先日「なかがわ」さんで「臨時陰陽ひとり立ち講座」(ま、お食事会ですが)をしました。
その時、予めお料理を持参してもらう約束をしていました。
Aさんはきんぴら牛蒡、ひじきの煮物、切干大根の煮物、糠漬けを持参しました。
「う、薄い」
これが味見をした時の最初の感想です。
「薄い」というのはお醤油が少なすぎる薄さです。
切干大根は甘すぎます。
大根の甘さ以外の甘みが感じられます。
きんぴら牛蒡に至っては論外です。
きり方も。
もう泣けます。
こんなのを食べていたら、いくら食べても体調が良くなるはずがない。
なんでこんなことを教わったのか。
そして、なんでこんなことを教える人がいるのか。
憤りすら感じます。
教わったとおりにしようとして、どんどん体調が悪くなっていくのに、まだマクロビオティックとはこういうものだと信じている。
そのことが情けないやら、恐ろしいやら。
脱力とともに、マクロビオティック指導校やマクロビオティック教室の主宰者に対して、現状認識をしっかりしてもらいたいと、心底思いました。
知識の受け売りがどんなに危険なことか。
教える側が分かっていない。
フォローせずに教えることの罪の重さを、彼ら彼女らは分かっていない。
分かっていないからこそ、涼しい顔で教えることが出来る。
だから、スイーツ講座も開催できる。
やめてくれ、そんなこと。
私ははらわたが煮えくり返る思いで、目の前の哀れな病人(本人は病人だと思っていない)を見つめます。
* * * *
あまりに酷いお味噌汁(味噌汁とは呼べない代物)を飲んでいるようなので、本物のお味噌汁がどういうものかを知ってもらうために、中川さんにお願いして彼女に合うお味噌汁を作っていただきました。
彼女のご主人も一緒に来てくださったので、ご主人にも飲んでいただいて感想をお聞きしました。
それから延々夜まで「臨時陰陽ひとり立ち講座」は続きました。
そして出した結論。
彼女には外食でもいいから、何でも食べてもらうことでした。
とにかく今の彼女は栄養失調なのです。
マクロビオティックだの何だのなんていってる暇はありません。
玄米クリームを作る体力さえありません。
だから今は、マクロビオティックを始める前の体調に戻れることが最優先です。
そのためには、「彼女の場合は」これが荒療治なのです。
彼女の食事内容を中川さんが評して名言を口にされました。
「これは緩やかな自殺行為ですね」と。
そうなんです。
このままだと死に繋がる危険性をはらんでいるのです。
これに似た人は結構います。
だからこそ、「陰陽ひとり立ち講座」を始めようと思ったのです。
* * * *
この時彼女が持参した糠漬けを中川さんに試食してもらいました。
そのときの中川さんが凄いのです。
たった5円玉大の人参を一切れ食べただけなのに、この糠床が今年の夏どのような状態で、どんな経緯を経ているのかを言い当てるのです。
ピッタリそのとおりだったそうで、もう私は唸ってしまいました。
それほど中川さんの味覚や五感は鋭いということですね。
以前からそれは感じていたし、そうだからこそ一緒に「むそう塾」をしたいと思ったのですが、目の前でその実力をまのあたりにすると、震えるような感動を味わいました。
淡々と的確にお料理を分析される中川さんを前に、改めて頭がさがりました。
中川さん、素晴らしいご指導をいただいて、本当にありがとうございました。
感謝申し上げます。