マクロビオティック京料理教室 むそう塾」カテゴリーアーカイブ

家庭料理だからこそ美味しくあれ

京都の「菊乃井」さんの主、村田兆治さんは「和食は絶滅危惧種」といって、和食の伝承に力を入れていますが、料理研究家の土井善晴さんも「一汁一菜でよいという提案」の中でやはり「和食は絶滅危惧種」という言葉を使われています。
それぞれのお立場からの発信ですが、村田さんは日本料理を覚える時に数値化されていないのが難しさの一因であると考え、菊乃井さんのパソコンには数値化された分量や手順が入力されていて、いつでも見られるようになっているそうです。

また、土井善晴さんは、家庭料理は作ることが大切なので、まずい日があってもおかずが少なくてもいいんだよというスタンスです。
具沢山のお味噌汁でおかずも兼ねるというお考えです。
おかずを作ることに悩んでいる人たちへの慰めであるようにも受け取れます。

では、むそう塾はどうなのかというと、やはり「和食は絶滅危惧種」という認識に変わりはありません。
しかし、上のお二方と違って、「家庭料理だからこそ美味しくあれ」というスタンスです。
お料理の本当の美味しさは、豪華さや複雑な味付けにあるのではなく、どのような気持ちで作るか、いかに余計なものを削ぎ落として行くかという生き方に相通ずるものがあって、それはまさに家庭でこそ育まれるものだと思うからです。
その人の人となりや生き方がそのままお料理に反映されるので、美味しいお料理を作ろうとすれば、精神面も自然に高まって来ます。

食材を用意して時間をかけても、作ったお料理がまずかったら悲しくなって作るのがイヤになってしまいます。
それでも家庭では食べることが現実に押し寄せてきます。
ですから、家庭料理は美味しくあってほしいですよね。
むそう塾が家庭でも一流料亭を超えるお味を作れるようにしたのは、そんな背景もあって、素人でも再現できるように徹底的に細かいところまで分解再構築し直したからです。

和食は絶滅危惧種と言われる時代だからこそ、それぞれの家庭で心身ともに満足のできるお料理として、京料理とマクロビオティックの陰陽を融合させた「マクロビオティック京料理教室 むそう塾」は、確実にこれからの時代に必要な教室だと思っています。
こうして家庭のお料理が美味しくなって、お料理をする喜びとともに生き方も楽しくなることがむそう塾の願いでもあります。

 
 

 
 

(肉団子甘酢あんかけ 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック料理教室 むそう塾)

 
 

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海老の天ぷらをまっすぐ揚げるためにプロはこうしている(動画付)

 
 

(海老の天ぷら 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

むそう塾では幸せコースのスタート時には完全ベジの天ぷらを教えていました。
しかし、ご家族のかたから「野菜しかないの? 海老はないの?」と言われてしまうとのことで、その後何年か経ってマクロビオティックの料理教室ではありますが、動物性も少し入れるようにしました。
そうすると一気に反応が変わるので、やはり海老天を食べたい人が多いんだなあと思っているところです。
私なんてさつまいもとかぼちゃがあればご機嫌なんですが(笑)

さて、その海老の天ぷらですが、まっすぐ揚げるのはなかなか難しいものです。
しかし、下処理段階できちんと切り込みを入れておけば、ちゃんとまっすぐに揚がるのですが、その切込みとその後の筋切りがきちんと出来ていないと、あらららとなります。
幸せコースですでに教えているのですが、まだまっすぐ揚げられない人が多いようなので、昨日の満足コースで動画を撮りました。
これでぜーんぶプロの手元を公開していますので、そのとおりにしていただければ、あなたもまっすぐな海老天が揚げられますよ。

【海老の下処理(1)背わたのとり方】

【海老の下処理(2)筋切りの仕方 包丁を離さずに】
「プチップチッ」という音を聞き逃さないでくださいね。

【海老の下処理(3)筋切りの仕方 包丁を置いて】
「プチップチッ」という音を確認してくださいね。

(2)と(3)の動画の違いは、途中で包丁を置くかどうかだけです。
この差は一連の仕事の処理が早く終えられるかどうかにかかっていますので、むそう塾生は間違いなく(2)を目指しましょう。

