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再び「菜食はなぜ老けるか 動物性食品の取り入れ方」
かつて、下の写真がついた記事がかなりシェアされたことがありました。
マクロビオティックの人も要注意!「菜食はなぜ老けるか」 2015.3.20
ちょうど2年前ですね。
2年前であっても記事の波に埋もれてしまって、最近の人には読んでもらえないことがよくあります。
しかし、体調不良を通り越して、確実に病気の症状が現れているのに、本人は「排毒」だと言って、その不調を改善しようとせず、ただ「排毒」(と思っている)が終わるのを待っている人がいます。
昨日もそういう人がむそう塾に現れました。
昨日の人の場合は、生理のストップ、しびれやこわばりや皮膚の異常があったので、すでに排毒なんてものを通り越しています。
それでも本人は「排毒」だと思っているから厄介です。
そういう人が昨年も来られました。
まだお若いのに「これでいいのだ」と思って突き進んでしまうのです。
そんな人達のために、もう一つ大事な記事をご紹介しておきます。
マクロビオティックにおける動物性食品の取り入れ方 2011.7.14
2011年にすでに私のブログでも掲載しているのですが、ブログの移転があって、読みにくくなっているので、改めて全文を載せておきます。
とても長い記事ですが、マクロビオティックを提唱した桜沢如一(G.O)と、マクロビオティックを広めた久司道夫氏やその他の弟子たちの動物性に対する温度差がわかって、とても参考になる記事です。
この記事にはマクロビオティックの考え方でとても重要なことが書かれています。
排他的でないこと。
それなのに、それを忘れている人のなんと多いことか。
肝に銘じておきたい言葉です。
>マクロビオティックの教えの中核には非排他性、即ち他人を受け入れるという考えがある。他人の意志決定に寛容になれることが大切であり、我々の多くが日常肉を食する親戚や同僚を持つという点を考えた場合、この点は特に重要である。
* * *
以下、日本CI協会の記事からリンクします。
How to Include Animal Foods (動物性食品の取り入れ方)
カール・フェレー
マクロビオティックを実践している若者・ジョーは首に違和感を覚えていた。数年間、熱心にマクロビオティックを実践していたが、彼の病状は悪化の一途を辿っていた。ジョーは久司道夫氏のアドバイスを受けるため、テキサスからボストンに飛んだ。道夫氏のアドバイスにもかかわらず、病状の好転は見られなかった。ジョーはさらにヘルマン相原氏にもアドバイスを求めたが、結果は同じだった。結局、ジョーは全身を動かさないと頭を回せない身体になってしまっていた。彼の首は完全に凝り固まってしまっていた。
救いを求め彼は医者を渡り歩いたが無駄に終わった。結局、一人の医者がノースカロライナの専門医を紹介してくれた。この専門医がジョーを診断した結果、彼は非常に稀な骨障害を抱えていることが分かり、彼に解決策を示してくれた。鶏である。専門医の説明によれば、ジョーの骨は悪化し続けており、鶏のある成分(それは鶏にしかないそうである)が彼の病状を治療可能だそうだ。
ジョーは私の友人で、病気の兆候が現れる前の1975年に彼と出会い、共にマクロビオティックをスタートした仲でした。彼はとても社交的で面白く、毎日がパーティのような生活を送っていました。GOMF(George Ohsawa Macrobiotic Foundation)で働くため、私は1978年にカリフォルニアへ引っ越してきました。ジョーに最後に会ったのは、1983年にテキサスへ彼を訪ねたときでした。彼は完全に治癒しており、初めて会った頃の彼に戻っていました。一体どのようにして治癒したのかを聞くと、先に書いたように説明してくれた後、次のように言っていました。「良くなるためにマクロビオティックを諦めて鶏を食べなくちゃいけなかったんだ」
「冗談だろ!」と私は出し抜けに言い、続けて「身体が求めるものを食べるのがマクロビオティック食じゃないか」。ジョーは理解できなかったようだ。マクロビオティックでは鶏は敬遠すべきものだという考えに凝り固まっていたのだ。鶏は食べないものだという「マクロビオティック」の食箋に従っていた時よりも、身体がそれを求めていることを受け入れ、鶏を食べたジョーの話を聞いた時、彼が本当にマクロビオティックを実践しているのだと感じることができた。
BACKGROUND-背景-
現実的に考えてみると、マクロビオティック食に動物性食品を導入している人もいればしていない人もいる。動物性食品を健康に寄与する形で摂るこることは可能だと考えている人もいれば、魚介類以外の動物性食品を摂るのは避けるべきだと考えている人もいる。マクロビオティックの実践をする際の敷居を低く設定している人もいれば、高く設定している人もいるのである。
