マクロビオティックの理論と現実(3)お味噌汁

「マクロビオティックの理論と現実(1)玄米ご飯」「マクロビオティックの理論と現実(2)料理の真実と食箋」に続いて、きょうはお味噌汁について書きます。
日本人には欠かすことのできないお味噌汁ですが、このお味噌汁が案外くせ者なのです。
少し前なら朝の食卓には必ず登場していたであろうお味噌汁が、最近ではこれがコーヒーや紅茶に置き換わってしまったご家庭もあるのです。
そのために今の若者が朝からお味噌汁を飲む習慣どころか、お味噌汁の本当の味を知らないまま結婚してしまう人も少なくありません。
ご存知のように、お味噌やお醤油や鰹節は日本が世界に誇るべき発酵食品の代表です。
このお味噌やお醤油や鰹節がどれだけ健康に寄与しているかの実感がないから、単に楽チンな方に流れた結果のお味噌汁離れなのかもしれません。
私がお味噌汁の現実を痛感したのは、陰陽ひとり立ち講座の時でした。
3ヵ月間毎日皆さんの食事日記を拝見していると、その現実からいっぱい学ぶことがあったのですが、中でもお味噌汁の内容には大いに考えさせられました。
皆さんが飲んでいるお味噌汁を持参して戴いて、味見をしたこともあります。
その結果、体調に合っていないお味噌汁を飲んでいる人のなんと多いことか!
むしろ、体調を悪くするために飲んでいると思える内容のお味噌汁もありました。
お味噌汁はお出汁と具とお味噌の3種類で構成されますが、この組み合わせが今の体調にピッタリだと、驚くほど体調が良くなります。
しかし、その反対だと理由がよく判らないまま、今ひとつ元気さに欠けた毎日を送ることになります。
液体が体に及ぼす効果は速いので、1杯のお味噌汁で生き返ったように元気になる人も多いです。
そんなお味噌汁は美味しいし、体調に合っている証拠です。
お味噌汁の美味しさを左右するのは、出汁の影響が大きいのですが、その出汁を引くことがなかなか出来ていない人が多いですね?。
むそう塾でもたまに「出汁ってなんですか?」という質問が出て、その一言でその人の今までの食生活の歴史や育てられ方が判ってしまいます。
ですからむそう塾では幸せコースでも上級幸せコースでも、出汁の引き方を丁寧にお伝えしています。
日本料理の基本中の基本ですから。
このお出汁をベースにして、体調に合わせたお出汁や具やお味噌を組み合わせるのがお味噌汁です。
これらをちゃんと踏まえて手軽に携帯出来るように考え出されたのが、むそう塾の名物「モバイル味噌汁」です。
モバみそ講座を受講してからお味噌汁を飲む機会が増えて、体調が良くなるだけでなく、幸せ感を感じる人が多くなりました。
温かいお汁が体に入ると、体の芯が暖かくなってほっこりと幸せな感じに包まれます。
特にこれからの寒い季節には、温かい汁物は五臓六腑に染み渡ります。
ぜひ、マクロビオティックの陰陽のバランスが取れたお味噌汁を、毎日食卓に登場させてください。
美味しいと感じる個人差を大事にして。