 
 

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「みそ汁は、いわば肉汁。日本人のスタミナ源だよ」by小泉武夫

先日発酵学でお馴染みの小泉武夫氏の記事を書きましたが、お味噌について語った記事もありましたのでご紹介します。

発酵学の第一人者・小泉武夫さんに聞く。「みそ汁は、いわば肉汁。日本人のスタミナ源だよ」

お味噌汁の効能についてはすでに皆さんもご存知でしょうが、お若い方にはお味噌汁を飲む習慣がない人もおられるので、あえてリンクしておきます。
毎日コーヒーは飲んでもお味噌汁は飲んでいない生活を続けていると、いつしか不調が増えたり、睡眠の質が低下したり、なかなかやる気モードにならなかったり、数え上げればキリがありません。

むそう塾でもお味噌汁の大切さはずっと伝え続けていて、日本の食文化としても、マクロビオティックの観点としても、お味噌汁の重要性は確実にお伝えしておくため、力を入れて頑張っています。
3月26日(日)にはお味噌汁の講座も開催しますので、まだ受講されていない方はご予定を空けておいてくださいね。
後日募集記事をアップします。

 
 

 
 

(ある日のお味噌汁 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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再び小泉武夫氏の「日本人よ、和食にかえれ!」

2013年の記事に小泉武夫氏の文章で「日本人よ、和食にかえれ!」というのがあります。
その後ブログをリニューアルした際にうまく移行できなかったようで、とても見苦しくなっていますので、こちらにもう一度記事を上げておきます。
今食べ物のことでお悩みの方、体調不良の方、そして、マクロビオティックでわけが分からなくなっている方、多くの人に参考になる文章だと思います。
何を食べようかなと迷ったら、この記事を思い出してくださったら嬉しいです。
きっと体が喜んでくれるはずですから。

ただし、ここで注意すべきことがあります。
それは植物が昔のようにミネラルをたっぷり含んだものが少なくなったということです。
それは土壌が昔より悪くなっているからですね。
大量の農薬の問題もあります。
私達が食材を選ぶ時には、植物性はもちろんのこと、動物性にいたるまですべて作られ方や育てられ方や産地に気をつけなければならない時代になってしまいました。
つまり「質」の問題ですね。

マクロビオティックを知っている人なら陰陽で質の問題を考えたら良いでしょう。
食材の質を落としてしまう原因を陰陽で判断するのです。
そうすると、次に打つ手が見えて来ます。
いたずらに悲観ばかりするのではなく、必ず解決策を考えながら上手に「和食」を食卓に載せましょう。

*   *   *

「日本人よ、和食にかえれ!」

日本人が長年、食べ続けてきた「和食」とは、どんな食べ物なのでしょう?

和食は、八つの食材によって成り立っています。

一つ目は、根菜類。ニンジンやゴボウ、大根、イモなど、土の中に入っている根っこや茎ですね。

二つ目は、菜っ葉。白菜、ホウレンソウ、小松菜などがこれに含まれます。

三つ目は、青果。トマトやキュウリ、それからリンゴやブドウ、ナシなどのくだものもここに入ります。

四つ目は、山菜ときのこ。ワラビやゼンマイ、シイタケやシメジなどの山の幸です。

五つ目は、豆類。特に大豆は“畑の肉”と呼ばれるほどの豊富なタンパク質を摂取できるので、豆腐や納豆にして毎日の食卓にのぼるだけでなく、発酵させて、味噌や醤油の原材料として活躍します。

六つ目は、海草。ワカメやヒジキ、海苔などのことですね。

七つ目は、主食の米。それから麦。

最後の八つ目は、動物タンパク質です。日本人は昔から牛や豚などの肉を食べなかったかわりに、魚を食べてきました。だけど、食卓に必ず魚がのぼったかというと、そうではありません。魚は日本人の民族食のひとつで、肉より栄養を摂取する効率がよいというデータもあるくらいですが、海から離れた土地に住んでいた人にとっては、なければないですむ食材でした。