魚介類以外の動物性食品を制限・禁止するという厳格な規定がある一方、それを摂っても良いという程度の寛容な規定もある。今日、動物性食品を食べることの危険性は以前にもまして大きい。只、より深刻な危険とは、マクロビオティックの理念を病気治しのための食事に限定してしまうことにある。この記事では、魚介類以外の動物性食品をマクロビオティックの理念や実践に導入する際の賛否両論を検討する。尚、これ以後、「動物性食品」とは、魚介類以外の動物性商品全般を指すことにする。
マクロビオティックを実践する際、動物性食品の位置づけに関する混乱は、マクロビオティックの著書に既に見ることができる。1960年に出版された「ゼン・マクロビオティック」は、George Ohsawa(桜沢如一、以下GO)が食箋について書いた最も詳細な著書である。彼はその中で、健康になるための10の食箋を提唱しており、その中の5つはベジタリアン食で残りの5つは動物性食品を含んだ食箋だった。彼が列挙した後者のマクロビオティック食には、鶏、七面鳥、卵、そしてバターや牛乳などの乳製品が含まれていた。
その一方で、健康的な生活には動物性食品を摂る必要がないことGOは書いている。動物性食品が人間の霊的な成長を阻害すると考えていたからだ。動物性食品を全く摂らなくてもよくなるまで自分自身を啓発することをGOは奨励していた。GOが動物性食品をマクロビオティック食に摂り入れた理由は、人々が与えられた食箋を厳格に守り続けることがマクロビオティック食であるという誤った考えを持たないようにすると共に、動物性食品を食べたいという希望を持っているためにマクロビオティックの理念を敬遠してしまうのを避けるためだったように思える。彼は可能な限り包容力のあるものとしてマクロビオティックを望んでいた。排他性を心底毛嫌いしていた。
ヘルマン・コルネリア相原夫妻が著した1970年代の書物では、動物性食品を時々食べても良いとする嗜好品の部類に入れている。事実、コルネリア夫人は何年もの間、感謝祭の日に七面鳥などの動物性食品を料理していたし、そうした料理レシピを『カレンダー料理本(“Calendar Cookbook”)』に掲載していた。GO夫妻も相原夫妻も、動物性食品の適切な摂り方に関するガイドラインを示しており、例えば、ごく少量をときどき摂取すること、オーガニックの飼料で生育され、放し飼いされている動物であることなどが示されていた。さらに両夫妻は、健康体であるためには、動物性食品は必要ないということも指摘していた。
マクロビオティックにおいて動物性食品を完全に禁止する方向に舵を切ったのは、道夫・アベリン久司夫妻により著された1980年代の書物に端を発する。『標準的なマクロビオティック食事法(“Standard Macrobiotic Diet”)』で道夫氏は、魚介類以外の動物性食品を「日常的に避けるべき食べ物」の部類に入れている。アベリン夫人は、週に2・3回ならば少量の魚介類を摂っても良いというスタンスから、1985年までに自著『マクロビオティック食完全ガイド(“Complete Guide to Macrobiotic Cooking”)』の中で、「肉、家禽、卵、乳製品の摂取は厳禁である」と述べている。
こうした厳格な規定に固守するというマクロビオティックの教えこそ、GOが避けようと試みてきたことだった。今日、マクロビオティックを指導する講師やそれを実践する者の多くは、アベリン夫人の食箋に従い、肉、家禽、卵、乳製品の摂取を厳禁としている。さらに言えば、人々の多くは、そうした食べ物はマクロビオティック食ではないと信じ、また指導している。マクロビオティックの実践者がGOや相原夫妻の書物を目にした際に混乱が生じるのである。我々は次の質問が投げかけられている。「マクロビオティックで動物性食品を摂っても良いのでしょうか?」
マクロビオティックとは大きく、偉大な生命という意味であり、それは動物性食品を摂る者も摂らない者も抱合するのに十分たる包容力がある。マクロビティックの原理によれば、反対のもの、あるいは対立するものは全て、同時に相補的でもある。健康的にマクロビオティックを実践できるのであれば動物性食品を摂っても良いと考える人も、それを摂るのは厳禁であると考える人、その両人を統合可能な考えがマクロビオティックである。個人的には両人の考えを尊重する。ただ、そこには問題もあるという点も指摘しておきたい。
PLOBLEMS WITH INCLUDING ANIMAL FOODS
-動物性食品を取り入れることの弊害-
