病気を治すな病人を治せ

健啖家ってマクロビオティック的に分類すると陽性な人が多いです。
エネルギーがあって何でもテキパキとこなして食べるのも速いので、傍で見ていると生命力に溢れます。
たくましさを感じますね。
これと似て非なるのが単なる食いしん坊。
こういう人は食べることに頭の大部分が占められているため、難しいことを考えるのが苦手な人もいます。
でも性格はサッパリしていて友だちとしては楽しかったりします。

しかし、そんなことを長い間続けていると、よほどの人でない限り体の方が悲鳴をあげて来ます。
色々なことを「食べる行為」で解消する癖がついていると、空腹ではないのに食べ物を口にすることになって、不健康なループから抜け出られなくなってしまいます。
そんな人が病気になって、たまたまマクロビオティックを知って食事療法で病気が改善しても、良くなるとまたもとの食べ癖に戻ってしまうのです。
そうしてまた同じ病気になるわけです。
それが先の記事の「最後は好きな食べ物で死ぬんだよね」という表現につながります。

また桜沢如一先生はそのことを見越して、「病気を治すな病人を治せ」とおっしゃっています。
つまり病気になる前の段階に手を打ちなさいということですね。
私たち人間は食べ過ぎて良いことは何もないと言い切って良いと思います。
動物でさえ体調が悪い時には食べることを控えます。
大脳のある人間ならなおのこと食べ過ぎは戒めなければなりません。

なぜなら、食べ過ぎると感謝の気持ちが薄らぐからです。
食べられることが当然となってしまうからです。
でも人間は少し足りないくらいがちょうど良いのです。
お金も食べ物も満たされ過ぎない方が感謝の気持ちを失うことなく生きられます。
このことを忘れかけて不満ばかりを口にする人間にはなりたくありません。

断食を経験するとお分かりだと思うのですが、食事を断つことによってどんどん体がクリアになり、精神面が敏感になってくるのが判ります。
そしてどんどん自由になって、食べない心地よさ(断食ハイ)を感じるようになってきます。
それを知ってから断食の回復食をいただくと、一口のスープでも泣けるほど美味しいのです。
食べ物を生産してくれるありがたさのみならず、食べ物を口にできる環境とその美味しさに鳥肌が立つほどです。

その断食後の一口が私は究極の美味しさだと思っています。
それは体にピッタリと合って、乾いたスポンジが水を吸収するのと同じです。
そんな状態なら、食事の量は少なくても満足なのです。
お食事に対する感覚はついつい麻痺してしまいます。
ですから、せめて休日には1食を抜くとか、毎週末は一日断食するとか、そんなふうにして定期的に心身をリセットしてあげると良いです。

ちなみに私はマクロビオティックを知ってから一日2食です。
その頃は最高に陽性度が強くて、睡眠時間も少なくて、バリバリこなしていました。
でも今は京都で毎週お料理教室があるため、ちょっと食べる量が増えました。
そうすると体は正直なもので、体重が増えて来るではありませんか。
いけない、いけない。
特に陰性に気をつけなくては

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コメント

  1. Om(67-1) より:

    美風さん、こんにちは。

    今日も、三記事を読ませていただき、ありがとうございます。
    私の場合は、量をもっと意識しないと駄目だなと思いました。
    料理を作るときに、一人用にしてはどうしても多い量を作る為に、食べる量も多くなるというスパイラルに陥りがちです。(一口も多いですし 汗)
    そんなにお腹がすいていなくても、お昼が来たから食べよう、食べなければと今まで何の疑問も感じずに食べてきました。
    これからは、食べるという事をもっと意識しながら毎日を過ごさなければと反省です。

    • マクロ美風 より:

      Omさん、こんにちは。

      主婦は家族に対しては、「お腹いっぱいにさせないと」という思いになりがちで量を多めに作ってしまいますよね。
      で、結局残ったものをお母さんが翌日も食べたりして(笑)
      でも大事なことは、一人ひとりの健康であって、いつも食べ過ぎ状態にすることではないんですよね。

      我が家では原則として自己申告制にしております。
      その時にもよりますが、食べたい時間・種類・量を自己申告してもらい、各人に合わせて作っています。
      ですから私は何度も台所に立つはめに・・・。
      でも、その方が体も気も楽なようです。
      もちろん、家族揃ってお食事を楽しむことも大事にしたいので、私は食べなくても座ってお茶でつき合うなんてこともします。

      >そんなにお腹がすいていなくても、お昼が来たから食べよう、食べなければと今まで何の疑問も感じずに食べてきました。

      ほとんどの人がこのパターンだと思いますよ。
      私はたまたま20代で「お腹がすいたら食べる」という考え方を知ったので、もう40年以上も変則的な食べ方をしていますが、これで快調です。
      息子もそんなふうに育てましたので、結構自由な食事タイムを楽しんでいます。

      食事をコントロールすると体調に面白い変化が出てきますよ。
      それらを楽しみながら、お嬢さんとあれこれお話をされるのもいいですね。
      生きることがグッと愉しくなります。

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