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2年4か月ぶりに生理が再開したむそう塾生の体験談
マクロビオティックを始めてから生理が止まる人はとても多いですね。
その理由はこのブログで何度も書いていますが、むそう塾では止まった生理が復活する人も多いです。
先日もむそう塾生のMさんから「2年4か月ぶりに生理が復活しました!」と嬉しい報告がありました。
まだお若い23歳なのですが、このくらいの年齢で生理が止まっている人も多いので、同じような体調の人の参考になるから文章を書いてほしいとお願いをしたところ、気持ちよく引き受けてくれました。
この文章がきっかけになって、同じ悩みの方が一人でも多く順調になってくれますように。
<Mさんの体験>
私は2014年9月あたりから生理が来なくなり、2017年1月に再開しました。約2年4か月ぶりでした。
今年の3月で24歳になるので、21歳の身体で生理が来なくなったのでした。
再開してみて1番に思うことは、『若い人は特に、主食のお米と動物性をもっとしっかり食べるべきだ』という事です。
毎月生理がきちんと来ている人でも、「果たしてその血液の質はどうなのだろうか?」という観点で読み、役立てていただけたらなと思います。
最初に、私なりに生理を復活させる要因になったと思うことを以下にまとめておきます。
・ケミカルな下着類はやめ、オーガニックコットンのものに変えた(2016年7月頃〜)
・炭水化物を抜くのを辞め、毎食主食をきちんと食べるようにした(2016年9月頃〜)
・消化吸収の良い玄米ご飯を食べるようになった(2016年10月頃〜)
・外食も母の手料理も心から美味しく楽しむようにした(2016年10月頃〜)
・OBENTERS™への参加によって、早寝早起き&昼食のバランスも良くなった(2016年11月頃〜)
・動物性を毎食摂るように心がけた(2016年11月頃〜)
・むそう塾でのアドバイスにより陽性(私の場合)を意識して暮らすようにした(2016年11月頃〜)
・自分自身の心の声にしっかりと耳を傾け、自分のために人生を生きようと決めた(2016年11月頃〜)
<生理が止まるまで>
2014年(当時大学4年)の5月に、ある料理教室に3ヶ月通ったことがきっかけで食の質を考えるようになりました。
その教室はマクロビオティックの考えをベースにしたお料理教室で、無農薬のお野菜と玄米、こだわった調味料でご飯を作り、野菜中心で身体の中から綺麗になりましょう、という教室でした。
動物性は否定しませんでしたが、抗生剤や飼料の問題などのマイナス面を教えていただき、大好きだったお肉に少し抵抗を感じるようになりました。
実際に家でも、自分で調味料やオーガニックの食材を取り揃えあまり動物性は摂らないようにしていたら、お通じも肌の調子も良くなり体重も少しずつ減り(適正体重内です)、感激していました。
それと同時に、自分の食事を完璧にしたいがために外食が楽しめなくなり、だんだん母の作ってくれる料理の食材や調味料も気になって、家で食べることがストレスに感じるようにもなっていきました。
もともと甘いものが大好きだったので、白砂糖はやめてもマクロビースイーツなどはしょっちゅう作って食べていました。これも良くない行為でした。
当時の私の頭の中は、「外食は身体に悪いものばかりだ」「野菜は無農薬でなければ」「調味料もオーガニックでなければ」「動物性は血液を汚すから出来るだけ食べないようにしなければ」「炭水化物は太るから控えよう」「白砂糖は食べてはダメだ」…などの制限ばかりでした。
そして通い始めてから約5ヶ月後の2014年9月に生理が止まりました。思えば生野菜中心な食事だった気がします。
いきなり動物性とお米を減らしすぎたのと、大好きだった食事がストレスになってしまったことが原因だと思っています。
一応言っておくと、私はこの料理教室に通ったことは全く後悔していませんし、出会えて本当に良かったと思っています。
この教室で食の大切さとお料理の楽しさに目覚めてなければ、今、こうしてむそう塾には出会えていなかったでしょう。
私の自己解釈により、先生が本当に伝えたいことを受け取れていなかった可能性もあります。正しく受け取れる器ができていなかったのです。
料理教室に関わらず自分が何かを教わる立場であるときは、「素直に受け取る心と翻弄されない軸」を持っているべきなのだと学んだ機会でもありました。良い経験です。
<むそう塾に出会うまで>
その後は、母に心配され婦人科に2回ほど通い薬で2回生理を来させました。しかし薬を使わずに自然に戻って来て欲しい気持ちが強かった私は、心配する母を横目に病院にも行かなくなりました。
オーガニックコットンの下着に替えたりして、「まあ、そのうち来るかな」と思いながら過ごしていましたが一向に来る気配がありませんでした。
2015年7月に、facebookでいいね!されていた麗可さんの100点弁当を発見し、あまりに美味しそうで衝撃を受け、むそう塾を知りました。