動物性食品を摂っても構わないとすることの問題は、そのような記述が誤解の源泉だからであろう。この号の『マクロビオティック・トゥデイ( “Macrobiotics Today”)』の編集者への手紙で、読者はまさにこの点に関する懸念を述べている。マクロビティックの食事とは主に植物性食品を中心にしたものである。オーガニック飼料で生育された放し飼いの動物、あるいはその動物を元にした製品を時々、少量食べたからといって、それは変わらない。またこの事は、GO、相原夫妻、あるいはマクロビオティックの原理を勉強している者みなが皆、残虐非道な農場経営手法を容認している訳ではない。
動物性食品を避ける人が言うには、ごく少量であれば動物性食品を食べても良いと伝えてしまうと、それを聞いた人は、いつでも、好きなだけ食べても良いと勘違いしてしまうそうだ。これは明らかに誤りである。GOや相原夫妻は共に、特に当時の食品の質を考えた場合、動物性食品を食べることの危険性を指摘している。今日、品質はさらに悪くなっている。動物性食品に対する無知と、それを過度に摂取することに対する彼らによる警鐘は今日にも当てはまるのである。
マクロビオティックの世界には指摘しておくべき神話がある。マクロビオティックの実践者の中には、動物性食品を摂らない自分たちの方が高い精神性を持ち、判断力も高く、その他の点でも優れていると考えている者がいる。マクロビオティックを実践する菜食主義者は、動物性食品の量や質に関わらず、それを食べる人だと知りながらその人と席を共にしようとは考えてない。
動物性食品を食べる・食べないにせよ、その選択の裏にある考えも同様に重要なのである。マクロビオティックの教えの中核には非排他性、即ち他人を受け入れるという考えがある。他人の意志決定に寛容になれることが大切であり、我々の多くが日常肉を食する親戚や同僚を持つという点を考えた場合、この点は特に重要である。
動物性食品を制限することに関する別の議論は、マクロビオティックを実践しようとする人の大部分が、何らかの病を治療する目的でそれを始めるということにある。そのような状態にある人が病を克服するためには、必ずと言っていい程、動物性食品を避ける必要がある。そうした話をしていくと、各人に応じた適切な動物性食品の摂取を伝えるよりも、皆に動物性食品を避けるよう推奨したほうが話として簡単になったのである。動物性食品を制限する理由は多数あるが、それにより誤解が生まれ、様々な意味でマクロビオティックを制限することになったのである。個人的にその最たる例は、マクロビオティックの原理を学ぶことをせず、ただ盲目的に基本食を守るという欲求に駆られるという点ではないかと思う。
PROBLMES WITH EXCLUDING ANIMAL FOODS
-動物性食品を除外することの弊害-
動物性食品を厳しく制限することの弊害の一つは、健康の維持・増進を図るために動物性食品を必要とする人を過度に怖がらせ、それを食べるよう薦めるアドバイスに耳を貸さなくすることにある。友人のジョーは彼の症状を改善するために、動物性食品(彼の場合は鶏肉)を必要としていた。動物性食品のせいで彼はマクロビオティックをやめてしまった。しっかりとマクロビオティックを理解していなかったために、彼はそれを全て放り投げてしまったのである。こうした限定的な物の見方のためにマクロビオティックをやめなくてはならなくなった人が一体何人いるのだろうか?
魚介類以外の動物性食品を食べる必要があるとアドバイスを受けた経験を持つ人を何人も私は知っている。私自身、数年前に同じようなジレンマに直面したことがあり、わずかの間だけ動物性食品を食生活に摂り入れ、体調が改善した。私は、何をどのくらい食べるかを決定する際にマクロビオティックの原理を活用したが、心配されるほど難しくはなかった。
動物性食品を制限することで発生する別の問題とは、マクロビオティックを実践する指導者の多くがそれを自らの食生活に摂り入れていることにある。何年も前に、私は、乳製品を厳しく制限する理由をいくつも挙げレクチャーを開催していたマクロビオティック講師の素晴らしレクチャーを聞いた。大変な感動を覚えたため、講演後、感謝の気持ちを伝えるため、彼の控え室を訪れてみると、なんと彼は、牛乳入りの冷たいシリアルを食べているところだった。私はショックを覚え、彼が講演で謳ったことと実際の行動が違うのは何故なのかと考えてみた。
数年後、マクロビオティックの指導者たちが集まる会合に参加した際、その答えが明らかになった。過去2ヵ月の間、魚介類を除いた卵や動物性食品を食べていないかを聞かれ、6人中一人がYESと答えた。私は混乱した。彼らは自分たちの主張を正当化するために、動物性食品を摂っても良い理由を、自分たち講師はマクロビオティックの原理、例えば、食材の品質、食べる量、適切な調理法などを知っているからだと主張した。マクロビオティックの原理を知っている者であれば動物性食品を食べても良く、知らない者はたべてはいけないのだ、と私は考えるようになった。このことを初めから教えてくれないのはなぜか?単に動物性食品を絶対摂ってはいけないと教えるのではなく、健康に資する形でそれを導入する方法を説明してくれないのはなぜなのか?
