マクロビオティック京料理教室 むそう塾」カテゴリーアーカイブ

料理法の陰陽を知って心身に負担のない食べ方をしましょう

むそう塾ではお料理の添削を記事にしていますが、この中で「イラ感」という言葉が出てくることがあります。
これは玄米炊飯にもあって、やわらかい良い陰性とは違って、硬さやキツさを感じる悪い陽性を指します。
たとえば「イライラする」というように、普段でも使いますよね。

それはお料理をする時の温度が高温のときにも起こりますが、水分の少なさでも起こります。
マクロビオティックの考え方はこんな時とても便利で、陽性と陰性の2つの言葉で説明できます。
お料理する時の方法が陰性か陽性かで、それを食べた人の肉体と精神が陰性になったり陽性になったりするのですから、とても分かりやすいのです。
なぜなら「食べたもののようになる」からです。

【揚げる】
たとえば、唐揚げが大好きだったとします。
唐揚げは170〜180度くらいの温度で揚げますので、陽性な調理法になります。
「揚げる」というのは高温で水分を飛ばす料理方法なので、そこにフライドポテトを添えたり、ポテトチップスを添えると、喜んでくれる人はいるかもしれませんが、料理方法としては同じ「揚げる」なので体に負荷がかかってしまいます。
こんな時にはぜひ生野菜を添えてほしいですね。

でも、外では唐揚げとフライドポテトがセットで売っていますね。
特に揚げ物は時間の経過とともに酸化しますので、揚げ物を買うのはおすすめしません。
唐揚げを食べたければ、ぜひお家で揚げましょう。
良質のお肉と良質の油を使って。

*   *   *

【焼く】
しかし、いくらお家でのお料理であっても、しょっちゅう揚げ物を食べるのはおすすめしません。
じゃあ、焼けばいいかというと、これも結構陽性な料理法です。
油を使って焼くと、揚げ物以上に高温になることもありますし、時間が揚げ物よりかかる場合は、それも陽性として判断しなければなりません。
ですから、毎日焼き物を召し上がる場合は、必ず加熱していないお野菜を添えてほしいです。

【炒める】
じゃあ、「炒める」料理法はどうでしょう?
これは「焼く」方法に比べて、油の有無と時間の長短が影響するのですが、材料が動く陽性を加えると、焼物より陽性になります。
ということは、炒飯って炭水化物がメインですが、結構陽性な食べ物なんですよね。
毎日食べたいと思えないのはそういうことなんです。

【煮る(炊く)】
次は「煮る(炊く)」料理法ですね。
こちらは水分があるので、「揚げる・焼く」に比べると100度前後の世界ですから穏やかです。
これなら毎日召し上がってもかまいません。
理想的なお料理法です。
煮物を食べない人ほどイライラ感が強いのを感じます。

【ゆでる】
では、同じく水分がたっぷりある「ゆでる」料理法はどうでしょうか?
これも体に負担がないので、毎日召し上がってもOKです。

【蒸す】
同じく体に負担のない料理法に「蒸す」というのがありますが、今の時代は蒸すことを面倒臭がって、蒸し器をお持ちでないご家庭もありますね。
代わりに電子レンジをお使いなのでしょうか?
でも、電子レンジは超陰性な調理器具なので、おすすめしません。
マクロビオティックを知ったら、真っ先にサヨナラする台所用品ですね。

でも、蒸す料理法はとても体と心にやさしさを運んでくれますので、疲れたな〜と思ったら蒸し物を召し上がってみてください。
そのふわふわ感に癒されることでしょう。

*   *   *

お料理法の陰陽では、「煮る(炊く)」が中庸になります。
酵素などの関係から生食をお奨めするのもありますが、和定食のように「お刺身・煮物・ご飯・お味噌汁・お漬物」のような組み合わせに少量の果物があればベストですね。
生で食べられるところがお刺身の良いところです。
お刺身の部分を時には焼いたり、揚げたりしてもかまいませんが、必ず生のお料理は添えてほしいです。
生食からは酵素も摂れますしね。

【漬物】
生というとサラダしか思いつかない若者も多いのですが、お漬物は立派な生のお料理です。
ビタミンや酵素も取り込め、糠漬けやキムチなどには乳酸菌もたっぷりいます。
雪国ではお漬物の種類がとても豊富なのは、冬の間の貴重な栄養供給源でもあるからです。
煮物とともに次世代に受け継いで行きたい料理法です。
なお、お漬物は平均的に陽性に分類されるものが多いですが、中庸〜陰性のものもあります。

では、まとめとして、お料理法の陰陽を載せておきましょう。
むそう塾の幸せコースでは、特製の陰陽表をお渡ししていますが、ここでは大まかな分類のみ載せておきます。

 
 

 
 

(料理法の陰陽表 マクロビオティック京料理教室むそう塾)

