何のためにマクロビオティックをするのか?

マクロビオティク相談がありました。
まだマクロビオティクを知ったばかりだそうです。
すでにマクロビオティックを長くされていらっしゃる方でも、案外玄米ご飯を食べているだけになっていることがあります。もう一度「何のためにマクロビオティックをするのか?」の原点を確認して欲しいと思い、記事にさせていただきます。
 

<Sさんからのメール>
こんにちは。はじめまして。
3児の母で、Sと申します。
私は、つい先日(2週間ほど前)にネットでマクロビオテイックを知り、とても興味・関心が湧き、始めてみたくなり、図書館から本を借り、ネットで山村慎一郎氏の「美人のレシピ」を購入し・・・今週から玄米菜食・穀物菜食と言ったところでしょうか。を実践しているところです。
小さな離島ゆえ情報も少なくネットが頼りな部分も大きいのも現実で・・。
始めて間もないのですが、不安や気になるところも幾つかあります。
私は、今までに色々なダイエットをやり、その度に得た知識や情報が、根底にあるからかもしれません。
例えば、マクロビをしていく中で、摂取カロリーが低くなり低燃費な体で、かえって太りやすくならないのかな?とか・・(すいません)体力・筋力が落ちないかな?鉄分・カルシウムは大丈夫かな?・・です。
けれども、私が読んだ本には、玄米だけで十分栄養が取れる。とありましたので、それを信じ不安を払い実践しているところです。
私はもっと詳しくはじめるにあたっても、そして実践していくにももっと、詳しく学びたいと思っています。
こちらのブログを拝見し、藁をもすがる思いと言うと大げさかも知れないですが、出会えた御縁、心から感謝しています。
すいません。長文になりましたこと深くお詫び申しあげます。けどよろしかったら基本的なことだけでも構いません。教えて頂けないでしょうか?
このような場を設けてくださっていること心から感謝します。ありがとうございます。
<マクロ美風より>
Sさん、初めまして。
マクロビオティックに出会われて2週間とのことなので、基本中の基本をお答えしますね。
まず、マクロビオティックの第一は考え方であり、食べ物だけのことを指しているとは思わないでください。
マクロビオティックは哲学の観点で生き方や暮らし方の具体例をあげています。
単なる菜食主義とは異なるところですね。
ですからSさんが「何のために」マクロビオティックをしたいのかが最も大切な部分です。
そして、マクロビオティック料理と言われるお料理を食べて、どのようになりたいのでしょうか? 
大切なことは、Sさんが真の健康体であって、ご家族も健康であったとして、そのうえでどんな人生を送りたいのかを明確にすることです。
もし今、健康に不都合なことがあるならば、それをマクロビオティック料理で健康体に導いて、その後にどんなことをしたいのか?
そのようなビジョンをきちんと持つことです。
このビジョンがないまま、何となく体に良さそうだからといってマクロビオティックを始めると、ご家族が被害者になることが多いです。
一番の被害者はお子様ですね。
あなたが危惧しておられることは、あなたが正しくマクロビオティックをご理解されて、正しく実践された場合には皆無になります。
しかし、その「正しく」が難しいのです。
多くの人は失敗されることがあって、その失敗度が被害者うんぬんにつながります。
ですからまずはマクロビオティックの理論をしっかりご理解されることをお勧めします。
その上でお料理を作りましょう。
お料理を作るときの最大のポイントは、玄米ご飯を完全に消化吸収出来る状態に炊きあげることです。
これがいい加減ですと、お子様たちの胃腸が傷つけられます。 
そしてお子さんたちは玄米ご飯を食べたくないと言うようになります。 
さらに動物性抜きの食卓はご主人から不満が出る可能性もあります。
玄米ご飯をしっかり吸収出来なかったとしても、あなた自身は痩せることでしょう。
それは玄米の持つ排出力の作用ですね。
しかし玄米は諸刃の剣なので、痩せることで喜んでばかりもいられません。
どうかご家族全体のことを考えて、あなた自身の満足のためにご家族を道連れになさらないでくださいね。
下記に簡単な注意点をあげておきます。
・毎日のお通じに玄米のつぶつぶが見られたら、それは完全に消化吸収出来ているとは言えません。
いずれ玄米のマイナス面が現れて来ますので、つぶつぶがなくなるような炊き方に改善してください。
・必ずご家族が喜べる食卓にしてください。
・動物性を完全に排除しなければならないとか、甘い物は絶対駄目とか、頑なにならないで「楽しい・美味しい」を優先してください。
・主食と副食の比率を守ってください。
・マクロビオティックとは物事の陰陽のバランスを取るということであり、そのバランスが取れた状態が最も望ましいということを肝に銘じてください。
その意味でも食べ物だけに執着するのは陰陽のバランスが取れていないことを知ってください。
本当はもっと詳しく解説できると良いのですが、あなたやご家族の体質や体調を把握できていませんので、この程度にしておきます。
もしどうしても玄米ご飯がうまく炊けない場合は、一度京都までおいでください。
仮に泊りがけで来られたとしても、絶対損をすることはありません。
一生の財産を手に出来ます。
むそう塾では講座の時に下のようなお食事を召し上がっていただきます。
陰陽のバランスが取れた美味しいマクロビオティック料理です。