マクロビオティックの哲理には、生命のあらゆる領域で活用可能である普遍的な原理が内包されている。ところが、食養との関連が強くなったため、その哲理が疎かにされてきたのである。マクロビオティックは非常に限定的になり、「規模、範囲、能力が非常に大きいこと」と辞書が定義するようなマクロなものではなくなってしまった。マクロビオティックが食事面に限定されてしまったのみならず、その食事そのものも限定的なものとなってしまったのである。
How to Include Animal Foods
-動物性食品の取り入れ方-
このセクションでは、マクロビオティックの原理を使った動物性食品の取り入れ方のアイデアをいくつか提案していこうと思う。但し、以下の提案は、誰もが自分の食生活に動物性食品を摂り入れるべきだと述べているのではなく、また、注意深く熟考せずにそれを取り入れてもよいと述べているわけでもない。
Condition:健康状態
基本的に動物性食品は酸を形成し、植物性食品よりも身体に負荷がかかる。このため、すでに病気を抱えている人は動物性食品を摂取する前に、注意や相談といった正規の医療サービス提供者からのアドバイスを受ける。
全く健康な人ならば、動物性食品を摂る前にその特質や効能を徹底的に学ぶことが助けとなる。
Constitution:体質
ある人たちは、自分たちが積極的に動物性食品を摂っており、ほかの人達はそうではないと見出すが、私たちはみな一人ひとり違う人間である。私たち人間も含め、全く同じものなど存在しない。例えば、血液型がO型だという人たちの多くは、動物性食品を摂った方が身体の調子が良いと話すが、A型の人たちは、植物性食品を摂り、動物性食品を全く摂らない方が良いのだそうだ。
Purpose:目的
動物性食品を摂るかとらないかで、暮らしの中で無双原理やその哲学を使う目的に、直接影響を与えてしまう。心の成長のためにマクロビオティックを実践している者は、植物性食品を多く摂り、動物性食品を減らすことが有効であるといった桜沢や相原の教えを見出してきた。不調を癒すことに関心のある者は、各人特有の健康状態のためにはっきりこれ、と必要な食品がない限りは、前述した教えが同じく当てはまることに気づくだろう。
Attraction:効果
私は、フレンチメドウキャンプでのあるセッションを思い出す。ヘルマンがキャンプの女性参加者たちを楽しませているあいだ、コーネリアが男性参加者たちに話していた。ある男性参加者がコーネリアに、女が男に期待することとは何かと訊ねると、彼女はぐるりと彼らを見回しこう言った。「あなたたちみんな陰性すぎよ!」彼女は我々に、(適切ならば)動物性も含めたより陽性な食品を摂るよう薦めるのだった。彼女が考えるに、我々は女性の陰性さを引きつける陽性さが十分ではなかった。我々は「陽は陰を、陰は陽を引きつける」原則にではなく、コーネリアの助言には同意しかねる。
Quality:質
いずれの食品を摂るときにも、最も重要なことはその品質である。私見だが、選んだ食品の質は、動物性食品の場合は悪化する。化学物質や農薬、防腐剤、添加物等々といったものの入らない食品を選ぶことが重要だ。基本的には、人工的に手が加えられていなければ、それだけ良いということであろう。この原則は大量消費向け商業ベースの食品店からほとんどの動物性食品を排除してしまう。飼育場を自由に駆け回り、オーガニックな作物や飼料だけを食べている動物(やその加工食品)を選ぶのがいいだろう。可能ならばその飼育場を訪れるのだ。野生の獲物の肉は通常、飼育されているものより質は良いものである。
Quantity:量
GOは「量は質を悪化させてしまう」といったが、これは言い得て妙なことである。私の経験では、ごく少量の動物性食品であればそれはとても役に立つ〜たとえばコーンブレッドに入れる卵一つとか。いつものように、各人の健康状態や目的に応じた必要量を摂ることだ。もし健康状態のために動物性食品の摂取が必要で、それが少量なものならば、方法の一つとしては、自然飼育された食肉を扱う肉屋から骨を買いスープストックを作ることだ。このやり方なら、食肉そのものの過剰な脂を摂らずに骨のミネラルを摂取できる。
Yin/Yang:陰陽
陰陽の分類上、動物性食品がより陽性だと考えられている一方で、動物性食品は陽性の性質と陰性の性質、両方を合わせ持っている。肉についている脂肪は陰性であり、その脂肪こそが陰陽バランスを取る際に厄介なものなのである。GOが提唱する食養法ではその人の食事療法に動物性食品が含まれている場合、穀物を控え、サラダや果物、デザートなどをより多く摂るよう助言している。
Change:変化