 
 

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「玄米の炊き方秘伝(第114回愛クラス)」を開催しました

今日は「玄米の炊き方秘伝(第114回愛クラス)」を開催しました。
お鍋の入荷の関係上、今回は再受講者ばかりの愛クラスでした。
バラバラの期の塾生さんが集まるのは、毎回とても楽しくて、単発講座の良さだなぁと思っています。
幸せコースの1期生と9期生が隣り合わせに座っていたり、すご〜くお久しぶりの塾生さんがいたり、みんなが美味しい玄米ご飯を炊きたい一心で集まってくれました。
その結果、全員が54点の玄米ご飯を炊き上げましたよ。
サードジェネレーションってやっぱり凄いです。

蓋(ふた)の調子が今ひとつという人は、中川さんからしっかりメンテナンスをしてもらって、最高の炊き上がりになるお鍋として戻って行きました。
また、ピンの上がり具合と炊き上がりの結果に、ちょっと?のお鍋を持参された人は、それでも美味しく炊ける火加減を伝授してもらっていました。
結論として、お鍋の個体差をいかに見抜けるかどうかにかかっていると思いました。
工業製品ではあるけれど、微妙に全部同じでないのが道具なんですよね。

*   *   *

また、玄米の炊き方講座ではありますが、OBENTERSの京子さんが、お弁当を見てくださいと持参されました。
持参されたお弁当は、朝に投稿されたものです。

京子
私のお弁当です。玄米御飯220g(塩昆布)、春菊(ポン酢別添)、だし巻、鰆西京焼。盛込2分33秒です。本日持参します。よろしくお願い致します。】

 
 

(マクロビオティック京料理教室 むそう塾 塾生作品のお弁当)

中川さんがあれこれ説明しています。

 
 

そして、最後には詰め直してしまいました。
すっかり景色が変わりました!
中川さんの大胆な発想に、一同が歓声をあげてビックリしました。
京子さんも大いに勉強になったことでしょう。
特にご飯の詰め方に目からウロコが落ちたことでしょうね。
西京焼きの串の打ち方も、丁寧に図解したりデモをしたりしながら、他の塾生さんもお勉強になる高度な内容の指導でした。
こういう愛クラスもいいものですねぇ。

(京料理人 中川善博の手直し後)

夜になってから、Twitterでお返事された中川さんの講評も載せておきましょう。

中川善博
 【美味しくできていました。最強の西京焼きのコツを伝授しました。参考にしてください。弁当箱の中の景色を彩るのはあなたのセンスです。固定概念にとらわれるのは面白くないので、最低これだけは守ろうというガイドラインをもって後は自由にね。】

2017年12月24日。
むそう塾の原点である「玄米の炊き方講座」で1年の締めくくりになったのは、とても据わりの良い、そして氣のよい一日となりました。
ご参加下さいました皆様、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
玄米投稿を楽しみにしています。

 
 
カテゴリー: 玄米の炊き方講座, マクロビオティック京料理教室 むそう塾 | 18件のコメント

「陰極まりて陽生じ、陽極まりて陰生ず」

二十四節気では今日は冬至です。
陰と陽を日々意識している人にとっては、この日の持つ意味は大きいですね。
陰が極まって陽に転じる日といえば、ははーんと来ることでしょう。

マクロビオティックでは、「無双原理の12の定理」の11番目にあるのが、この冬至の様子を現します。
・陰極まりて陽生じ、陽極まりて陰生ず。

毎日のことでは、夜(陰)が極まって朝(陽)が来るように、一年のうちでも陰が極まって陽に転じる日が冬至となるわけです。
「秋の日はつるべ落とし」といわれるように、どんどん日の暮れるのが早くなって(陰)、冬至を境に徐々に昼(陽)の時間が長くなってくるのを陰陽で考えるとわかりやすいですね。

昔から冬至に食べると良いとされる物は、言い換えるとこの時季の旬でもあります。
旬のものをたっぷり補って、これからの寒い冬に備えましょう。

 
 

 
 

(柚子の飾り切り 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

柚子のとても美味しい季節ですから、どんどん柚子を取り入れましょう。
特に種から出るペクチンが良い働きをします。

 
 
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一人目は不妊治療したのに、二人目は自然妊娠できました!

