食べたもののようになる」カテゴリーアーカイブ

お料理を作ることによって生み出された氣とエネルギー 塾生さんの体験から

サイトの「塾生のきょうの100点お弁当」のコーナーで、むそう塾生の“きよ”さんが素敵なコメントを寄せてくれました。
コメントの記事はこちら

美風さん

とりあげ頂き、ありがとうございます。
コロナ騒動によって、
自分はどう考えてどう行動するのか
これから何を志して生きるのか
そんな風に人生を再度考える機会を
否応なく与えられました。

漠然と思っていた事、
何となく考えつつ先延ばしにしてきた事
そういった事にGOサインを出し
行動に移す時が来ていると思います。

コロナ騒ぎが起きてから、ますます
情報が溢れ、一見本物らしくみえる
沢山の情報の中から本物を選ぶのは
至難の技と感じます。

頭で考えるのではなく
自分の感覚を頼りに判断する方が
自分にとって正しくあるように思います。

そのためには、
自分を整えておく事が何よりですよね。
一見手間も時間もかかるお料理ですが
荒波を乗り越えていくためには、
そこは外せないと思います。

以前も書きましたが、
この事態に備えていたかのように
むそう塾で学ぶ事を選んだ自分に
感謝です!

 
 

上のコメントの中で、「以前にも書きましたが」というのは、「マスクは着けたり外したりこまめに対応しよう」に寄せられた下のコメントのことです。
下に載せておきます。

美風さん

いつも、わかりやすい記事を
ありがとうございます。

私もスーパーでレジに並ぶ時や
対面しなければならない時だけ
空気を読んでさっとつけるように
心がけています。
(時々、忘れますが…)

京都に行く時、電車の中では
マスク率100パーセントだなぁと
思いつつ、私だけしてませんσ(^_^;)

何と言っても苦しいですよね!
ただマスクつけて座っているだけでも
明らかに酸欠になります。
口呼吸にもなります。
子供にも、できるだけつけないように
言ってます。
もちろん、子供も大賛成です(^^)

知り合いの方で、
自宅で英語教室をされてる方が、
みんなマスクを着けるようになってから
ボーッとして全然授業にならないと
言ってました。

私の周辺では
コロナ自体を怖がる方もいますが
感染した時の周りの目を
最も恐れているように感じます。

特に田舎は感染者が少ない分目立ちます。
市内で最初に感染した方は、
周りからの圧力などで
引っ越されてしまいました。
本当にお気の毒です。

自分の感覚に従って
正しく情報を受け取れば
明らかに恐れる必要のないコロナ騒動
洗脳の恐ろしさを感じます。

どんなに
「怖くない」という情報を提供しても
恐怖というのは払拭するのは
至難の技なんですね。

先日も
むそう塾でいつも通り講座を受けて
普通に話して、普通に一緒に食べて
楽しかったです!
この状況で、そんな場に参加できる事は
色々な意味で有難いなと思いました。

 
 

【2つのコメントから教えられること】

いかがでしたか?
2つのコメントからは、きよさんの考え方や生き方が伝わってきて、とても気持ちがよいですね。
その中にとても重要なことが書かれています。

頭で考えるのではなく
自分の感覚を頼りに判断する方が
自分にとって正しくあるように思います。

そのためには、
自分を整えておく事が何よりですよね。
一見手間も時間もかかるお料理ですが
荒波を乗り越えていくためには、
そこは外せないと思います。

 
 

【氣の流れを意識して日々を過ごすこと】

きよさんのコメントにまったく同感です。
そして、これこそがマクロビオティックの目指すところなのです。
現代社会は往々にして頭で判断しすぎですが、この頭というのが曲者でして、権威に弱かったり、利害に影響されたりしてしまいます。

しかし、人間の直感や本能は案外正しいので、それをもっと信用しよう(優先させよう)というのがマクロビオティックの考え方でもあるのです。
そのためには、ただ信用するのではなく、日頃から直感の精度を高めるような暮らし方が必要です。

つまり、人間が生まれ持っている力を信じて、その力を最大限に発揮できるような環境を調えることで、余計なものは食べ物も情報も詰め込まないことが一番のポイントです。
そのために、自分の体や心と向き合って、それに合うお料理を作って、センサーとなるアンテナを錆びさせないようにするのです。

