子育てのことで悩む人はとても多いですね。
何を隠そう、この私も39歳で息子を産んだとき、何も分からなくて判断に困ったものです。
そんな時に頼りにしていたのは、野口整体と本でした。
独身時代から本部道場に通ったり、友人も指導室を開いたり、野口晴哉氏の本を全部読んで、将来子供が出来たらこの方法で子供を育てようと思っていたので、あとは実践するのみでした。
しかし、いざ子供が産まれて、整体どおりに泣かせないようにしていたら、家事が滞ってしまいます(泣)
息子は2,560gで産まれたので、直接母乳を飲めず、搾乳してから飲ませていましたので、手で搾乳する時間も余分でした。
3,000gになったら吸う力もついてきたので、やっと搾乳から解放されましたが、それと同時に皮膚が怪しげな状態になってきて、重度のアトピーの始まりでした。
アトピーでの苦労話は他にも記事がありますので、ここでは触れませんが、子供を10人育てるぐらい精神的に苦労したのは事実です。
何事も初めてなので、年齢が39歳であっても知らないものは知らないのです。
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妊娠中に息子のお布団を頼みに街の寝具屋さんに行ったときのこと。
そこの奥さんは店番をしながら4人の子供を育てたそうですが、最初の子供の時には要領が分からなくて、授乳の時間もなかなか取れず苦労したそうです。
寝返りが打てるようになったら、天井から吊るした紐に哺乳瓶を結び、自分で飲めるようにしてみたり、直接授乳できないのがつらかったとのこと。
そこまでは行かなくても、商売をしている人や忙しい人は、子供を泣かせないで育児するのはとても大変です。
子供が泣く原因は、お腹が空いているかオムツが汚れているか、痛みや不安があるときが多いので、お母さんが不安になっていると、そのまま子供を不安にさせます。
この時からもう子育ての極意は始まっているんですね。
「氣はかけても手はかけない」。
原初体験として、赤ちゃんが泣いて求めても親がそれに応えないことを繰り返すと、やがて子供は無気力になって求めようとしなくなるという考え方がありますが、ちょっとだけ泣かせてしまったからといって、すぐ無気力になるわけではありません。
私の身の回りで、ピーピー泣いて育てられても立派な大人になっている人がゴロゴロいます。
昔から「子供は泣くのが商売」なんていうお年寄りもいたりして呑気なものです。
泣きながら呼吸器が発達するのだという意見もあったりして、子供が泣くのは当たり前という感じですね。
私も野口整体の影響で、極力泣かせないように育てましたが、人手がない中での実践は大変な面もありました。
お弟子さんがたくさんいて、その中で子育てをした野口昭子さんは、お弟子さんが勉強と称して子守りをしていたのですから、新米ママさんが一人ぽっちでそれと同じ子育てを目指さなくてもよいと私は思います。
育児書どおりに子育てが出来ないのは世の常ですが、それでも理想の子育てをしようとするあまり、母親がヘトヘトになったり、ノイローゼになったりするのなら、そのとおりにしない方がよいのです。
手間のかかるお料理は出来ないにしても、そこそこ日常のお食事の用意くらいは出来るようにならないと、母親自身の健康と母乳の質に影響が出ます。
質の悪い母乳で赤ちゃんはご機嫌にはなりませんので、まずは母親が気持ちよく暮らせるように妥協も考えましょう。
夫婦も子育てもそこそこの妥協が必要ですからね。
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マクロビオティックの本を読んで、あれダメこれダメと排除食を実行して、精神的にヘトヘトになっている人がいるのですが、子育てもこれと似たところがあって、理想を貫こうと思って精神的に疲れ果てている人がいます。
完璧主義的傾向のある人に多いですね。
もし今、子育てに疲れている人がいたら、理想を求めるより、目の前の現実を直視されたらいいと思います。
泣き止まない我が子を抱いて、一晩中外を歩いていた私の経験は、人手があればしなくて良いものだったでしょう。
でも今の時代は核家族で家も狭くて、子育てにはとても不利な状況です。
赤ちゃんだけでなく、母親だって泣きたいのです。
ですから、世のご主人様たちは、そんな母親の気持ちを察して、この時期を一緒に過ごしてあげてほしいと思います。
