レスリング五輪金メダリスト小原日登美さんの過去の悩み

先日油料理をしていて、新聞紙を捨てようとした時に目に止まった記事がありました。
「減量で生理が来ない。産めなくなるかも。」という見出しでした。
私がマクロビオティックの発信ブログを書くようになって、どれほど多くの月経不順に悩む人たちとつき合って来たことでしょうか。
10人女性がいたら2〜3人の確率で生理が来ない人がいたものです。
マクロビオティックの先生でも何十年と生理が来ない人もいます。

しかし、マクロビオティックを教える人たちは案外生理が来ないことに平気です。
それは「今、体のお掃除をしている時だから、そちらに血液がまわっている。お掃除が済んだら生理も再開するから大丈夫。」という論法です。
でもね、実際に悩んでいる人たちや、悲しいほどに痩せてしまった人たちを前にして、私はその不安を取り除くことが先のような気がしていました。

そうこうするうちに、10年以上も生理がなくて子供がほしいのに困っている人が何人か現れました。
どの人もとても痩せています。
単に痩せるといっても陰性の場合と陽性の場合があるのですが、生理がないことに変わりはありません。
子供を産むためにはまず生理が来るようにしなければなりません。
そこで必要なのは適正体重まで戻すことです。

痩せすぎて生理のない人はモデルさんの世界にも多いです。
見た目の華やかさとは裏腹に、体を犠牲にしているモデルさんもいます。
ですから、お若いのに骨粗鬆症になっているモデルさんもいて、ある意味では反面教師になっています。
体重が40キロを切ると、まずは危険だと思ってください。
どうしても生理は体重と比例する部分があるので、極端なダイエットは危険だと声を大にして言いたいです。

一方、極端な見解として、究極に体が整うと生理がないのが当たり前と主張する人もいます。
生理がなくても排卵はしていることもあるので、妊娠は可能だから問題がないといえばそうかも知れませんが・・・。
でも、生理があるべき年齢に生理が長期間止まってしまうのは、やはり不自然と考えた方が良いと私は思います。
月経は毎月体の状態を知るための情報をたくさんお知らせしてくれます。
特に血液の質を判断することができるので、生理痛と合わせて判断材料にしましょ。

 
 

生理がこない むそう塾 マクロビオティック

 
 

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「1日3食をやめなさい」内海聡著 とにかく解りやすい

私が講座をしようと思うと、それにピッタリの本が登場するのですが、今年もそんな本が登場しました。
私が最低限お伝えしたいことがコンパクトにまとめられていて、グイグイ読み進められます。
今は情報過多の時代で、それがために不安が増幅している人がたくさんいます。
でも私は、少なくてもいいから確かな情報を手にするべきだと思っています。
その視点でこのブログの記事も書いています。

すでにご存知とは思いますが、Facebookでもお馴染みの内海聡医師の本で、とってもお薦めの新刊本が出ました。
内海先生は何冊も本を書かれて、診察もして、公演も多数こなして大忙しなので、この本は内海先生がインタビューに答えたものを他の人がライティングした内容になっています。
私がこれだけ押さえれば大丈夫と思っていることが書かれていて、説明の仕方がとても解りやすいので、中学生にも読んでほしいです。
夏休み中にぜひ読んでください。

常々私がこのブログでも取り上げている砂糖の説明が、「直接糖」「間接糖」という言葉を使って小学生でも解るように説明されています。
小学生にはこの部分を知ってもらうだけでも、人生に大いに貢献すること間違いなしです。
夏休みの研究対象として、親子で取り組んでみてはいかがでしょうか。
お子さんの一生の財産になりますね。

今まで私はマクロビオティックというカテゴリーの中で説明することが多かったのですが、同じ内容を医師の立場から書いておられるので、とても共感しました。
次世代を育むお母さんたちに知ってもらいたいことが沢山あります。
そして、もしあなたが今体調が悪かったら、それは食べ過ぎに起因するものかも知れません。
マクロビオティックをしっかり実践されている方なら、知っていることばかりでしょうが、むしろ、まだマクロビオティックを知らない人や、マクロビオティックに嫌悪感を抱いている人たちに読んでほしい内容です。

