【離婚の決意】
昔読んだ本の中に、こういう場面があった。
空襲が度々ある東京で、室内で逃げ込む場所は押入れと決めていた夫婦がいた。
ある時、物が入っていてその空間が狭いことがあった。
空襲があったので妻が押し入れに逃げ込んだら、外にいた夫があわてて家に入ってきて、妻を押し出して自分が入り込んでしまった。
妻は頭が真っ白になった。
この人は自分の命の方が大事だったんだ・・・。
まだ新婚だというのに、妻は放り出されてしまった。
この1件だけで妻は離婚を決意する。
【新型コロナのふるい】
新型コロナに対しては、夫婦であっても、友だちであっても、親子であっても、認識が異なる。
こういう場合は当然だが、人間関係がスムーズに行かなくなる。
というか、うわべでつき合うことになるので、なんとなく居心地の悪い空気が漂うことになる。
その結果、考え方の相違で関係を解消する人たちが出てきた。
勤務先を変える。
友だちを選別する。
離婚する。
一方、結束を強くする動きもある。
相手の考え方を確認できて、より信頼関係が増したからだろう。
これを私は新型コロナがもたらした“ふるい”だと思っている。
複雑な人間関係をある程度整理して、スッキリと出直すためのふるいだ。
だから、新型コロナは悪いことばかりではない。
将来に起きるやっかいなことを先に整理してくれて、人生をショートカットしてくれる効果もありそうだから。
【中庸の考え方】
ところで、人間関係の基本は「信頼できるか否か」だと思っている。
この人は信頼できると思うと、人は安心するし、限りないエネルギーが湧いてくる。
だから、人間の氣は大事なのだ。
信頼できない人は氣が悪い。
冒頭のご夫婦は、信頼できないと思ったから離婚に至ったのだ。
マクロビオティックでは氣を陰陽で考えるが、離婚に至るような時の氣は陰性である。
陰性というのは、ものが分かれる、拡散する方向にエネルギーが動くので、氣の悪い場所や人間関係では、良い結果は得られない。
そんな時にはすぐ氣を変えるように行動することが一番だ。
考え方を変える。
相手を変える。
環境を変える。
(環境には、住まいや仕事も入る。)
大事なことは、陰性の環境は長く引きづらないことだ。
精神の偏りは体の偏りにつながるから。
偏ること。それはつまり病気だ。
陰陽のコントロールを常にしながら、心身ともに中庸で生きること。
これを可能にするのがマクロビオティックの陰陽の考え方だ。
(京都御所にて 2020.11.30 中川善博 iPhone12 Pro/Max 撮影)
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