そのおかげで、今回のコロナ禍にあっても、慌てることなくいつもどおりのスタイルで対処出来るのです。
しかし、そうでない暮らし方をして来られた方は、溢れる情報に溺れてしまって、ただただ不安になっているのだと思います。

きよさんが仰るように、お料理に費やした時間は荒波を乗り越える時のエネルギーを生み出してくれますから、企業で言えば先行投資をしていたようなものです。
こういう考え方ができるところが素晴らしいと思います。

なお、ここでいうエネルギーというのは、整理された氣であり、その氣が判断力や決断力を高めてくれることを意味します。
つまり、良い流れを導いてくれるんですね。

長くなってしまいましたが、この「良い流れ」を意識して毎日を送ることを、むそう塾ではおすすめしています。

 
 

【水の流れがお手本】

人の身体も人生も、水の流れとまったく同じです。
水はどこまでも自然(陰陽)に従って流れています。
しかし、流れが滞ればたちまち問題が発生します。
私たちが生きるお手本は、こうして自然界が教えてくれています。
そこから学ぶか、無視するかはあなた次第ですね。
マクロビオティックは自然界からの学び方を、陰陽を使って気づく方法をお伝えしています。

 
 

(京都 貴船神社にて)

 
 

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カテゴリー: 食べたもののようになる, こころ・想い, 体験談 | 2件のコメント

「小豆玄米ご飯の炊き方秘伝講座」の投稿文で嬉しかったこと

むそう塾では通常の「玄米の炊き方秘伝講座(愛クラス)」とは別に、2020年5月24日から「小豆玄米ご飯の炊き方秘伝講座(特別愛クラス)」を開催しています。
どちらも炊き方がフォースジェネレーションで、本当に白米と同じ感覚で食べられるやわらかさです。

プレーンな玄米ご飯は「愛クラス」で、小豆玄米ご飯は「特別愛クラス」で学んでいただけるよう、2本立てで講座を開催しています。

先日も、特別愛クラスを受講されたAさんの小豆玄米投稿がありました。
その投稿文にとても感動しましたので、ここで共有したいと思います。

 
 

<Aさんの投稿文より 食べた感想> 抜粋

教室でいただいたものと同様、玄米と小豆が一体でした。またハーゲンダッツのような口溶けも確認できました。
しゃもじですくったときの中間層に見える、赤い小豆も確認しました。恥ずかしそうに顔を赤らめた小豆を見つけるとなんとも可愛らしくてたまらないです。

中川さんが退院後の回復に小豆玄米ご飯を召し上がっていると聞き、私の腸の回復にも、、ととても気になっていました。現在、秋から比べると、通院間隔は1か月から2か月おきに、薬の量は半分に減りました。
病気の特性から飲み続けなければいけない薬ですが、なんとか飲まなくてもよい状態になり、それを維持したいです。

振り返ると、「食べてみたい」「食べなきゃ」と頭と興味心、付き合いの食事を優先していましたが、体が食べたいと思うものは、玄米ご飯、糠漬け、味噌汁で、消化能力以上に食べていたことに気付いて改めています。

身体の声を聞き、毎日いただきどのように変化するのか楽しみです。
4thを編み出してくださりありがとうございます。

あまり家族には喜ばれなかった、自己流小豆玄米ご飯でしたが、中川式の小豆玄米ご飯は、もくもくと進み、おかわりもしていました。
また、まだおむつをしている次男のうんちに粒々がほぼないことには驚きと納得の結果でした。

おみそさんも美味しく仕上がりました。
今日は蒸し鶏とふろふき大根にしていただきました。
何も言わずにそっと食卓に出しましたが、メンズたちは黙々と食べて、最後に、「はあー、元気になったー!」と満足そうでした。

以上、よろしくお願いいたします。

 
 

<マクロ美風より>

Aさんは「潰瘍性大腸炎」のため、お薬を飲まなければいけない状態だったのですが、こうして通院間隔もお薬の量も変化してきました。
一般的に潰瘍性大腸炎の患者さんには、玄米を主食にするなんてお医者さんはすすめません。
病名をもらっていなくても、胃腸の弱い人は玄米は食べない方がよいとされているのが普通ですから。

