中川式糠漬け」カテゴリーアーカイブ

糠床と塩味の感じ方

先に糠床の塩加減について書きました。
そのことに関連してちょっと気になったので、老婆心ながらの記事です。
幸せコースで塾生さんを拝見していると、お料理に不慣れな方はお塩の加減が苦手なようです。
というかお塩の変化を意識されていないようにお見受けします。
例えば胡瓜にお塩をかけた場合、すぐ食べようと思うと塩辛さが前面に出て、ものすごく塩辛く感じます。
でも少し置くだけで塩味は薄くなって味の角が取れて来ます。
これは浸透圧にもよるものですが、この現象が糠床でも起きています。
ですから最初は塩辛いかなと思っても、時間と共に塩味は丸みを帯びてきます。
お漬物を漬けたことがない人は、最初は塩の量にビックリするかも知れませんね。
でも、この量をクリアしないと腐敗を招きます。
そこを具体的に漬かる時間で塩加減を示したのが「胡瓜なら5時間」というものです。
ただし、これは夏の今頃の目安ですからご注意くださいね。
糠漬けは塩蔵方法の一つであり、生き物であり、刻々と変化することを思えば当然なのですが、塩足らずの人があまりにも多いので記事にしました。
私も昨夜足し塩をしたのですが、今朝にはもう素敵な変化をしていました。
胡瓜を入れてきましたので、京都から帰るころには乳酸菌たっぷりの美味しい胡瓜になっていることでしょう。
お茄子も底の方でスヤスヤしています。

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必読!「糠床の管理方法2 夏大根に注意」

糠漬けは微生物相手なので、ハッキリ言って難しいです。
いえ、難しいというより正直だと言った方が正確かもしれません。
糠床の嫌がるようなことをすると必ず調子が悪くなるからです。
嫌がる原因には幾つかありますが、その一つに漬ける野菜の種類があります。
糠床がどんなに上手にキープされていたとしても、嫌がる野菜を漬け続けると確実に糠床は元気がなくなって来ます。
もちろん、漬ける野菜の量も影響しますが、今回は野菜の種類だけに限定して考えます。
冬は大根の美味しい季節ですね。
ふろふき大根に代表されるように、甘みがあってとても美味しい大根です。
ところが暑くなってくると、大根はひりひりと辛味を増して来ます。
大根の辛味成分は、食中毒の発生を阻止出来るほどの力を持っています。
ということは、糠床に夏大根をいつも漬けていると、糠床にいる乳酸菌という菌が必要以上に殺菌されてしまうわけです。
糠漬けは乳酸菌の力が命なので、乳酸菌にとって嫌な環境を作ってはならないのです。
単純に「大根」というくくりではなく、冬大根と夏大根の違いをしっかり認識することが大事です。
辛さについてウィキペディアには次のように書かれています。

<大根おろし 辛さ>より

野菜スティック等で生の大根をそのまま食べても、辛みよりむしろ甘みを感じる。大根おろしの辛みは、辛み成分アリルイソチオシアネート(芥子油)によるものであるが、この物質は、そのままの大根の中には存在していないからである。イソチオシアネートは大根をすりおろしたり切ることで、細胞が壊れると初めて化学反応により生成される。そもそも大根中の別々の場所に存在していたイソチオシアネートの前駆物質(グルコシノレート、芥子油配糖体)とミロシナーゼと呼ばれる酵素が、細胞が壊れることにより混ざりあい、イソチオシアネートを生成する化学反応を起こすことによる。イソチオシアネートの前駆物質は根の先端部分ほど含有量が多く、葉に近い部位の約10倍にもなる。また若い大根には多く、成長するにしたがって減少する。そのため辛い大根おろしには夏大根がより適している。

ここでは多くを書きませんが、このことに気づいたら、あの野菜は糠床を諌めるのに使えるなと思ったり、あの野菜は乳酸菌の助け舟になるなと思ったりしませんか?
そんなふうにして季節の野菜を吟味しながら糠床をコントロールしていくのです。
自分の食べたい欲求に任せて野菜を放り込むのではなく、乳酸菌が喜ぶようにお世話をすることが糠漬け成功の秘訣です。
これから糠床宅配や糠漬けクイック講座もありますので、その人達すべてが美味しい糠床をキープして、しっかりした発酵食品としての糠漬けを摂って頂きたいと思ってこの記事を書きました。
マクロビオティックではお馴染みの食材で、必ず冷蔵庫に転がっている大根ですが、その薬効成分を頭ではなく、糠床で知ることが出来るって面白いですね。