先日嬉しいDMがありました。
妊娠のお知らせです。
Oさんにとって、今度は二度目の妊娠なのですが、お一人目が大変だったようで、今回の自然妊娠をご夫婦ともにとても喜んでくださったことが嬉しいです。
お一人目のお子さんを育てている最中に、お友達を介してむそう塾を知り、そこからマクロビオティックの陰陽を取り入れた食生活を始めてくれました。

<Oさんからのメール>

美風さん、こんにちは。
取り急ぎご連絡と御礼をお伝えしたくこちらから失礼致します。

妊娠しました!
自然妊娠です!
来週以降心拍などの確認です。
1人目治療を思い出すと奇跡のような気がしますが、玄米、糠漬け、味噌汁、鉄火味噌、全て陰陽のおかげです。
ありがとうございます。

本当に嬉しいです。
陰陽でこんなにも変われるんですね。

 
 

<マクロ美風より>

Oさんは熱心にお料理の復習をされて、お弁当を作るようになってからググッと体が変わって来たのを感じていましたよ。
幸せコースの食事日記の内容のままだと、未だに体調や生活面での大変化は起きなかったと思います。
あそこからですね、あなたが本気で変わり出したのは。
食べ物の影響がしっかりと確認できたので、あとはお腹の赤ちゃんと上のお子さんをバランスよく気配りして育てるだけですね。

そうそう。
私の過去記事にこんなのがあります。
ご参考になさってみてください。
「赤ちゃんとの会話・上の子供の納得」 2006.3.29

来年のむそう塾は出産ラッシュですねぇ。
すごく嬉しいです。
抱っこさせてもらえる日を楽しみにしています。
消化の良い玄米ご飯をしっかり召し上がって、妊娠期間を快適にお過ごしくださいね。

 
 

 
 

(玄米ご飯 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

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2017年秘伝コースおせちの授業より

昨日は秘伝コースのおせちの授業でした。
すでに教えたお料理は前日から一部仕込みをしておいて、まだ見せていないお料理を当日仕込む段取りで、朝9時前からスタートしました。
(中川さんは前日の夜も当日の朝も仕込んでいましたが。)

おせちの授業には、レシピも覚え書きもありません。
ただ見ているだけです。
それでも秘伝レベルになると、再現できるようになるのです。
お弁当投稿をしているOBENTERS™の皆さんなら、毎日おせちに似たようなことをしているので、案外と「出来そう!」と思われたことでしょう。
そのくらいむそう塾で習ったお弁当のおかずや盛り込み方はレベルが高いのです。

毎日作るお弁当に比べると、作るお料理の数が多いのがおせちであって、一つひとつのお料理の作り方はすでに知っている内容なのです。
ですから、「はは〜ん!」と反応出来るし、応用も出来るというわけです。

昨日は朝になって急に中川さんから「暖房なし」の指示が出て、一日中暖房なしの中での仕込みでした。
煮炊きをしているので、湯気は出ますが室温はそんなに上がりませんから、皆さんが寒い一日だったと思います。
それでも我慢して授業を受けてくださってありがとうございました。
おせち作りは日持ちできるように仕上げる必要性から、寒いのを我慢して作ることも教えたかったのだと思います。

ところで、出来上がったおせちを中川さんが撮影しようとした途端、教室の照明が一部停電というハプニングが起きました。
当日には復旧せず、今朝電気屋さんが来てくれたのですが、結露が原因でショートしたのだそうです。
暖房なしだったので、水蒸気が飽和状態になってしまったんですね。

*   *   *

では、復習の参考のために、おせちの写真を私の方でも載せておきましょう。
先輩たちも今年のおせちを見たいと思いますのでね。

盛り込んだ順番に掲載します。
塾生「うわ〜、いっぱいですね〜」
中川「いいのいいの」
塾生「下のお料理が見えない」
中川「その方が楽しいかもしれない」

 
 

中川「さて、次!」

 
 

ちょっと斜めからも。

 
 

中川「あれ? クワイが入っていなかったね じゃ、追加しよう」

 
 

これらの写真は停電前に私が写したものです。
本当はこんなふうに写る予定だったのですが、停電のため、光量に限界がありました。

 
 

(おせち 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

*   *   *

それにしてもおせちというのは、「包丁仕事の集大成」だなぁと思いました。
むそう塾では、コースのスタートである幸せコースで、包丁砥ぎから始まって桂剥きや刻みを徹底指導しますが、あの時に頑張った人はここで花開く感じですね。

たとえばクワイだって、ちゃんと亀甲に剥くんですよ。
ほら、かわいいでしょ?

 
 

 
 

20時45分〜22時45分まで、みんなで楽しくおせちをいただきました。
東京の塾生さんが一足お先に帰られて、ここには入っていないのがとても残念ですが。
「カンパーイ!」

 
 

「いただきまーす!」

 
 

お疲れ様でしたm(_ _)m
12月31日になったら、今年も続々とおせち投稿が届くことでしょう。
なぜおせちを作るか?
きっとむそう塾生は「美味しいから!」と答えることでしょう。
そうなんです。この中川式おせちは、美味しいものしか入っていないのです。
美味しいものだけを36種類集めた、まるで宝石箱のようなお料理の数々がむそう塾のおせちなのです。

 
 

※昨年の塾生さん作品のおせちは、「おせち投稿」のカテゴリーからご覧くださいませ。

 
 
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