2019年8月14日。
この日は“たくや”さんにとって、一生忘れられない日になったことでしょう。
“たくや”さんとは、大阪府茨木市のお魚屋さんのことですが、その主である白石卓也さんが、むそう塾にお魚に関する技術的なことを習いに来られたのです。
全国のむそう塾生は、たくやさんの丁寧なお仕事のおかげで、自宅でも美味しいお魚料理を作ることができて、日々感謝しているのですが、もっと技術を向上させるために京都までいらしてくれたのでした。
13時半から22時までの8時間、それはそれは濃い時間であり、二人の築いてきた信頼関係に私は静かに感動しておりました。
伝えたことがスッと理解してもらえる気持ちよさに、中川さんは本当に嬉しそうでした。
伝えた内容は、むそう塾の幸せコースや満足コース、そして秘伝コースで伝えた内容と全く同じです。
でも、受け手がプロだと、こんなにもススッと伝わるのだなぁと思いました。
いつも教室では、お魚が苦手という女性に伝えているので、たくやさんの気持ちの良い反応が新鮮でした。
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では、ちょっとだけ雰囲気をお伝えしましょう。
まずは鯛をおろします。
たくやさんが持参された鯛は、コブが3つもあって、美味しいこと間違いなし!
中川さんがはらぼの骨のすき方を教えています。
鰹の霜降りを教えています。
仕上がりの美味しさに感動されていました。
鱧の骨切りです。(動画)
アドバイスを元に改善出来ました。(動画)
他にも烏賊や鯵の用途に応じた切り方を、細かく伝授していました。
お得意さんへの納品のため、ご自分のお店に並べるため。
お寿司用の切り方も教えて、お寿司も作りました。
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【一日見ていて感じたこと。】
最初に中川さんはたくやさんが持参された包丁をチェックしていました。
それだけでたくやさんの仕事のしづらさをキャッチして、中川さんの包丁を使ってもらったところ、たくやさんがとても感動して、私がTwitterで度々流した動画の感想が飛び出したのです。
包丁の砥ぎ方はもちろんですが、包丁の形状や重さ、スイートスポットのズレなどが、すべて包丁仕事に影響していて、包丁の深い勉強にもなりました。
中川さんが幸せコースの時から、口を酸っぱくして塾生さんに伝えていることの背景は、こんなところにもあったのかと、新たに感動した私です。
一方たくやさんは、教えてもらった姿勢、包丁の持ち方、鱧のおろし方、切り方などで、体が驚くほど楽になって、疲れない仕事の仕方にビックリされていました。
「これならもっと仕事ができる! 疲れませんね!」「いや〜、寿命が10年伸びました!」と驚かれていました。
中川さんが教室でいつも塾生さんに伝えていたことが、たくやさんはすぐ反応して、その違いを実感してくださったので、中川さんが経験してきたことや、お弟子さんたちに伝えていたことは、貴重な内容だったのだなと私も確認することが出来ました。
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最後に鯛茶漬けを食べて、携帯電話のお話を。
たくやさんはAndroidなので、今後の指導のためにiPhoneを買いましょうと話しているところ。
iPhoneでこんなに綺麗に写真が撮れることにビックリされていました。
(写真は中川さんがポートレートで撮りました。)
たくやさんは本当に気持ちの良い青年です。
目を見ればその人となりが伝わって来ることでしょう。
彼が中川さん仕込みの技術をマスターして、大阪一腕の良いお魚屋さんになってくれることを期待しています。
完