「お料理以前(1)?(4)」という記事を書いたところ、mixiに次のようなメッセージを頂きました。
同じご職業の方の参考になればと思い、記事にさせていただきます。
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マクロ美風さん、こんばんは。
ご無沙汰しております。
Tです。
今日は私の職場での出来事をお伝えしたくてメッセしております。
中川さんや美風さんのブログを読んで、「あー、このことなんだ」と実感する出来事があったのです。
私は病院で栄養士をしております。
マクロビを学んではいますが、病院では取り入れようとは考えていません。
ですが、体は食べ物からできる、すこしでも食べることを大事にしていきたい・・・という気持ちで日々取り組んでいます。
私の勤務する病院は子供の長期入院、難病などかなり特殊な病気の方、ほかには膠原病などで入退院を繰り返している方などが多いところです。
そのため料理のレパートリーを広げるため、予算人員時間の制約などからほとんど全ての料理が「冷凍の加工品」でした。
極端なことを言えばファミレスの食事です。
メニューだけ見れば、オムライスもカツ丼もてんぷらもビビンバもありとあらゆる物を提供していましたが「温めるだけ」でした。
もちろんアレルギー食や形態調整食などは手作りしていますが・・・
去年の春、転勤してきたときはかなり驚きました。
お正月は駅弁でしたし・・・
そして食事に対する苦情の多いこと多いこと。
結果患者満足度調査での食事についてのポイントが何よりも低く、平均以下という悲しい結果に。
そこで私はレパートリーを増やすことよりも「おいしく」食べていただくにはどうしたらいいか、後輩たちと考え、結局「手作り」することになりました。
もちろん全てというのは難しく、食材は冷凍でもちゃんとお鍋で作る・・・とか、冷凍野菜を生のカット野菜にする・・・とか。
マクロビオティックを実践している人たちから見たら驚きかもしれませんが、とにかく「人の手」をかけてもらうことにしました。
始めは調理師さんたちは時間がない、とか面倒だ、とかあったのですが、やはりプロです。だんだん色々工夫して「こうすればよりおいしい」などと言ってくれるようになりました。
そんなこんなで1年が過ぎました。
今年、満足度調査の食事のポイントが何よりもアップし、平均点を超えたのです。
確かに患者さんからの苦情は減り(無いわけではありませんが)おいしいというお手紙も頂くことがありました。
おいしい、という声が聞こえてくると皆の気持ちも高まり、よりいっそう料理もおいしくなるんだ・・・と実感したのです。
そう考えていたところで中川さんや美風さんの記事です。
うれしくてうれしくてなりません。
病院では加工品や冷凍品を使わなくてはやっていけません。
でも気持ちのこめ方、気持ちの変え方でも全く違うものになるんです。
ひょっとしたら私が言ってることと美風さんの考えは違うかもしれません。
もしそうだったらこんなメッセをしてしまったこと、お許しください。
これからも楽しい記事を書いてくださいね。
お忙しいところお邪魔して失礼いたしました。
T
P.S.
ですが・・・
小児科の子供たちや難病の子供たちには評判悪いです。
クリスマスはケンタッキーのチキンにケンタッキーのスープ、といわれてしまいました。
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Tさん、メッセージをありがとうございます。
私の想いも中川さんの想いも、Tさんと同じですよ。
「心を込める」ということがお料理の美味しさに影響することを、こんなふうに受け止めてくださって嬉しいです。
Tさんの心の存在が、多くの人に伝わったことに、とても感動しました。
病院の中でマクロビオティック食を導入することは難しくても、Tさんのように改善点を見つけるだけでも患者さんにとってプラスになると思います。
なぜなら、「美味しい」と思って食べるお食事は、体にとってプラスに作用するからです。
これからもTさんのお力を発揮して、少しでも「美味しい」お料理を目指してくださいね。
私達に勇気をいただきまして、ありがとうございました。