なお、マクロビオティックを理解するために下記の本をお奨めします。
マイナーな本ですが、マクロビオティックを正しく伝えている本です。
薄い本なので子育ての忙しい時でも読めます。
「陰陽ことはじめ」兎龍都(うだつ みやこ)著 
「みっつめの目」兎龍都(うだつ みやこ)著 
あなたとご家族さまが、笑顔でマクロビオティックを楽しめますように。
このご縁が良い方向につながりますように。
 
 

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コメント

  1. 中川善博 より:

    素晴らしいお導きをありがとうございます。
    全てを言い表した名記事ですね。
    多くの方に永久保存版(他もですが)としてほしいです。

  2. てんこ より:

    美風さん、おはようございます。

    分かりやすい記事を、ありがとうございます。
    陰陽理論。。。使いこなせるまではまだまだですが常に意識するよう心がけています。
    渦中で判断するには難しく、振りかえって、こうかな?と思うことばかりですが。

    シンプルにバランスを意識すれば良いのでした。
    今日も陰陽で成り立った世界で、頑張ります!

  3. マクロ美風 より:

    中川さん、こんばんは。

    コメントをありがとうございます。
    何だか照れちゃいます(ノ´∀`*)

  4. マクロ美風 より:

    てんこさん、こんばんは。

    >今日も陰陽で成り立った世界で、頑張ります!

    さすが聡明なてんこさん!
    事の本質を見抜いていらっしゃいますね~。
    そうなんです。
    ことさら「マクロビオティックをする」と意識するのではなく、何だか心地良いなと思って陰陽バランスを確認してみると、絶妙なバランスだったという感じが理想ですね。
    伝統として残っているものにはそのようなものが多いです。
    やはりバランスの取れたものは淘汰に耐えるのだと実感します。
    人間も淘汰に耐えうる精神のバランスを保ちたいものですね。

  5. Sです より:

    マクロ美風様。
    この度は、早々に質問に対し、とても温かく真心こめられた答えをしてくださって、心から感謝であふれ言葉にならないぐらいです。
    ありがとうございます。
    読みながら、胸があつくなる思いと・・なんだか心が軽くなりました。
    もしかしたら、心のどこかで無理をしているのでは?家族のことを思うと、まだ未熟な私で実践していくのは・・マクロ美風様がおっしゃるとおりだとひしひしと感じます。確かにスポーツ(陸上)をしている主人に対して肉・魚が無い生活は、彼自身物足りないでしょうし・・・家族はやはり巻添えにはしたくないです。ホントに親切丁寧に教えて頂けて私は、とてもツイてる幸せ者だとかんじています。ありがとうございます。教えてくださった本などを読み学びながら自分に自信というかちゃんとした知識も理解もしたうえで実践してみようかと考え直したところです。
    このような機会をあたえて下さって心から感謝しています。ホントにありがとうございます。また機会を必ず作り京都へ行こうと楽しみな目標が出来ました。その時は是非色々と教えて頂けますでしょうか。よろしくお願いいたします。

