マクロビオティックで病気を治そうなんて

先日「マクロビオティックの限界」という記事を書きました。
今マクロビオティックを始めたばかりの人にとっては、ギョっとされたかも知れませんね。
でも、さらにギョッとするお話を続けます。
いえね、脅かそうとするわけではありません。
本当のお話なので、敢えて書いておきたいのです。
よく、次のように仰る方に出会うことがあります。
「きちんとマクロビをするのは大変だから、私はゆるゆるなんです。でも、病気をしたらちゃんとやってマクロビで治します。」

言っておきますが、ひとたび病気になってしまったら、マクロビオティックであろうが、その他の方法であろうが、完璧に元どおりに戻るなんて考えられません。
病気によっては、かなり元に近い状態まで回復することは可能でしょうが、それとて完全に元どおりになっているとは思えません。
何かしら、どこかに病気前とは違ったことが体にも精神的にも残るはずです。
ですから、まず、病気にならないことの方が大切なんです。
かつて「病気にならない生き方」がベストセラーになりました。
今も同じような内容の本が良く売れているようです。
それは医療の現場も医療費も、もうギブアップ状態だからです。
そして、一向に減らない病気の人々。
そろそろ多くの人達が気づき始めたのでしょう。
「何かおかしいぞ」と。
*    *    *    *
ところで、健康な時でもマクロビオティックをなかなか実践出来ない人が、病気になったらきちんと実践できるとは、到底思えません。
なぜなら、病気治しのためのマクロビオティックは、とても制限が多いからです。
少しの間は実践出来ても、油断をするといつの間にか病気になる前のお食事に戻ってしまうものです。
それほど人間の食生活は習慣性があるということですね。
ですから、まずその習慣性を元気なうちから変えておくことが最も大切なことであり、最高の病気予防になると思います。
マクロビオティックが最も力を発揮するのも、この段階のように思います。
恩師大森英櫻先生が次のような言葉を残されています。
「是非、病気治しの玄米菜食でなく、人間回帰で、玄米菜食をやって欲しい。」

病気治しのために生涯を捧げたと言っても過言ではない大森英櫻先生にしてこの言葉です。
いかに病気治しが大変なことか。
そして、マクロビオティックが病気治しのためだけにあるのではないことを語った言葉ですね。
さあ、この記事に出会ってしまったあなたは、ユメユメ「病気になったらマクロビ」なんて思わないでください。
この世で大いに遊ぶためのマクロビオティックを楽しみましょう。

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コメント

  1. hisako より:

    私がマクロビオティックに出会ってよかったな~と思う事は
    病気を直す事ができる事ではなくて、病気を受け入れる事ができたことです。
    「健康の7大条件」でしたっけ?とか
    本当に健康であるってこととは。。。みたいなこととか、宇宙の力とか。。
    そんな事を本で読んで、いままで完全に健康だと思っていた自分の身体がそうじゃなくなったときにこれからどうしようなんて思い悩んでいたけれど、健康ってそう言うもんじゃないんだなあと気づかされました。
    そして、いまの状態の自分を受け入れる事ができました。
    それで、今は出来る範囲でやりたい事を出来ている自分がいます。
    実際自分の身体の不完全さなんてたいした事じゃないんですけど。。
    もちろん、良くなるようにとかこれ以上悪くならにようにと思って食事に気を使ったりするけれども、なんというかもっと精神的な事への影響の方がつよいかな。

    完璧に元どおりの自分に絶対になってやるって思っていた自分のままだったらいまごろどうなってただろう?って思います。

    あ、でもこの先はやっぱり病気にならないように、そして人間回帰のためのマクロビオティックを意識していきたいとおもいま~す。

    人間回帰ってなんだか深いことばですねえ。

  2. マクロ美風 より:

    hisakoさん、こんばんは。

    >私がマクロビオティックに出会ってよかったな~と思う事は
    >病気を直す事ができる事ではなくて、病気を受け入れる事ができたことです。

    素晴らしい!
    受け入れることが出来るって、一番大切なことですよね。

    >そんな事を本で読んで、いままで完全に健康だと思っていた自分の身体がそうじゃなくなったときにこれからどうしようなんて思い悩んでいたけれど、健康ってそう言うもんじゃないんだなあと気づかされました。

    そうですね。
    健康の本当の意味、将来の不安の原因、そんなことを知っただけでも凄いことだと思いませんか?

