As先輩の体験談

先日、Asさんとお電話でお話をする機会がありました。
Asさんは「むそう塾」の原点をきちんと捉えていてくださって、とても嬉しかったです。
Asさんに教えられることもありました。
実は、Asさんとは何年も前からお会いする機会があったのですが、「むそう塾」に来られてから凄?く変化されました。
一言でいうと、「ホワ?」っとした雰囲気が出てきたことです。
その理由は、やはり心の変化が大きかったのだな?と感じました。
Asさんは1ヵ月でパスポートを取得されたのですが、その過程は今壁にぶつかっていらっしゃる方のご参考になると思い、体験談をお願いしました。
快くお引受けくださって、ありがとうございました。
                *    *    *    *
マクロ美風さんから「体験談を書いてください」というお話をいただきました。
私の体験談が、塾生の皆さん、またむそう塾への参加を検討している人の
ご参考になれば幸いです。


むそう塾の玄米投稿指導を読み続けているうちに、
この玄米ご飯には、自分が知らない世界があるはずだ!
と感じて、11月19日の第7回むそう塾に参加しました。
でも自分の玄米ご飯もそれなりにおいしいし、
夫はマクロビオティックをやってはいませんが協力的で、
ここ1年は夫も「おいしい」と言って食べてくれているし、
それなりにうまくやれていると思い、
何かを変えなければ、という切迫した気持ちはありませんでした。
「もっとおいしいご飯を炊きたい」とは思っていましたが、
それが、自分を変えることとはあまり結びついていませんでした。


参加してみて、テクニカルなことは、遠からずクリアできるだろう、
と思いました。
しかし、反対に、その「こなせる」ところがネックになるのだろう、
という予測もしていました。


むそう塾に参加した翌日11月20日のことです。
夫が、仕事上で大きな転機を迎えました。
帰ってくるなり「驚かないでね」と話し出した夫は、
自身が相当ショックを受けていたようです。
その後、夫は悩みながら今後の道を模索していました。


私は、中川さんに事情を説明し、
夫を支えられるような玄米を炊きたい、と投稿メールにも書き、
玄米投稿を続けました。


想定通り、プロセスのトレースはすぐにできるようになりました。
でも、それなりだけれど、どんぴしゃ、ではない。
この頃は、他の方への「玄米が閉じている」「開いている」
というアドバイスを読んでも、
自分の玄米が閉じているのか、開いているのか、
を全く考えてもいなかったのです。


ある日、間違えておかずも映っている写真を送ったところ、
中川さんから、「ご飯もおかずもすべてが陰性よりなのは、
奥様のお好みでしょうか、ご主人に合わせているのでしょうか。」
とコメントをいただきました。
塩も標準よりも少し控えていたのですが、
「標準より多くてもいいくらいです」とのことでした。


私は低血糖症で、マクロビオティックを始めて一時劇ヤセしました。
スクールで女性は陽性になり過ぎないように、と教わってきたこと、
夫が痛風体質であり、彼の性格にも仕事も陽性であること、などから、
ずっと陰性に振った食事になるようにしてきました。
2年ほど前に劇ヤセを脱し、マクロビオティックの範囲での
甘いものも減ったので、そのことは自分にはあっていたと思います。
今回も、夫には家に帰ったらリラックスしてほしい、
という気持ちがあり、陰性気味のご飯をイメージして、
焦げを作らないようにしたり、塩を少し控えたりしていました。
しかし、「今はご主人には判断力が必要なときです」と言われ、
改めて考え直しました。
確かに何もかもが陰性になりすぎていたかもしれない。
違う方向に舵をとる時期なのかもしれない。


変えようとして玄米ご飯の塩をかなり増やしたら、
「極端ですね」と言われ、正直、カチンときました(^^;
ただ、不思議と、もうやめようとは一度も思いませんでした。
私がプライドが高く、人から注意を受けることは苦手です。
でも、そんなことは言っていられないのです。
夫と私の未来と幸せがかかっているのですから。


