中庸のマクロビオティックとは 4つの柱

先に2つの記事を書きました。
中庸のマクロビオティック=むそう塾スタイル 2016.10.19
中庸のマクロビオティックを提案したい理由 2016.10.20

今回の記事は、「中庸のマクロビオティック」の具体的な説明ですが、結論を簡単にいうなら、それは「日本の伝統食をちゃんと食べようよ」ということになります。
たくさんの人が言及している伝統食ですが、あえてむそう塾がこれを言い出すのは、あまりにも現代人の食生活がひどいからです。
勉強はするのにお料理はしない人がメチャクチャ多くなって、お食事は外食するか買ってくるという人が凄く多いのです。

そういう人のために私は次の食べ方を「中庸のマクロビオティック」としておすすめします。
まず、日々の食生活のあり方の基本を和食に戻してもらって、お料理のバランスを陰陽で調節してもらうだけです。
もちろん、オプションとして和食以外のお料理もOKです。

【中庸のマクロビオティック 4つの柱】
・玄米ごはん
・お味噌汁
・糠漬け
・煮物
これらはすべて中庸に属する食べ物と料理方法なので、陰陽どちらにも著しく偏ることなく、着実に心身の弾力をつけてくれます。

*   *   *

下の写真は、むそう塾生のある日のお弁当です。
写真にはありませんが、それぞれが糠漬けやモバイルお味噌汁を持参しています。
お昼であっても4つの柱は崩れていません。

<例1>
15日なので小豆入りの玄米ご飯です。
主食とおかずの比率がとても良いお弁当です。
なお、玄米ご飯が158gと少ないのですが、1型糖尿病を抱えているため糖質制限をしているからです。

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(マクロビオティック京料理教室 むそう塾 好さんの100点お弁当

<例2>
男性で白米の場合は、ご飯の量を多くします。
ご飯は300gあります。

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(マクロビオティック京料理教室 むそう塾 舞さんの100点お弁当

<例3>
筑前煮のお弁当です。
女性なので玄米は200gです。

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(マクロビオティック京料理教室 むそう塾 舞さんの100点お弁当

*   *   *

もうお気づきでしょうか?
中庸のマクロビオティックとは、主食の玄米ごはんで中心軸を作ります。
そして、それに発酵食品と大豆製品としてのお味噌汁をつけて、さらに発酵食品として糠漬けを添えて三本柱を作ります。
むそう塾ではこれを「むそう塾三種の神器」と呼んでいます。
おかずは一日に1種類は必ず煮物を摂ります。
これで4つの柱の完成です。

最初からこれだとハードルが高いという人は、つぎのように置き換えても良いのですが、早く玄米バージョンで実現出来るようになってください。
体の反応が格段に違いますから。
・白米
・お味噌汁
・発酵したお漬物
・煮物またはお浸し

そして、お弁当を作りましょう。
お昼に玄米ご飯を食べると、午後の体調がグンと変わります。
私がこんなにご飯をすすめるのは、日本はお米のとれる国だからです。
お米が一番体に馴染むし、経済的にも添加物の観点からも一番すぐれているからです。
お米は糖質があるから良くないと言う人には、糖質があるからこそエネルギーが出るのだと言いたいです。
ご飯をしっかり食べて、お菓子を減らす方が間違いなく健康への近道です。

「最後に、4つの柱を満たしたお食事は、心と体の安定につながります。
「これが一番のメリットであり、このことが「弾力」を生み出すのです。
詳しい食べ方などは、これから随時記事にしていきますが、すでにむそう塾では当たり前のことばかりです。
過去記事やお弁当記事をご参考になさってください。

 
 

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中庸のマクロビオティックを提案したい理由

昨日は「中庸のマクロビオティック=むそう塾スタイル」という記事を書きました。
中庸のマクロビオティックというのは、むそう塾をスタートさせるとき、中川さんとしっかり話し合って決めたものです。
私はリマ・クッキングスクールの出身、中川さんはクシ・マクロビオティックの出身なので、それぞれの認識を統一させる必要があったためです。

中川さんは長い間皇室に通じる老舗の京料理の現場で培った知識と技術がありましたから、その視点から日本文化の伝統を踏まえてマクロビオティックの問題点を洗い出してくれました。
私は、何年もかけて接した多くの人達のマクロビオティックの受け止め方や、体調の現実を軸に改善点を洗い出しました。
こうして「ここ」という路線を設定したのが「中庸のマクロビオティック」だったのですが、ややこしくなるので「むそう塾スタイル」として通して来ました。

