マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

偉大な先人の教えであっても、常にアップデートが必要

私がマクロビオティックを教わった大森英櫻という人は、本を出さない人だった。
その師である桜沢如一は、反対にものすごい量の本を出版し、あちこちに文章を寄せ、手紙も大量に書いている。

桜沢如一資料室というのがあって、そこでコツコツと資料を集めたり、データベース化している。
たとえば、書籍はこんなふうに
朗読もしている。
「永遠の少年」

 
 

では、なぜ大森英櫻は本を出さなかったかというと、「世の中の万物は刻々と変化しているのだから、桜沢如一の唱える『無双原理』をそのまま、その時代に当てはめればよい」と考えたからである。

そこには大きな理由がある。
桜沢が本を書いた時代にはうまくいった食事法が、すでに大森の時代には合わない事例がたくさんあったからだ。
桜沢の本のとおりに実践して体調が思わしくない人を、大森はたくさん治すようになってしまい、本を残すことの不都合を知ったのだった。

だからこそ、『無双原理』の解釈に力を注ぎ、その時代に合ったマクロビオティックを実践できるように、あえて本を残さなかったのだ。

 
 

「万物は刻々と変化している」のだから、私たちの体も、食べ物も、環境も変化している。
だから、食べ方も常にアップデートが必要なのだ。
しかし、何年も前に出版された本を参考に、あるいは、古い記事をネットで見つけて実践する人が後を絶たない。

その結果、思ったより体調が良くならなかったり、むしろ体調が悪くなってしまう人が出てきてしまう。
仮にどこかで指導者に習っても、その指導者が古い考えのままだったりする。

医学の世界でもそうであるように、食べ方の世界でも「今」に即した情報をもとにして、健康を守らなければならない。
時代は目まぐるしく変わっている。
嘘も多い。

体内に入れるものは、食べ物だけでなく、薬も空気も注意しよう。
触れる情報も選別しよう。
不自然なことには簡単に納得しない姿勢。
みんなで貫いて行こう。

 
 

(焼きプリン 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 
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「あもさん料理10選講座」のコメントでうれしかったこと

11月3日に開催した「あもさん料理10選講座」で、とても正確に講座の内容を受け取ってくださった塾生さんのコメントがありました。
ご感想の内容が、「まさにそれを目指して作ったのですよ〜」と言いたいほどでした。
しっかり伝わって、とても嬉しかったので記事にさせていただきます。

 
 

<ばんびさんのコメントより>  抜粋

中川さん 美風さん

昨日も楽しい講座をありがとうございました。

元々お餅が好きでしたが、今やお餅はあもさんでないと!満足しない私です。そのあもさんを10種も教えていただけるなんて!と
楽しみに伺いました。

麺類に入れる他はどうしても磯部巻きや安倍川くらいしかレパートリーがなく、他の楽しみ方があると良いな〜と丁度思っていたので、大変ありがたい講座でした。

みぞれやみたらし、チーズ、明太チーズや納豆キムチは巷でもたまに見かける味付けですが、毒消しも備えた中川式は美味しさが全然違いました!
特にみたらしや明太子チーズの違いに驚きました。
これまで甘ったるさが苦手だったみたらしですが、これからは食卓に頻繁に登場しそうです。

ベーコン、ニッキの意表をついた美味しさに驚き、お洒落なガーリックバターやくるみもちにもハートを掴まれました!

どれも個性がハッキリしていて
「お餅づくし」という感覚が全く無く、でも大好きなあもさんをこんなにも堪能出来て幸せでした♪
胃もたれも皆無です。
しんどくないのは充分な毒消しと玄米の滑らかなお餅、あもさんならではだなぁと感じます。

忙しい時、ほっこりしたい時、玄米ご飯がない時、頑張りたい時、様々な場面で力強い味方なってくれるあもさんは本当に頼りになります。

素敵な楽しみ方を教えてくださってありがとうございます。

 
 

***

<マクロ美風より>

ばんびちゃん、コメントをありがとうございます。
中川さんが開発するときに意図した内容を、そのまま素直に受け取っていてくださって、驚いています。

特に下の部分は、中川さんの狙いを代弁してくださっているようで、とても嬉しかったです。
私も試作会のときにたくさん食べても、まったく胃もたれしなかったので、玄米餅の凄さと、お料理方法に感心していましたから、ばんびちゃんのご感想に大いに納得です。

