マクロビオティックで救われたみちよさんの体験談

「マクロビオティックの指導現場から(9)生理不順と月経痛を改善するために」の記事に、「もこ」さん(その後改名して今はみちよさん)からコメントをいただいたことがありました。
そのコメントをきっかけにして、みちよさんがご自身の体験をメールで送ってくださいました。
その内容がとても学びの多いものだったので、すぐさま記事にさせていただきたいと思いました。
しかし細かく書かれた内容だったので、公開するのは躊躇されるだろうと思ったのですが、みちよさんはイニシャルではなく正々堂々と「みちよ」さんでの掲載を許可してくださいました。
「大切なのは、今はどうかだと思います。もし、一人でも辛い方がいたら助けてあげて欲しいのです。」というお返事とともに。
私はそんなみちよさんに惚れました。
まずはそのみちよさんのコメントから。

美風さん こんにちは
いてもたってもおられず、コメントさせてもらいました。

私もじつは、6年前に子宮内膜症と診断されました。
ここに、至るまでの過程があります。
1、まず、膝に水が溜まっていたくて歩きにくくなった。
2、慢性の腰痛が悪化、ヘルニアと診断される。
3、原因不明の下腹部痛→2か月間で大量の痛みどめと抗生剤の服用
4、大病院でMRI検査、それでもハッキリとした病気がわからず、子宮内膜症と診断される。低用量ピルの服用をすすめられる。

今、考えても おおっ恐い!です。

私は、この直後、マクロビオティックに出合います。
3か月で、腰痛、腹痛も消えました。とても有り難い経験をさせてもらいました。
(漢方薬と徹底した食養生の指導を受けました。)

【今回のみちよさんからのメール】

●お腹にいたころ
母はひどいつわりだった。恐ろしい程の甘党です。

●生まれ
数週間の早産で2300g

●幼少期~小学4年生まで
ひどい喘息もちで、小学校1年生の冬にこんなに苦しいなら死んでしまいたいと思ったことを覚えています。
牛乳、パンを常時とっていました。お菓子は常に甘いものが家に置いてありました。

●小学4年から高校1年くらいまで
父の死を境に喘息が治る。父はかなりのヘビースモーカーで、コーラ、天ぷら、コーヒーが大好きな人でした。血圧の薬を服用していました。38歳他界
今の学校給食のような食事を食べていました。化学調味料、白砂糖、~の素で味付けられたお食事が主でした。とにかく安くてボリュームの出る卵料理が多かったです。
母からの愛情が感じられず、無気力で自身のない子どもでした。精神的なネグレクトだと今でも思うことがあります。

●高校1年から21歳くらいまで
摂食障害でご飯を美味しいと思えなくなりました。痩せてきれいになったら誰か私を愛してくれるのではないかという幻想に取りつかれていたと思います。
チョコレートの大袋1袋、食パン1斤、牛乳1パックなど、常識で考えられない食事内容でした。
精神的には、当たり前ですが、かなり弱っていて、吐いては食べてを繰り返す自分に嫌悪を感じますます、自分への信頼や自信はなくなっていきました。気力はゼロでした。
そして、吐いては食べるを繰り返しながら、死んでしまいたい、そのほうが楽だといつも思っていました。

高校生の時は、軽い引きこもりでした。ここにいては、自分は治ることはないと思い進学しました。一人暮らしで、開放感を感じたのと酷い孤独感を感じました。この時、考える時間だけは、たっぷりとあったので、私は母に愛されたかったのだと、初めて気づきました。
ただアルバイトをしながら、学校へ通っていましたので、外では元気にふるまっていました。
私の過食症をみた母はただうろたえるだけで、「生まなければ良かった」と。

この時はさすがにつらかったのですが、母にしたら一人親で娘がこんなでつらかったと思います。
9歳の父が亡くなったあの時から、ただ漠然と人間は1人なんだと思い、すごい不安でいっぱいでした。20歳にリストカット。「あんたは私のことをちっとも考えてない」と母
母こそ私をずっとみていないくせに…この時捨て猫を拾いました。この子がやってきたと時から1度も自分の命を粗末にしようと思ったことはありません。
結局不健康な体では両立できず、デザイン学校を中退してしまいました。