全ては変化する。マクロビオティックは柔軟性や、適応力をもつことを説いている。釣り合いをとるために、素材に備わっている陰陽を料理法を変えることで調整するのだ。下準備や陰性食品を組み合わせることで陽性食品のバランスをとるといったことだ。マクロビオティックの料理本にはそのための多くのアイデアが載っている。初めあるものは終わりがある。もし我々が動物性食品を食べ始めたならば、それらを食べることを止める時もまた来るだろうし、後に再び食べ始めるほうへと引き寄せられることもあるだろう。
Front/Back:表裏
表あるものはまた裏もあり表大なればまた裏も大なり。効のあるものは害をなすこともあるということ、効能が大きければそのぶん害もまた大きく潜んでいるのだということを、GOは我々に教えてくれた。その理論を理解せずに、ただ闇雲に杓子定規な規則のあと追いをすることこそが最も危険なことだ。適切な理解や予防措置といったことなしに動物性食品を食べることは間違いなくその危険行為に当たる。
CONSEQUENCES
-結論-
マクロビオティック哲学のもっとも重要な概念の一つが、我々が飲み食いしたものが、その結果を引き起こすというものだ。GOは経験はまた偉大な教師であると教えてくれた。彼の助言はつまり「やって、それをよく見ろ」ということだ。我々が飲食に何を選ぼうとも、最も重要なことはその結果を見極めるということなのだ。もし我々がさらなる不調を感じたなら、摂ると自分で決めた(不快さや病気を引き起こす)食べ物を飲み食いする、その欲求を控えることだ。
我々の考え方や指導にも結果はついて回る。この財団が入る建物の大家は、我々の活動が気に入っているといってくれていた。我々が沢山の人たちの健康維持やその回復を助けていることを、自分は知っているんだと話してくれた。しかしながら、彼は、厳格なマクロビオティックダイエットを続けながら30年やそこら生きるくらいなら肉やピザを楽しみながら10年ちょっと生きるほうがましだと、言い続けてもいた。彼はドアの向うへ歩きながら振り返りこういった。「もちろん、10年かそれよりもっとか、病院から君の助けを求めているかもしれないけどね」
あの時、私は絶好の機会を逃してしまった。私はマクロビオティックを治療目的のダイエットへと焦点を絞りすぎてしまったのだ。そして大家はドアの向うに歩き去っていった。彼が寄せたマクロビオティックへの関心は失われてしまったのだ。彼が肉やピザを食べながらでもマクロビオティックの原理を使えることを私は説明出来たはずだったのに、結局それをしなかった。そのドアを閉じる代わりに、その瞬間を捕らえ彼の考え方の方向転換をはかることで別の扉を開けることが出来たはずなのに。
動物性食品を摂ることを選ぼうとそうでなかろうと、我々は動物性食品に対して感謝の念を捧げることはできるし、また我々は食べ方に頓着しない人々を受け入れることはできる。マクロビオティックは頑固な決まり事のセットではなく、人生の全てに当てはまる順応した哲学なのだ。マクロビオティックにおける全ての経験は価値があり必要とされるものである。我々が他者を受け入れる努力をより多く払うことは我々の自由や喜びもまたさらに深みを増すのだ。
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「Macrobiotic and Animal Foods(マクロビオティックと動物性食品)」は日本CI協会・編集部が和訳したものです。
GOMFの連絡先は下記となります。
gomf@earthlink.net
英語版を読みたい方は下記のウェブサイトをご参照ください。
http://ohsawamacrobiotics.com/joomla/index.php
マクロビオティックの陰陽を活かした家事アドバイス講座(55) 家具選び
<Fu(26-3)さん>
一番早くにレイアウト変更が進んでいたのですが、家具を選ぶ段階になって迷いが生じましたね。
それは次のような理由からでした。
>私がこの2つの家具にずっと悩んでいたのは、これが美風さんから紹介していただいたもので、自分の力で選んでいないから、という理由もありました。
>私は他人の意見に流されることが多くて、誰かの案に賛成し、別の誰かから別の意見が出ると、それもいい、と思ってしまいます。
>自分の意見がしっかりしていなくてブレることが多々あります。
>ご紹介の家具をそのまま選んでしまったら、自分で考えることなく選んでしまう。
>それでいいのだろうか?という思いがありました。
>でもアドバイスの家具を買うことも、そもそもこの講座を受けることを決めたのも私の選択の1つ。
>それが良いものなのだから、変なこだわりは捨てようと思いました。
* * *
あなたらしいなあと思いました。
きっと最後の段階であなたは逡巡されると思っていました。
今まで何年もあなたを見ていて、あなたの思考パターンを知っているからです。
「ご紹介の家具をそのまま選んでしまったら、自分で考えることなく選んでしまう。それでいいのだろうか?という思いがありました。」と書かれてありました。