「お餅づくし」という感覚が全く無く、でも大好きなあもさんをこんなにも堪能出来て幸せでした♪
胃もたれも皆無です。
しんどくないのは充分な毒消しと玄米の滑らかなお餅、あもさんならではだなぁと感じます。

まさに「忙しい時、ほっこりしたい時、玄米ご飯がない時、頑張りたい時」に、活躍してくれると思います。
ご家族の皆さんで楽しめますね。

 
 

写真は、ばんびちゃんが試食した途端、「この味好き!」と目を輝かせた「あもさんベーコン」です。
ベーコンの意外な味付けがお気に召したようです(^_-)

(あもさんベーコン 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室  むそう塾)

 
 
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むそう塾の小豆玄米ごはんを13日間食べ続けた塾生さんのご報告

先日開催した「第14回 中川式小豆玄米ご飯の炊き方秘伝講座」を受講してくださった塾生さんから、嬉しいメールをいただきました。
「小豆玄米ご飯を13日間頂いた経過報告」として。
これからまだまだ変化があると思いますが、まずは約2週間の変化をお仲間にもご報告させていただきたいと思います。

 
 

<Kさんのメールより>  抜粋

美風さん こんにちは。
小豆玄米を教わってから毎日13日間頂き、心の面で大きく変化がありました。
変化は即日から感じていたのですが、その変化が持続して、今の自分の新たなデフォルトになりつつあります。

この小豆玄米は、本当に・・・素晴らしいです。
仕事で神経が尖っていても、昼食にこのご飯をいただくと、恋した時のように心がほわほわになるんです。
愛らぶザ・ワールド!と、人や街並みがキラキラ映えて、心が一気に開いてキュンキュンして、元気が復活します。

そして帰宅後、これまでは心がお酒を求めていたのですが、今はすでに心が満ちているので、お酒を飲まなくなりました。
お酒の代わりに、筋トレとストレッチをして体と会話をするようになりました。
お風呂上がりに、流れが滞っている部位をヨガで伸ばしてやると、寝る時は心も体ももうふるっふるに満たされているので、ベッドでご先祖様・中川さん・美風さんに御礼申し上げています。

それらのお陰で、翌日の体が1日中軽く、心も色々なことを受け入れられるようになりました。
家での晩酌が、我慢をすることなく自然に要らなくなる、それって本当にすごいことだと思います。
中川式小豆玄米の凄さを味わうことができました。
小豆の陰性が、新たな陽性を産んでくれていることを実感しています。

心がずっと、春のように穏やかで、ときめいています。
常夏の自分も好きですが、今は、心と体がとても楽です。
この小豆玄米から、中川さんの愛情をひしひしと感じます。
ありがたくって、涙が出ます。

玄米炊飯講座の最初の名前は「愛クラス」でしたが、そこに込められた想いに今更ながら腹落ちしました。
こんな穏やかな幸せをくださって、ありがとうございます。
この小豆玄米は、もう一生手放しません!
今朝も、62点を目指して炊飯しましたが、まだまだ届きません。
いつか届くことを楽しみに、感謝を込めて炊飯を重ねていきます。

 
 

***

<マクロ美風より>

Kさん、メールをありがとうございます。
Kさんのお気持ちが、すごくよく分かります!

私も何回小豆玄米ごはんを炊いても、炊くたびに中川さんに感謝の気持ちが湧いてくるのです。
「こんなに美味しいごはんの炊き方を開発してくれてありがとう」という気持ちです。
あの難しいお鍋でも、毎回確実に美味しく炊きあがることがとても驚きです。
ブレがないんですもの。
Kさんもきっと同じお気持ちで、このメールをしたためてくださったと思います。

そして、精神面での変化ですが、まさに陰陽そのもので笑ってしまうほどです。
陰陽バランスが取れた心身には、毎日のお酒は必要ないのが普通ですね。
でも、現代人はなにかとストレス(陽性)が多いので、お酒の陰性を借りたくなるのでしょうが。

主食の影響はとても大きいので、その主食を理想的な内容にすると、Kさんのようなことが起きます。
Kさんは細胞全体で陰陽バランスを感じてくださっているので、精神面での変化もきっちり把握されたのだと思います。
センサーがピカピカのKさんらしく、お見事にキャッチしてくださったのが嬉しいです。

「愛クラス」。今はその呼び名もなくしましたが、気持ちはまったく変わりません。
むしろ、皆さんへの「愛」が深まった感じがします。
どの塾生さんにも健康であってほしいし、幸せを紡いでほしいと思っています。
そして、そんな新たなご縁も育てていきたいと思っています。

