「中川式玄米ご飯の威力(1)」~消化吸収~より続く
「玄米ご飯は良く噛む」。
呪文のように頭にこびりついている言葉「噛む」。
私もマクロビオティックを始めた時には、よく噛むために頑張りました。
1、2、3・・・20・・・48・・・65・・・。
ちょっと話をしようものなら、「?、何回だったっけ?」ってことになりかねません。
そこで、あまり会話をしないことに・・・。
でも、それってお食事の楽しみが半減します。
そこで、ご飯を口に入れたら砂時計をポンとひっくり返して、数える煩わしさから逃れました。
しかしそのうちに、砂時計をひっくり返すことを忘れるようになりました(苦笑)
ま、舌の感触で「今、何回ぐらい噛んだ状態かな?」ということは判るようになっていたので、大体の見当はついていましたが・・・。
ところがよく噛んでいると、ご飯はもちろんお味噌汁も温かいおかずも冷めてしまうのです。
どんなに心を込めて作ったおかずであっても、いつも冷めたおかずばかりじゃ悲しいものです。
そのうちに無意識に噛む回数が減って来るようになりました。
つまり、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べたくなったのです。
これって、お食事の基本ですよね。
家族揃って笑顔で話をしながら、フーフーモグモグ。
この光景が玄米ご飯を食べる時にはなくなってしまうなんて、どう考えてもおかしいんじゃないか?
でも、右を向いてもよく噛む。
左を向いてもよく噛む。
本を読んでもよく噛む。
どの先生もよく噛むと口を揃えます。
ベテランの指導者になればなるほど、よく噛むことを強調されます。
一方、「マクロビ井戸端会議」や「美風ゼミ」で各地を回ると、次のような質問がいっぱい寄せられます。
・子供が玄米をよく噛まないんです。
・夫からよく噛む時間がないからお弁当に玄米を入れないでくれと言われました。
・高齢の家族に玄米は硬いからいやだと言われました。
・忙しいのでついついよく噛まないで食べてしまいます。
などなど、よく噛めない人の悩みがいっぱいです。
一つひとつのご質問にお答えしながらも、何とかこの問題を納得いく形で解決したいな?と思っていました。
でも、皆目見当がつかなかったのです。
ところが、「なかがわ」さんでいただいた玄米ご飯は、誤解を恐れずにいうなら、「よく噛まなくてもいい」のです。
まるで白米か分づき米のように、よく噛むことを意識しなくてもいいのです。
この表現はマクロビオティックの世界において、かなり誤解を招きます。
特にブログだと文字だけが独り歩きして、「マクロ美風が玄米を良く噛まなくてもいいと言った」ということになります。
それでも言いたいです。
「中川式玄米ご飯」は意識して噛まなくても消化吸収できると。
実際に「むそう塾」で「中川式玄米ご飯の炊き方」をマスターされた方々からは、噛むことを意識しなくても大丈夫になったので、家族から食べやすいと喜ばれているとか、今まで玄米を食べてくれなかった子供が食べてくれるようになったと言った声が寄せられています。
* * * *
このことは物凄く大事な意味を持っています。
昔から「玄米をよく噛め」と言われ続けたのは、よく噛まなかったら体に負担を与えるような玄米ご飯が多かったからです。
つまり、玄米は白米に比べて消化吸収が悪かったからです。
しかし玄米の栄養成分は白米に比べて圧倒的にいい。
それは摂り入れたい。
それならどうするか。
よく噛むしかなかったのです。
炊き方で消化吸収を良くするレベルまで、完全には到達していなかったからです。
食養指導で「玄米クリーム」を指示することがあります。
口でいうのは簡単ですが、作るのはとても大変です。
看病する側の愛情なくして出来るものではありません。
でも、助からないように見える人でも、この玄米クリームさえ口に入れば何とか希望がもてるというのが過去の例です。
これは何を意味するかというと、死にそうなほどの体であっても、よく吸収される玄米の成分が体に入れば、体力がついてくるということです。
玄米の栄養分が小腸で吸収される時に、最も吸収されやすい状態になっているのが玄米クリームなわけです。
だから、病人でない人でも、小腸に届く玄米が限りなく玄米クリームに近かったら、どんどん体調が変わってくれることになります。
ところが、小腸に玄米が届く時にも、これとは程遠い形の人が殆どではないでしょうか。
なぜなら、よく噛むことがなかなか実行できないから。
そして、良く噛まなければ消化吸収できないような玄米ご飯しか炊けないから。
ところで、消化吸収の悪い玄米を食べていたらどうなるか。
胃腸の弱い人は当然消化器系に負担をかけますから、胃もたれや不調の原因になります。
玄米を食べるようになって、イマイチ体調が良くない人は、このことが考えられます。
そして、玄米の栄養分を充分に吸収できないまま、玄米のもつ排出力だけが優先されるので痩せて来ます。
特に玄米は体内にある油成分と仲良くなって体外に排出してくれるので、油分を多く摂っていた人は著しく痩せます。
私は油ものを多く摂っていませんでしたが、先の記事にも書いたように、胃腸の弱いタイプだったので10キロ痩せました。
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もうお解りですね。
「中川式玄米ご飯」がなぜ素晴らしいのかを。
私は玄米ご飯を噛まなくてもいいと言っているのではありません。
「中川式」なら噛むことを意識しなくても、白米のような感覚で食べられると言っているのです。
ですから、「中川式」でない玄米ご飯を炊かれていらっしゃる方は、相変わらず「よく噛む」ことが必要です。
ただし、「中川式もどき」はまだ消化の面でイマイチです。
それは「むそう塾」に来られても、パスポートを取得された人の玄米ご飯と、パスポートを取得されていない人の玄米ご飯は、消化吸収の面でいまひとつ違うことを経験しているからです。
このことは、パスポートを取得するために、日夜頑張ってくださった受講生の皆さんなら、多くの人が体験済みだと思います。
そして、中川さんの「玄米投稿」に寄せられるお写真からもそのことが想像できます。
「中川式」をお伝えするのにパスポート制を導入したのは、この大切な部分をきちんとマスターして欲しかったからです。
ですから何かのご縁で「中川式」を学ばれた方は、どうぞ「完全な中川式」をマスターなさってくださいね。
そうでないと、勿体なさすぎますよ。
季節はどんどん変化します。
それに合わせて玄米ご飯の炊き方も微調整が必要です。
なぜなら、人間の体は季節に合わせて生きるように出来ているからです。
それをしない時、初めて病気の芽が生まれるんですね。
マクロビオティックとは、偉大な自然(宇宙)に自分の体や生活を添わせて生きることです。
ですから当然、玄米ご飯の炊き方も季節に合わせて炊くことになりますね。
声高にマクロビオティックって言わなくてもいいんです。
自然を意識して、自然に寄り添って生きている人は、それだけでマクロビオティックなんです。
どうぞ、本物のマクロビオティックと玄米ご飯で、あなたの人生を見違えるものにしてください。
「中川式玄米ご飯」にはその力があります。
「中川式玄米ご飯の威力(3)」~薬のような玄米ご飯~へ続く