ここにあなたの今までの生き方が凝縮されていますね。
あなたが変化しようともがいている姿が、目に見えるようでした。
私が何かをご紹介するときは、自分が実際に使ってみて良かったもの、今までの経験上これはきっと間違いないと信用できるもの、それから、その人の経済面を考慮して大きくかけ離れた金額にならないように、と思って商品を探しています。
ですから、検索には膨大な時間を要し、先日もお一人の記事を書くのに一晩徹夜して、8時間近くも費やしてしまいました。
その人にはどういうグレードの物がピッタリなのか、その人の陰陽もしっかり考えて絞りをかけていきます。
さらには、その人の暮らしぶりや年齢や社会的ポジションも考慮した上で、将来こういう方向に進まれたらいいなと思って選んでいます。
ですから、ご自分でお考えになる場合も、そういうポイントを押さえて決定されたら良いと思います。
途中であなたのご予算をお伺いしましたね。
その範囲内に収まるようにと思って選びました。
ですから、安心してお決めください。
一つだけアドバイスするなら、お洋服でも家具でもお住まいでも、一つ上を目指せるランクのものを選ぶのがいいですね。
自分を卑下しすぎない、見栄を張りすぎない、そんなところを落とし所にして選んでみてください。
そうすると、マクロビオティックで考えても、良い陽性の方向に行けますよ。
▽▲ 過去の「マクロビオティックの陰陽を活かした家事アドバイス講座」は、こちらからご覧ください。▽▲
(教室の掛花 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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カテゴリー: こころ・想い, マクロ美風の家事アドバイス講座
2件のコメント
玄米の炊き方そしてカラスガレイの煮付けに感動した塾生さん
今年も幸せコースでのお魚の授業が終わりました。
マクロビオティックの料理教室なのに、お魚を扱うの?と思われるでしょうが、むそう塾では最初からお魚を丸ごと料理する日をカリキュラムに入れてあります。
それは、日本の食文化もお伝えしたかったからです。
そのうえで、片寄ったマクロビオティックの世界に陥ることなく、お魚が好きな人とも交流ができ、動物性が必要な家族にも美味しいお魚料理を作ってあげられるようにするためでした。
そして、むそう塾をオープンしてからずっと、京料理人中川善博のお魚料理の美味しさに、塾生の皆さんが感動してくれて、プロの凄さに唸る人が続出中です。
中でも煮魚は一番ビックリされます。
煮魚は生臭いから好きではないというご家族が、「美味しい美味しい!」と大喜びで食べてくれたという報告が毎年届きます。
今年も塾生の“あみ”さんが、復習投稿に嬉しいお言葉を書き添えてくださいました。
素晴らしい内容なので、ご紹介させていただきます。
<あみさんの復習投稿より>
中川さん
いつもご指導ありがとうございます。
カラスガレイを煮付けました。
カラスガレイの煮付けはこれまでにも作ったことがありますが、こんなに美味しく煮付けられたの初めてです。
お教室で頂いた時、あまりの美味しさに一人で食べるのがもったなくて、半分持ち帰って家族にお味見してもらいました。
もちろん、「これ作れるの?すごい!」の声。
中川さんがおっしゃったことを思い出しながら、丁寧にウキウキしながら、カレイと煮汁の変化をじっくり見ながら、仕上げました。
中川さんにお料理を教えていただいて、私はやっとお料理ができるようになりました。
情熱を持ってご飯を作っていたつもりでしたが、今思うと浮ついたお料理でした。
流行りの食材や調味料を使ったり(それはそれで楽しいのですが)時短を歌う調理器具を使ってみたり、ふわふわゆらゆらしていました。
むそう塾でお世話になってからやっと芯のあるお料理ができるようになってきたんではないかと思います。
まだまだこれからですがよろしくお願い致します。
アジ捌きます!(みーまさんにオススメの魚屋さんを教えてもらいましたので、行ってまいります)
* * *
あみさんは2月14日の愛クラスを急遽再受講されました。
平日の開催だったのですが、「行けそう!」というチャンスを逃さず受講してくださったのです。
教室で実際に玄米ご飯を炊いてみて、中川さんの指導に唸った炊き上がりを得られ、感動して帰宅されたのでした。
そこからあみさんの心に変化がありました。
本気度がググッと深くなったのです。
人間って「たった一日でも変われる」好例だといえるでしょう。
あみさんにはしっかりとした軸ができたと思っています。
ほんまもんに触れて、体験して、自分の中で再現できた時の喜びは、きっと鳥肌が立つ思いだろうと想像します。
基本の玄米ご飯に戻って得られたこの感動は、確実にあみさんの人生の節目になりましたね。