むそう塾を始めて丸8年、その間にこの「むそう塾スタイル」は確実に多くのご家庭で幸せを生み続けてくれています。
桜沢如一先生が目指した食べ物から人生を切り開いて行く方向が間違いなく実現できています。
何を食べるかも大切ですが、何のために生きるかはもっと大切です。
しかし、その生き方は健康な心身に恵まれてこそ実現できることが多いので、まずはちゃんとしたものを食べようよ、と言い続けて来たのでした。

*   *   *

その間にマクロビオティックや玄米菜食を取り巻く現状は徐々に変化を始め、一方は陽性なマクロビオティック、もう一方は陰性なマクロビオティックが軌道修正しつつあります。
その双方ともに、極端な方向から中庸寄りに近づいた結果となっていますので、やはり現実はうまく揺り戻してくれたなぁと思うのです。

具体的には、陽性な玄米菜食を勧めていた人たちが塩分量を減らす指示を出したり、塩抜きメニューを提案したり、陰性なマクロビオティックを教えていた人たちの中で、動物性食材をすすめるようになったり、動物性メニューを教えるようになったところが出てきたことです。
つまり混乱しているのです。
前説を修正するのは悲しいし勇気がいります。
しかし、修正しないよりはましです。
これらの動きは、体調が思わしくない人が目の前にいる現実に動かされた結果だと思います。

先の記事で私は心身ともに弾力のない人が多くなったと書きました。
そういう人たちのために、とにかく解りやすくて実行しやすくて、確実に弾力を取り戻せる食生活のあり方を伝えるのが急務だと思っています。
それは食育なんて生ぬるいものではなく、もっとダイレクトに心身に働きかける方法が求められます。
その具体策を盛り込んだものが、食べ物の力を借りて心身の弾力を築く「中庸のマクロビオティック」です。

詳しくは次の記事でご紹介します。
きっと、なあんだこんなこと?って思われるかもしれません。
でも、その「こんなこと」が出来ていないのが今の時代なのです。

なお、「むそう塾スタイル」については、下記の記事をお読みくださいませ。
マクロビオティック料理教室としてのむそう塾スタイル 2013.11.6

 
 

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(松茸入り玄米ご飯 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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中庸のマクロビオティック=むそう塾スタイル

昔のマクロビオティックの指導者たちには大酒飲みの人が多かったと聞きます。
その理由は簡単。
陽性になりすぎていたからでしょうね。
伝わっている料理方法によれば、それは「陽性になるための方法」なので当然なのですが、食養の本家である石塚左玄だって死因は陽性になりすぎていたことが残された文献からも想像できます。

また、お酒を飲まない指導者は果物や甘いものに走ったり、煙草をよく吸ったりしていましたし、私はそういう指導者から実際に教えを受けました。
それらは嗜好品ではありますが、その嗜好品で心身の陰陽バランスを調整していたのは確かです。
私はそういう先人のあり方を参考にして、著しく偏らないマクロビオティックが今の時代には必要だと思っています。

なぜなら、今は心身ともに弾力のない人が多くなっているからです。
そういう人は厳密には整った身体をしていないのですが、一応社会人として存在しています。
しかし、とても偏っています。
ある者はひどく陽性に、ある者はひどく陰性に。
ですから、陽性一辺倒のマクロビオティックでもいけないし、陰性いっぱいのマクロビオティックでもいけないのです。

そういう人たちのためには、中庸のマクロビオティックが必要です。
実際には「中庸のマクロビオティック」なんて言わなくても、陰陽を加減すればいいだけなのですが、初心者でも分かりやすく、なおかつ具体的に取り組めるようにと考えて、あえて命名してみました。
といっても、これはむそう塾がスタートした時から塾生さんに説いているマクロビオティックの説明なので、むそう塾の幸せコースに通っておられる方には当たり前の視点です。

ですから、むそう塾ではかつてから「むそう塾スタイル」として、中庸のマクロビオティックにするための具体的方法を伝え続けてきましたが、昨今のマクロビオティック界の現状を見ますと、もっと「むそう塾スタイル」を前面に出しておいた方がマクロビオティック初心者のために良いと思い始めました。
その具体的理由などは、次回の記事に書きます。

 
 

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(科学的食養長寿論 石塚左玄著)

 
 

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玄米ご飯が主食のご両親から産まれた双子ちゃん

むそう塾生の緋乃ちゃんからメールがありました。
ただいま3人目のお子さんを妊娠中なのですが、近況のご報告です。
彼女は初めてのお産を一卵性双生児で出産し、今はそのお子さんを育てている真っ最中です。
このブログでも過去記事に登場していますが、彼女は体調に合わないマクロビオティックをしてヨロヨロしていたのに、ついには双子どころか3人のお子さんのお母さんになろうとしています。