不満を一つだけあげるなら、あの内海節ともいうべき毒舌が本文中にないことかな?(笑)

書名:「1日3食をやめなさい」
著者:内海聡
出版:あさ出版
価格:1,300円+税

 
 

内海聡 1日3食をやめなさい1

 
 

内海聡 1日3食をやめなさい 

 
 

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(『1日3食はやめなさい』内海聡著)

 
 

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むそう塾のお弁当仲間(OBENTERS)にフランクルを感じた

きょうもOBENTERS #musobento)の仲間たちが頑張っています。
彼女たちのエネルギーは凄いです。
主食をしっかり調えたうえで、食べる人の体調と陰陽を考え、お料理の陰陽を考え、さらに高度なレベルでのお弁当への盛り込み技術の特訓なのです。
毎朝続けることは並大抵なことではありません。
早い人は3時には起きています。
そして6時にはもう写真がTwitterにUPされます。

今の人達はお弁当どころか、お料理を作ることだって大変なのに、それをマクロビオティックの陰陽バランスでOKをもらえ、尚且つ中川さんの一流料亭レベルでのOKって、お料理屋さんも真っ青というところではないでしょうか。
むそう塾のOBENTERSが作るお弁当は、すでに「出世弁当」とか「あげまん弁当」とかの名前をつけたいくらい、食べている人の変化が出ています。
単に「内助の功」なんていうレベルではなく、マクロビオティックの陽性エネルギーの効果を実感します。

コンビニ弁当にはない安全と愛情のこもったマクロビオティック陰陽弁当。
それを作っているのは、もとはお料理嫌いだったお嬢さんや、お料理に自信がなかった奥様たちです。
適切な指導のもとに、それを復習することによってジワジワとついて来る実力がここにあります。
最初は大変だと思っても、仲間と一緒に続けているうちにこんな世界に入れるなんて素敵ですよね。

ところで、フランクルの心理学で「創造価値」というのがありますが、お料理を作ることもこの「創造価値」に入ります。
芸術家が作品を創ったり、学生が論文を書いたりするのも同じ範疇に入ります。
自分の仕事をまっとうして得られたものは大きく、それは生きる意味のひとつを為すものです。

お弁当が相手に喜んでもらえて、周りの人にも評価されて、食べる人の体調も良くなって、仕事がバリバリできれば、良い方向に進むのは当然ですね。
それが結果として「出世弁当」になったり「あげまん弁当」になったりするわけです。

そこにはお弁当を介して「愛」の存在があり、喜んでもらえたという「体験」こそがフランクルの「体験価値」になるのです。
ということは、生きる意味と使命を「創造価値」「体験価値」「態度価値」の三つに分けたフランクル心理学のうちの二つをOBENTERSは実現していることになります。
これは強いですよね〜。

あとは、これから先、逃れようのない苦しみや運命に対して、どのように相対するかという「態度価値」ですが、そこはマクロビオティックの考え方を知っているむそう塾生ですから、ベストの判断を下せると信じています。
お弁当を作り続けることによって、知らず知らずのうちに精神の成長が伴うでしょうから、きっと人生の難局にも立ち向かえて、その人の存在自体が価値のあるものになることでしょう。
(逆にいうと、氣と体調が調っていないと素晴らしいお弁当は作れません。)

一般的に哲学というと、難しそうで避けてきた人たちでも、こうして具体的に身近なことで考えてみると、妙に哲学が愛しくなったりしませんか?
フランクルの「どんな人のどんな人生にも意味がある」という考え方と、マクロビオティックの陰陽の考え方は私の考え方の二本柱です。
それを日々実現されているOBENTERSの皆さんに、改めてエールを送りたいと思ってこの記事を書きました。
そして、まだその仲間に入っていない人は、ぜひお弁当のもつ深い意味と価値を知って、お料理の意義も見出だせたらいいなと思います。

 
 