◆「中川式糠漬けクイック講座・糠床宅配」のお申し込みはこちらの記事から。
必読!「糠床の管理方法1 塩加減」

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必読!「糠床の管理方法1 塩加減」

むそう塾の講座ではいつも放課後に「糠床をみてくださ?い」という塾生さんが並びます。
皆さんの疑問の多くは「これでいいのかよく判らない」というのが圧倒的です。
次は「変な臭いがする」というもの。
多くの皆さんは糠漬けを漬けるのが初めてで、正しい糠床の状態が判らなくて不安になるようです。
糠床のタネをお渡しする糠漬け講座の時に、すべてご説明しているのですが、刻々と変化する糠床に振り回されているようです。
糠床は生き物です。
それも微生物ですから、ちょっとしたことで反応するのです。
それをまずは理解しましょう。
さて、糠床で一番大切なのは塩加減です。
面白いもので中川さんに「みてくださ?い」と糠床を持参される人の8割が塩不足の状態です。
皆さんは糠漬けが漬け物だということを忘れていらっしゃるようです。
なぜ普通の漬け物が漬かるのか?
それは塩が引き起こす浸透圧のおかげです。
それなら糠漬けとて同じこと。
浸透圧が起きる塩分濃度が糠床の中になければいけません。
さらに、微生物が腐敗しないだけの塩分がなければなりません。
つまり、物が腐らないためにはどうするのかということを考えなければならないのです。
具体的に今の季節に理想的な糠床の塩分状態をお知らせします。
きゅうりが5時間で美味しく漬かる程度。

きゅうりは花がついている方が細くなっていますから、そちら側が5時間でちょうど食べごろ、茎に繋がっていた太い方がちょっと若いかな?という程度です。
茄子なら2日間程度で食べごろに。
茄子の美味しい漬け方は講座でたっぷりお伝えしてありますので、しっかり守ってくださいね。
今年も瑠璃茄子投稿がボツボツ出始めました。
鮮やかな色の茄子のお漬物は、食欲をそそり、目に美しく、達成感に包まれます。
瑠璃茄子が漬けられたら、ぜひ中川さんにお写真を送ってください。
桂剥き投稿の「びら??ん」がある程度のレベルを意味するように、瑠璃茄子は糠漬けの勲章のようなものですから、ぜひ瑠璃茄子目指して頑張ってください。
必読!「糠床の管理方法2 夏大根に注意」

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「東京ふんわり会」内容追加のお知らせ

7月25日(土)開催予定の「東京ふんわり会」についてのお知らせです。
10:30?12:00は中川さんによる試食タイムですが、その時に持参できるものにお料理も含めることになりました。
玄米ご飯だけではなく、幸せコースや上級幸せコースの復習料理の持参もOKです。
また、糠床の持参もOKです。
玄米ご飯についてはお米とお塩を持参されると効果的です。
さらに、ふんわり会終了時までに、圧力鍋のフタの調子や包丁の研ぎ上がりなどもチェック出来るようにしますので、各自の悩み解決の場にしてください。
なお、念のために当日のプログラムをご案内しておきます。

プログラム>

10:00       開場

10:30?12:00 中川善博による試食

12:00?12:30 昼食(各自持参)
12:30?15:00 家事質問会

15:00?17:00 ふんわり会

17:00       解散
東京でむそう塾生仲間が集えて、中川さんによる試食やチェックをしてもらえる貴重な機会です。
どうぞ有効に時間を活用して、実りある一日になさってください。
ふんわり会では心のうちを語り合って、笑顔を持ち帰りましょう。
皆さんとの一日を今から楽しみにしています♪

 

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初体験の旨味

先日糠床のお手入れをしていた時のこと。
小さな大根の切れ端のようなものが出てきた。
柔らかいので大根という確信もなく、ちょっとかじってみた。
それは大根ではあったけれど、お味は今までにないものだった。
糠だらけのままかじったその大根は、糠漬けなんだけれど別世界の味だった。
う?んとしょっぱいことを覚悟で口にしたのに、全然塩辛くなくて、それはそれはトロケそうな美味しさだった。
糠床のお守りを食べるときは、紙のように薄?くそぎ切りにしなければ塩辛いけれど、この小さな大根は、むしろ崇高な旨味を感じるのである。
あまりにも美味しくて、ついつい、少しずつ味見をしながら全部かじってしまった。
後日中川さんにこのことを話したら、それはきっと3年ほど糠床に入っていたものでしょうとのこと。
ある程度のところまで漬かると、野菜と糠床の濃度が飽和状態になって、どっちへの移動もおきなくなるらしい。
その結果、上に書いたような旨味が熟成されるのだとか。
それはもちろん、美味しい糠床だからこそ出てくる味である。
それにしても、あのような旨味は初体験だ。
恍惚とするようなウットリしてしまう美味しさだった。
中川式の糠漬けを知る前の私は、浅漬けタイプが好きだったけれど、中川さんの漬ける糠漬けを色々いただくと、じっくり漬けた糠漬けの美味しさに魅了されてしまった。
瑠璃茄子はもちろんのこと、件の3年ものの大根は、身体を揺さぶられるほどの美味しさを感じる。
発酵の力が生み出す旨味を、恥ずかしながらこの歳まで知り尽くしていなかった。
あの小泉武夫氏が嬉しそうに発酵の話をされるのは、きっと彼は発酵に恋をしているに違いない。
私も遅まきながら発酵にキュンとなった。
あのひとかけらの大根を口にして。

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