しかし、むそう塾の玄米ご飯、特に新しい炊き方の小豆玄米ご飯は、胃腸が弱い人はもちろんのこと、幼児でも消化できるやわらかさです。
ですから、Aさんもこれから体調がよくなって、薬を手放せたらいいなあと思っています。

そして、まだ離乳食が終わって間もない次男くんも、一緒に同じご飯が食べられることは、すごく嬉しいですね!
おかわりしてくれる小豆玄米ご飯を炊き上げたAさんのご家族に、幸多いことを心から願っております。

 
 


(小豆玄米ご飯 料理:マクロビオティック京料理教室 むそう塾 Aさん)

 
 

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カテゴリー: 玄米の炊き方講座, 食べたもののようになる, からだ | 2件のコメント

緊急事態宣言が解除になったら、血液をどんどん流そう!

2020年5月21日、やっと大阪・京都・兵庫の緊急事態宣言が解除の方向になった。
むそう塾のある京都は、休業していているホテルが多く、観光都市としては死に体になっていた。
夜は今まで沢山ついていたホテルの明かりも見えず、一面が暗くなってしまった京都を見るのは初めてのことだった。

京都の自然は何も変わらないのに、経済だけが変わって行く。
つくづく経済とは人間の血液と同じだなと思う。
これからは質の変わってしまった血液をきれいにして、滞りなく流れるようになるまで時間がかかるだろう。

 
 

街も人も同じ。
パワーのあるところが元気になれる。

では、人間のパワーはどこから来るのか?

それは、親からもらったものが大部分だ。
しかし、それがすべてではないから、後で自分でパワーを育てることもできる。

生まれつきパワーのある人は、疲れを知らないことが多い。
体つきからもそれを確認することができる。
そういう人は処理能力が高い。

しかし私はパワーのないタイプに生まれた。
小さい時から薬まみれだった。
そんな私の陰性部分を補ってくれたのが野口整体であり、マクロビオティックの食べ方だった。
今ではまったく薬に無縁の生活をしているから、気分も清々しい。

 
 

いつも考えているのはただ一つ。
血液がきれいに流れますように、ということだけ。

そのためには、ストレスなどもってのほか。
人は考え方一つでストレスとはおさらばできる。
その考え方は限りなく陰陽である。

 
 


(教室の掛け花 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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腸内細菌が変われば便が変わる 食べ物を変えれば体が変わる

先日、むそう塾生の“おたに”さんが嬉しい報告をしてくれました。
以前私が記事にした内容でお料理を作ったところ、お子さんの便がものすごく変わったというのです。
そうでしょうそうでしょう、ちゃんと腸内細菌が変化したってことなんですよ〜。

以前の記事はいくつかありますが、次の2本を主に参考にしてお料理を作ると、確実に変化します。
だって、人間は食べたもので出来ているから当然なのです。
そして、お通じは食べたものの領収書なわけです。

免疫力を高めるための食事法と暮らし方(新型コロナウイルスを意識して)  2020.3.27
納豆を食べるときの注意点 本物の発酵か? 大豆は? 2020.3.29

 
 

そういえば、先日美容室に行った時、「小さいお便り」と「大きいお便り」の話をしたら、美容師さんにものすごく感動されてしまいました。
(え? マクロビオティックでは当たり前のことなんですけど・・・)
でも、一般的にはそんなことを意識しないで暮らしているのでしょうね。

その美容師さんには小さいお子さんがいらっしゃるそうなので、お便りを意識した生活をされたらいいなあと思っています。
子どもは体調が悪くなるのも良くなるのも早いので、大人より答えを見つけやすいから、勉強にもなります。

新型コロナウイルスで戦々恐々としている今は、案外、腸内細菌のことからマクロビオティックを理解してもらえるチャンスかもしれません。
いつもお通じと対面しながら生きると、確かな指針が自分の中にできてくるのがわかるはずです。

たとえば、むそう塾の上級幸せコースで教える「玄米あらめビーフン」は、繊維質たっぷりで海藻も摂れておすすめのお料理です。
あとはきのこ類をせっせと摂って、太陽に当たりましょう!

