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お酒と陰陽(マクロ美風の体験的マクロビオティック)

独身の頃の私はよくお酒を飲んでいました。
えーっと誤解のないように書いておきますと、お酒が好きというより、お酒と一緒にいただく美味しいお料理が好きだったんですね。
ついでに、そばに素敵な男性がいてくれると、お酒もお料理ももっと美味しくて幸せだったわけです(^^;)
そんなわけで長年お酒を飲んでいたのですが、ひょんなことから結婚した夫は、気がついてみるとお酒が飲めない人でした_| ̄|○
これは大きな誤算。。。

しかししかし、マクロビオティックを知ると、お酒は陰性なので飲まない方が良いのだと思い込み、わあ、結果オーライだったんだと思って、夫に感謝したものでした(笑)
あれほど夜な夜なお酒を飲んでいた私なのに、結婚を境にピタッとお酒は飲まなくなり、マクロビオティックを始めてからは、料理用のお酒すら台所から消えました。
味醂も消えました。
当然のことながら白砂糖も消えました。
大好きだった千鳥酢も消えました。

そんなマクロビオティック生活をしているうちに、体は細くなり、体重も13kg減り、女性らしくない体つきになって来ました。
でも、すごく元気で威勢も良かったです。
行動力もバリバリあって(元々あったけれど)、いつも前向きな時間の使い方をしていました。
そんなある日、マクロビオティックの指導者から、「少し酢の物を食べた方がいいよ〜」「お酒を飲んだ方がいいよ〜」と言われ、一緒にお食事をすることになったのでした。
そこが私のマクロビオティックの分かれ道だったのです。

そこを境に私は猛烈にマクロビオティックの勉強をし直しました。
今だったら当然判ることが、マクロビオティックの初歩だった私には判らなかったのです。
それは「偏り」ということでした。
つまり、私は陽性に偏っていたのですが、調子が良かったので気づかなかったのです。
というか、陽性が良いことだと信じきっていて、陰性の大切さに目がいっていなかったのです。

かつてのマクロビオティック指導者に多かったのは、陽性になりすぎて大酒飲みになった人、お菓子がやめられない人たちでした。
お酒もお菓子も陰性の代表ですから、陽性になりすぎた先輩たちがそれらに手が伸びるのはよく分かります。
今ではストレスの多い人がそれと同じような傾向にありますね。
ストレスは陽性だからです。

そんな経験をしてからの私は、陰性を摂るようにして、お酒も口にするようになりました。
しかし、あれほど好きだったお酒も、過去にあんなに美味しいと思った銘柄も、そんなに感動するほどではないのです。
つまり、ある程度陰陽バランスが取れていると、そんなにお酒や甘いものがほしくないことが身をもって分かったのでした。
それは過去の私の食べ方と、マクロビオティックを知ってからの私の食べ方が変わったため、美味しく感じるラインが移動したからですね。
これに似たことはたくさんあります。

そんなわけで、もしあなたが物凄くお酒を飲みたいか、お酒に強い場合は、あなたの体の中に強い陽性を抱えていると考えて間違いありませんね。
この陽性というのは、体質的な陽性だけでなく、物凄く不満を持っているとか、感情処理がうまくいっていないとか、極度な心配事を抱えているとか、そういう陰性の積み重なったものが陽性に転じたような場面も含まれます。
ですから、それらの一つひとつを解決していくと、そんなにお酒や甘いものに逃避しなくても済むようになります。

ということで、今の私は陰陽の偏りを感じていないので、お酒はお料理の美味しさを引き立てる存在であり、甘いものは一仕事を終えてリラックスしたい時の演出ですね。
それが陰性の本来の役目だと思うので、今は陰陽をうまく使いこなせているかなって思います。

それから、陽性になりすぎる一つの落とし穴って、ごま塩だと思うので、マクロビオティックを知って玄米にごま塩をセットで考えている人は、良く考えたほうがいいですね。
ごま塩にはごま塩の良さがあるのですが、いつも玄米とセットである必要はありません。
サイトの「マクロビオティックの盲点」に並んでいる過去記事も参考にしてください。

マクロビオティックの落とし穴 胡麻塩の盲信
中川善博の胡麻塩論(プロが研究した胡麻塩)
中川式胡麻塩・鉄火味噌

 
 

マクロビオティック京料理教室 むそう塾 ビール

 
 

(マクロビオティック京料理教室 むそう塾の授業から ビールと唐揚げ)

 
 
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男も喜ぶマクロビオティック料理としての唐揚げ

よくあることですが、マクロビオティックは女性には人気があっても、男性はちょっと引いてしまう人が多いです。
お肉を食べてはいけないという伝わり方が圧倒的多数のため、男性は本能的に「そんなバカな」となるのです。
しかし、お肉を食べてはいけないのではなく、「食べたくない人・食べたら体調が思わしくない人は食べない方がいいね」と判断の目安を指し示しているのがマクロビオティックの陰陽なのです。