むそう塾 マクロビオティック弁当 OBENTERS

(ある日のマクロビオティック陰陽弁当:じゅん子さんの作品)

 
 

カテゴリー: むそう塾スタイル, マクロビオティック京料理教室 むそう塾, プロが個人指導するマクロビオティック陰陽弁当 #musobento | 10件のコメント

マクロビオティックの指導現場から(12)土鍋と圧力鍋の差と玄米の炊き上がり

一口に玄米ご飯と言っても色々な炊き方があります。
お鍋の種類と炊き方によって玄米ご飯の陰陽度が変わってきます。
その結果、その人にとって食べやすい玄米ご飯だったり食べにくい玄米ご飯だったりすることになります。

私が初めてマクロビオティックの存在を知った時、玄米ご飯の炊き方がそんなにも重要だとは認識していませんでした。
それよりも動物性を摂らないことの方がインパクトがあったのです。
マクロビオティック指導校で教えられたとおりの炊き方と食べ方を何年もしているうちに、段々「ちょっと違うかな?」という感覚が生まれるようになりました。

それは「食べる人の体調にピッタリ合った」玄米の炊き方でなかったことと、陰陽バランスが偏っていたことが原因でした。
つまり、体の陽性化に対して、食べるものの陰性化がうまく出来ていなかったのです。
途中からそれを意識して自分の知識の中で陰性化を試みていたのですが、今ひとつ何かが違うような気がしていました。

当時の私は、大阪にも足繁く通っていて、その度に京都の中川さんが炊かれる玄米ご飯をいただいては感動しておりました。
ある時中川さんに口頭で教えていただいた玄米ご飯の炊き方は、私の盲点を突いていました。
「そうかあ、その方法があったのかあ!」

中川さんの炊き方はまさに陰陽を忠実に反映した炊き方であったにもかかわらず、私の玄米の炊き方はマクロビオティック指導校で教わった炊き方の範囲から出ていなかったのでした。
それは最も陽性に炊く方法でした。
陰性にしたくて玄米に小豆を混ぜて1年間も食べていたこともありました。
押し麦を混ぜていたこともありました。
あるいは色々な土鍋で炊いていたこともありました。

しかし土鍋での炊き方は白米には向いていても、玄米になるとどうしても皮の部分の問題が解消されず、さらに炊き上がりが一定しない不都合がつきまといました。
そうこうしているうちに、やはり土鍋炊きの玄米ご飯を長く食べていた知人が階段を昇れなくなってしまいました。
その人は完全に動物性を摂っていない人でした。
そんなこともあって、私は中川さんの玄米の炊き方は救世主のように思えました。

それまではおかずの陰陽でバランスを取ろうとしていたのですが、その方法は小手先であって、常におかずの陰陽に神経質になってしまいます。
しかし、主食を中庸の炊き上がりに持って行くと、根幹部分が狂っていないので安定感が出てきます。
その安定感は以前私が感じた「今ひとつ何かが違うような気」の答えでもあったのです。
主食の炊き方はコロコロ変えてはいけないんだ。
季節と体調に合わせるための(ほんの少しの)微調整はしても、最終的には「一生食べ続けられて、腸が喜ぶ炊き上がり」であるべきなんだ。
それが私の答えでした。

*   *   *

2008年に初めて「中川式玄米ご飯の炊き方」をお伝えする教室を始めてから、受講者がそれまで玄米を炊いていた鍋の種類をすべてチェックしていますが、土鍋で炊かれている方の体調に今ひとつの人が多い傾向がみられました。
それは土鍋だけが直接の原因ではありませんが、少なくても圧力をかけて炊いた玄米ご飯なら避けられたであろう症状も見受けられました。
現に土鍋炊き玄米ご飯と野菜(動物性なし)を食べていた人が杖をついてむそう塾にいらして、入り口の段差を越えられなかったのに、その後圧力鍋に変えたところ、杖なしでむそう塾まで来られるようになりました。