 
 

(玄米あらめビーフン 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

(盛付の極意を習うおたにさん)

 
 

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再び「マクロビオティックにおける動物性食品の取り入れ方」 

こちらは2011年に掲載して、2017年にも掲載した記事ですが、とても大事な内容なので、再びご紹介します。
マクロビオティックを誤解している人に、ぜひ伝わってほしいです。

とても長い記事ですが、マクロビオティックを提唱した桜沢如一(G.O)と、マクロビオティックを広めた久司道夫氏やその他の弟子たちの動物性に対する温度差がわかって、とても参考になる記事です。

この記事にはマクロビオティックの考え方でとても重要なことが書かれています。
排他的でないこと。
それなのに、それを忘れているマクロビオティック実践者のなんと多いことか。
それでは本当のマクロビオティックとは言えませんね。

マクロビオティックの教えの中核には非排他性、即ち他人を受け入れるという考えがある。
他人の意志決定に寛容になれることが大切であり、我々の多くが日常肉を食する親戚や同僚を持つという点を考えた場合、この点は特に重要である。

*   *   *

以下、日本CI協会の記事からリンクします。
How to Include Animal Foods (動物性食品の取り入れ方)

カール・フェレー

マクロビオティックを実践している若者・ジョーは首に違和感を覚えていた。数年間、熱心にマクロビオティックを実践していたが、彼の病状は悪化の一途を辿っていた。ジョーは久司道夫氏のアドバイスを受けるため、テキサスからボストンに飛んだ。道夫氏のアドバイスにもかかわらず、病状の好転は見られなかった。ジョーはさらにヘルマン相原氏にもアドバイスを求めたが、結果は同じだった。結局、ジョーは全身を動かさないと頭を回せない身体になってしまっていた。彼の首は完全に凝り固まってしまっていた。

救いを求め彼は医者を渡り歩いたが無駄に終わった。結局、一人の医者がノースカロライナの専門医を紹介してくれた。この専門医がジョーを診断した結果、彼は非常に稀な骨障害を抱えていることが分かり、彼に解決策を示してくれた。鶏である。専門医の説明によれば、ジョーの骨は悪化し続けており、鶏のある成分(それは鶏にしかないそうである)が彼の病状を治療可能だそうだ。

ジョーは私の友人で、病気の兆候が現れる前の1975年に彼と出会い、共にマクロビオティックをスタートした仲でした。彼はとても社交的で面白く、毎日がパーティのような生活を送っていました。GOMF(George Ohsawa Macrobiotic Foundation)で働くため、私は1978年にカリフォルニアへ引っ越してきました。ジョーに最後に会ったのは、1983年にテキサスへ彼を訪ねたときでした。彼は完全に治癒しており、初めて会った頃の彼に戻っていました。一体どのようにして治癒したのかを聞くと、先に書いたように説明してくれた後、次のように言っていました。「良くなるためにマクロビオティックを諦めて鶏を食べなくちゃいけなかったんだ」

「冗談だろ!」と私は出し抜けに言い、続けて「身体が求めるものを食べるのがマクロビオティック食じゃないか」。ジョーは理解できなかったようだ。マクロビオティックでは鶏は敬遠すべきものだという考えに凝り固まっていたのだ。鶏は食べないものだという「マクロビオティック」の食箋に従っていた時よりも、身体がそれを求めていることを受け入れ、鶏を食べたジョーの話を聞いた時、彼が本当にマクロビオティックを実践しているのだと感じることができた。

BACKGROUND-背景-
現実的に考えてみると、マクロビオティック食に動物性食品を導入している人もいればしていない人もいる。動物性食品を健康に寄与する形で摂るこることは可能だと考えている人もいれば、魚介類以外の動物性食品を摂るのは避けるべきだと考えている人もいる。マクロビオティックの実践をする際の敷居を低く設定している人もいれば、高く設定している人もいるのである。

魚介類以外の動物性食品を制限・禁止するという厳格な規定がある一方、それを摂っても良いという程度の寛容な規定もある。今日、動物性食品を食べることの危険性は以前にもまして大きい。只、より深刻な危険とは、マクロビオティックの理念を病気治しのための食事に限定してしまうことにある。この記事では、魚介類以外の動物性食品をマクロビオティックの理念や実践に導入する際の賛否両論を検討する。尚、これ以後、「動物性食品」とは、魚介類以外の動物性商品全般を指すことにする。