男性は女性に比べてパワーのある生き方をする場面が多いので、潜在的にお肉を食べたくなる人が多いのでしょう。
それはお肉を食べた後の体調を観察していると、男性ならはっきり判るはず。
大事なことは、お肉がそんなに必要でない暮らし方をしているのか、それとも少しはお肉を摂った方がよい暮らし方なのか、その見極め方です。

むそう塾では女性だけのマクロビオティックではなく、男性も一緒に喜んで実践してもらえるマクロビオティックをお伝えしています。
動物性を摂るときには質の良いものを選ぶことはもちろんですが、しっかり毒消しをして、体に負担をかけない食べ方をすること。
動物性を避けるだけのマクロビオティックより、なぜ動物性がほしくなるのか? 動物性を摂ったらどんな変化が起きるのか? お肉の種類によってどんな変化があるのか? そんなことも含めて陰陽の視点から考えるのが、むそう塾のマクロビオティック授業です。

今月の上級幸せコースでの授業は「中川式唐揚げ」です。
同時に、その毒消し料理も教えているのですが、それは存在感が薄くなるほどの唐揚げ人気です。
中川式の唐揚げがあまりにも美味しいので、この唐揚げのためにご主人様がぜひ上級に進んでほしいと仰ったご家庭もあるほどで、男性陣からは「待ってました!」の声が出る授業です。

中川式の唐揚げの特徴は、このゴツゴツ感です。
ここに美味しさの秘密がたっぷり入っています。

中川式唐揚げ マクロビオティック京料理教室 むそう塾1

 
 

(中川式唐揚げ 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

その次はこのジューシー感。
外側はカリッ! バリッ! サクッ!
中はふんわりジューシー。
美味しい汁が滴り落ちます。
まさに陰陽だと思いませんか?

中川式唐揚げ マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(中川式唐揚げ 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

お肉の苦手な人でもこの唐揚げは「美味しい!」といって、笑顔で召し上がる人が毎年いるのですが、今年ももちろんいましたよ〜(^_-)

 
 
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中川式七草粥 絶品の陰陽料理

七草粥1 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

中川式七草粥 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

いや〜、美味しかったです(๑´ڡ`๑)
七草粥でこんなに美味しい仕上がりのものをいただいたのは初めてです。
今回は作り方をじっくりそばで見せてもらいました。
すると、ここでもマクロビオティックの陰陽がしっかり活かされているではありませんか!
私が予め頭の中で描いていた予想の作り方とはちょっと違っていたところがあって、そこが中川さんの陰陽を徹底した作り方でした。
以前に一度中川さんの七草粥をいただいたことがあるのですが、勿体ないことに作り方を見ていませんでした。
しかし、今回はさらに美味しくするための手間がかけられていましたよ。

七草粥2 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

それがこの餡です。
この餡をかける分、当然のことながらおかゆ自体の味付けも異なります。
おかゆはより陰性に仕上げられていました。(ヒント1)
餡の濃さとお味も要注意。(ヒント2)

七草粥3 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

最後はこんな感じで出来上がりです。
見た目だと生姜を入れたくなってしまうでしょうが、ここは七草の香りを楽しむためにちょっと我慢。
でも、これだけでシンプルに美味しいんです!
餡の美味しさと七草の香りと緑、そして白粥の白さとやさしさが目に染みる癒やしのお料理でした。
お口の中に広がっていく餡のとろみがやさしくて、やみつきになってしまいそうです。

七草粥4 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

そばで見ていた私がiPhoneで撮った画像がありますので、中川さんのブログ記事の他に、補足としてアップしておきます。
8分炊いて火を止めた時のお粥の状態。

七草粥6 マクロビオティック京料理教室 むそう塾.

 
 

火を止めている間はお粥は混ぜません。
上に根菜を載せたままです。

七草粥10 マクロビオティック京料理教室 むそう塾.

 
 

お水を加える直前に混ぜます。

七草粥7 マクロビオティック京料理教室 むそう塾.

 
 

お水を加えているところ。

七草粥8 マクロビオティック京料理教室 むそう塾.

 
 

お水を加えて再び炊いているところ。(動画)

[youtube width=”880″ height=”560″]

二度目に火を止めてフタをし、テーブルに移動したところ。(ここまでフタなし) 

七草粥9 マクロビオティック京料理教室 むそう塾.

 
 

とっても美味しいので、ぜひ作ってみてくださいね。
なお、この七草粥の作り方は、中川さんから皆さんへのお年賀状代わりだそうです。
今年も体にやさしいお料理で元気に頑張りましょう!