自分の趣味に時間を使ったり、同僚と飲みに行くのではなく、せめて早めに帰宅してあげてほしいです。
育児は男性が想像する以上に母親には負担になります。
産後の体も労ってあげてほしいですし、母乳の元になる良質の血液も作るためにも、しっかりしたお食事を摂ってほしいです。
そのためにご主人様が買い物をしてくれるだけでも大助かりです。
出産前と出産後の妻に同じことを求めないで、男性も父親として変化しましょう。
子供に接しながら、新たなエネルギーも子供からもらえるのですから。
(舞ちゃん、完璧でなくていいんだよ〜。のーちゃん、ありがとう。)
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美風さん、こんにちは。
記事、何度も読み返しました。
子供を授かったものの、子供や赤ちゃんに接する機会もほとんどなかったため
具体的なイメージもありませんでした。
指針とするものとして野口整体を選んだものの、泣かせないようにするのは本当に大変でした・・・。
新生児期の3週間はお腹が空いた時にしか泣かなくて
飲んだら寝る、という繰り返しで(搾乳は大変だったものの)平和だったのですが、
元々の予定日を過ぎたあたりから急に起きている時間も長くなって、泣くことも増えて来たため、
いきなり様子が変わって、とてもとても戸惑いました。
どうしたらいいのかもわからないし
どういう心持ちで、どういう方針で向き合ったらいいのかもわからなくなって来てしまって
私まで一緒に泣いてしまうことも多かったです。
野口整体の泣かせないように、というのに納得もしていたし
「乳児はしっかり肌を離すな」ともいうし
無気力になってしまったら私の責任、とも思いながらやっていたら
本当に家事も何にもできなくて、疲労と不安でいっぱいでした。
夜主人が仕事から帰って来て、あやしたり、おむつ替えたりを変わってくれるのを待ちわびる毎日でした。
主人が休みの火曜日が終わるのが、毎週辛かったです。
適度に手を抜こう、と頭ではわかっていても、
適度に、の加減がわからなかったのです。
先日、むそう塾に伺って美風さんと中川さんに声をかけて教えていただいて
ようやく、「多少泣いても大丈夫なんだ、全部の時間を子供に尽くさなくてもいいんだ」と思えるようになって
かなり気が楽になりました。
家事もある程度片付け、食事も座って取るようにすると、それだけで心持ちが全く変わるのですね。
私、現実が見られていなかったのですね。
知らず知らずのうちにノイローゼになったりする前に、
気づかせていただいて良かったです・・・。
質のいい、美味しい母乳を作れるように、夫婦で協力して軌道修正をしていきます。
為になる記事をありがとうございました。
長いコメントを失礼しました。
舞ちゃん、こんばんは。
ようちゃんが2か月近くになった頃、Twitterから流れて来る舞ちゃんのつぶやきを見ていて、育児ノイローゼになりかけているなぁと思っていました。
私は夫はいても、独りぽっちで子育てをしていたので、舞ちゃんの心境はとてもよく理解できました。
私の場合は、まるで母子島にでも流れ着いたかのような子育て期間でした。
親が仕事に行っていて、泣いてもおっぱいをもらえず、泣き疲れてまた眠って、お尻はおむつかぶれで赤くただれていたり、皮膚に穴まであいている赤ちゃんが昔はいたものです。
でも、彼らは立派な大人になっているし、親思いの心根の優しい人も多いです。
ですから、泣かせたらダメだなんて、私は到底思えないのです。
オムツをしない子育てというのもあって、育児は手をかけようと思えばいくらでもかけられます。
でも私は、大人の生活も大事だと思うのです。
働かなければ経済的に厳しくなる人は、そんなに育児に没頭するより、そこそこで収入の道を考えなくてはいけないし、日常の家事もあります。
怪我をさせなければよし。
そう割り切って、少々赤ちゃんが泣いても家事が出来る舞ちゃんになってください。
今朝もお弁当投稿があったので、ホッとしたところです。
>家事もある程度片付け、食事も座って取るようにすると、それだけで心持ちが全く変わるのですね。
そうですよ〜。
その状態はご主人様とて同じです。
舞ちゃんがノイローゼにならないよう、良いおっぱいが出せるよう、そのことを優先してくださいね。
一人で抱え込まないで、いつでも相談するんですよ〜。
中川さんもついていますから。