マクロビオティックを実践する際、動物性食品の位置づけに関する混乱は、マクロビオティックの著書に既に見ることができる。1960年に出版された「ゼン・マクロビオティック」は、George Ohsawa(桜沢如一、以下GO)が食箋について書いた最も詳細な著書である。彼はその中で、健康になるための10の食箋を提唱しており、その中の5つはベジタリアン食で残りの5つは動物性食品を含んだ食箋だった。彼が列挙した後者のマクロビオティック食には、鶏、七面鳥、卵、そしてバターや牛乳などの乳製品が含まれていた。

その一方で、健康的な生活には動物性食品を摂る必要がないことGOは書いている。動物性食品が人間の霊的な成長を阻害すると考えていたからだ。動物性食品を全く摂らなくてもよくなるまで自分自身を啓発することをGOは奨励していた。GOが動物性食品をマクロビオティック食に摂り入れた理由は、人々が与えられた食箋を厳格に守り続けることがマクロビオティック食であるという誤った考えを持たないようにすると共に、動物性食品を食べたいという希望を持っているためにマクロビオティックの理念を敬遠してしまうのを避けるためだったように思える。彼は可能な限り包容力のあるものとしてマクロビオティックを望んでいた。排他性を心底毛嫌いしていた。

ヘルマン・コルネリア相原夫妻が著した1970年代の書物では、動物性食品を時々食べても良いとする嗜好品の部類に入れている。事実、コルネリア夫人は何年もの間、感謝祭の日に七面鳥などの動物性食品を料理していたし、そうした料理レシピを『カレンダー料理本(“Calendar Cookbook”)』に掲載していた。GO夫妻も相原夫妻も、動物性食品の適切な摂り方に関するガイドラインを示しており、例えば、ごく少量をときどき摂取すること、オーガニックの飼料で生育され、放し飼いされている動物であることなどが示されていた。さらに両夫妻は、健康体であるためには、動物性食品は必要ないということも指摘していた。
マクロビオティックにおいて動物性食品を完全に禁止する方向に舵を切ったのは、道夫・アベリン久司夫妻により著された1980年代の書物に端を発する。『標準的なマクロビオティック食事法(“Standard Macrobiotic Diet”)』で道夫氏は、魚介類以外の動物性食品を「日常的に避けるべき食べ物」の部類に入れている。アベリン夫人は、週に2・3回ならば少量の魚介類を摂っても良いというスタンスから、1985年までに自著『マクロビオティック食完全ガイド(“Complete Guide to Macrobiotic Cooking”)』の中で、「肉、家禽、卵、乳製品の摂取は厳禁である」と述べている。

こうした厳格な規定に固守するというマクロビオティックの教えこそ、GOが避けようと試みてきたことだった。今日、マクロビオティックを指導する講師やそれを実践する者の多くは、アベリン夫人の食箋に従い、肉、家禽、卵、乳製品の摂取を厳禁としている。さらに言えば、人々の多くは、そうした食べ物はマクロビオティック食ではないと信じ、また指導している。マクロビオティックの実践者がGOや相原夫妻の書物を目にした際に混乱が生じるのである。我々は次の質問が投げかけられている。「マクロビオティックで動物性食品を摂っても良いのでしょうか?」

マクロビオティックとは大きく、偉大な生命という意味であり、それは動物性食品を摂る者も摂らない者も抱合するのに十分たる包容力がある。マクロビティックの原理によれば、反対のもの、あるいは対立するものは全て、同時に相補的でもある。健康的にマクロビオティックを実践できるのであれば動物性食品を摂っても良いと考える人も、それを摂るのは厳禁であると考える人、その両人を統合可能な考えがマクロビオティックである。個人的には両人の考えを尊重する。ただ、そこには問題もあるという点も指摘しておきたい。

PLOBLEMS WITH INCLUDING ANIMAL FOODS
-動物性食品を取り入れることの弊害-
動物性食品を摂っても構わないとすることの問題は、そのような記述が誤解の源泉だからであろう。この号の『マクロビオティック・トゥデイ( “Macrobiotics Today”)』の編集者への手紙で、読者はまさにこの点に関する懸念を述べている。マクロビティックの食事とは主に植物性食品を中心にしたものである。オーガニック飼料で生育された放し飼いの動物、あるいはその動物を元にした製品を時々、少量食べたからといって、それは変わらない。またこの事は、GO、相原夫妻、あるいはマクロビオティックの原理を勉強している者みなが皆、残虐非道な農場経営手法を容認している訳ではない。