12月16日、久しぶりに、実家の母と会いました。
母は玄米が苦手で、外食で食べるとお腹が張ってしまうので、
この日もベジ対応できるパスタのお店で食事をしました。
しかし、「私が炊いた玄米を食べてほしい」と思って、
朝炊いたご飯でおむすびを作り「夕ご飯に食べてね」と言って渡しました。
夜、電話をすると、母が、
「本当に玄米なの?お店のご飯と違っておいしいわ」というのです。
びっくりしましたが、とてもふんわりした幸せな気持ちになりました。
母は数年前にガンの手術をしたのですが、私は母に「マクロビオティック」を
薦めていません。本人にその気がないからです。
でも、私が炊いた玄米ご飯を母がおいしい、と食べてくれて、
料理するって素敵なことだなあ、と思いました。
そして、この日の玄米投稿には、
「予言します。もう数回でAsさんの玄米は見事開くでしょう。」という
コメントをいただきました。
そして、12月17日の玄米投稿がこちらの記事です。


http://zenemon.exblog.jp/7745370/


実をいうと、17日に炊いたご飯を自分で食べたときは、
「劇的に違う!」とは感じませんでした(^^;
「あ、今日は自己ベストかな」とは思ったのですが。
しかし、改めて写真を見比べると、違ったのです。ぜんぜん。


私は意思と理性は強いほうだと思います。問題はいつも心、感情です。
母に優しくしよう、としても心はなかなか動きません。
感謝しようとしたから、感謝がわいてくるというものでもありません。
思えないものは仕方がないよなあ、と開き直ってもいました。
ところが、なぜか「私が炊いたご飯を食べてほしいなあ」と思って、
ご飯を炊いて、おむずびを渡しました。
母に「おいしい」と言われて、
母が毎日作ってくれたご飯を思い出し、両親に愛されて育ったことを感じました。
そこからいろいろなことが動き始めました。


その後、夫の状態に合わせた「男飯」を、という指導をいただきました。
最初から男飯、ではなく、
まずは基本のふっくらしたご飯を炊く段階が必要なのですね。
「そんなに陰性なご飯をご主人に食べさせてはいけません」と言われ、
思い切って「ぱりっとしたご飯」をイメージして炊き、
カラリとキツネ色の焦げができて、もっちりふんわりとしたご飯が炊けました。
陽性ご飯が苦手な私にはおいしくないかも、と思って食べると、
前の日の、陰性のご飯よりもずっとおいしかったのです。
確かに、男女差、個人差というものはありますが、
夫婦で一緒に暮らして、同じ方向を見ているのだから、
「どちらもおいしい」というポイントはあるんだ、と実感しました。


「信じると玄米が開く」なんてアヤシイと思う人がいるかもしれませんが、
バリバリ理論派の私が思うに(元ITコンサルタントです)
炊き上がりを左右するのは、確かに水加減や浸水時間、火加減です。
しかし、それを決めるのは炊いている人の手であり、
その手を動かしているのは心ですね。
信頼して受け入れる心がなければ、
どんなアドバイスも目にも耳にも入らず、手も動かないのです。
逆に、心底「こうだ」と思ったら、行動が変化するのだと思います。
私は2合では最後まで圧力は残せないと思い込んでいましたが、
「デモでは2合で炊いて圧が残っていたはずです」と言われ、
「できるはず」という前提で炊いたら、
あっけなく、最後まで圧が残るようになりました。
また、いつも蓋をした後、取っ手から蒸気が出続けるので、
蓋を閉めなおしていましたが、
「最初からぴたっと閉まるはず」と、やってみたら、
蒸気が出てもすぐに止まり、一気にピンが上がるようになりました。


1月になり、夫にお弁当を作ってほしいと言われて
毎日玄米おむすびのお弁当を作るようになりました。
夫は仕事で多少遅くなっても、ほとんど家で食事をしています。
仕事から帰った夫は、見るからに消耗して疲れていますが、
「君がいてよかった、家に帰るのが楽しい」とよく言ってくれます。
2人で、今までになく、たくさん話をしました。
私も、毎日真剣に玄米に向かい合うことで、
お弁当、夕食を通して夫とつながっている実感があります。
私が作ったご飯を食べてくれる人がいること、
体が動いて料理ができること、食材が手に入ること、
それが本当に幸せです。


久司道夫先生が、雑誌の鼎談で、
愛している人に玄米を食べてもらいなさい、
ラブレターやラブソングよりも、
食事を変えれば、その人の運命が変わるんですよ、
それが本当の愛の伝え方です、
と話していらっしゃるのを読んだことがあります。