●22歳から34歳まで
そんな中でも、いろんな人との出会いがあり、摂食障害が嘘みたいに治りました。
何でも針1本の間違いも嫌なくらいの完璧主義で潔癖症だったのですが、何に対しても完璧じゃなくてもいいんじゃないか、今の自分に満足しなければと。
仕事をしながら、自分のごはん、お弁当を作る生活で、ハレの日の内容ですが美味しくごはんを食べれるようになりました。
当時大好きだった食べ物は、生クリームたっぷりプリンでした。

書き並べてみると、当時を思い出すととても辛いです。
でも、すごくどのときも、よくなろう、よくなろうと自分では頑張っていました。
母からの精神的助けはありませんでしたが、幸い沢山のステキな方々に支えられて少しずつ前向きになれていったのだと思います。

●35歳から
24歳の時に、飼い猫が縁で主人と結婚しました。
自分の感情を出すのが苦手で、甘えるのも上手にできません。いろんな事や感情を沢山沢山飲み込んできました。辛いことや、いやなことがあったときは、お酒を飲んで眠りました。
相当飲んでたと思います。お肉も本当に沢山、牛肉を週2、鳥週2、豚週2、あとお魚も沢山。
ただ、子ども達に喘息があるので、食事に気を抜いたことはなかったと思います。
若かったこともあり、お酒を飲んで眠っても次の日にはけろりとしてました。

このころには、慢性的な偏頭痛と、痛くてどろどろした経血の生理は当たり前になっていました。
それを止めるために、痛み止めを飲むのも当たり前でした。
人との関わり方ですが、「こんなことを言ってしまうと嫌われるんじゃないか」と、いつもびくびくと、お付き合いをしていたと思います。夫に対しても同じで、心ではそれは違うと感じながらも色んなことに従っていました。だから、内と外が別々なので、言ったことと行動が調和できていない。昔より自分のことが受け入れられていましたが、決して好きじゃない。

●35歳の夏
いつものように、ビールを飲んで朝起きたら、膝がびっくりするくらい腫れて痛くて痛くて。
そして先日コメントさせてもらった内容につながります。

友達の紹介で10月に、漢方外来、N先生に出合います。
初めて診察して頂いたときに、叱られました。「あんたは、一体どうしたいんじゃい?」と。
でも、そこに愛を感じました。
わずか3か月で回復できたことに驚いて、食べるものでここまで変わるのかと。
マクロビオティックを学びたい、この不思議を知りたい。

子ども達2人とも、娘は3か月、息子は6か月で喘息のお薬を手放し、1年後には、息子のガサガサお肌はつるりとしました。

ネットで検索し、1番近いところで、お教室を探しました。正食料理教室にお世話になりました。
師範科を卒業しました。
マクロビオティックを知り1年くらいたったころ、むそう塾を発見しました。
学校にたった1人でお弁当をもって行く息子、これが正しいこと?動物性のものは、本当に毒なのか?
美風さんのお子さんの治病中のお話を読ませていただいて、息子は、1年間学校にお弁当をもっていってくれました。感謝してもしきれないほどです。本当にありがとうございます。

あまりの長いお話になってしまいましたが、私の精神的なこともびっくりする変化がありましたよ。
自分のことが受け入れることができて、今はとても幸せです。今年のはじめ温泉に一人でつかっているとき、素晴らしい閃きみたいなものが、ありました。

マクロビオティックに出合えてなければ、今の自分はいないと思います。良い時ばかりではなく、私ってこんなにも人のことを心の中で悪く言ってしまうんだ。そんなネガティブな感情に支配された時もありました。
マクロビオティックが、大嫌いになって知らなければ良かったと思ったこともあります。でも、陰陽の調和のとれたお料理は、お野菜、動物性問わず、とてもとても美味しいのです。