動物性食品を避ける人が言うには、ごく少量であれば動物性食品を食べても良いと伝えてしまうと、それを聞いた人は、いつでも、好きなだけ食べても良いと勘違いしてしまうそうだ。これは明らかに誤りである。GOや相原夫妻は共に、特に当時の食品の質を考えた場合、動物性食品を食べることの危険性を指摘している。今日、品質はさらに悪くなっている。動物性食品に対する無知と、それを過度に摂取することに対する彼らによる警鐘は今日にも当てはまるのである。

マクロビオティックの世界には指摘しておくべき神話がある。マクロビオティックの実践者の中には、動物性食品を摂らない自分たちの方が高い精神性を持ち、判断力も高く、その他の点でも優れていると考えている者がいる。マクロビオティックを実践する菜食主義者は、動物性食品の量や質に関わらず、それを食べる人だと知りながらその人と席を共にしようとは考えてない。

動物性食品を食べる・食べないにせよ、その選択の裏にある考えも同様に重要なのである。マクロビオティックの教えの中核には非排他性、即ち他人を受け入れるという考えがある。他人の意志決定に寛容になれることが大切であり、我々の多くが日常肉を食する親戚や同僚を持つという点を考えた場合、この点は特に重要である。

動物性食品を制限することに関する別の議論は、マクロビオティックを実践しようとする人の大部分が、何らかの病を治療する目的でそれを始めるということにある。そのような状態にある人が病を克服するためには、必ずと言っていい程、動物性食品を避ける必要がある。そうした話をしていくと、各人に応じた適切な動物性食品の摂取を伝えるよりも、皆に動物性食品を避けるよう推奨したほうが話として簡単になったのである。動物性食品を制限する理由は多数あるが、それにより誤解が生まれ、様々な意味でマクロビオティックを制限することになったのである。個人的にその最たる例は、マクロビオティックの原理を学ぶことをせず、ただ盲目的に基本食を守るという欲求に駆られるという点ではないかと思う。

PROBLMES WITH EXCLUDING ANIMAL FOODS
-動物性食品を除外することの弊害-
動物性食品を厳しく制限することの弊害の一つは、健康の維持・増進を図るために動物性食品を必要とする人を過度に怖がらせ、それを食べるよう薦めるアドバイスに耳を貸さなくすることにある。友人のジョーは彼の症状を改善するために、動物性食品(彼の場合は鶏肉)を必要としていた。動物性食品のせいで彼はマクロビオティックをやめてしまった。しっかりとマクロビオティックを理解していなかったために、彼はそれを全て放り投げてしまったのである。こうした限定的な物の見方のためにマクロビオティックをやめなくてはならなくなった人が一体何人いるのだろうか?

魚介類以外の動物性食品を食べる必要があるとアドバイスを受けた経験を持つ人を何人も私は知っている。私自身、数年前に同じようなジレンマに直面したことがあり、わずかの間だけ動物性食品を食生活に摂り入れ、体調が改善した。私は、何をどのくらい食べるかを決定する際にマクロビオティックの原理を活用したが、心配されるほど難しくはなかった。

動物性食品を制限することで発生する別の問題とは、マクロビオティックを実践する指導者の多くがそれを自らの食生活に摂り入れていることにある。何年も前に、私は、乳製品を厳しく制限する理由をいくつも挙げレクチャーを開催していたマクロビオティック講師の素晴らしレクチャーを聞いた。大変な感動を覚えたため、講演後、感謝の気持ちを伝えるため、彼の控え室を訪れてみると、なんと彼は、牛乳入りの冷たいシリアルを食べているところだった。私はショックを覚え、彼が講演で謳ったことと実際の行動が違うのは何故なのかと考えてみた。

数年後、マクロビオティックの指導者たちが集まる会合に参加した際、その答えが明らかになった。過去2ヵ月の間、魚介類を除いた卵や動物性食品を食べていないかを聞かれ、6人中一人がYESと答えた。私は混乱した。彼らは自分たちの主張を正当化するために、動物性食品を摂っても良い理由を、自分たち講師はマクロビオティックの原理、例えば、食材の品質、食べる量、適切な調理法などを知っているからだと主張した。マクロビオティックの原理を知っている者であれば動物性食品を食べても良く、知らない者はたべてはいけないのだ、と私は考えるようになった。このことを初めから教えてくれないのはなぜか?単に動物性食品を絶対摂ってはいけないと教えるのではなく、健康に資する形でそれを導入する方法を説明してくれないのはなぜなのか?

