人間の価値

お料理をとおして見えてくるものがこんなにあるなんて、むそう塾を始めるまで正直なところもっと少なく感じていました。
しかし、実際に目の前に繰り広げられる光景を見続けていると、人間の業や愚かさや脆さや色々なものが「これでもか!」というくらい見えてしまいます。
と同時にいっぱい教えられます。
学ぶということは素直に相手の話に耳を傾けることであり、そうでない場合は著しく成長が妨げられます。
その障害になるのは長い間についてしまった「癖」です。
癖には色々ありますが、その癖を直さない限り目標に到達出来ないことが明らかな場合は、瞬時にその癖を直す努力をするべきだと思います。
しかし、その癖が命に別状もなく、痛くも痒くもない場合は、本気で癖を直そうとしない人が多いのです。
でも、その癖を乗り越えたら、もっと新しい世界に生きられるのに・・・。
でも考えてみると、その繰り返しが人生なのかも知れません。
頭では理想を掲げつつも現実には行動がついて来ない。
そんなことの繰り返しで自分と対話しながら日々が過ぎ去って行くのだと思います。
ちなみに、行動がなかなか伴わない原因の一つに素直でないことが挙げられます。
つい自分に都合の良い理由をつけて、行動できないことの自己弁護をしようとします。
しかしそれは自分の価値を自分で下げていることになります。
生きることって、人間の価値を高めるための日々ではないかと私は思うのです。
愚かなことの繰り返しのために時間があるのではなく、成長のために時間があるのだと思っています。
そうであるならば、癖を直すというのはもっともっと価値のあることだと理解するべきです。

たかが庖丁の持ち方、たかがお箸の持ち方、たかがペンの持ち方と思われるかも知れませんが、そこには限りない可能性の土台が広がっているのです。
そのことに思いを馳せながら、むそう塾の各講座に臨んでいただけたら、受講費分はもちろん、それ以上の一生の財産をお持ち帰りいただけると確信しております。

最も損な生き方は、そのチャンスに触れながらも自ら癖を直そうとしないことです。
それは時間とお金を無駄にした生き方だと思います。
失われた時間はもう二度と帰って来ません。
たった一度の人生を、もっと時間を大切にして人間の価値を高める生き方をしたいものだと改めて思っています。


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相手の呼吸で生きる

メールでのご相談にお返事を書いていたのですが、子育て中のお母さんにも読んでいただきたい内容なので、記事にさせていただきます。育児中は何かと戸惑いがあります。
頭では解っているつもりでも、なかなか自分の精神面がついて来ない現実があります。
特に離乳食の時にそれは大きくなります。
セオリーどおりに進む育児なんてありません。
でも、そのとおりに行かないと不安になったり、虚しくなったり、孤独感や自己嫌悪感が襲ってきて、どうしようもなく涙が止まらない時もあります。
そんなときにはこの記事を読んでみてくださいね。 
<Sさんへ> 

私は子供を持って思いましたよ。
子育てって物事は自分の思いどおりにならないことを学ぶんだなって。
忍耐力がつくというか、待てるようになるというか、独身の時には弱かった精神性を試されているように思いました。
子供は待ったなし、手加減なしなんですもの。
私は子育てをして相手の呼吸で生きることを学びました。 
 
すべては子供に合わせる。
そうしながらいかに私たちは大人の感覚で生きていて、純粋な子供の感覚を置き去りにして来てしまったのだろうと知るのです。
無垢な気持ちに戻れば悩まなくて良いことや、焦らなくて良いことが沢山あったことに気づかされます。
知らず知らずに歪んでしまった大人の感覚や考え方を正すために子供はやってくるのだと思い知りました。
身勝手な理想論など木っ端微塵に吹き飛ばしてくれるのが育児です。 
 
環境問題も政治も教育も食べることも全部、子供の視点で考え直すチャンスが育児なのです。
よく言われる言葉に「育児は親育て」「育児は育自」というのがあります。
子供のことを最優先して、その合間に家事をする日々は、長年お仕事で評価された生き方をしてきた人にはとてもつらいことだと思います。
でもね、育児って自分のペースでしようと思うからつらいのであって、子供の好奇心を観察して、生きる力のお手伝いをさせてもらうスタンスであれば、親もエネルギーをもらえます。
そんな関係は双方にとって楽しいはずです。
子供が拒否するときには大人が間違っていると思っても間違いありません。 
これは子供が成長してからでも当てはまります。 
今のあなたにとって大切なのは、価値観の大変換でしょうね。
多くの女性がこうして本当の「おかあさん」になって行くのだと思います。
子供を産んだだけでは「おかあさん」にはなれないのですね。
 