つまり、和食というのは最初に挙げた、七つの食材で構成されています。それらの食材に共通しているのは、植物だということです。
植物というのは、動物のように自分で移動することができませんから、生きていくための栄養を摂取するには、太陽の光を浴びて光合成するか、地に根をおろして栄養素を吸い取るしかありません。
地面の栄養素というのは、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛などのミネラルです。和食を食べてきた日本人は、つねに豊富なミネラルを摂取していたわけです。

食べ物が人間に大きな影響を与えると言いましたが、食べ物は体のつくりだけでなく、心にも大きな影響を与えるんです。というのも、和食に豊富に含まれているミネラルは、副腎髄質というところから分泌されるアドレナリンという興奮ホルモンの働きのバランスを整え、ストレスを軽減する作用があるからです。日本人の性格がおだやかで、困難な事態にも冷静に対処することができるのは、和食パワーのおかげだと私は思っています。

ところが、戦後60年間で肉や油の消費量は急速に増え、日本人のミネラルの摂取量は4分の1に落ちてしまいました。これは、“あの人は切れ者だ”とか“頭がキレる”という具合に、かつて褒め言葉だったはずの“キレる”という言葉が逆の意味に使われるようになったことと無関係ではないでしょう。

それから、ミネラルのひとつである亜鉛は、“セックス・ミネラル”ともいわれていて、精子をつくるための重要な役割を果たします。もしかしたら、女性化して“草食男子”と呼ばれている現代の若者が現れるのは、当然のことだったのかもしれません。

また、日本人の死因の上位を生活習慣病が占めているのも、肉や油にかたよった食習慣が原因になっていることも言うまでもありません。
だから私は、声を大にして主張します。
日本人よ、和食にかえれ!
和食を食べて、日本人らしさを取り戻せ! と

 
 


(菜の花のからし浸け 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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玄米とフィチン酸(IP6)情報の今昔

当たり前のことですが、時代は次々と変わって行きますね。
社会のあり方や、機械の開発や、様々な研究結果が時代の変化に影響するのは当然ですが、過去には悪いといわれたものが今では良いといわれたり、またその逆もあったりするので、何か一つを盲信してしまうのは危険を伴うこともあります。
ですから、私たちはいつも直感や自分の体の反応を細かく観察する癖をつけ、あくまでも自分の全神経で判断出来るようにしておかなければ、不本意な人生を送ることにもなりかねません。

昔、私がマクロビオティックを知った頃は、玄米に含まれるフィチン酸は体に良くないというのが主流でした。
あちこちでそれとは異なる見解もあったのですが、なかなか主流になるまでには行かず、密かに「そんなに悪いとは思えないよね」という感じだったのと、身近には良いことの方が多い印象でいたのでした。
そして、玄米に反対する人たちの格好の標的にされていたのがこのフィチン酸でもありました。

しかし、2000年9月に発行されている下の本には、次のようなことが書かれています。


天然抗ガン物質  IP6の驚異 講談社)

 
 

ー引用はじめー
フィチン酸は、自然界のほとんどの穀類、木の実、豆類、油を絞る種などに含まれています。含有量は、1パーセントから5パーセントくらいです。フィチン酸は、活性酸素阻害作用を有するほか、細胞をさまざまな有害な反応から守る働きをします。
ー中略ー
グラーフ博士は、食物繊維の効果に関する研究について論じています。
その研究によると、フィンランドの人々の食事習慣は、より穀物を中心とした食事となっています。したがって、より多くのフィチン酸を摂取していますが、これに対してデンマークの人々は食物繊維の摂取総量がフィンランドの人々の倍であるにもかかわらず、食事中のフィチン酸の摂取量は少ないのです。そして驚いたことに、フィンランドの人々の大腸がん発生率は、デンマークの人々に比べ半分です。
ー引用おわりー
※「イノシトール六リン酸」=「IP6」=「フィチン酸」