マクロビオティックの哲理には、生命のあらゆる領域で活用可能である普遍的な原理が内包されている。ところが、食養との関連が強くなったため、その哲理が疎かにされてきたのである。マクロビオティックは非常に限定的になり、「規模、範囲、能力が非常に大きいこと」と辞書が定義するようなマクロなものではなくなってしまった。マクロビオティックが食事面に限定されてしまったのみならず、その食事そのものも限定的なものとなってしまったのである。

How to Include Animal Foods
-動物性食品の取り入れ方-

このセクションでは、マクロビオティックの原理を使った動物性食品の取り入れ方のアイデアをいくつか提案していこうと思う。但し、以下の提案は、誰もが自分の食生活に動物性食品を摂り入れるべきだと述べているのではなく、また、注意深く熟考せずにそれを取り入れてもよいと述べているわけでもない。

Condition:健康状態
基本的に動物性食品は酸を形成し、植物性食品よりも身体に負荷がかかる。このため、すでに病気を抱えている人は動物性食品を摂取する前に、注意や相談といった正規の医療サービス提供者からのアドバイスを受ける。
全く健康な人ならば、動物性食品を摂る前にその特質や効能を徹底的に学ぶことが助けとなる。

Constitution:体質
ある人たちは、自分たちが積極的に動物性食品を摂っており、ほかの人達はそうではないと見出すが、私たちはみな一人ひとり違う人間である。私たち人間も含め、全く同じものなど存在しない。例えば、血液型がO型だという人たちの多くは、動物性食品を摂った方が身体の調子が良いと話すが、A型の人たちは、植物性食品を摂り、動物性食品を全く摂らない方が良いのだそうだ。

Purpose:目的
動物性食品を摂るかとらないかで、暮らしの中で無双原理やその哲学を使う目的に、直接影響を与えてしまう。心の成長のためにマクロビオティックを実践している者は、植物性食品を多く摂り、動物性食品を減らすことが有効であるといった桜沢や相原の教えを見出してきた。不調を癒すことに関心のある者は、各人特有の健康状態のためにはっきりこれ、と必要な食品がない限りは、前述した教えが同じく当てはまることに気づくだろう。

Attraction:効果
私は、フレンチメドウキャンプでのあるセッションを思い出す。ヘルマンがキャンプの女性参加者たちを楽しませているあいだ、コーネリアが男性参加者たちに話していた。ある男性参加者がコーネリアに、女が男に期待することとは何かと訊ねると、彼女はぐるりと彼らを見回しこう言った。「あなたたちみんな陰性すぎよ!」彼女は我々に、(適切ならば)動物性も含めたより陽性な食品を摂るよう薦めるのだった。彼女が考えるに、我々は女性の陰性さを引きつける陽性さが十分ではなかった。我々は「陽は陰を、陰は陽を引きつける」原則にではなく、コーネリアの助言には同意しかねる。

Quality:質
いずれの食品を摂るときにも、最も重要なことはその品質である。私見だが、選んだ食品の質は、動物性食品の場合は悪化する。化学物質や農薬、防腐剤、添加物等々といったものの入らない食品を選ぶことが重要だ。基本的には、人工的に手が加えられていなければ、それだけ良いということであろう。この原則は大量消費向け商業ベースの食品店からほとんどの動物性食品を排除してしまう。飼育場を自由に駆け回り、オーガニックな作物や飼料だけを食べている動物(やその加工食品)を選ぶのがいいだろう。可能ならばその飼育場を訪れるのだ。野生の獲物の肉は通常、飼育されているものより質は良いものである。