人との関わり方ですが、あの閃きみたいなものを感じた時から人恋しいなら積極的に関われば良いのだと思い、今も毎日素敵な出会いがあります。夫とも以前の、主従関係のような一方的な関係ではなく、してほしいこと、してほしくないこと、そして、どれだけ私が愛しているかを伝えることが出来ます。

息子が中学校に入ってから無気力で、高校に入学したもののだらだらしてて心配です。
私の物の見方、関わり方が良い風に変化することで、彼も変わってくれるんんじゃないかと思っています。
ここには、陰陽の物差し、桜沢先生の魔法のめがねの使い方を上手に学なければなりません。
覚悟がいると思います。自分の大切な家族が幸せであってほしいです。

桜沢先生の御本に救われたことや、中川さんの力強いブログで励まされたこと、もういっぱいありすぎて書けません。今日美風さんに褒めてもらって、とても嬉しかったです。

私と同じような辛い思いをする子が1人でも減りますように…
どうか自分は一人ぼっちだと思わないでください。沢山の素晴らしい出会いがあるはずです。

●追伸
私、24歳の時に
卵巣のう腫の手術を受けて
右側の卵巣がありません。
中身は、脂肪と髪の毛でした。
忘れたかったのかしら。

*   *   *

【マクロ美風より】
みちよさん、ありがとうございます。
こんなふうにご自分の体験を誰かのために役立てようと決心されたあなたを尊敬します。
なかなかできることではありません。
そのあなたの体験は、マクロビオティックの観点からみると実に多くの教訓が潜んでいます。
しかしあなたはものの見事に過去のことはもう精算されています。
ですから私からは過去の細かな陰陽のことは申し上げません。
このブログをお読みになる方が、それぞれに判断していただければ良いかなと思います。

あなたのお気持ちは今、高校生の息子さんのことがご心配なのだと思います。
詳しくは分かりませんが、少なくてもお母様の理想の高校生像ではないようですね。
いいじゃないですか。
それでこそ彼が大人になりかけていると言えるのではありませんか?
いつまでも親の思うとおりには行かないのですから。
みちよさんはきっとしっかりタイプのお母さんなのだと思います。
意志の強い方なのだと思います。
そうすると、その陽性さが息子さんには鬱陶しいことでしょう。
仮に彼に何も言わなかったとしても、雰囲気で感じとっているはずです。
その年齢のお子さんはそんなものです。
どうか自由にさせてあげてください。

ちなみに私がその年齢の息子に言ったことは、「何をしてもいいけど、警察だけには捕まるな」でした。
ですから、万が一の場合は逃げ切れる見込みもなければいけないわけです(笑)
私はそもそも法律ごとき小さなもので、人間の可能性を摘んでしまってはいけないと思っています。
それは校則も同じです。
子供たちはその純粋な感性で大人とは別の判断をしているので、大人の手垢のついた価値観や判断で子供の感性を汚すことのないようにしてあげてほしいです。
子供には子供の価値観があるのですから、それを尊重したり、教えるべきものがあったら人生の先輩として教えてあげたり、その程度で良いと思います。

子供は親の所有物でもないし、将来の親の介護役でもないわけです。
私の実感としては、親の暴走を止めるためにやって来たのだと思っています。
つまり、親は子供から学ぶわけですね。
そんなことが頭にあったら、お子さんがどんな生き方をされていても、会話が途切れたり小言を言ったりすることはなくなると思います。
息子は16歳でバイクの免許を取り、バイクを乗り廻し、学校にバレて免許証は取り上げられ、親も始末書を書かされました(^^;)
それでもバイクに乗り続け、大学に入ってからは車一直線で今に至っています。
私はずっとそんな彼に向き合って来ました。

二度とない青春を、好きなことで埋め尽くすのも良いのではないでしょうか?
あるいは消極的なお子さんなのかしら?
みんな違っていいのです。
オンリーワンの人生にしてあげましょうよ。