最初の妊娠の時には、まだ不安があったので子象ちゃんが作る鉄火味噌に助けてもらいました。
でも、今回の妊娠では鉄火味噌のお世話にならなくても、自前で血液もまかなえているようです。
日々のお食事が効いて来たようですね。
素晴らしいことです。

 
 

<緋乃さんからのメール>

中川さん、美風さん

こんばんは。
最近の近況をご報告させて頂きます。
お腹の子は現在7ヶ月になりました。
来月3日にお弁当講座に伺う時には8ヶ月になっています。
29日の盛付講座と共に久々にお会いできるのを楽しみにしています。

子供の性別ですが・・・
なんと!!!また男児のようです(驚!)
女児希望でしたが、私がむそう塾のお陰でかなり元気になったようで・・・
こらから、3人のパワフル男児を育てていくことになりました。
(ちなみにむそう塾に通う前に流産して手術をした子は女児でした)
もっと体力つけて母ちゃん頑張らないとです。
今でも双子の有り余るエネルギーに圧倒されてヘトヘトな毎日ですが、
これが3人となると今から末恐ろしいです。
お米も思春期には1升くらい毎日炊かないといけないかもしれません( ; ; )

双子は妊娠前から中川式玄米と中川式のお料理で育っているため、
親から見たら元気すぎるのですが、人見知りもせず、
空腹や眠い時、構ってほしいとき以外は愚図らず、

「誰が抱っこしても泣かないね」
「大人しいね」
「可愛いね、子供らしい子だね」

と色々な人に言って頂き、
出先や電車で出会った年配の方にも抱っこして貰ったり、
可愛がって貰ってます。

食べることも大好きで、「よく食べるね」といつも言われます。
二人の一番好きなものはお出汁でしょうか。
中川式の出汁のお味噌汁や麺類、あんかけなどが大好きです。
子供を育てるようになって、本当にしみじみと中川さんのお料理、そして、むそう塾で陰陽を習っておいて本当に良かったと思います。
私の中にもいつも”むそう塾”という中心軸が出来たお陰で、
今、安心&安定して子育て出来ています。

彼らが美味しい、美味しいと食べる姿を見てると、
あーもっと美味しいものを作ってあげたい、
もっと料理頑張ろうーと思います。

中川さんがお伝えしてくださっている、日本料理の真髄を
少しでも吸収して、そして、子供達、その子供達へと繋げていきたいな
というのが今のささやかな夢です。

不器用で中々上達も遅い私ですが、いつもご指導ありがとうございます。
どんどん進化するむそう塾に置いていかれないように
へばりついてきます。

また近況報告させて頂きます。

緋乃(65−2)

*   *   *

<マクロ美風より>

緋乃ちゃん、こんにちは。
メールをありがとうございました。
もう7か月なんですね。早いなあ。
昨日緋乃ちゃんがTwitterでつぶやいていた言葉が面白かったので、ご紹介しておきましょう。
緋乃
2人を追っ掛けて走ったり、抱っこしたりしてると妊婦だという事を忘れて色々やりそうになる(o_o) 夫も私が妊婦だと忘れると言ってた(@_@)
緋乃 ‏
双子が重かったせいか、身軽に感じます。

いや〜、そんなものかもしれません。
最初に大変な思いをしておくと、後が楽に感じるというのも納得です。
この考え方は色々なことに共通しますね。

緋乃ちゃんの先輩の“りんの”ちゃんは、やはり3人が男の子だったので、産み分けに挑戦してめでたく4人目が女の子でした。
4人目の赤ちゃん(女児)誕生! 産み分けが成功しました
りんのちゃんはご主人様の転勤で、この秋に東京に引っ越されましたので、連絡を取って何かと情報交換されると良いでしょう。
身近にむそう塾生がいるのは、とても心強いですからね。

緋乃ちゃんが元気に子育てをされているお姿は、後に続く人たちの励みになります。
これからもお元気でマタニティライフをお過ごしください。
久しぶりに東京でお会いできるのを楽しみにしています!

 
 

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<緋乃さんに関する過去記事>
子育て中はお部屋が片付かなくても許されます  2016.6.21
貧血でフラフラだったのに双子を完全母乳で育てています(玄米とお味噌汁と糠漬けに感謝!) 2015.6.19
双子の赤ちゃんがやって来た! 東京→京都 2015.3.16
一卵性双生児が経膣分娩で産まれました! 2015.1.31
一卵性双生児をお腹に東京から京都日帰り授業の臨月 2015.1.19
妊婦がよくなる便秘や貧血などのトラブルが皆無です! 2014.11.7
流産を乗り越えて男児の一卵性双生児が6か月になりました 2014.10.8
包丁がちゃんと砥げるようになると玄米が柔らかく炊けるようになる 2014.3.2
緋乃ちゃんの変化 2014.4.19