私はここで土鍋炊きが悪いと言っているのではありません。
体が陰性になっている時には、総じて消化吸収力も落ちていることが多いので、そんな時には確実に消化吸収できる玄米ご飯を炊き上げるために、圧力の力を借りた方がその目的を達成できることをお伝えしたいのです。
そして、体が陽性化している人には、限りなく陰性だけれど土鍋ほど陰性でなく炊き上げるために中川式の目からウロコの炊き方をお伝えしたいのです。
さらに、今ちょうど良いという体調の人には、過去の私のように陽性化してしまわないように、一生食べ続けられる玄米ご飯の炊き方をお伝えしたいのです。

そんな陽性・中庸・陰性の3パターンの人に食べていただける玄米の炊き方は、シリット社の圧力鍋で可能です。
私も中川さんも入手できる圧力鍋はすべて試した結果、この鍋に行き着きました。
自然派志向の方からは、土鍋の方が自然素材で作られているし、最後は自然に還るから圧力鍋より環境的に良いのだと言われることでしょう。
あるいは自然界にない圧力をかけるのは不自然だと言われることでしょう。
しかし玄米の硬い皮は、水分と時間と温度だけではバランス良い軟らかさにできないのです。
さらに食べ物ですから美味しくなければ意味がありません。

中川式玄米ご飯は、中の胚乳部分と外の皮の部分が一体となって皮感なく炊き上がります。
それはまるで白米のような炊き上がりです。
ここまで一体感が出てくると、体内での消化吸収も格段に良くなるらしく、この炊き方の玄米ご飯で体調が良くなったというご報告が数々届いています。
一番顕著なのはお子さんが喜んで召し上がってくれるというものです。
お子さんは正直ですから、体に良いものは美味しく感じるんですね。

この美味しそうな稲荷寿司。
これも中は中川式玄米ご飯なんですよ。

中川式稲荷寿司 マクロビオティック料理教室 むそう塾

(中川式玄米稲荷寿司 料理:中川善博)

このちらし寿司も下は中川式玄米ご飯なんですよ。

玄米のちらし寿司 中川善博 マクロビオティック

(玄米ちらし寿司 料理:中川善博)

お寿司を玄米ご飯で作るには、しっかり中に合わせ酢が入ってくれるだけのふっくら感がなければ駄目です。
硬い玄米ご飯ではお寿司はまずくなります。
健康志向の方もグルメ通の方も納得出来る美味しさ。
それがむそう塾の玄米ご飯です。
玄米の炊き方講座はただいま受付中です。

<参考記事>
マクロビオティックの指導現場から(6)間違いだらけの玄米選び
マクロビオティックの指導現場から(7)お鍋の陰陽と玄米の炊き上がり

 
 

カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, マクロ美風の体験的マクロビオティック | 2件のコメント

「私はこの会社に入るとき、プライドを捨てました。でも、この会社に入って、新しいプライドを得たんです」

私が毎週お世話になっている新幹線。
テキパキとお掃除をしてくださる人たちのおかげで快適に京都通いをしています。
7分間でこんなにも仕事をこなせるのかというほどその動きには無駄がなく、目も手も足までもフル活動です。
いつ目にしても気持ちよく、私もそのようでありたいと思わせてくれます。
おもてなしの心が伝わって来ます。

ふと、お料理のことを思ってしまいます。
無駄のある行動からは美味しいお料理は生まれません。
食べてくれる人のことを思ったお料理を作るには、動線がよくないとオタオタしてしまいます。

人は知らず知らずのうちに無駄をしています。
しかし動線を考えながら行動するようにすると、かなり無駄が省けます。
家庭でも仕事でも無駄を省くことは時間を創出することですから、ぜひ取り組まれたら良いと思います。
本も出ていますね。
新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?

どんな行動でも誰かに感謝されるというのは、凄いエネルギーを生みます。
感謝はされる側もする側も良い氣を発しますので、感謝のできる場面を増やすような生き方をするといいですね。
家庭でも職場でも。

「私はこの会社に入るとき、プライドを捨てました。でも、この会社に入って、新しいプライドを得たんです」

 
 

新幹線

(新幹線から見た夕日)


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