マクロビオティックの指導現場からシリーズ」カテゴリーアーカイブ

マクロビオティックの指導現場から 旬をいただこう

以前マクロビオティック相談を受けたAさんは、その後むくみが治ってホッとしていたのですが、昨日のメールで次のようなことを書かれていました。

よく菜食主義で元気な方がいらっしゃるとネット上で書かれているので、動物性食品がなくても大丈夫なのかと思っていました。
体調によって食事を変える必要があるのですね。

いかがですか? 怖いですね。
動物性食品がなくても大丈夫なんだと思っていて、体調によって食事の内容を変えることが抜け落ちています。
ネット上の情報は受け取り手によって、いかようにも変化しうることを教えてくれます。
さらに、メールは次のように続きます。

今まで本に書かれていたことを信じ、その通りに実践しても効果はいまいち。

ここが問題です。
本というのも読み手によっては、見落としがあったり、著者の説明不足があったりして、本来著者が伝えたかったことが100%間違いなく書ききれているかというと、そうでない場合も多々あるものなのです。
著者自身が不満足なまま、出版社のご都合が優先されて販売ルートに乗ってしまうケースがかなり多いのです。
つまり、商業出版では出版社の意向が優先されますので、著者が頑なに自説を曲げたくなければ、自費出版するのが一番良いわけです。
では、出版社の意向って何かといえば、ズバリ「売れるか売れないか」です。

そういう背景があるので、情報というのは発信元を精査する必要があるのです。
しかし、若干19歳の女子大学生にとって、それは無理なことだったかもしれません。
昨夜のメールのやり取りで、最後は次のようなことが書かれていました。

夕飯には秋刀魚の塩焼きをいただきました。
脂がのっていて美味しかったです。

ああ、良かったです。
季節の旬をいただくこと。
たっぷりの大根おろしとすだちを添えて。
これこそがマクロビオティックの食べ方なのです。
ちゃんと陰陽バランスも取れて、毒消しも出来ています。
きっとAさんは体でさんまの力を実感してくれたと思います。

本の通りにしていた時、これで大丈夫なのかという不安がありました。

そうでしょうねぇ。
無責任な内容のマクロビオティックの本もゴロゴロありますからね。
そういう意味でも情報発信者は、必ず責任ある内容に限定するべきだと強く思いますし、情報を受け取る側も「この相手は信用できるかな? 責任をもって発信しているかな?」という勘を養う必要があります。
それはネットの世界も本の世界も実社会の人間関係と同じということですね。
私はそういう不安を拭い去るために、こうして日々お一人おひとりと言葉を交わしながら、双方向でマクロビオティックをお伝えしています。

<Aさん関連の記事>
マクロビオティック相談より 2016.10.31
嬉しい連絡 むくみが治りました 2016.11.7

*   *   *

2年前の記事ですが、この記事が目に止まって、マクロビオティックによる体調不良から解消される人が出てくれますように。
この記事に出てくる「関西の某マクロビオティック教室主宰者」は、今はちがった方向を向いていますけどね。
「ゆるマクロビ」と「なんちゃってマクロビ」 2014.11.11

次の記事は反響が大きかったので、つい先日もコメントがついておりました。
私はこの記事のように、切り替え時期を見過ごしてしまったマクロビオティックをしている人を沢山見てきましたので、この記事の内容は間違いだとは思っていません。
体調の変化に合わせて食べ方を変えるのがマクロビオティックであり、思考も食べ方も変えられないのはマクロビオティックではありません。
マクロビオティックの人も要注意!「菜食はなぜ老けるか」 2015.3.20

 
 

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(鰆の西京焼き 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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嬉しい連絡 むくみが治りました

先日こちらの記事に登場したAさんから昨夜メールがありました。
1か月ほど続いていた足のむくみが治ったとのこと。
やれやれです。
私にメール相談をされてから5日目のことです。
最初のメール相談に対しては、緊急避難的に急いでむくみの解消を目指し、その次に体力をつけることを目標にしましょうと伝えました。

昨夜のメールには「食事を変えてから力が出てきたように感じるので、これからも続けていきます。」と書かれていました。
ああ、良かった。
自分が目指す方向性がわかって、Aさんは心強く思っていてくれるとか。
お役に立てて本当に良かったです。

 
 

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(福ZENのおかず オールベジ マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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煮物の力(2) マクロビオティックの中庸力 

10月の上級幸せコースは煮物三種、11月の幸せコースも煮物三種、その他にも煮物コースがあって、むそう塾は今、来る日も来る日も煮物の幸せな香りで癒やされています。
煮物っていただく時にもほっこりとして落ち着くのですが、作っている時にも穏やかで幸せな気持ちになれるお料理です。

その穏やかさの一つの要素として火力があげられます。
煮物には「コトコト」を実現するために、極弱火の火加減を必要とします。
そのトロトロとした火加減は穏やかな陰性の波動を発しているので、そばにいる人は落ち着くのです。
いつも強い火加減のお料理ばかりしている人は、この弱火の調節が苦手なので、教室でも騒々しい音を立てて冷や汗をかいていらっしゃいます。
強い火(陽性)の波動を受け続けていると、作っている人がお料理中にも陽性になるので、お料理方法の陰陽はとても大事なのです。

私がまだむそう塾を始める前の料理教室で、忙しいからと言って野菜炒めばかり食べている人がいたのですが、精神的にとてもきつい状態だったので、1か月間野菜炒め禁止令を出したことがあります。
するとどうでしょう!
1か月後には表情まで柔和になって、本人曰く「すごく楽になった!」と仰るではありませんか!