なお、卵巣のう腫の件ですが、私の得ている情報とピッタリ一致して恐ろしいくらいです。
極端な陽性と極端な陰性の食べ物が混在する現代の食糧事情と、経皮毒の問題も避けて通れないほど大きくなって来た今を代表する病気ですね。
卵巣や子宮に髪の毛の例は何人か経験者がいるので、その人たちのお食事を調べたこともありました。
マクロビオティックを知っていたからこそ納得出来る病気でもありました。
今後は病気にさよならした生活が出来ますように。
2月の愛クラスでお会い出来ることを楽しみにしております。

 
 

京都駅

(京都駅構内にて)

 
 

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「マクロ美風の陰陽落とし込み講座」色彩の陰陽と波動を考える

昨日は「マクロ美風の陰陽落とし込み講座 各論特集@東京」を開催しました。
今回は各論特集なので、具体的なお話を並べました。
休憩時間に最前列に座っていた「ちーちゃん」の服装が目にとまりましたので、ちょっとカラー談義をしていました。
色の陰陽五行とのからみです。
彼女はいつもやわらかい雰囲気のデザインと色のお洋服が多いのです。
ご自分でもお洋服を作る器用な腕の持ち主ですが、色をもっとインパクトのあるものにした方が精神的にも陰陽バランスが変わるので、私のスカーフを巻いて色比べをしたのです。

まずは彼女が着ていたお洋服。
最後の集合写真から引っ張ってきました。

 
 

マクロビオティック 色彩

 
 

カラーその1
やや!
ちょっと大人になったイメージ。

マクロビオティック 陰陽

 
 

カラーその2
ぐっと華やかになりました!

マクロビオティック 陰陽 色の陰陽五行

 
 

いかがですか?
この見た目に受ける感じの違いは、自分が接する人への印象の違いに影響するのです。
彼女はお顔は十分に美人さんなのですが、最初の写真ではインパクトが弱いのです。
このインパクトが弱いというのは、結構影響があるものです。
よく、目立たない色の方が安心だからといって、黒やグレーを選ぶ人がいます。
つまり引っ込み思案な性格なんですね。
でも、その引っ込み思案が損をする時があります。
特に異性間ではね。

そんなとき、フッと華やかなお洋服や小物(たとえばスカーフやアクセサリー)を身につけると、何となく気持ちが華やいで来るものです。
それが色から受ける陰陽なんですね。
色には波動があって、その波動が私達の肉体や心に影響するからです。
お洋服から受けた波動は気持ちの変化を招き、それがいつしか行動の変化へとつながります。
そこに波動エネルギーの存在があるわけです。
ですから私はお洋服の色は重要だといつも思っています。

写真の2枚の私のスカーフは、いつもお化粧をしない私の顔の演出に使うためのカラーです。
ハンドバッグには黄色のスカーフも入っていたのですが、休憩時間が終わりになって写真を撮れませんでした。残念。

お仕事が私服の職場の人は、お仕事中の首元と、アフター5の首元をスカーフやアクセサリーのような小物で変化させるのも良いですね。
そんなちょっとしたことが女性らしさを覗かせて、異性の関心をひくこともあります。

とまあ、そんな色彩のことにも時間を割いた陰陽落とし込み講座でした。
各論は楽しい側面がありますが、パターン化して覚えないで、ぜひ応用がきく実力を備えてほしいと思います。
そうすると陰陽を自由自在に操って実力を存分に発揮し、あるいは実力以上の処理を可能にしてくれます。
つまり、刻々と成長することが可能になるんですね、

そう。
人間は死ぬ間際まで成長出来るんです。
死の淵にあっても変わることが出来るのです。
たったひと言を発することによって相手を変えることが出来るのです。
そんな生き切り方をしたいと思いませんか?
そんな人生のために、心を込めて陰陽落とし込み講座をさせていただきました。
皆様のなんらかのお役に立てていただけたら嬉しいです。

 
 

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京料理人だからこそ語れるマクロビオティックの裏側 

中川さんがいつも思っていることを伝えたいと、珍しく長い文章を書いてくださいました。
いつもお料理ばかり作っていて、なかなかこのようなお話をする機会がないものですから、公開授業として記事にさせていただきます。
むそう塾に学んでくださっている方は勿論のこと、まだ一度もお会いしたことのないあなたも、何年もマクロビオティックをされている方も、そして、マクロビオティックが初めてという方も、みんなで「家庭のお食事」を考えてみましょう。
皆さんの様々なご感想をコメント欄に残していただけたら嬉しいです。