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マクロビオティックの理論と現実(2)料理の真実と食箋

昨日は「マクロビオティックの理論と現実(1)玄米ご飯」について書きました。
今日はお料理の出来上がりの差について書きます。
お料理の出来上がりの差って、そんなに重要なことだと思われない人が圧倒的多数だと思います。
私も以前はそんなに気にしていませんでした。
しかし「むそう塾」を始めるようになって、皆さんが作るお料理を見ているうちに、その差があまりにもあることに驚くとともに、頭を抱えてしまいました。
これではマクロビオティックが正しく伝わらないはずだと思い知ったのです。
しかし中川善博さんは、そのことを充分知り抜いた上でお料理教室のスタイルをマンツーマンと主張されたのでした。
多くの弟子を育ててこられた中川さんにしてみれば、お料理が同じように伝わらないことは百も承知のことでしたから、私の驚きは当然想定内のことだったと思います。
同じことをお伝えしても、受け止め方が人それぞれで、お料理の出来上がりが実に微妙に違います。
これは欠点ととらえるのではなく、むしろ個性ととらえて、それを考慮した上で教え込まないと本当の伝わり方はしないわけです。
切るだけでも個性が出ますが、火加減は実に個性があって面白いくらいです。
よくお料理の本に強火とか弱火とか書いてありますが、人によってその火加減が見事に違うのです。
その差はその人の陰陽差に比例します。
また計量もその人の陰陽差に比例します。
材料の切り方もしかりです。
こうしてお料理は受け取る人の個性によって、どんどん温度差が生じるのです。
*   *   *
マクロビオティックでは食箋なるものがあります。
これは病気や体調の改善を希望する人が、マクロビオティック指導者から食べ物のアドバイスを受ける処方箋のことで、料理名や飲食可否の食品が書かれています。
通常は有料で、某有名な先生になると、一枚の食箋に10万円なんていう話も耳に入って来ます。
しかし食箋の有効期間は最大で3ヵ月未満、通常は1ヵ月くらいです。
体調が深刻な場合は、1週間はおろか、1日や1食のこともあります。
ですから、どんなに高い食箋でも、大事にそれを長期間使ってはいけないのです。
その辺のところは桜沢如一先生の本にも書かれているので、ご存知のかたも多いと思います。
この食箋は指導者がそばにいれば良いのですが、食箋だけを頼りにお料理をするのは、極めて危険性をはらんでいることになります。
理由は、指導者の考えたとおりのお料理を再現できていない可能性がおおいにあるからです。
とはいっても現実には指導者のところに寝泊まりして改善を目指すのは困難な人が多いでしょうから、そのような場合はお料理がきちんと問題なく作れていることを確認する必要があります。
それを怠って安易に食箋だけを乱発する指導者は無責任だと私は思っています。
そうはいっても、あまり深刻でない体調の人は、大まかな食事の方向がつかめるだけでも体調に変化が見られたりして嬉しいものです。
今月の幸せコースで行なった食事日記のアドバイスは、口頭でする食箋と同じ意味を持ちます。
辛口のアドバイスだった人もいますが、私の指摘を実践すると間違いなく体の変化を感じるはずです。
お料理には楽しさもある反面、食べ続けることによる弊害もあります。
そこのところをよく理解されて、出来上がったお料理が体に及ぼす影響をイメージできたらかなり成功だと思います。
これらの現実を見逃して、マクロビオティックの理論だけを振りかざしても、体調は今ひとつだったり、マクロビオティック料理の効果を実感出来なかったりするのです。
くどいようですが、マクロビオティックは実践あってのものですから、陰陽がお料理にもきちんと反映されているかどうかを、もう一度確認する必要はあると思っています。


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「第57回 むそう塾 愛クラス」は満席になりました

ただいまをもちまして「第57回 むそう塾 愛クラス」は満席になりました。
お申し込みをいただきました皆様、ありがとうございました。

・当日まで玄米投稿記事を参考に、しっかりと予習なさってください。
・予めお鍋を用意して炊飯の練習をされておくと、驚くほど上達が早くなります。
・お鍋の購入については、こちらの記事をご覧になってください。
・お鍋の選び方買い方などでお分かりにならない場合は、こちらのフォームからご相談下さい。
(中川善博本人から直接アドバイスをさせていただきます。)
・写真やパソコンが苦手な人は、十分に練習しておきましょう。
(玄米投稿で苦労しなくてもすみます。)
・携帯よりデジカメ・パソコンのメールの方が玄米投稿には適しています。

では12月18日にお会いできることを楽しみにしています。


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「第57回 むそう塾 愛クラス」の受付開始!