そして100点集を食い入るように見ました。トンカツや唐揚げにたっぷりの白米のような玄米ご飯。ただ純粋に「美味しそう。食べたい。」という気持ちがあることに気がつきました。
その後1年くらいは眺めているだけでしたが、ある時むそう塾のホームページの「むそう塾ができるまで」で、中川さんの過去のことを知り肺の奥の方がキュゥっとなりました。穏やかなお料理写真からは想像もつかない辛いものでした。
そして「主宰者紹介」のページでお二人がこのむそう塾にかける想いの大きさ・深さを感じて、この教室は中途半端な気持ちで受けてはいけないな、と思うと同時に「ここで料理のことも陰陽のことも健康のことも人生のこともすべて学びたい!」と強く思いました。
果たして今の自分は、お二人が伝えんとしていることを受け取れきれるだろうか?と、少し怖気付く気持ちもありました。
当初は京都という遠距離や、調理器具を揃えるお金のことを考えてなかなか申し込めなかったのですが、突然「あ、今行こう!」と2016年8月に決心しました。そして9月の愛クラスを受講しました。
陰陽について何の知識もありませんでしたが、美風さんのブログを読み漁っているうちに陰陽の世界に非常に惹かれていった感覚を今でも思い出します。
食だけではなく、人生までもが変わる予感がしたのです。
仕事や家族のことでモヤモヤしていたこともあり、この時はもう、生理が再開するのはおまけのような気持ちで生き方を根本的に変えたいと思っていました。
中川さんに出会い、美風さんに出会い、中川式玄米ご飯に出会い、私の思考と身体は少しずつ変わって行くのを実感しました。
中川さんの作るお料理の世界を垣間見て、今までの自分の料理は栄養面しか考えていなかったことに気付き、「料理というのはそれだけではない」ということに気付かされました。
主食の大切さ、家族と同じご飯を食べる大切さ、陰陽バランスの大切さ、食物の命をいただくということ、自分自身を生きる大切さ、たった一度の愛クラスでたくさんのことを学びました。
美風さんには個人的に人生相談にも乗っていただき、私の悩みもちっぽけに感じられるようになりました。
<昼食のバランスが整ったきっかけ>
2016年11月にお願いしてOBENTERS™ に参加させていただくようになりました。個人的にこれが生理の再開に大きく関係していると思います。
毎朝のお弁当を中川さんに見ていただき講評してもらうのですが、ご飯もおかずもその日の朝に作らなければなりません。
正直最初は「ヒェ〜」とひっくり返る勢いだったのですが、陰性な私は少しでも陽性な氣に触れておく必要があると思い参加しました。困難な方を選ぼう!と。
初期の頃、中川さんに
「禅宗のお坊さんが食べているようなおかずですね」
「若いあなたはもっと質の良い動物性を食べなければいけません」
「前夜外食したくらいで胃が疲れているようでは年寄りのようです 若者はもっとパワフルに!」
と言われ、自分には動物性(陽性のもの)がもっと必要だったのだ!という事実を知りハッとしました。
今までは、朝めいいっぱいまで寝て簡単におにぎりを握って持って行き、それをお昼に食べる。という生活だったので、それと比べてお昼ご飯のバランスがぐんっと良くなりました。
アドバイスを踏まえて、玄米ご飯200gくらいにお肉かお魚、青菜のお野菜、卵、糠漬を基本としたお弁当になりました。
このようなお昼になってから約2か月後にあっけなく再開しました。もう血液を出しても大丈夫な身体になったのだなぁと実感しました。
でもそれが普通の身体の状態なのですよね。今までが普通でなかったのです。
私はまだむそう塾で玄米ご飯と糠漬けしか教わっていませんが、家族の「本当に美味しい!」という声と笑顔を見ると、心がじんわり温かくなります。
特に玄米キライだった父が毎日美味い美味いと食べてくれるのは、何とも言えない幸福感が湧きあがります。
そんな温かい気持ちも、私を正常な身体へと一歩近付けたのかなと思います。
『むそう塾は人間塾』というのは本当です。だから、お料理を習いたいだけでなく本気で自分と向かい合いたいという人にも非常に良い場です。
美風さんは、「気持ちよく毎日を充実させて生きましょう。それが良いご縁を連れてきてくれますよ。」と私に仰ってくださいました。
その時、” 私たちの魂はこの世を生きてみたくて仕方がなくて生まれてきた “ という話をふと思い出しました。
そう考えると、魂を預かっている大事な入れ物であるこの身体のことをもっと大切にしようという気持ちが湧いてきます。
その頂いた身体を心地良く愛でてあげることが「気持ちよく毎日を充実させて生きる」ことにつながるのかなと思っています。
身体に何か不調がある方は知識だけでガチガチになった頭を解放してあげて、自分の身体の現状をよく知り対応してあげることが大切になってくると思います。
「少しくらい良くない食べ物が入ってしまってもそれを排出できる!」くらいの身体作りをしていくことがこれからの時代必要になってくるのと、そのくらい軽い気持ちで構えている方がストレスを抱えずに健康に生きやすい気がします。