 
 

<以下文章:中川善博>

【味付けの指向性の話】
指向性というと音や光などに使われる言葉でありますが、私は料理を考えるときに「味付けの指向性」という使い方をしています。
どういう意味かお話します。
いま、あなたが作っているお料理は誰が食べるのでしょう?
おそらくはご主人、お子様といった「家族」という社会構成の最小単位に属する人たちに食べさせるために作っているのではないでしょうか?

それに対して街へ出かけてレストランや料理屋に入ってメニューを見て注文した料理はどうでしょう?
その店のキッチンにいる人と昔から懇意にしている場合をのぞいて殆どの場合、誰が作っているか、または誰が食べるのかは判らない、ということになります。
その料理を食べてもらう対象は「お客様全員」となります。
何名、何百名、何千名かもわかりません。

商売用の味付けは昔から「10人のうち6人が美味しいと言えば繁盛する」といわれており、それほど全員に喜んでもらえる味付けは難しいのです。
この6/10の味付けを指向性の低い味付けと呼んでいます。
もっと指向性の低い味付けがあります。
なにかわかりますか?
それは低価格戦略をとっている外食産業です。

堂々と特別に美味しくなくても構わないという意味で、「不味くなければ良い 安ければ」という戦略をとっている会社がありました。
私には違和感アリアリでどうしても納得できなかったのを覚えています。
「費用対効果」便利な魔法の言葉です。

【料理と調理】
味付けの指向性のお話と通じる事でもあります料理と調理の違いについてもお話しておきましょう。
大雑把ですが、不特定多数の方へ提供するものは調理、誰が食べるのか判っているものは料理、と私は使い分けています。
「調理」は、コンビニエンスストアに並ぶたくさんのお弁当、ファミリーレストランのメニュー、社員食堂の献立、学校給食などなど。
食べる人の顔が見えない判らない状態で作るので、無難で大ハズレがないように作られています。

「料理」は、この味をこの人に食べてもらいたい、このお客様は関西出身だからすこし色目を薄く仕上げて、最近子供がクラブでレギュラーになって運動量が増えたのでタンパク量を増やそう、主人は昨日飲み会だったので消化の良い陽性なものを少量で、という風に、食べる人の顔が見えている、判っている場合に使うべきだと思っています。
ですから調理師と料理人では自ずと仕事が違うのです。
もちろんどちらが上とか下とかはありません。

【陰陽料理(マクロビオティック料理)と和食】
私達は日本に住んでいて、日本人である桜沢氏が提唱したこともあり、マクロビオティックというと玄米菜食を厳しく実行することのように誤解しがちです。
しかしそれは大きな間違いで、マクロビオティックというのは生き方の事であるのです。
生きるためには「食う」ことが必須であるために、マクロビオティック実践者のための料理が重んじて語られてしまうのです。
そしていつの日かマクロビオティックという大いなる偏食が全てであるかのように、前に出てきてしまったのです。

玄米菜食が世界で一番素晴らしいのであれば、世界中で玄米菜食をすればいいのか?  そんなことはありませんよね?
地球上には米が出来ない地域もありますし、野菜が育たない土地もあります。
そこに住んでいる人はマクロビオティックは実践できないのか? 変な話です。
西洋人がヨーロッパで玄米を炊いて漬物を食べて味噌汁を飲んで、それを何代も何代も続けるのでしょうか?
そうではありません。
ヨーロッパにはヨーロッパで何百年と食べ続けられてきた伝統料理があります。
その土地がもたらしてくれる作物をその土地の陰陽とその土地に住む人間の体調を考えながら料理をする。
これがマクロビオティック料理です。