満席になりました。
ありがとうございました。
(11/8 22:20追記)

玄米ご飯は体に良いらしいと知っても、その炊き方が分からないという人は多いですね。
もちろん私もそんな一人でした。
でも今はインターネットで炊き方の指導をしてくれるところがあるのです。
まして、自分の体調に合わせてオーダーメイドの玄米ご飯を炊く方法を教えてくれます。
そんな教室が「むそう塾 愛クラス」です。

一度だけ京都までお出でいただいて、後は自宅で玄米ご飯を炊いて写真とメールを送って下さい。
あなたの体調や体質にピッタリの玄米ご飯が炊けるようになるまで、マンツーマンでご指導いたします。
ちょっとドキドキしますか?
心配ですか?
でもね、実は楽しくって無我夢中になっている間に玄米ご飯が炊けるようになります。
それもとびきり美味しい玄米ご飯をね。
さあ、マクロビオティックに関心のある方、美味しいお料理に目がない方、健康を意識した食生活をしたい方、むそう塾の入門クラスでまずは玄米ご飯の炊き方を学びましょう。
なお、この愛クラスは個人がご家庭で美味しい玄米ご飯を炊くことを目的にしていますので、残念ながら商業目的やお料理教室関係者のご参加はご遠慮いただいております。
これらの方には別途「業態支援プロデュース」をご用意しておりますので、そちらをご利用下さいませ。


【講座名】
「第57回 むそう塾 愛クラス」
「むそう塾」についてはこちらの記事をご覧下さい。
【開催日】
2011年12月18日(
【会場】
「なかがわ」京都市左京区孫橋町18
【内容】
「シコマチック eコントロール3.0」シコマチック Tプラス3.0」の2台で炊飯デモ&試食
・火加減の調節体験(1名ずつ)
・圧力鍋の高圧洗浄体験(1名ずつ)
・玄米と塩の選別相談(1名ずつ)
・玄米ご飯の写真の撮り方指導(1名ずつ)
・昼食(福ZEN:玄米ご飯・おばんざい・お味噌汁・お漬物・三年番茶)
【特典】
・ブログによる「玄米投稿」の写真指導付き
(パスポート取得者の再受講は3回まで投稿可)
「むそう塾 パスポート」取得可(一定レベルに達することが必要)
【懇親会】
・希望者のみ(なるべく参加した方が良い)
・費用:喫茶店のメニュー料金による
・会場:京都ホテルオークラ(カフェレックコート)
【プログラム】
11:00 開場
11:30?12:15 お食事&撮影指導
12:15?14:30 自己紹介(マクロ美風のアドバイス付き)
14:30?17:30 玄米炊飯デモ&試食・高圧洗浄体験・お米相談
17:30 記念撮影・解散
18:00?20:00 マクロ美風との懇親会
【定員】
10名
【受講資格】
・プロを除く一般の方
・むそう塾のパスポート取得者
【持ち物】
・デジカメ
・炊飯に使用予定の玄米とお塩を少々(診断用)
【お子様】
会場が狭いため、申し訳ありませんがご同伴出来ません
【受講費】
25,000円
【受講費の支払期限】
仮受付メールが届いてから7日以内
【申し込み方法】
こちらのお申し込みフォームから
満席になりましたのでリンクをはずしました 11/8 22:20追記)

【締切】

定員になり次第


【キャンセル料】
・入金前:0%
・開催日の15日前?8日前:受講費の50%
・開催日の7日前?当日:受講費の100%
(ご返金に伴う振込手数料はいただきません)
【お問い合わせ】
こちらから
【企画・責任】
中川善博およびマクロ美風
【受付手続き】
1 申し込みフォームから申し込む(携帯からでも申し込み可)
2 申し込みフォームから送信すると直ちに自動返信メールが届く(受信お知らせメール)
3 マクロ美風から仮受付メールが届く(定員に達した場合はその旨のメール)
4 受講費を振り込む(仮受付メールから7日以内)
5 入金を確認してマクロ美風から受付完了メールが届く
【受付手続き2の自動返信メールが届かない場合の原因と対処】
1 メールアドレスの入力間違い→申し込みしなおす
2 携帯電話でパソコンからの受信拒否設定をしている→設定を解除して申し込みしなおす
3 セキュリティソフトの関係で迷惑メール扱いになってしまうことがある→迷惑メールフォルダを見る
以上

