箸でお食事をしていただきます。
お料理を作ることにばかり目を向けるのではなく、どうぞ、こんなゆとりも味わってください。
「幸せコース」では、こんな蘊蓄(うんちく)も中川さんから教えてもらえます。
下記の文章をお読みくださいませ。
<卵中箸>
安土桃山時代、わび茶を完成した千利休(1522?1591)は茶懐石に使う箸として、中央をやや太くし、両端を細く削って面をとった「卵中箸」をつくりました。
利休は、茶会のある日は、大和吉野から取り寄せた赤杉で、朝早くからお客の人数分の箸を自ら小刀で削り出し、お客に供したと伝えられています。
プーンと香る削りたての赤杉の箸は、主人の真心の表現であり、料理はもちろんのこと、お客が真っ先に使う箸は、大切なごちそうでありました。


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異なる愉しみ

この記事は新幹線の中から、Mac Book Air で書いています。
自宅ではWindows で記事をアップしていますので、最初Macを触った時には、キーボードの配列の違いやちょっとした操作の違いに、チト疲れていました。
ある時、Windows からアップした記事をMacから修正しようとしたところ、編集画面がHTML形式にならず、困ってしまいました。
それで、中川さんにお願いして、Mac Book Air でもWindowsを使えるようにしてもらいました。
このことは技術的に結構大変なことなんです。
その程度のことはパソコン音痴の私にも容易に理解できました。
さてさて、晴れてAirでもWindowsが使えるようになりました!
大喜びでWindowsの操作を始めた途端、なんか違うのです。
あの?、その?、楽しくないのです。
Macの時にあったパソコンとの一体感が、Windowsには感じられないのです。
男女間に例えていうなら、セックスの時に呼吸が合わないような。。。。
それで、またまた中川さんにお願いして、MacとWinを両方使えるようにしてもらいました。
さて、どうかな?
あ?、これこれ。
この感覚が落ち着くんだよね。
どうやら私はすっかりMacのファンになったようです。
         *   *   *   *
ところで、携帯電話はauがメインでiPhoneをむそう塾の連絡用に、docomoを息子用に使っています。
つまり、3台の携帯電話を持ち歩いているわけです。
どれか1台にした方が通信費も安いし、操作も楽なのですが、なんかちょっと寂しくもあるのです。
それはね、「異なる楽しさ」なんです。
auにはauの、docomoにはdocomoの、iPhoneにはiPhoneの個性があって、そのちょっとした違いが楽しいのです。
現実問題としては、改行キーが違ったり、記号キーが違ったりして、オットットということが多いのですが、それもまた楽しという感じです。
そういえば、私は引っ越しが大好きです。
引っ越しの最大の魅力は、住まいだけでなく、環境が大幅に変わることです。
このことが新たな刺激となって、私の好奇心に火がつくというわけです。
ですから、今こうして毎週京都に通うことも、私にとってはプチ引っ越しなんだと思います。
よく「美風ゼミ」であちこちにお邪魔したことも、プチプチ引っ越しだったのでしょう。
楽しかったです!
東京でエスカレーターに乗る時には、左側に並びますが、大阪では反対になります。
京都では左側もあれば右側もあり。
ということは、大阪方面からも関東方面からも来ている人が多いということですね。
そんなわけで、関西に到着したら、頭のスィッチをピッと切り替えます。
この瞬間が好きなんですね?。
なんかキリッとして、氣が引き締まるのです。
この快感が、MacとWin、auとdocomo、iPhoneにもあるのです。
しばらくは電磁波と付き合いながら、快感を楽しみたいと思います。
いや、愉しむといった方がピッタリかもね。
あ、もう京都です。
じゃ、ピッ!


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我が家の男たち

今、新幹線の中です。
京都に向かっています。
朝早く起きて家事をこなして、やっと飛び乗ったらこの時間。
遅くまで寝ていた息子のために、せめてお昼ご飯だけでも一緒に食べてあげようと思っていたら、起きて来るなり「ご飯はいらない」とのこと。
え? せっかく作ったのに・・・。
友達と外で一緒に食べるんだとか・・・。
そんな話、昨日は聞いていないよ?。
なんでも、親友が彼女と別れたばかりだから、一緒にお昼ご飯を食べてやるんだとか。
う?ん。
それって、ちょっと女々しくないか?
女同士なら分かるけど・・・。
ま、母の手料理より友達と食べる??料理を選んだというわけで、母としてはフクザツ。
20歳になったんだから、こんなものよね?。
それにしても、主婦というのはある意味で空しいものよ。
出掛けた先の夫や子供が「今夜の夕ご飯はいらない」と急に電話して来たり、食事はいらないと言っていた家人が急に食べると言ったり。。。
それでも、いつも家族のことを思って懲りずに食事を用意する主婦。
忍耐強いよね?。
         *   *   *   *
毎回京都に向かう前は大変。
お料理を作り置きして、冷蔵庫に入れたお料理を紙に書いて、テーブルの上に置く。
これをしないで出掛けた時には、冷蔵庫にどっとおかずが残っていた。
理由は「何が入っているか分からなかったから」。。。
オイオイ。
そんなの開ければ見えるだろう。
「探すの面倒くさい」。
(タラ?・・汗・・汗)
男ってこんなもんかね?。
そういえば、こんなこともあった。
あまりにも時間がなかったので、ご飯は炊いてあるから、ちょっとおかずをデパ地下(徒歩3分)から買って来て食べてくれたら、とマクロビアンらしからぬことを言ったら、「買いに行くのが面倒くさい」と言う。
う?ん。
男って、買い物に行くのは楽しみでなくて、面倒くさい生き物なんだ?。
いえね、ウチの二人だけを引き合いに出して、男性一般をひとくくりにするのは不正確きわまりないのですが、同じような方もいらっしゃるかなーと思って、家族の恥を書きました。
でもね、夫と子供の名誉のために言っておきますが、こんなに留守がちにする私に、実によく耐えてくれる男たちです。
ありがとう!
その気持ちを無駄しないからね。
行って来ます!