メールを記事にさせていただいて良いかどうかのDMをお送りしたところ、お返事に「あの投稿文を書いていたら泣けてきました」と書かれていました。
そして、「2月の愛クラスに参加しなかったら気がつかなかったのではないか」とも。
あみさんは玄米ご飯もカラスガレイのお煮付けも、ご自分で試行錯誤されたあとだからこそ、中川さんからの指導に素直に感動出来たのだと思います。
そういう意味では、この感動はあみさん自身の力で勝ち取ったものでもありますね。
自分でも頑張れば、より上のレベルに手が届く良いお手本でした。
でも、出来ない出来ないと思っていて行動を起こさない人は、いつまで経っても出来ないことから成長できません。
たった一つの出来事、たった一つの経験からでも人は変われます。
チャンスは無限に転がっています。
行動するかしないか。
気づける陽性さを持ち合わせているかどうか。
それをマクロビオティックの陰陽で見ていくと実に面白いことが分かりますよ。
(カラスガレイの煮付け 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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2件のコメント
素敵な人間関係 独身主義の方、ちょっと揺らいでみませんか?
連日「マクロビオティックの陰陽を活かした家事アドバイス講座」の記事が続いていますので、この辺で他のお話を。
昨日、「素敵なご夫婦」という記事を書きました。
そのご夫婦には大人の世界があって、本当に良い氣を感じたのです。
会ったこともないのにその人のことが分かるか、と言われそうですが、これが分かるんですねぇ。
むそう塾生にはこういう素敵なご夫婦が何組かおられます。
ご主人様が人格者の場合は、奥様が実力以上の生き方ができます。
反対にご主人様が今ひとつだと、奥様はその力を存分に発揮できない生き方になる可能性があります。
良いご主人様に恵まれた奥様は、とても穏やかでノビノビ感がありますが、そうでないご主人様の場合は奥様に不満が多く、どこかにビクビク感があったりします。
女性はそれほどに男性の影響を受けるのです。
* * *
ところで、男女の間に限らず、誰かに何かをしてもらった時って嬉しいですよね。
よく引き合いに出されるのが、ソファーでうたた寝をしていたら、家族が毛布をかけてくれて、目が覚めた時にほんわかした気持ちになって、かけてくれた人の愛情を感じるというものです。
この「思いがけない」ことって、かなり効果があって、私も今までの人生でいっぱい経験しました。
それはそれは嬉しいものです。
さらに感動的なのが「思いやり」です。
相手に何かをしてもらっただけでなく、その背景にその人の思いやりを感じ取れると、大袈裟ですが「生きていて良かったなぁ」「その人とご縁があって良かったなぁ」と思えます。
そしてまた、「今度は私もそんなふうにその人にしてあげよう」と思えてくるのです。
根底にこんな想いを持てる人間関係って最高に素敵ですよね。
今回の家事アドバイスでも、そういう人間関係の端々がビシビシ伝わってきます。
何かを決断するとき、「自分の希望ばかりを主張するのではなく、相手は何を望んでいて、自分はどこまで譲歩できるだろうか?」という視点で考えられたら、もっともっと人間関係がうまく行くのになと思える場面が多くあります。
昨日の記事に登場した「素敵なご夫婦」のKaさんのメールには、ちゃんと陰陽を意識していたことが書かれてあってとても嬉しかったです。
具体例として参考になりますので、引用させていただきます。
>陰陽の理解度はまだまだですが、それでも昨日の夫との家具選びに陰陽が役立ちました。
>お店の方に、これはどちらにしますかと聞かれる場面では、心の中で「ここは出しゃばらず、陰性でグッと我慢」と思って、先に夫に選んで貰う間を作るように心掛けました。
>そのおかげで夫の満足度も高かったのかなと思います。
>家事講座の最初に、そこに住む主の気持ちを無視してはならないと教えて頂けたことで、2人が使うものだという認識を忘れないでいられました。
>そうやって相手を尊重することで夫を大切にしていきます。
この前のメールには次のような文章がありました。
いいですねぇ、このお気持ち。
>私達夫婦も一生ものの、安心して使えるよい買い物が出来ました。
>決めたあとは2人とも大仕事を終えたような感じでしたが、夫の表情にも満足感があり、真剣に選んで付き合ってくれた夫にもとても感謝しています。
>素敵な夫婦と言って頂けてとても嬉しいです。
>この気持ちを忘れないで夫を大切に致します。
もうKaさんご夫妻のこれからのお幸せが目に見えるようですね。
そして、やっぱり夫婦っていいなぁと思うのです。
一人で生きるのもいいけど、こんな人間関係を築けたら夫婦になるのも悪くないのではないでしょうか?
