私は息子が小学生になる時、給食を避けてお弁当を持たせたいと思っていました。
ところが、当時住んでいた町の学校給食は、自校式でその学校の給食は美味しいと先輩ママさんから教えられ、小さな町でもあったので、お弁当持参はやめました。
保護者が給食を一緒に食べる日には、ご自慢の福神漬けも出され、確かに美味しかった体験をしました。
しかし、転校をして大きな学校での学校給食はセンター方式でした。
メニューを見て愕然。
これを成長期の息子に食べさせるのは忍びなく、お弁当を持たせようとしましたが、息子は「みんなと同じ物がいい」というので、そのまま涙を飲んで義務教育終了時まで学校給食のお世話になりました。
しかし、息子は半分くらいしか食べていなかったようです。
もちろん、牛乳は飲んでいませんでした。
私自身は保護者会の役員もして、何とか学校給食を改善しようと試みましたが、最後は行政の厚い壁に阻まれました。
その頃に幕内秀夫さんがせめて米飯給食に出来ればかなり違うと言われ、そちらでの挑戦もしましたが、なかなかアメリカ仕込みの学校給食は手強かったです。
学校給食の金額も相当なもので、業者もからんでその中身はおどろおどろしいものでした。
保護者の立場での無力さを痛感したものです。
* * *
数年前に長野県での試みを知り、ぜひ一度訪れたいと思っておりました。
しかし、京都通いが始まってしまい、そのままになってしまったのですが、こうしてその成果を本で出版してくださったことに大きな感動をしております。
「どんな人間にも、自分にしか伝えられないことがあり、自分にしか支えられない人がいる。」
あとがきに書かれたこの信念で、学校給食の改善が実現したのです。
そこには「やむにやまれぬ思い」を持った人たちの力の結集があります。
それにしても、マクロビオティックで癌を克服した西村さんも著者として文章を書かれていて、嬉しくなってしまいました。
これから学校給食のお世話になるお子さんを抱えた世代だけでなく、人間として尊厳のある人生を全うしたい人のためにもお奨めしたい本です。
食べ物を変えることでこんなにも身体が変わるということをご理解いただけるかと思います。
なお、「給食で死ぬ」にはDVDが付録としてついています。
これがまた必見です。
きっと背筋がぞ~っとすることでしょう。