こんな風に柔軟な捉え方に私を導いてくださったことと、大切な生理を復活させるまでの道を作ってくださったむそう塾に心から感謝しております。
私の経験が、生理が来なくて悩んでいる方の励みになりますように。
* * *
<マクロ美風より>
Mさん、素晴らしい文章をありがとうございました。
あなたは本当に能力の高い人ですねぇ。
これから社会経験を積んで行くと、頼りになる人になれると思いますよ。
では、あなたの文章を読ませていただいて感じたことを書いておきますね。
まず、【『若い人は特に、主食のお米と動物性をもっとしっかり食べるべきだ』という事です。】の部分ですが、これは陰性になっていたあなたの場合は当てはまりますが、すでに動物性を摂っている人には当てはまりませんので、むしろ、「主食のお米をしっかり食べて、スイーツを減らすべきだ」とされても良いかもしれません。
あなたがパスポートを取られたのは10月4日でしたから、そこから消化吸収力のある玄米ご飯の栄養が体に注ぎ込まれたと思います。
そして、その時から動物性も摂っておけば、12月には生理が再開されたと思いますが、それでも11月に動物性を摂り始めて1か月あまりで生理が来てくれましたね。
まずはホッとしました。
そして、次の文章に心から安堵しましたし、嬉しかったです。
>特に玄米キライだった父が毎日美味い美味いと食べてくれるのは、何とも言えない幸福感が湧きあがります。
>そんな温かい気持ちも、私を正常な身体へと一歩近付けたのかなと思います。
あなたの文章には、マクロビオティックに出会った人が陥りがちなことが随所に出てきます。
ですから、この記事を読んでくださった人は、「ああ、私と同じ そうそう」と思ってくださることでしょう。
そんなふうにご自分の体験が誰かの人生を変えるきっかけになれば嬉しいですね。
ところで、生理が来てくれたので、しばらく経ったらがむしゃらになって動物性を摂ることを意識しなくても大丈夫ですよ。
「陽性=動物性」と考えがちになりますが、植物性であっても料理方法で陽性にすることもできますので、その辺のことを5月から始まる幸せコースでしっかりと身につけられたら鬼に金棒になります。
今後のあなたの人生がどんなふうに変わっていくのか、今から楽しみにしていますよ。
(マクロビオティック京料理教室 むそう塾 教室の置き花)
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カテゴリー: マクロビオティックの指導現場からシリーズ, マクロビオティック京料理教室 むそう塾, からだ, 体験談
9件のコメント
家庭料理だからこそ美味しくあれ
京都の「菊乃井」さんの主、村田兆治さんは「和食は絶滅危惧種」といって、和食の伝承に力を入れていますが、料理研究家の土井善晴さんも「一汁一菜でよいという提案」の中でやはり「和食は絶滅危惧種」という言葉を使われています。
それぞれのお立場からの発信ですが、村田さんは日本料理を覚える時に数値化されていないのが難しさの一因であると考え、菊乃井さんのパソコンには数値化された分量や手順が入力されていて、いつでも見られるようになっているそうです。
また、土井善晴さんは、家庭料理は作ることが大切なので、まずい日があってもおかずが少なくてもいいんだよというスタンスです。
具沢山のお味噌汁でおかずも兼ねるというお考えです。
おかずを作ることに悩んでいる人たちへの慰めであるようにも受け取れます。
では、むそう塾はどうなのかというと、やはり「和食は絶滅危惧種」という認識に変わりはありません。
しかし、上のお二方と違って、「家庭料理だからこそ美味しくあれ」というスタンスです。
お料理の本当の美味しさは、豪華さや複雑な味付けにあるのではなく、どのような気持ちで作るか、いかに余計なものを削ぎ落として行くかという生き方に相通ずるものがあって、それはまさに家庭でこそ育まれるものだと思うからです。
その人の人となりや生き方がそのままお料理に反映されるので、美味しいお料理を作ろうとすれば、精神面も自然に高まって来ます。
食材を用意して時間をかけても、作ったお料理がまずかったら悲しくなって作るのがイヤになってしまいます。
それでも家庭では食べることが現実に押し寄せてきます。
ですから、家庭料理は美味しくあってほしいですよね。
むそう塾が家庭でも一流料亭を超えるお味を作れるようにしたのは、そんな背景もあって、素人でも再現できるように徹底的に細かいところまで分解再構築し直したからです。
和食は絶滅危惧種と言われる時代だからこそ、それぞれの家庭で心身ともに満足のできるお料理として、京料理とマクロビオティックの陰陽を融合させた「マクロビオティック京料理教室 むそう塾」は、確実にこれからの時代に必要な教室だと思っています。
こうして家庭のお料理が美味しくなって、お料理をする喜びとともに生き方も楽しくなることがむそう塾の願いでもあります。
(肉団子甘酢あんかけ 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック料理教室 むそう塾)