人を愛して、愛を手渡せる方法があることは、
人から愛されていること以上に幸せで、
お腹の底からの充足感をもたらしてくれるのですね。


むそう塾に参加した11月19日には、
こんなことが起きるとは思っていませんでした。


投稿をしていると、
いったい、何をクリアしたら合格するんだろうと
不安になったり、焦ったりすることもあるのではないかと思います。
どうか、大切な人のためにおいしい玄米ご飯を炊いて、
一緒においしくいただいて、幸せになるんだ、
という気持ちを大切にしてください。
むそう塾での「人」とのつながりを大切にしてください。
玄米ご飯に向かい合って、
中川さんや塾生のみなさんとやりとりすることは、
本当に、その過程のひとつひとつが宝物になります。


私たち夫婦は、また新しい転機を迎えています。
それに、夫が玄米をあまり噛まないで食べていたり、
朝食にヨーグルトを欠かさなかったりすること、
食事の時にテレビをつけていること、
私のソコツさなど、
変わっていきたいことはまだまだあります。
「噛まなきゃいけない」
「テレビを見てはいけない」ではなく、
「もっとよく噛んで味わいたい」
「テレビなんか見ている場合じゃない」
と思ってもらえるような料理ができるようになりたいですね。
ヨーグルト問題(笑)は、満月・新月、と理由をつけて、
朝食を玄米にする日を増やしつつあります。


「変わる」って楽しいことです。
別にどうしても変えたいことなんてない、と思っていましたが、
私は「変わる」ことを求めていたのでしょう。


いつも立ち戻ることができる場として、
むそう塾にご縁をいただいたことを本当にありがたく思います。
これからも、どうぞよろしくお願いします。

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コメント

  1. ジャスミン より:

     Asさん、素晴らしい体験談をありがとうございました。うん、うんと頷きながら一気に読ませていただきました。
     私も最近義母から、「あら、玄米やわらかい・・美味しいじゃないの。」と言われました。義母に対しては、クールな私だったのですが、意外な言葉に、じんわりと心が温かくなりました。自分の心の変化にびっくりです。
     中川さん、美風さん、塾生の皆さんからたくさんの気づきを頂いて、どんどん幸せになれそうです。
     今後ともよろしくお願いいたします。

  2. 鍼美人 より:

    お久しぶりです。
    心身って本当に凄いと、ワクワクと感激が一緒に伝わってきました。
    身体のために、理論的に色々な事を実践なっている方が、何かの病気を発病すると『とっても脆い』と感じます。
    心と身体一つ。
    この言葉も、体感出来てこそ・・・ですね。

    ***

    Asさん
    一度だけお会いした事がある、あの方・・・。
    と思って読ませて頂きました。
    「わぁ~変化してる」と思いました。
    とっても、優しさが伝わってきました。
    <お会いした時が、恐かったわけじゃありませんよ(笑)>
    また、いつか何処かでお会い出来たら嬉しいです。

    って、人違いだったら、お許し下さい。

    ***

    マクロ美風さん
    Asさん
    ありがとうございました。

  3. Fiona より:

    先輩たちの体験談を聞かせていただいて、マクロビオティック料理の奥深さにまた感動しています。開けても開けても終りがないような。
    今、魔法のメガネを何回か読み直していますが、そこに書いてあった相原さんというかたの最後の章、道楽についての話はAsさんのお話と重なりました。

    ありがとうございます。

  4. Ya7-5 より:

    こんにちは。

    我が家もAsさんと同じ夫婦ふたり暮らしなので、Asさんがご主人のことを想われるお気持ちを見習たいです。その幸せな気持ちが、おいしい玄米ご飯に繋がるのですね。

    マクロ美風さん、先輩方の体験談、ありがとうございました。とても助けられます。ほんとうに、むそう塾生の方々との繋がりを感じています。

    今晩は、わくわくしたご飯が炊けそうです♪

  5. As(7-2) より:

    マクロ美風さん、皆さん、こんばんは。

    >ジャスミンさん
    共感していただける点があったならうれしいです。
    実は、体験談には書かなかったのですが、
    私も義母に対してとてもクールでした。
    今年のお正月、彼の実家で初めて義母が作ったお雑煮を食べたときの
    うれしそうな顔を見て、肩の力が抜けました。
    これからも、どんどん幸せになりましょう。

