寒い季節の寝具の選び方と体調への影響

【深部体温】

ここ2、3日は12月の割には暖かい日が続いているのですが、本格的に寒くなってくると冷たいお布団に入るのはイヤという人がおられるかもしれませんね。
それで電気敷き毛布を使うお年寄りも多いことでしょう。
あるいは、電気コタツが登場しているかもしれません。

でも、自分の体温より暖かい環境にいると、人は体がだるくなりますし、皮膚に近いところの温度が高いと皮膚が乾燥したり痒くなったりします。
これは床暖房のしすぎでも同じようになります。

人間は眠ることによって深部体温が下がり、体を休めるわけですが、電気毛布などを使用していると深部体温が下がりにくいので、かえって疲れてしまいます。
同じことが電気コタツに長時間入っていることでも起きます。
うっかりコタツでうたた寝をしたあとは、妙にだるい経験がおありでしょう?

ですから一番いいのは、眠る前にお部屋を少し暖かくしておいて、寝具から受けるヒヤッとした感じを和らげたり、寝具そのものを羊毛素材にしておくことです。
もちろん、眠るときには暖房を切ります。

 
 

【寝具】

寝具で理想的なのは、敷きには羊毛、掛けには羽毛です。
羽毛の掛け布団の場合は、毛布などは使いません。
良い羽毛布団は、肩や首周りに吸い付くようにトロンとかかるので、首周りが寒くないのです。
敷き布団は綿より羊毛の方が保温性があるのと、発汗作用があるのでムレません。

1番気をつけることは、眠る位置を床から高くすることです。
以前に「マクロ美風の家事アドバイス講座」をしているとき、フローリングの上に敷布団を1枚直接敷いていた人がおりましたが、これは1番冷えるので絶対やめましょう。
できればベッドに、どうしても駄目ならウールの敷き布団を2枚にしましょう。

 
 

【布団の中まで温めてしまわない】

寝室を暖房する場合は、掛ふとんを頭の方に二つ折りにして、敷き布団の足元の方にエアコンなどの暖かい風を当てます。
1時間暖房しただけもOKです。
部屋の空気が暖まれば、お布団のひんやり感が和らぐからです。

ワンルームで暖房のしてあったお部屋で寝る場合は、起きているときからお布団(特に掛ふとん)の中まで完全に温めてしまわないように、エアコンの風がお布団(特に掛ふとん)に当たらないようにしておきます。

これは、お布団の中まで温まってしまうと、なかなか深部体温が下がらないので、寝付きが悪いだけでなく、夢を見たり、目がさめても体がだるい状態になるからです。

これと同じようなことは、夏にお布団を干して、そのお布団に寝た場合でも起きます。
ですから私は、お布団を干した場合はそのお布団は押入れに入れて、別のお布団に寝ていました。
その日に干したお布団に寝て、なかなか寝付けなかったり、イヤな夢を見たりすることがあれば、それはお布団にこもっている熱のせいです。

こういう場合は、子どもの寝相がうんと悪かったり、寝返りばかり打つようになります。
背中が熱くなるので、逃げるように動くからですね。

 
 

【人工的に温めすぎると体がゆるむ】

夏の暑さや、体を動かしたときには、汗が出て体温調節をしてくれます。
しかし、寒い冬にじっとしていて、暖房や人工的保温が皮膚に近い場合は体がゆるみます。
このゆるみが、だるい感じとなって活動を低下させるのです。

寒い=陰性 → 緊張(陽性)、暖かい=陽性 → 弛緩(陰性)。
マクロビオティックを知っている人なら、この陰陽の流れを理解しましょう。
寒い時にはキュッと締まることが必要であり、暖かい時には穏やかにゆるむことが自然体として必要なのです。

 
 

ですから、真冬に暖かさを求めすぎてしまうと、体調が狂ってしまうのは当然なんですね。
ということで、冬に登場する人工的な方法で暖かさを強調した衣服や下着はおすすめしません。

結論として、床暖房も低めに設定することや、なるべく電気毛布類を使わない方が体調を崩しません。
どうしても朝方寒さを感じる場合は、それはお布団の厚さが薄いのです。
もう1枚お布団を増やしましょう。

足元だけ寒かったら、足元に大判のひざ掛けや毛布を掛ふとんの上からかけましょう。
これだけでも随分寒さが防げますよ。

 
 

【敷布団の上に毛布】

私は今ベッド生活なので、畳の上には寝ていませんが、北海道で育ったときには和式のお布団でした。
そしてお部屋も寒いです。
(昔の家は寒かったのです。)

それでも寝室に暖房はなくて、湯たんぽ1個だけでした。
冬になると母は、お布団を厚くしてくれるとともに、敷布団の上に毛布を敷いてくれました。
これがとても暖かさを増して、嬉しかったのを覚えています。
これは、体温を外に逃さない効果があったためと思われます。

今はベッドなのと、本州ではそんなに寒くないので、私の生活から毛布が消えて何十年にもなります。
自分の体温で寝て、朝はスパッと起きられて、体がだるいこともなく、いたって健康的な日々を送っています。

 
 
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