むそう塾では、食べてくれる人が陰陽バランスを取りやすく、中庸からやや優しい陽性に生きていける料理をお教えしています。
これを陰陽料理と呼んでいます。
中川善博が和食の料理人出身でありますゆえに、京料理やおばんざいからの献立をお教えしていますが、陰陽料理は決して和食だけで作るものではありません。
赤道直下の国には赤道直下の環境に則した陰陽バランスがあります。
野菜も穫れないような北限南限にも、北限南限なりの陰陽バランスがあります。
日本の玄米をアラスカに持って行って梅干しで食べるのが陰陽料理ではありません。
そこを誤解しないようにしましょう。

女性が家庭を守って男性が外に働きに出て給料を持ち帰り、家族を養う。
今となっては「サザエさんのはなし?」なんて笑われるほど夫婦共働きが当たり前になりました。
共働きが当たり前になったとはいえ、ご主人が家事も共働きしてくれているご家庭はまだまだ少ないのではないでしょうか?
同じように外で働いてきた奥さんが家族の食事を準備します。
手間のかかる料理などできるわけもなく、簡単に数品を作り、あとは帰宅途中にデパ地下などで買い求めた「中食」と呼ばれる調理済みのおかずです。
それを皿や鉢に移して(へたをするとパックのまま)食卓に並べます。

タイマーで炊きあがったIH炊飯器には陰性な白米があり、保存料がたっぷり入ったパック入りの漬物には乳酸菌など在るはずもなく、あればいいというレベルで大事な食卓を満たすのです。
中食やインスタントや保存料の入ったおかずは主婦の忙しさ、時間の無さを補います。 それは言い換えれば時間を創りだしているのです。
しかしどうでしょう。
苦労して時間を創ったつもりなのに、この食べる人の事を考えていない調理品を何年もの間食べていてずっと健康でいられるのでしょうか?
遅かれ早かれこの家族は病院や薬の世話になっていくでしょう。
そうして、創ったはずの時間がブツッ!と切れてなくなっていることに気づくのです。

世の中にマクロビオティックスクール、マクロビオティッククッキング、などがたくさんあり、前述した不健康な食生活を悔い(喰い)改めようと、多くの女性達が毎日のように学びに通っておられます。
そこで習うのは手作りの良さ、添加物、動物性食材や乳製品の禁忌。
私の眼にはどんな体質、体調の人にも同じような一辺倒な調理法を教えているように見えてしまいます。
何%かの人にはドンピシャでマッチするので、奇跡のように体調が良くなって感謝のはがきがこんなに届きました!状態になるでしょう。

そしてそのスクールはそのはがきだけをアピールして宣伝します。
またそれを見て体調の悪い人が引き寄せられる。
必要以上に陰性に振られた体調はどんどん正氣をなくし、女性は貧血になり生理が止まり、生干しのミイラのようになります。
毎月毎月愛クラスにはそんな生干しさんが来られます。
そして美風さんのメールボックスは、まるで駆け込み寺のように生干しメールが積み上げられていきます。

そんな無責任な指導をしてるから、トンデモ理論とか、なんちゃってダイエットとか非難を浴びるのです。
桜沢氏も大森氏もそんな指導は決してしていなかったはずです。
ちゃんと1人1人と向き合って、その人オリジナルの指導をし、その結果を鑑みてさらなるフォローを重ねる。
ここまでやって初めてマクロビオティックな指導といえるのではないでしょうか。

そんな今夜もどこかで、塩を減らして肉を抜いて甘いものは止められない生干しミイラが誕生しているのです。

(むそう塾 塾長)

 
 

マクロビオティック むそう塾 中川善博

(寒桜 宝泉 京都駅店)

 
 

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マクロビオティックの指導現場から(10)愛ちゃんご夫妻の体験

きょう、塾生の愛ちゃんとお電話で話をしました。
ここ数日、来期のコースの選び方についてあれこれ悩んだことへのフォローの意味を込めて。
途中でインターホンが鳴ったので電話はそれでおしまいになりました。
でも、お電話からはご主人の変化を嬉しそうに語る愛ちゃんの笑顔が見えるようで、心から良かったなあと思いました。
その後、愛ちゃんからメールが届きました。
そこに書かれていたご主人の体調が、まさに陰性から陽性に向かう状態なので、皆さんにも参考になると思って、記事にさせていただきます。