    >鍼美人さん
    こんばんは。
    はい、確かに一度お目にかかりました。
    その節はありがとうございました。
    あ、恐かったかもしれません。。。ってことはないと思いますが(笑)、
    こういう変化をするとは思っていませんでした。
    再びお目にかかれる機会がありますことを、私も楽しみにしています。

    >身体のために、理論的に色々な事を実践なっている方が、何かの病気を発病すると『とっても脆い』と感じます。
    心に留めておきます。
    ありがとうございました。

    >Fionaさん
    「魔法のメガネ」の付録のところですよね。私も読み返してみます。
    お料理って本当に素敵なんですよね。人生、変わってしまうくらい。

    >Ya(7-5)
    私は夫に愛されているほど、彼を思っているのだろうかと疑問に思っていたときがありました。
    マクロビオティックを始めてからです、「愛している」と確信できるようになったのは。
    毎日、ご飯を炊くときはわくわく♪してます。
    私も中川さんやマクロ美風さんのブログで、塾生の皆さんとつながっていることを感じて
    いつも励まされています。
    これからもどうぞよろしくお願いします。

  6. Mo(8-3) より:

    こんばんは。

    As先輩、すばらしい体験談を、ありがとうございます。

    私も夫婦二人暮らしで、夫がこれから厳しい環境に向かうことや(彼の場合は自分で選択したことなのですが)、
    夫婦のバランス、親子関係、などなど、シンクロする部分が多くて、とても参考になり、励みになりました。

    私はこれから、夫の励みになれるような玄米を炊けるよう模索の日々に
    なりますが、Asさんのように、二人にとっての「ドンピシャ」なご飯が炊けるように
    なれるといいなあ。

    まだまだ、分つき米の方が体に合う!という彼ですが(白米では物足りない、との事なので、
    それだけでも随分いいのかな、とは思います)、
    なかがわ式の玄米も「おいしい」といって食べてくれるので(毎日続くとまだまだきついみたいですが・・・私の
    炊き方がまだまだなのかも・・・)、長いスパンでいいので、毎日食べても平気な
    ようにシフトできれば・・・と思います。

    本当にありがとうございます。
    そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします!

  7. Me (1-2) より:

    Asさん,美風さん,こんばんは。
    体験談の中の,ご主人のお弁当を・・という部分,わが家とそっくりで,驚きつつも嬉しく読ませて頂きました。
    Asさんと同じような幸せな気持ち,私も感じています。
    家族が無事に帰って来ること,今日も料理ができること,料理をする機会を与えられたこと・・・自分は何て恵まれているのだろうと思います。
    そして,平凡に思える日々にもいつか終わりが来るからこそ,一緒に過ごせる時間を大切に紡いでゆきたいと思っています。

    お母様とのお話にも心温まりました。
    何かが変化するきっかけって,ほんの一言だったり,思いもよらない出来事とつながっていたりするものかもしれませんね。
    素敵な体験談をありがとうございました。
    ご一緒に玄米が炊ける事を,嬉しく思います。

  8. As(7-2) より:

    マクロ美風さん、皆さん、おはようございます。

    >Mo(8-3)さん
    夫は以前、明太子や塩辛が好きだったので、
    時々夫は分搗き、私は玄米、と分けていました。
    それが、骨折後の抜釘手術と痛風の発作が重なってしまい、明太子をやめ(魚卵は痛風にはよくないので)、それからはずっと玄米です。
    マクロビオティックをやってはいませんが、
    最近はお肉はあまり食べなくなり、嗜好も変わってきました。
    何がきっかけで、どう変わるか、分からないですよ~

    大切な人のために模索、努力できるって、幸せですよね。これからもどうぞよろしくお願いします。

    >Me(1-2)さん
    ご飯を作れるって、本当に幸せなことなんですよね。
    マクロビオティックを知る前、
    休日に夫と出かけて疲れると(疲れやすかったのです)、
    なんで今から台所に立たなきゃいけないの?!
    とイライラしたりしてました。
    今から思うと、もったいないことです(^^;
    変えようと思って変わることではないことが、
    思いがけないところからつながって変化するのですから、不思議です。
    こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

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