その時私はつくづく思ったものです。
料理方法の陰陽の影響がこんなにも大きいのなら、今の時代に一番不足している「煮物」をもっと口にしてくれたら、精神的に安定する人が増えるだろううなぁと。
イライラする状態は、揚げ物や焼き物が多かったり、その時に高温加熱で酸化した油脂が肝臓に影響することも一因になっています。
高温調理の揚げ物を毎日食べていて、毒消しが十分に出来ていない人は、病気への道を歩んでいることになりますので、ぜひ穏やかな火加減で調理したものを召し上がってほしいです。

たとえば揚げたての鶏の唐揚げにキャベツの千切りなら陰陽バランスが良いのですが、鶏の唐揚げだけをテイクアウトで買ってきて、それをムシャムシャ食べていると毒消しが出来ません。
じゃあ、某店のメニューのように、チキンの唐揚げとポテトフライを食べれば良いのかというと、食材の陰陽バランスは取れますが、どちらも揚げる調理方法なのが問題です。
じゃがいものせっかくの陰性さがここでは陽性がプラスされて、毒消しの役割としては弱いものになってしまいます。
この場合にチキンとポテトで、動物性と植物性のバランスが良いと思うのは、マクロビオティックの陰陽を一面でしか考えていないことになります。
このような時には、ポテトフライを「粉ふきいも」に変えると、キャベツに次いでバランスが良くなるんですけどね。

*   *   *

こんなふうに煮物がなぜ中庸の力を発揮してくれるかというと、それは100度以上に上がらない調理温度と水分の存在があるからです。
人の体は水分からとても影響を受けます。
どんなお料理を食べるかも大事ですが、どんなお水を飲むか、どんな水分を口にするかは、その人の生命力に直結するといっても過言ではありません。
なぜなら、人の体の70%前後が水分だからです。
この割合は年齢によって異なり、赤ちゃんは水分量が多く、お年寄りは少なくなりますが、それでも体重の一番多い部分を水分が占めていることに変わりはありません。

ですから、体の水分に良い影響を与える食べ物と飲み物の質がとても重要なのです。
さらに体の水分は環境と同期しようとしますので、体に水分の多い人は外気温が下がると冷えを敏感に感じ取ります。
甘いものが好きで、体に水分が多めで、冷え性という若い人がとても多いのは、こういう背景があるからですね。
そういう人がコトコトと炊いた煮物を常食するようになると、体型だけでなく精神面まで変わって来ますよ。
こういうところでも煮物の力を感じることが出来ます。

煮物は作り置きができる上に、時間が経ってからの方が美味しさも増すという特長があります。
忙しいからと言って煮物を作らないのではなく、忙しいからこそ煮物を作っておいて、心身ともに安定した状態を作り出すことが大事だということに気づいてほしいです。
煮物は材料を火にかけて、時々様子を見てあげるだけで、あとは弱火が勝手にお料理してくれる楽な料理方法なのです。
煮物が美味しい季節というのは、こうして優しい火加減で出来た質の良い水分が体を守ってくれます。
インフルエンザのワクチンがどうのこうのと悩んでいる暇があったら、煮物を作りましょう。
煮物は日々穏やかな陽性で体力をつけてくれますから、ウイルスに負けない体になるためにも煮物を見直してほしいです。

 
 

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(烏賊と里芋の炊いたん 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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煮物の力(1) 貧血だった私が3人目を妊娠中です

2年前の記事に、煮物で不動の体力をつけた塾生さんのことが紹介されています。
彼女は初めてむそう塾にいらした時、青白い顔でふら〜っとしていたのですが、その時に食べた中川式金平牛蒡の美味しさに感動して、東京から2年間通い続けてくださいました。
その間に体調が良くなって双子ちゃんを産み、今は3人目のお子さんがお腹にいます。
先日も8か月のお腹で元気にお弁当講座を受講してくれました。

妊婦がよくなる便秘や貧血などのトラブルが皆無です!

これは彼女が根菜類を煮物の形で取り入れたことが功を奏しているのですが、最初の妊娠の時には鉄火味噌をしっかり摂っていたことも大きな援軍になりました。
双子ちゃんを育てているうちに体力も本物になって、2回目の妊娠では鉄火味噌の力を借りなくても元気にマタニティライフを過ごせるようになっています。
やはりお食事の質の力は大きいなぁと、彼女を見るたびに感じます。

 
 

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(むそう塾生の緋乃さん)

 
 

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いいね! 目に見えない力を感じるのが本当のマクロビオティック

2年前の記事ですが、先の記事のAさんにぜひ読んでいただきたいので、リンクしておきます。

「目に見えない力を感じるのが本当のマクロビオティック」 2014.11.1

物質社会に生きていると、目に見えるものばかりを意識して、そのために行き止まりになっている人を多く見かけます。
そんな時には、目に見えない世界に心を向けてみましょう。
必ず解決の道が用意されていることに気づくはずです。

このことを考え方として提示しているのが「マクロビオティック」なのです。
あなたは食べ方だけに留まっていませんか?
食べ方はマクロビオティックの導入部分です。
陰陽を自分の体で感じるための具体的方法です。
ですから、そこでつまづかないで、サッサと先に進みましょうね。

 
 

牡蠣の時雨煮 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(牡蠣の時雨煮 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

牡蠣は女性にぜひ食べていただきたい食材です。
ミネラルが豊富で、鉄分が造血に貢献してくれます。
この時雨煮は、時雨煮丼にすると驚くほど食が進みます。
食べ過ぎ注意!(笑)

 
 
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