なお、幸せコース前の愛ちゃんから寄せられた相談では、ご主人の体調が悪くて、今とは正反対の状態が書かれていました。
それは愛ちゃんが陰性なマクロビオティック料理をご主人に食べさせてしまったためです。
でも、幸せコースに通うようになってからの愛ちゃんのお料理で、ご主人はこんなにも体調が上向いて来ました。
嬉しいですね〜。
あの自動変換の激しい(失礼)愛ちゃんのお料理でもです!
陰陽のバランスを欠いたお料理がいかに怖いかを愛ちゃんは十分理解されたことでしょう。

このブログをお読み下さっていらっしゃるマクロビオティック実践者もお気をつけください。
間違ったマクロビオティックは百害あって一利なしです。
それだったら、無理に玄米ご飯を食べないで、白米と普通のおかずを食べて、その割合を陰陽バランスが取れるようにした方が賢明です。
マクロビオティックは素晴らしい考え方です。
しかし正しく理解しないと諸刃の剣になってしまいます。

 
 

<愛ちゃんからのメール>

美風さん

こんにちは。
愛クラスの件、ご面倒をおかけし申し訳ございませんでした。

そして、お電話まで頂き、とても嬉しいです。
美風さんとお話しできて、ホッとしました。

お言葉に甘えて、包丁砥ぎ講座を受講し、
技術向上できるよう頑張ります!!

前回は、まさかの「へぎ切り」習得!?で、とても嬉しかったです。
まだまだ厚みもバラバラですが、積み重なっていくキュウリを見ると感動します。

できることを増やしていけるように、地道に頑張ります。

ボーっとしていることが多く、手間のかかる人間ですが、
変わっていきたいです。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

夫は、とっても元気で生き生きとしています。

昨年は、鬱なんじゃないかと心配してくださっていた上司からも、
「元気ですよね」と言われるようになったそうです。

夕飯を食べた後、
寒い日でも、足先まであったまると言ってくれることもあります。
手のひらも、足の裏も、濃いピンクになり、
「今年の冬は暖冬だね。」と笑いながら話してくれます。

出汁を習って、あまりの美味しさに多用しているからか、
その頃から、肌のツヤが良くなって、スベスベに変わってきました。

その変化を見ていると、とても嬉しいですし、もっともっと頑張ろうと思います。

仕事は相変わらず大変のようですが、メリハリつけて私の相手もしてくれます。

昨年は、冷たい手足で、寒い寒いと言って過ごしていたので、
間違った私の認識が引き起こした怖さを思い知りました。
大反省です。

美風さんと、中川さんから、学べることに感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございます。

 
 

マクロビオティック へぎ切り むそう塾

 
 

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第173次「むそう塾 パスポート取得者」を発表します

第173次 むそう塾 パスポート取得者>
Sa(78−1)さん


<寸評>

◆中川善博より
あなたがお使いの鍋はむそう塾で想定しているよりも金属・鉱物的に「陽」の強いタイプのものでしたので、愛クラスでのデモの記憶をサイズアップされるのにすこし手間取りましたね。
しかし今になって見れば良い陰陽の勉強になったと思います。
身体で覚える陰陽料理をこれからも一緒に学んで行きましょう。
美味しいご飯をご家族で長く食べ続けてください。
おめでとうございます。

◆マクロ美風より
遠くからご一家で泊まりがけの愛クラス受講をされましたね。
帰り際に教室の外で待たれていたご主人やお子さんたちにお目にかかることが出来ました。
京都の夜の寒空に薄着で裸足の赤ちゃんを見て、あなたの育児方針が表れているようで微笑ましく思いました。
それでいいのです。
ご自分で「ピン!」と来たものを採用する生き方で良いのです。
ただし、それが暴走してわがままにならないことを祈ります。
その辺が会得できたら、もっともっとあなたの玄米ご飯はやわらかくなって、お二人のお子さんが喜んで召し上がってくれる炊き上がりになるでしょう。
次にお受けになる試験も頑張ってください。

 
 

 
 

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