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「中川式玄米ご飯の威力(3)」~薬のような玄米ご飯~

「中川式玄米ご飯の威力(2)」~噛む~より続く
先日「むそう塾 幸せコース」の第1回目の講座がありました。
その時に面白い光景がありました。
切り方はとてもゆっくりなのですが、包丁の使い方をとても上手に受け取ってくれた塾生さんがいました。
中川さん曰く「手首が柔らかい」のだそうです。
反対に包丁は早く動かせるのですが、波動の荒い人がいました。
切るというより押さえ切るような感じです。
この違いは今後のお料理にも影響するそうです。
「切る」行為一つとっても、その人の人となりが現われて来るんですね?。
実に興味深いことです。
さて、その手首が柔らかい人は、ずっと土鍋炊きの玄米ご飯や分づき米を召し上がっていたのですが、体調が悪くて「美風ゼミ」の時に相談を受けた人です。
見るからに陰性が勝っていて、絶対に圧力をかけた玄米ご飯を召し上がってほしいタイプでした。
本人も私のアドバイスを受け入れて、圧力鍋で中川式の玄米ご飯を炊くようになってくれました。
さらに、遠方から頑張って「幸せコース」にも通ってくれることになりました。
ずっと陰性だと思っていた彼女に、行動力が出てきたので、密かに私は変化を感じていました。
その彼女は最近、「ああすれば良かった」とか「こうすれば良かった」ということが減ってきたそうです。
やっぱりね~。
これは後悔することが減ったということですね。
つまり、彼女は陰性が減ってきて、徐々に良い陽性が増えつつある段階なんです。
「中川式玄米ご飯」でパスポートを取得されるまで、彼女は苦労されました。
来る日も来る日も玄米ご飯を炊いて玄米投稿を続けた結果、彼女は徐々に陽の力が働く体質に変化してきたんですね。
その結果、決断力と行動力が出て来ました。
これからは体調も上向いてくることでしょう。
彼女は胃腸が弱いタイプで、とても痩せていましたが、きっとこれからは体重も増えてくるに違いありません。
「中川式玄米ご飯」の消化吸収力が、彼女に変化をもたらしてくれました。
これからの彼女の変化が楽しみです。
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もうひとつ、他の塾生さんのお話。
この方も土鍋で玄米ご飯を炊いておられましたが、「中川式玄米ご飯の炊き方」でご飯を炊いているうちに、ご主人の鬱(うつ)が良くなって来たというのです。
涙ながらに語ってくださった彼女の言葉が、私の心に大きく響きました。
この方の場合も、ご主人様に「消化吸収の出来る質のいい陽の力」が入ってくれたお蔭ですね。
本当に嬉しいです。
「中川式玄米ご飯の炊き方」は、質のいい陰性と質のいい陽性の両方を併せ持っています。
だからこそ、色々なタイプの人が美味しいと感じるのです。
この方法で炊いた玄米ご飯は、すでに薬と同等の効果を持っていると言っても過言ではないと思います。
ひとことで玄米ご飯と言いますが、本当に滋養効果のある玄米ご飯となると、果たしてどれだけの割合が残るでしょうか?
圧倒的に「玄米ご飯もどき」が多いはずです。
中でもとても悲しいのは、玄米ご飯をメニューに載せているお店の玄米ご飯が、恐ろしく不味い物が多いことです。
これは、その経営者が本当に美味しい玄米ご飯を知らないということです。

白いご飯と比べたら、玄米ご飯の方が美味しいから玄米ご飯を食べる。
これが中川式の玄米ご飯です。
どうぞ、あなたも中川式玄米ご飯を召し上がって、その美味しさを体感してください。
そして炊けるようになってください。
*    *    *    *
<中川式玄米ご飯が食べられるところ>
「なかがわ」:京都市左京区孫橋町18
・営業日:毎週木・金・土の12:00~15:00
・お食事:「福ZEN」(2,000円)
・ブログ:京都Macrobiotic Style なかがわ (旧 善右衛門的。弐)

◆<中川式玄米ご飯の炊き方を教えてくれるところ>
「むそう塾」(上記の「なかがわ」に併設)
・「むそう塾」の開講日
コース制(幸せコース):満席にて申込終了
単発愛クラス):下記のとおり
<2009年>
5月18日(月)(満席)
6月22日(月)(受付中) お申込みはこちらのフォームから(携帯対応) 
7月20日(月)
8月24日(月)
9月21日(月)
10月19日(月)
11月16日(月)
12月21日(月)
<2010年>
1月25日(月)
2月22日(月)
3月22日(月)
4月19日(月)
<「中川式玄米ご飯」についてのお問い合わせ>
マクロ美風の下記アドレスまで (コピーしてお使いください)
form★bifu.co.jp (★を@に置き換えて送信してください)
<続く>


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