小豆玄米の素晴らしさが広がって、健康な人がいっぱい増えますように。

 
 

(小豆玄米ごはん 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室  むそう塾)

 
 
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京料理人中川善博の言葉より 「揃っていることは一つの味付け」 

今月の「上級幸せコース」の授業は「煮物」でした。
むそう塾の煮物はとても美味しいので、この日を楽しみにしている人も多いのです。

以前は「玄米の炊き方秘伝講座(愛クラス)」で提供される「福ZEN」があって、その中に煮物が何種類も入っていました。
この中に「金平牛蒡」があるのですが、「こんなに美味しい金平牛蒡は食べたことがない!」と仰って、金平牛蒡を習うためにコース受講に進んだ塾生さんがいました。

ところが、金平牛蒡を習えるのは2年目の「上級幸せコース」です。
「煮物」の授業でやっと登場します。
それは、材料を「揃えて切る」ことが、まだ1年目では難しいからです。

ふだん私たちは色々なものを切っていますが、「揃えて切る」ことはあまり意識していない人が多いかもしれません。
お鍋の中に色々な厚さや細さの材料が入っていて、それはそれとして「作る人の味」になっているのが現実だと思います。

ところが、先日の授業中に、中川さんはこんなふうに塾生さんに話していました。
揃っていることは一つの味付けだからね」と。

確かに、揃うと火の通りも、味付けも均一になるし、何より見た目にも美しいですからね。
美味しいお料理に求められる第一歩が包丁仕事なので、むそう塾ではこの「切る」「むく」授業を大切にしています。

最初の金平牛蒡ですが、これはまさに「揃え」のお料理なので、先輩塾生さんでも日々真剣に向き合っています。
揃えがもう一つの味付けになるという視点は、包丁を持つたびに肝に銘じたいですね。

 
 

 
 

動画も載せておきましょう。

【京料理人 中川善博による牛蒡の引き切り】

 
 
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秘伝コースの「鱧しゃぶしゃぶ」の授業を終えて 動画あり

鱧の骨切り練習をしていた人にとっては、必ず作りたいお料理が「鱧しゃぶしゃぶ」です。
中川さんがお料理屋さんをしているときに大絶賛されたメニューを、さらに美味しくして伝授しています。
当時のメニューはこちらの記事に載っています。
過去が活きてくる生き方 中川善博の場合 2015.9.30

お魚屋さんで骨切りされた鱧を買っても、骨がチクチクしたり、綺麗に花が咲かなかったりして残念な経験を持っている人もいて、この日を待ちわびていました。
朝から鱧をおろしたり骨切りしたり、教室の準備も大忙しですが、皆さんに美味しいのを召し上がってもらいたい一心で授業が進みます。

今年は鱧しゃぶの前に「鱧管牛蒡」を作りました。
昔の秘伝コースではこのメニューがなかったため、これを習いたくて秘伝コースを再受講された塾生さんは、残念ながら身内の告別式があって欠席されました。
どんなに残念だったことでしょうか……
とっても美味しいお料理なので、なおのこと。
いつかお伝えできる機会があることを祈ります。

 
 

(鱧管牛蒡 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

さあ、いよいよ鱧しゃぶです。
まずはお野菜と松茸、お麩などです。

 
 

そして鱧!

 
 

いただきま〜す♪
湯気が美味しさを誘います。

 
 

では、動画もどうぞ。
皆さんの嬉しそうな雰囲気が伝わるでしょうか?
BGMに中川さんが切る骨切りの音が聞こえます。

【鱧の骨切り音をBGMに「鱧しゃぶ」 マクロビオティック京料理教室むそう塾】

(iPhoneから動画を観る場合は携帯を横にしてご覧ください。)

 
 

最後に、授業ではお伝えしなかったかと思いますので、動画で金串の研ぎ方を載せておきます。
管牛蒡を作る前にこの方法で金串を滑りやすくしておきましょう。

【金串の先端のとぎ方 京料理人中川善博】

(iPhoneから動画を観る場合は携帯を横にしてご覧ください。)

 
 

これからは季節的にも鱧しゃぶがピッタリです。
お鍋は人の心を解きほぐして、笑顔にしてくれます。
骨切りをまだ習っていない人は、お宝さんDIRECTでご注文ください。
ご家庭でも楽しくお鍋を囲めますように。

 
 
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