ある卵巣がん患者の選択 人生は長さより質 

いつも有益な情報をお届けくださるてんこさんから、感動のメールが届きました。
読んでいた私も途中から涙が溢れてしまいました。
先日「患者力」という本をご紹介しましたが、自らを高める生き方を選択されたこの患者さんは、まさに今変わろうとされていますね。
出来ることなら奇跡が起きて欲しい気持ちでいっぱいです。

 
 

<てんこさんからのメール>

美風さん、こんにちは。

今日診察した患者さんは、自ら病院通院を卒業されていきました。
その姿がとても清々しくて紹介させていただきたいと思いメールをおくらせていただきます。

50代の卵巣がんの患者さんで、診断が付いたときにはお腹に細胞が散らばった状態でした。
手術、抗がん剤での治療を受けられましたが再発し、昨年の秋頃まで再び抗がん剤の投与を受けました。
しかし半年しないうちに再々発の兆候があり、薬を変更しての抗がん剤治療が勧められました。(この時お話してくれたのは私とは別な医師です)

私はこの方とは再発されてからのおつきあいです。
入院中の回診時などに、抗がん剤を受ける以外に出来る事はないでしょうか?と聞かれていたので、甘い物を減らすように・冷えないようになどすぐに出来そうな事のアドバイスをしたことがありました。
その後ご自分でも調べられたらしく、再々発の告知後玄米菜食を始められたそうです。
今日の診察時、食事を変えたら体が軽くなって体調がいいと笑っていました。
岩盤浴で汗をかく、なども試され手応えがあったようです。(化学療法の副作用であるしびれが軽減したと喜んでいらっしゃいました)
今まで定期通院中は受診日が近づくと検査結果が氣になってとても気分が沈んでいたけれど、通院をやめて、病院に掛からず自分で頑張って行こうと決めたら、とても元気が出てきたと明るい表情をされていました。
これからはお食事の工夫をして、免疫を上げる生活をして、自分をもっと高めて生きて行きたいと。

ご家族は、応援するけれども本当にこれで良いのかと迷われていました。
ご主人と二人だけでお話できたのですが、ご家族の不安は良く理解できました。
でも、食事療法では治らないかもしれないけど、抗がん剤でも完治が望める方ではないのです。
どちらが命が長らえるか分からないけど、ご本人が進みたい道を応援するのが私たちに出来る事だと思っていますとお伝えしました。

その方は不安をあおるだけだから、と検査も望まず次回の予約もせず、何かあったら相談にきますと帰って行かれました。
とても潔かったです。
今、自分の人生を十分に生きているという充実感がひしひしと伝わってきました。
たとえ抗がん剤を使った方が数字の上で命を長らえる事ができても、この充実感には代え難いのだということがよく分かりました。
そして、『自分を高めたい』という言葉に心から感動しました。

その方の人生を充実させるために私ができることなんて、きっとありません。
でも、先生とお話しして自分を出せてよかったとおっしゃっていました。
その人その人の持てる力を引き出すお手伝い、それが出来たら私の仕事は大成功なのだと改めて思いました。

人は死ぬまで変われる、成長できるということ。
命は単純な長さでその価値が決まる訳ではないこと。
このことを決して忘れたくないと思います。

誰かが自分の持てる力に気がつくお手伝いが出来るよう、辛抱強く待てる陽性さんになれるよう、これからも頑張ります。

 
 

菜の花の芥子浸け マクロビオティック料理

(菜の花の芥子浸け 料理:中川善博)

 
 
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