 
 

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カテゴリー: 子育て・野口整体・アトピー | 6件のコメント

京都ホテルオークラ経営の「ザ・ガーデン岡崎」閉店に想う

今年の1月10日に「ロームシアター京都」がオープンしたとき、京都ホテルオークラが経営する「ザ・ガーデン岡崎」はきっと閉店の道を歩むだろうなと思っていたら、やはり9月25日をもって閉店しました。

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2013年7月2日にオープンしたそうですが、3年で閉店とは早いですね。
去年の段階ではまだ京都ホテルオークラからシャトルバスが運行されていましたし、オークラのサイトにも「ザ・ガーデン岡崎」のサイトがリンクされていたのですが、今年に入ってシャトルバスの運行も止めていましたので、そろそろ終わりかなと思っていました。
オークラのサイトからもリンクが外されていましたしね。

「ザ・ガーデン岡崎」の東側にはお蕎麦屋さんの「権太呂 岡崎店」、北側には毎日行列が途絶えないうどん屋さんの「山元麺蔵」、そしてこれまた行列のできるお蕎麦屋さんの「岡北」が並び、道路を挟んで少し離れた西側に「京都モダンテラス」がオープンという状態になって、経営の方向性が見い出せなかったのでしょう。

しかし、「京都ホテルオークラ」と「ザ・ガーデン岡崎」の両方を利用していた私としては、どちらも間違った方向を向いているから当然の結果かなと思います。
どちらにも共通のこととして「味が落ちた」のです。
いち早くそれを感じたのは、毎月懇親会の会場として利用しているオークラの方が何段階も味が落ちたからです。
厨房の中では仕入れ段階や作り方まで見直しをしたようで、味気ないメニューに変わってしまいました。
きっと現場の声を無視して、経営者サイトが数字だけを見て判断した結果なのでしょう。

一方、ザ・ガーデン岡崎の方は、メニューに御膳ものがあって、それにはお味噌汁もついていたのですが、そのお味噌汁がとてもまずくて、お店の人に不味いよと伝えたことがありました。
すると、支配人がペラペラとお喋りを始めて、和食の板前さんがいなくなったので以前と同じようには作れないと言うではありませんか。
もう開いた口がふさがりません。
さらに、お店の賃料や売上のこと、お客にそんな話までするなーという内部のことも話しましたので、その時点で間違いなく閉店を予測しました。

余談ですが、京都モダンテラスのオープン当初、お味噌汁がまずかったのでお店の人に伝えました。
その後お味噌汁の中身も少し変わって味も前より良くなっていましたので、お店の人にちゃんと伝えておきました。
お店はお客が育てる面もあるので、こうして小さな感想でも伝えて行くのは大事なことです。
それに耳を貸さないお店はいずれ淘汰されるだけですが。

*   *   *

話題は変わりますが、かつてはホテルオークラのロビーにあった豪華なお花も、今ではすっかり小ぶりで貧弱になりました。
他のお店でもこういうところに手をつけるようになったら、そういうお店は採算が悪くなって来た証拠ですね。
しかしお客はそういうところを良く見ているものです。
経営者からみたら無駄に思えるその部分が、実はお客にとっては大事なサービスの一環になるのです。
ちょっと贅沢に思えるその空間の氣にお金を払っているのです。

私が今日の昼間に行った「長楽館」は、まさに空間料みたいな面があって、それにありがたくお金を払うのです。
お財布から出るお札の枚数が値段ではなく、それに相応しい空間を生み出しているかどうかが値段なのです。
そういう意味では、ホテルオークラもザ・ガーデン岡崎も真逆を向いてしまったのですから、尻すぼみになるのは当然かなと思います。

飲食業にあっては絶対やってはいけないこと。
それは味を落とすことです。
食材の仕入先を変えたりして、一時的には利益が上がるように思えるのは現場を知らない者の浅はかさですね。
お客の舌は敏感です。
値上げをして客離れを怖がるより、値上げをしても文句を言われない味を提供すればよいのです。
つまり、飲食業はたゆまぬ味の追究が必要不可欠なのです。

空間を含めてお味とともに全体に満足をしてもらった時、初めてお客はそのお店は高いのではなく安く感じるのです。
今はお客の立場である私ですが、むそう塾を通じてお料理つながりで想うことが多々あって、このような記事を書きました。
公然と店名を出しましたが、立地の良い場所にあっても閉店に追い込まれたお店に惜しいなぁと思う気持ちがあってのことでした。
どうかオークラのお味が元の美味しさに戻ってくれますように。
(無理とは思いつつも願う私です。)

 
 

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(さようなら ザ・ガーデン岡崎 2016.10.18撮影)

 
 

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