    >人間回帰ってなんだか深いことばですねえ。

    そうそう。
    「大森さん、貴方に逢えて嬉しい、貴方は本当の人間です。」と桜沢先生に言われただけのことはありますよね。

  3. 鍼美人 より:

    かつて、恩師が言った言葉。
     「病気は、治すものじゃなくて、治るもの」
    臨床を続けていて、この言葉の深さと重さを感じています。

    細胞の一つ一つが『意識』を持つ。
    と、感じている今日この頃です。

    閃いた事を書いてしまいました。
    でも、ちょっとしたヒントになるかも・・・と

    変なコメントで、すみません。

  4. マクロ美風 より:

    鍼美人さん、こんにちは。

    >「病気は、治すものじゃなくて、治るもの」

    そうですね。
    過去にもそのような記事をお書きでしたね。
    私は野口整体でこのことをしっかり学びました。
    人間の体って、病気しないように何重にも守られていますよね。
    だから、このことに気づくだけでも随分違うと思います。

    >細胞の一つ一つが『意識』を持つ。

    60兆個の細胞が目覚めたら、それはそれは眩しいことになると思います。
    そんな意識を大切にしたいですね。

  5. エリコ より:

    はじめまして。

    密かにマクロ美風さんのブログを読んでいる者です。

    過食を直そうとオランダでマクロビオティックをやっていて、(いい)訳あってそこから飛び出しフランスで一度マクロビオティックを放り出した生活をしています。一度遠ざけたマクロビオティックだけど、身体がものすごくマクロビオティックを欲しているなあ!と感じているなかで、久しぶりに美風さんのブログにやってきました。

    過食はいろいろな大切なことに気づくチャンスになったと思います。過食があったから乗り越えられたこともあるし、抱きしめてあげたいくらいです。でも、そこから卒業してもっともっと自由になりたい気がします。もっともっと他の人や自然と繋がっていることを感じたいと思います。
    正直に言って、マクロビオティックをするのが怖い気持ちもあるんです。なんだか複雑。でも、貴女のブログを読むと、ひとりで笑顔になってしまいます。

    この記事とあまり関係なくなってしまいました。
    でも、“人間回帰のために”という言葉を読んで涙がでました。長くフランスに暮らすことになりそうですが、いつかむそう塾にも参加できればいいなと思います。

    では!

  6. マクロ美風 より:

    エリコさん、初めまして。
    コメントをいただきまして、ありがとうございました。
    私のブログを読んで笑顔になってくださったとか。
    本当に嬉しいです。
    それが私のブログが目指している方向なので、私の方こそ、エリコさんによって笑顔にさせていただきました。
    ありがとうございます。

    ところで、過食の問題は過去の記事でも書いていますが、お読みいただけましたか?
    http://blog.goo.ne.jp/macro21/e/ea461a14363b039d4d193f2745e7c619
    http://blog.goo.ne.jp/macro21/e/300a295a91cbad9d2ee6e2881f3e3e30

    海外での生活が長いと、日本で暮らすよりストレスがおありでしょう。
    それが過食の一因にもなっていることが考えられますよね。
    また、もっともっと深い問題があって、そこを解決しなければお食事だけでは解決のつかないことも多いです。

    でも、体にピッタリの良質の玄米ご飯が入って行くと、徐々に精神的にも変化が起きて来ます。
    マクロビオティックはあれダメこれダメの禁止だらけの食事を指すのではありません。
    いかに体に合わせるか。
    いかに人間らしく暮らせるか。
    いかに人生を楽しめるか。
    こちらがマクロビオティックであり、これ以外にマクロビオティックはありません。

    ですから、決して苦しかったり辛かったりするものではありません。
    私のブログタイトルのように、マクロビオティックは楽しいものなんです。
    禁欲的に書かれている本や情報は、本来のマクロビオティックではありません。
    病気や体調を立て直すときに、一時期一定の食べ物を制限すると、驚くほど体調が変化することを利用することがあるだけです。
    誤解されたマクロビオティック情報で翻弄されることなく、海外生活を楽しんでくださいね。

    「人間回帰のために」という言葉は、恩師の全細胞から滲み出た言葉だと想像します。
    そのくらい深いところで人間を見つめ続けられた方でしたから。
    私も「人間」を大切にしたくて、「むそう塾は人間塾」と位置づけています。
    まずは素敵な人間になりましょう。
    そして、その人が食べているものが、気がつけば限りなくマクロビオティックだった。
    それでいいのではないでしょうか?

    私はこよなくマクロビオティックを愛しています。
    だからこそ、マクロビオティックを忘れてみましょうと主張しています。
    エリコさんも結果的にはマクロビオティックから離れてみた時があるのですから、それはかえって良かったと思いますよ。
    冷静に、第三者的にマクロビオティックを外から観察出来て良かったのではないでしょうか?
    そのご経験を活かしましょうね。

    先日の「むそう塾」にも、海外暮らしの方がご参加くださいました。
    しっかりと玄米ご飯の炊き方を中川さんから習ってお帰りになりました。
    エリコさんも是非「むそう塾」にいらしてください。
    決して無駄ではなかったと実感していただけるものを、お持ち帰りいただけると確信しております。

    長くなりましたが、エリコさんのお幸せを遠くからお祈りしております。

  7. エリコ より:

    マクロ美風さん

    ご丁寧な返信ありがとうございます。
    拝読していて感謝の気持ちがあとからあとから出てきます。

    過食の記事、とても参考になりました。
    わたしの過食の問題は15歳の頃からはじまって、すでに13年くらいたちますから年季の入ったものです!
    愛の渇望、それはすごく解ります。
    その問題はフランスで今のパートナーに出会ったことによってとても救われたので、
    それだけでもこの土地へ来てよかったです(笑)
    それから、食に関する問題ですが、からだの要求にこたえてあげていない、というのも深くうなづけるところです。
    頭で考えすぎていたようです。
    頭で考えすぎるのと過食という両極端を行き来して辛くて張り裂けそうでした。
    最近、ほんとうに最近ですが、何かが少し開けた気がします。
    まだ、すごく小さな蕾と言う感じだけど・・・。

    今しばらくはヨーロッパにいるつもりですが、その間も自分でいろいろ玄米の炊き方など試してみようと思います。

    >いかに体に合わせるか。
    >いかに人間らしく暮らせるか。
    >いかに人生を楽しめるか。
    >こちらがマクロビオティックであり、これ以外にマクロビオティックはありません。

    うん、うん、美風さんのブログを読んでいると、すごくその想いが伝わってきます。
    すごく大きく温かなエネルギーを感じます。

    なんだかうまく言葉にならないのですが、
    ありがとうございます!

  8. マクロ美風 より:

    エリコさん、おはようございます。
    あ、時差があるんだった。
    少しでもエリコさんのお気持ちが楽になられたのなら嬉しいです。

    >それから、食に関する問題ですが、からだの要求にこたえてあげていない、というのも深くうなづけるところです。
    >頭で考えすぎていたようです。
    >頭で考えすぎるのと過食という両極端を行き来して辛くて張り裂けそうでした。

    マクロビオティックに出会ってしまうと、皆さんが頭で考えてしまいます。
    あれダメこれダメってね。
    私も一時期そんなことがありました。
    でも、そこから「何かおかしいぞ?」って思い始めるのです。

    排他的になると体も心も変化して来ますから、その変化を知ることが出来て、それはそれで意味のあることです。
    マクロビオティックは実践してこそのものですからね。
    一時期禁欲的な生活をするということは、現代人にとっては通過点であっても経験して損はないと思います。
    ですから、エリコさんは良い経験をされたのだとお考えになって、これからはギアを入れ直しましょう。

    本当の健康体とはね、「何を食べてもビクともしない体」を言うのです。
    食べ物を選んでいるうちは、まだ真の健康体とは言えません。
    「毒は毒と認識していち早く体外に出し、その他は栄養として体に取り入れる」ことが出来てはじめて健康体なのです。
    つまり、体のセンサーがしっかり機能していることが大切なんですね。

    そのセンサーは、ボディだけではなく、心のセンサーもしっかり機能することが重要です。
    その心のセンサーをより高度にしようと思ったら、あまり動物性や陰陽に片寄るものを多く摂らない方がいいですよ、というのがマクロビオティックです。
    決して限定的な食べ物しか摂らないことではありません。
    ここが重要なところですから、このポイントは忘れないでね。

    このポイントを押さえて、頭で考えるのではなく、心で感じてマクロビオティックを続けてみてください。
    よく、「体の声を聞いて」と言いますが、時々都合のよい体の声(笑)もあって、それで体調を崩す人もいるので、最近は心の声を聞いてねと言っています。

    心の声とは簡単で、楽しいか楽しくないか、このどちらかです。
    これなら分かりやすいでしょ?
    こんな簡単なことでもいいから、ぜひご自分と対話しながらマクロビオティックを意識して生活すると、知らず知らずに素敵になって行きますよ。
    ぜひ、お試しを!

  9. エリコ より:

    またまたご丁寧なご返信をありがとうございました。

    何度も何度も読み返させて頂きました。
    ありがたいです。

    美風さんの書かれた文章を過去から遡って拝読させて頂きました。

    約4年分もの文章なのに、どこを読んでいても、まるで、玄米の甘さをお口に含みながら、ひかり溢れる自然の景色を眺めているような心地にさせられました。
    からだはほかほか・・・。

    美風さんという方の優しさや素晴らしさはさることながら、
    日本に在る美しい魂のようなものへ、ブログを通して幾度も思い馳せました。

    マクロビオティックに出会ってよかったです。
    上手く表せませんが、感謝の気持ちをもつことが自然と増えた気がします。
    身近な人や物事だけでなくて、ずっと昔に生きていた私たちの祖先まで・・・。
    長いながいイノチの繋がりが私に勇気と安心をくれます。

    マクロビオティックから一度離れて、
    どんな食べ物にも感謝を以て食べられるようになったけれど、そうすると逆に、
    玄米のちからの大きさが解るようになりました。

    ながくなりましたが、
    美風さんのような方の存在は私のような迷える若者には大変心強いです。
    これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

  10. マクロ美風 より:

    エリコさん、こんばんは。
    お返事が遅くなって、ごめんなさい。

    私の記事を4年分も読んでくださって、本当にありがとうございます。
    エリコさんの書かれていらっしゃるコメントを、改めて何回も読ませて頂きましたよ。
    深~いところまで私の気持ちを受け取ってくださって、とても嬉しいです。

    エリコさんのような方がいらっしゃることを励みに、これからも一文字一文字に心を込めて書いて行きますね。

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