独身主義の方、ちょっと揺らいでみませんか?(笑)
* * *
(真鯵のお造り 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
素晴らしい盛り付けですねぇ。
ゾクゾクします。
真上から見てみると。
(真鯵のお造り 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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6件のコメント
マクロビオティックの陰陽を活かした家事アドバイス講座(30) 素敵なご夫婦
マクロビオティックの陰陽に沿って物事を決めると、とても心が落ち着きます。
そして、限りなく安心感が広がります。
これが私がマクロビオティックを知って一番強く実感したことです。
他の方法でも精神的に働きかけるものは沢山ありますが、マクロビオティックの良いところは、食べ物と直結していることです。
人は生きている限り、毎日何かしら口にするのですが、その口にするものを陰陽で考えながら食べていると、とても体調が良いので、なおのこと精神的にも安定してくるからです。
ところで、昨日は埼玉から京都入りして、一日授業だったため、家事アドバイスの記事が書けていないのですが、裏ではメールで急ぎの対応をしていました。
その中で、ぜひ家事アドバイスの記事として残しておきたかったことがあります。
それはご夫婦の素晴らしさです。
心から「こんなご夫婦っていいよねぇ」と思えるのです。
家事アドバイスの内容としては次のようなものです。
ご主人様が赴任先のアメリカから持ち帰ったダイニングセットは、高さがあるために奥様には使いにくいものだったのですが、家事アドバイスでそこを指摘したところ、買い換える決心をされたのでした。
メールのやり取りをしていて、立派なご主人様がついていらっしゃるから大丈夫だなと感じたので、あえてお店の選び方など細かいことはお伝えしませんでした。
買い物は「どこから買うか?」というのも、マクロビオティックの陰陽の流れとしては重要な要素なのですが、それを見事な結果として示してくださいました。
素晴らしい陽性の流れとなりました。
* * *
<Ka(86-4)さん>
ついにダイニングセットが決まりましたね。
4月の中旬あたりの納入まで、楽しみで楽しみで毎日心待ちの生活が続くことでしょう。
それにしても、家事アドバイスにご主人様が全面的にご協力くださって、一緒に家具選びもしてくださって、テーブルと椅子の寸法の決め方にも、ご主人様の愛をたっぷり感じる結果で、私は感動しました。
身長が高いご主人とは身長差があるあなたのために、ご主人様が出した結論。
ダイニングテーブル:H660
夫椅子:SH 400
妻椅子:SH390
というものでした。
当初の予定は、テーブル650、椅子380でした。
素晴らしいですねぇ。
ここには相手に対する愛や思いやりや、感謝やすべてが凝縮しています。
夫婦ってこういうものだと思うのです。
お選びになった椅子に座るたびに座り心地の良さや満足感を感じ、テーブルに触れるたびに樹木のエネルギーを感じ、そのたびに安心感や幸福感に包まれることでしょう。
良質の家具は人間より寿命が長いですから、丁寧に大切に使って、一生その家具と添い遂げましょう。
マクロビオティックの陰陽を常に感じながら暮らしていると、これから家の中心軸はそのテーブルのある位置になって行くことでしょう。
そこから健康が生み出されて行く大事な拠点が出来ましたね。
素晴らしいご夫婦に乾杯!
素敵なご夫婦を見ると結婚したくなりますね。
私もそうでした。
一人でいるのもいいですが、やはりこうして信頼関係を築き合って行く人生は、1+1以上の生き方が出来て生き甲斐があります。
ここに結婚の良さがあると改めて感じたことでした。
選ばれたセットは次のとおり。
【クロステーパー テーブル 30t】
このイメージから高さと色が変わります。
色はWALNUT ウォルナットへ。
【ライトチェア】
このイメージから高さと革の色が変わります。
革の色はブラックへ。
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