 

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大葉

先日中川さんが一瞬にして作ってくれた美味しい物。
それにこの大葉があった。
大葉は花粉症に効果があるという話を信じて食べているわけではない。
単純に美味しかったから。
家族にも大好評で喜んで食べてくれた。
そういえば某マクロビオティックの先生に、大葉を大量に使ったお料理を教えてもらったことがある。
そのお料理は大葉が主役なんだけれど、中川さんが教えてくれたのは大葉は引き立て役だった。
引き立て役なんだけれど、主役を凌ぐ存在感があった。
料理名はこんな時どうつければ良いのかと一瞬考えてしまうほど美味しかった。
息子は天ぷらの大葉は何枚でも食べるほど大葉好きなのに、薬味として麺類に添えるとあまり喜ばない。
私は大葉の香りを嗅いだだけでも食欲が出てくるほど大葉好きだから、息子の嗜好がよく理解出来ない。
嗜好というのは複雑なものだ。 
 

 


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余白


余白を大切にする日本文化。
それは陰の中に陽を生む。
伝えたい、残したい。
 


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育児の盲点


昨日は「なかがわ」さんの営業日でした。
むそう塾生の“おそら”さんがご一家でいらしてくれたそうです。
(ああ、私も会いたかったー!)
お幸せそうなご一家の表情を中川さんがメールで送ってくれました。
いいですね?。
ほのぼのとしてこちらまであったかい気持ちにさせてもらえます。
坊やはパパ似かな?
出産されてからの“おそら”さんは、赤ちゃんにかかりっきりで、Twitterどころかむそう塾にもとんとご無沙汰になりました。
それは当然です。
夜昼なく赤ちゃんが泣いて授乳があるのですから。
どうしているかな?と、ずーっと気になっていました。
出産前はとてもまめに連絡をしてくれる人だったので、その落差が育児の大変さを物語っていて、昔の私を思い出していました。
私の育児は一人ぽっちで奮闘していました。
頼れるのは夫だけ。
来る日も来る日も寝不足と忙しさで、自分のことなんか忘れてのめり込んでいました。
 “さっこ”ちゃんや“あけねー”さんのように、Twitterを覗くことやブログを更新することすら出来なかったと思います。
この時にはこれで満足していたのですが、今思えばもう少し子供から離れても良かったなと感じます。
ですから、 “さっこ”ちゃんや“あけねー”さんは偉いなぁと思います。
この子供から離れるって、現実的には誰かの協力がなければ不可能です。
目の前で泣いているわが子を放っておくわけにはいきませんから。
でもある日突然子供と離れる日がやって来ました。
義母が入院して手術をすることになり、看病するために子供を保育園に預けることになりました。
最初は目にいっぱい涙をためて私の姿を追う息子を保育園に置いてくるのが、断腸の思いでつらかったです。
(まるで子供を捨てるような気がしてしまって・・・)
息子には見せませんでしたが、私も帰宅しながら泣いていました。
しかし、息子を迎えに行った時保育園の先生がおっしゃるには、「涙は浮かべましたけど泣きませんでしたよ。みんなと一緒に遊んでいました。」とのこと。
ああ、そうなのかと、安心するやら肩の力が抜けるやら、不思議な気持ちになりました。
今ならはっきり言えます。
子供は子供が好きなのだと。
これは息子を保育園に預けるようになって、家庭内での遊び方がグッと変わって、気持ちのよいものになって理解できたのでした。
母子で一日中向き合う時間は、私にとっても息子にとっても精神衛生上良くなかったことを思い知った出来事でした。
ですから、これから子育てをされる皆さんは、ぜひお子さんと上手に離れる環境を作れたらいいなと思います。
核家族の子育ては、こんな時とても困ってしまいます。 
育児には人手を!
そんな実態をどれだけの男性が実感していることでしょう。
子供は家庭にも日本にも地球にも財産です。 
安心して育児を楽しめる環境が少しでも整うことを強く願ってやみません。
なお、“おそら”さんは、 3月24日の庖丁研ぎと切り方講座を受講されます。
この日は“さっこ”ちゃんも受講してくれます。
お二人の子育てママが互いに刺激し合って、良い子育てのヒントを得られたらいいなと思っています。
久しぶりにむそう塾の大テーブルでお二人の笑顔を拝見できます。
ご一緒できる皆様、お楽しみにね?♪ 

 


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