つまり、フィンランドの人々はフィチン酸を多く摂取しているので、ガンの発生率が少ないとグラーフ博士は考えたわけです。
これは、博士が「健康に有益なのは食物繊維とフィチン酸のどちらだろう」という設問からの研究だったわけですが、日本ではそんなに知れ渡ったわけではありません。
しかし、日本では次のような調査が進んでいて、ついに次のような記事が新聞に載ったわけです。

<日本経済新聞2010年11月12日の記事>
白米のご飯を1日3杯食べる女性は、糖尿病になるリスクが1杯程度の人の1.48倍に高まるとする疫学調査の結果を、国立がん研究センターなどが12日発表した。
1990~93年に全国9市町村に住んでいた45~74歳の男女約6万人について、食事や運動などの生活習慣についてアンケートに答えてもらい、5年間追跡調査。成果は米医学誌に掲載した。
5年間で糖尿病になったのは男性652人、女性478人。白米のご飯を1日4杯食べる人は、同1.65倍糖尿病になりやすかった。ただ、男性にはこうした傾向はみられなかった。
また1日1時間以上運動をする女性では、白米の量と発症リスクの間に関連はなかった。
白米のご飯を食べると食後に血糖値が上昇しやすく、玄米と比べて食物繊維やミネラルも少ないため、糖尿病になりやすいとみられる。同様の結果は海外ではこれまでもあったが、国内では初めてという。

*   *   *

こんなふうにフィチン酸は今では体に悪いどころか、サプリメントにして発売するところまで出てきました。
確かにガンになった人が玄米を食べて治ったり、上の記事のように糖尿病が改善している例は、マクロビオティックの指導者たちがたくさん経験したことですし、実際にマクロビオティックではない指導方法でも玄米の効果は経験済みのことです。
そして徐々に時代は白米より玄米の方が病気の改善に効果的ではないかと思われるようになってきました。

しかし、世はまさにエビデンス時代のため、本にして理解を求める必要があったのでしょう。
こんな本まで出版されています。
これは昨年の2月に出版されたものですが、マクロビオティックをしている者にはあまりにも当たり前の内容なので、特別にご紹介してはいませんでした。
しかし、そろそろこの本を出典にして記事を書いても良い時代になって来たような感じがしますので、下記にご紹介しておきます。
玄米のことを詳しくお知りになりたい方には良い本だと思います。


医師たちが認めた「玄米」のエビデンス キラジェンヌ)


医師たちが認めた「玄米」のエビデンス キラジェンヌ)

 
 

*   *   *

昨日玄米をすすめる歯医者さんと話をしていたら、「糖尿病を治すために新しい試みを考えているんだ」とおっしゃるので、私も遅まきながら糖尿病の人のお食事に力を入れてみようかなと思って、この記事を書いた次第です。
ご家庭に糖尿病の人を抱えている人はきっと多いはずですし、病院では今はもうお手上げ状態なのが現実ですが、マクロビオティックの視点からではまだまだすることがあります。
お食事の改善は糖尿病の人の大事なところですが、まずは主食だけでも玄米に置き換えてみましょう。
そこから陰陽バランスを考えたお食事を進めて行けば、確実に体は変化してきます。

糖尿病の改善だけでなく、がん予防にもなったら嬉しいですよね。
それが難しいことではなく、日々のお食事を美味しく改善することから始めれば良いのですから、取り組みやすいと思います。
むそう塾では美味しい玄米ご飯をお伝えし続けて9年半経ちました。
その間に病気治しを目的としたわけではないのに、結果として病気が改善された例がいくつもあります。
それは食べ物の持つ力のおかげだと思っています。
間違っていなかったと結果が教えてくれる心強さ。
そんなことをこれからも大事にして行きます。

それは、人生をより良く生きるためには、まず土台である心身の健康を実現する必要があるからです。
でも、むそう塾は玄米オンリーではなく、白米の良さや白米の楽しみ方も併せてお伝えしていますから、体調によっては白米をいただくこともアドバイスすることがあります。
まずは美味しく、そして笑顔で食べられる環境が大事だと考えるからです。
そして最後は「何を食べても平気な体」になることを目指しましょう。

 
 

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