  6. マクロ美風 より:

    Sさん、こんばんは。

    早速のお返事をありがとうございました。
    ああ、良かったです。
    マクロビオティックを正しく理解されて、充実した人生が送れるよう、私も応援をさせていただきます。
    本を読み進めていくうえで理解できないことがあるときは、どうぞまたメールをください。
    一緒に考えてみましょう。
    あなたの幸せのためにマクロビオティックがお役に立ちますように。

  7. るき より:

    美風さん、こんばんは。
    とてもわかりやすい文章をありがとうございます。
    難解な側面を持つものを、平易に語ることは難しいですが、それを軽やかに飛び越えて私の心に入ってきました。

    私もマクロビオティック=料理、から始まりました。
    そして、最初は眉唾ものでした(苦笑)
    そうではないと教えてくださったむそう塾。
    この調和のとれた世界で、思い切り生ききりたい。
    マクロビオティックは、それを応援してくれる。
    けしてガチガチに縛るものではなく、私をもっと自由にしてくれる。

    まだまだ理解不足ですが、今はそんなふうに思います。
    考える機会をくださって、ありがとうございました。

  8. マクロ美風 より:

    るきちゃん、こんばんは。

    マクロビオティックは不自由になるためのものではなく、自由になるためのものです。
    愚かな人間が作った世の中の不自由な考え方から解き放たれて、調和のとれた自然界とともに呼吸を合わせて生きること。
    それを可能にしてくれるのがマクロビオティックの考え方です。
    固定観念に縛られず、自由な世界を存分に楽しめる人生を送りましょう。
    これからですよ、本当の幸せがやって来るのは。

  9. まくろうず より:

    マクロ美風さん

    素敵な記事をありがとうございました。
    最初は今の主人の体と心の調子を良くしたくてはじめました。
    自分自身については、ここで書かれているビジョンは持たないままきました。
    (私の人生そのものが割りとそうだったようにも思います)
    結果、注意点すべてに当てはまる状態になっていました。

    「食べ物だけに執着するのは陰陽のバランスが取れていない」
    この一言で目が覚めました。

    マクロビオテックの本当の意味をこれからちゃんと学んでいきたいです。

    Sさま

    Sさまのメールのお陰で私も救われました。
    本当にありがとうございました。
    心より感謝します。

  10. マクロ美風 より:

    まくろうずさん、おはようございます。

    マクロビオティックのマクロは「大きな視点」の意味に解釈すると良く理解できると思います。
    物事を大きな視点でみると、食べ物だけにとらわれているのはいかにも偏っていることは一目瞭然ですね。
    特定の病気を改善するために食べ物の力を借りることは良いのですが、じゃあその病気が良くなったらどんなふうに生きたいのか?
    そこが大事なところですね。

    お若いうちは特別なビジョンを持たずに快楽的に生きてしまうこともあるでしょう。
    それもまた楽しいのですが、そのような人でもマクロビオティックに出会ったら、自然とビジョンを持ちたくなるものです。
    つまり夢が出てくるんですね。
    そう、マクロビオティックでは夢は夜みるものではなく、昼間みるものとされているからです。

    そんなふうにマクロビオティックの陰陽を意識した食生活を続けているうちに、人生に対して積極的に生きている自分を感じられるようになりますよ。
    つまりはプラス思考で生きられるということですね。
    それが食べ物で心身が変わるということです。
    まくろうずさんがこのような生き方が出来るようになることを、心から願っております。
    一緒に頑張りましょう。

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