Quantity:量
GOは「量は質を悪化させてしまう」といったが、これは言い得て妙なことである。私の経験では、ごく少量の動物性食品であればそれはとても役に立つ〜たとえばコーンブレッドに入れる卵一つとか。いつものように、各人の健康状態や目的に応じた必要量を摂ることだ。もし健康状態のために動物性食品の摂取が必要で、それが少量なものならば、方法の一つとしては、自然飼育された食肉を扱う肉屋から骨を買いスープストックを作ることだ。このやり方なら、食肉そのものの過剰な脂を摂らずに骨のミネラルを摂取できる。

Yin/Yang:陰陽
陰陽の分類上、動物性食品がより陽性だと考えられている一方で、動物性食品は陽性の性質と陰性の性質、両方を合わせ持っている。肉についている脂肪は陰性であり、その脂肪こそが陰陽バランスを取る際に厄介なものなのである。GOが提唱する食養法ではその人の食事療法に動物性食品が含まれている場合、穀物を控え、サラダや果物、デザートなどをより多く摂るよう助言している。

Change:変化
全ては変化する。マクロビオティックは柔軟性や、適応力をもつことを説いている。釣り合いをとるために、素材に備わっている陰陽を料理法を変えることで調整するのだ。下準備や陰性食品を組み合わせることで陽性食品のバランスをとるといったことだ。マクロビオティックの料理本にはそのための多くのアイデアが載っている。初めあるものは終わりがある。もし我々が動物性食品を食べ始めたならば、それらを食べることを止める時もまた来るだろうし、後に再び食べ始めるほうへと引き寄せられることもあるだろう。

Front/Back:表裏
表あるものはまた裏もあり表大なればまた裏も大なり。効のあるものは害をなすこともあるということ、効能が大きければそのぶん害もまた大きく潜んでいるのだということを、GOは我々に教えてくれた。その理論を理解せずに、ただ闇雲に杓子定規な規則のあと追いをすることこそが最も危険なことだ。適切な理解や予防措置といったことなしに動物性食品を食べることは間違いなくその危険行為に当たる。

CONSEQUENCES
-結論-
マクロビオティック哲学のもっとも重要な概念の一つが、我々が飲み食いしたものが、その結果を引き起こすというものだ。GOは経験はまた偉大な教師であると教えてくれた。彼の助言はつまり「やって、それをよく見ろ」ということだ。我々が飲食に何を選ぼうとも、最も重要なことはその結果を見極めるということなのだ。もし我々がさらなる不調を感じたなら、摂ると自分で決めた(不快さや病気を引き起こす)食べ物を飲み食いする、その欲求を控えることだ。

我々の考え方や指導にも結果はついて回る。この財団が入る建物の大家は、我々の活動が気に入っているといってくれていた。我々が沢山の人たちの健康維持やその回復を助けていることを、自分は知っているんだと話してくれた。しかしながら、彼は、厳格なマクロビオティックダイエットを続けながら30年やそこら生きるくらいなら肉やピザを楽しみながら10年ちょっと生きるほうがましだと、言い続けてもいた。彼はドアの向うへ歩きながら振り返りこういった。「もちろん、10年かそれよりもっとか、病院から君の助けを求めているかもしれないけどね」

あの時、私は絶好の機会を逃してしまった。私はマクロビオティックを治療目的のダイエットへと焦点を絞りすぎてしまったのだ。そして大家はドアの向うに歩き去っていった。彼が寄せたマクロビオティックへの関心は失われてしまったのだ。彼が肉やピザを食べながらでもマクロビオティックの原理を使えることを私は説明出来たはずだったのに、結局それをしなかった。そのドアを閉じる代わりに、その瞬間を捕らえ彼の考え方の方向転換をはかることで別の扉を開けることが出来たはずなのに。

動物性食品を摂ることを選ぼうとそうでなかろうと、我々は動物性食品に対して感謝の念を捧げることはできるし、また我々は食べ方に頓着しない人々を受け入れることはできる。マクロビオティックは頑固な決まり事のセットではなく、人生の全てに当てはまる順応した哲学なのだ。マクロビオティックにおける全ての経験は価値があり必要とされるものである。我々が他者を受け入れる努力をより多く払うことは我々の自由や喜びもまたさらに深みを増すのだ。

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「Macrobiotic and Animal Foods(マクロビオティックと動物性食品)」は日本CI協会・編集部が和訳したものです。

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