 


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マクロビオティックの理論と現実(1)玄米ご飯

一人ひとりがお料理をするマクロビオティック料理教室を始めてから、実に多くの発見があり勉強をさせていただきました。
何と言ってもこのマンツーマンの料理教室は画期的であり、教える側の力量を問われる難しい方法です。
しかし、料理の腕が良い上に研究熱心な中川善博さんと出会って、その難しい方法をやり抜いてくださる料理教室が開催できて、私は常に学ばせてもらっています。
学ばせていただいたことはたくさんあるので、何回かに分けて記事にしたいと思います。
私が教わったマクロビオティック。
そして目の前に現れる現実のマクロビオティック実践者を見ると、その隔たりに大いに疑問を感じたことから2005年にこのブログをスタートさせたわけですが、こうして「むそう塾」を始めてからもその隔たりは延々と続いています。
その隔たりとは、マクロビオティックの理論が机上の空論のようになってしまい、マクロビオティックに出会ってから素晴らしいことより不都合になる人達もいることです。
きちんとマクロビオティックの教室に通い、知識もいっぱい入って、陰陽も理解しているはずなのに体調が思わしくない人がいるのはなぜでしょう?
あるいは、マクロビオティックの指導者に健康相談をして、食箋を書いてもらっているのに今ひとつ健康になり切れないのはなぜでしょう?
その答えはむそう塾でお料理を学んでくださる皆さんから教えていただきました。
それは個人の受け止め方とお料理の出来上がりの差によるものだったのです。
一番大きな問題は、玄米ご飯の炊き上がりにあまりにも大きな差があり、玄米の持つ良い点より弊害部分が大きくなっているのにもかかわらず、頭で「玄米は体に良いはず」と信じて食べてしまう現実があることです。
玄米は玄米の持つ力がすべて発揮されれば、野菜や穀類・豆類・海藻などでマクロビオティックの陰陽理論どおり動物性を摂取しなくても問題はないでしょう。
しかし、玄米ご飯が消化吸収しにくい状態の炊き上がりでは、マクロビオティックの理論どおりに実践すると、体調が今ひとつになる場合があります。
理由は玄米の持つ栄養価が体に摂り込まれるより、排出の力が勝る場合も出てくるからです。
それを防ぐために「よく噛む」ことを奨励して、80回なんてあたり前、100回・200回・300回なんて話が出てくるわけです。
病気治しの場合は500回・1000回なんて言われたりします。
しかし、それは現実的にとても大変で虚しさを伴ったりします。
そのためにあまり噛まないで食べてしまう人も多いのが現実で、30回くらいが平均でしょうか?
ちょっと意識して50?60回くらいの人が多いですね。
中川式の玄米ご飯ならこれでも良いのですが、中川式のパスポートレベルに満たない玄米ご飯だと、噛むことを意識しなければなりません。
玄米ご飯がきちんと体に吸収されていないと、マクロビオティックでいうところの食材だけでは体調が思わしくなくて、場合によっては動物性を一時補うことも視野に入れる必要が出てきます。
これは個人の消化吸収力の差によるためであり、民族的な違いにもよるところがあります。
人の顔がそれぞれ違うように、私たちの内蔵も微妙に個人差があります。
その違いを忘れて画一的にマクロビオティックを取り入れようとすると、先のような弊害が出てくる場合があるのです。
よく「体の声を聞いて」と言われるのはそのためです。
次の記事ではお料理の出来上がりの差について書きます。


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