 
 

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中川式おせち料理の技術力に唸った日

昨日は秘伝コースに通われている塾生さんも、まだ幸せコースの塾生さんも、皆さんがそれぞれに頑張っておせちの投稿をしてくださいました。
投稿してくださった人数は27名でした。
むそう塾でいつも中川さんから習っていたお料理、それに何品かのお料理を加えるともうおせちが出来上がるわけですが、問題は詰め方です。
この詰め方は毎朝のお弁当投稿で指導されていますので、お弁当投稿をしている人たちは慌てなかったようですね。
さすがです。

ところで、皆さんからのご感想を読ませていただくと、おせち料理を作っている時に走馬灯のように色々なことが想い出されたと書かれているものが多かったです。
そうなんです。こうして1年間をおせち料理を作りながら振り返り、そして心の整理をして新しい年を迎える覚悟のようなものが出来上がっていくんですよね。
コトコトと煮ている時に、湯気を見ながら気持ちは穏やかになっていきます。
実際はメニューの多さに大忙しなのですが、それでも心は案外と落ち着くのがおせち料理作りかと思います。

中川さんから教えてもらったお料理は美味しいものばかりなので、作り甲斐もありますし、実際に食べていただいて絶賛された人も多いことでしょう。
すでに来年の予約を受けて帰宅された塾生さんもいらっしゃるようです。
あの美味しさなら当然だろうなあと納得する私です。

ところで、今回は37種類のおせち料理が発表されたのですが、全部詰めるには重箱が小さかったので、実際には36種類を詰めてあります。
写真の下の方に埋もれていて見えなかったものもあるのですが、美味しさとともに技術力が問われるのがこの「日の丸独活」でした。
感動で鳥肌がたった塾生さんもいらしたのではないかと思います。
出来上がった時に歓声が上がっていましたから。

 
 

日の丸独活 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(日の丸独活 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

ここでも桂剥きの技術がついてまわる何とも難易度の高いお料理でした。
こんなお料理も出来るようになるために、中川さんは桂剥きを最初にきちんと教えようとされていたんだなあと思って、その技術力に唸ってしまいました。
もし塾生さんのおせちにこの日の丸独活が詰めてあったら、「よく頑張ったね」と思いながら、その頑張りを称えてあげてください。

舞ちゃんがこちらで皆さんのおせちをまとめてくれています。
亀甲が入っていて?と思われる方がいらっしゃると思いますが、約束事として八角形と六角形(亀甲)では、お料理や器の向きのとらえ方が異なることを忘れていた人がいたために、中川さんからTweetされたものでした。
亀甲の方が安定感に欠けるような気がして間違えてしまうのでしょうか?
ちなみに八角形の場合は次のようになります。

 
 

マクロビオティック京料理教室 むそう塾 お皿の向き

 
 

(八角形のお皿の向き)

幸せコースの盛り付けの授業でも解説していますし、毎朝のお弁当投稿でも指摘されているのですが、それでもうっかり間違ってしまうものなのでしょうね。
これが現実なので、これを踏まえてまたコツコツとアドバイスして行きたいと思っています。
とにもかくにも、頑張っておせちを作られた皆様、お疲れ様でした。
そして、こうしながら確実に美味しく、正しく、自信の持てるおせち料理が作れるようになって行きますので、今年の年末にはより進化したおせちを作りましょう。
さらに、新しい塾生さんのおせちデビューも楽しみにしています。

 
 

<関連記事>
【中川善博の料理】 2015年 秘伝コース12月 おせち料理
「中川式おせち」

 
 
カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾, 料理人 中川善博の陰陽料理 | 2件のコメント

中川式おせち

2015年の最後はおせち投稿が凄い勢いでした。
むそう塾がマクロビオティックの料理教室としてだけではなく、きっちりと京料理の基本を何年もかけて教え続けた成果が表れていたおせちだったと思います。
中川さんのブログでも「おせち投稿」のカテゴリーを設けて、たくさんの投稿をまとめていますので、どうぞご覧になってください。

今年の秘伝コースではむそう塾が始まって以来初めてのおせちの授業がありました。
単発でのおせち講座はあったのですが、37種類を一気に中川さんが教える授業はありませんでした。
それはおせち料理の大変さを知り抜いている中川さんだからこそ、作る人が少ないのではないかと思っていたからです。
しかし、現実は予想に反して、塾生さんの方からおせちを教えてほしいという熱いラブコールがありました。
そこで、「教えるなら本気で美味しいものだけを教える」ということになったのでした。

おせちを教えることになってからの中川さんの様子は、今まで見たことのない表情が続きました。
一番の課題が素人でも作れるレベルにアレンジすることです。
そして、何日も時間のかかるお料理をいかにして短時間で仕上げられるようにするか、しかも美味しく、という難題がありました。
それを毎日考え続けて、全種を誰もが作れるように教えてくれたのでした。
目の充血がその間の緊張感を物語っていました。
こんな大変なことを引き受けてくださった中川さんには改めてお礼を申し上げたいです。

*   *   *

ところで、中川さんが教えてくださったおせちの中で、私が感心したのは「蕨烏賊」です。
細かい作業を必要とする手の込んだお料理方法で、いかにも京料理らしい繊細で美しいお料理だなあと思いました。
日本人の丁寧さに感心するお料理方法でしたよ。

 
 

マクロビオティック京料理教室 むそう塾 おせち

 
 

(おせち 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

切り分ける前はこんな感じに仕上げます。

蕨烏賊 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(蕨烏賊 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

難易度の高いお料理ですが、秘伝コースレベルなら串打ちにも慣れているので出来ることでしょう。
見て美しいだけでなく、食べるととても美味しいお料理がぎっしり詰まった中川式のおせち。
今年作らなかった人は、美味しいので来年はぜひ挑戦してみてくださいね。

では、良いお年をお迎えください!

 
 
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