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カテゴリー: マクロビオティック京料理教室 むそう塾
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海老の天ぷらをまっすぐ揚げるためにプロはこうしている(動画付)
(海老の天ぷら 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
むそう塾では幸せコースのスタート時には完全ベジの天ぷらを教えていました。
しかし、ご家族のかたから「野菜しかないの? 海老はないの?」と言われてしまうとのことで、その後何年か経ってマクロビオティックの料理教室ではありますが、動物性も少し入れるようにしました。
そうすると一気に反応が変わるので、やはり海老天を食べたい人が多いんだなあと思っているところです。
私なんてさつまいもとかぼちゃがあればご機嫌なんですが(笑)
さて、その海老の天ぷらですが、まっすぐ揚げるのはなかなか難しいものです。
しかし、下処理段階できちんと切り込みを入れておけば、ちゃんとまっすぐに揚がるのですが、その切込みとその後の筋切りがきちんと出来ていないと、あらららとなります。
幸せコースですでに教えているのですが、まだまっすぐ揚げられない人が多いようなので、昨日の満足コースで動画を撮りました。
これでぜーんぶプロの手元を公開していますので、そのとおりにしていただければ、あなたもまっすぐな海老天が揚げられますよ。
【海老の下処理(1)背わたのとり方】
【海老の下処理(2)筋切りの仕方 包丁を離さずに】
「プチップチッ」という音を聞き逃さないでくださいね。
【海老の下処理(3)筋切りの仕方 包丁を置いて】
「プチップチッ」という音を確認してくださいね。
(2)と(3)の動画の違いは、途中で包丁を置くかどうかだけです。
この差は一連の仕事の処理が早く終えられるかどうかにかかっていますので、むそう塾生は間違いなく(2)を目指しましょう。
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「みそ汁は、いわば肉汁。日本人のスタミナ源だよ」by小泉武夫
先日発酵学でお馴染みの小泉武夫氏の記事を書きましたが、お味噌について語った記事もありましたのでご紹介します。
・発酵学の第一人者・小泉武夫さんに聞く。「みそ汁は、いわば肉汁。日本人のスタミナ源だよ」
お味噌汁の効能についてはすでに皆さんもご存知でしょうが、お若い方にはお味噌汁を飲む習慣がない人もおられるので、あえてリンクしておきます。
毎日コーヒーは飲んでもお味噌汁は飲んでいない生活を続けていると、いつしか不調が増えたり、睡眠の質が低下したり、なかなかやる気モードにならなかったり、数え上げればキリがありません。
むそう塾でもお味噌汁の大切さはずっと伝え続けていて、日本の食文化としても、マクロビオティックの観点としても、お味噌汁の重要性は確実にお伝えしておくため、力を入れて頑張っています。
3月26日(日)にはお味噌汁の講座も開催しますので、まだ受講されていない方はご予定を空けておいてくださいね。
後日募集記事をアップします。
(ある日のお味噌汁 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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再び小泉武夫氏の「日本人よ、和食にかえれ!」
2013年の記事に小泉武夫氏の文章で「日本人よ、和食にかえれ!」というのがあります。
その後ブログをリニューアルした際にうまく移行できなかったようで、とても見苦しくなっていますので、こちらにもう一度記事を上げておきます。
今食べ物のことでお悩みの方、体調不良の方、そして、マクロビオティックでわけが分からなくなっている方、多くの人に参考になる文章だと思います。
何を食べようかなと迷ったら、この記事を思い出してくださったら嬉しいです。
きっと体が喜んでくれるはずですから。
ただし、ここで注意すべきことがあります。
それは植物が昔のようにミネラルをたっぷり含んだものが少なくなったということです。
それは土壌が昔より悪くなっているからですね。
大量の農薬の問題もあります。
私達が食材を選ぶ時には、植物性はもちろんのこと、動物性にいたるまですべて作られ方や育てられ方や産地に気をつけなければならない時代になってしまいました。
つまり「質」の問題ですね。
マクロビオティックを知っている人なら陰陽で質の問題を考えたら良いでしょう。
食材の質を落としてしまう原因を陰陽で判断するのです。
そうすると、次に打つ手が見えて来ます。
いたずらに悲観ばかりするのではなく、必ず解決策を考えながら上手に「和食」を食卓に載せましょう。
* * *
「日本人よ、和食にかえれ!」
日本人が長年、食べ続けてきた「和食」とは、どんな食べ物なのでしょう?
和食は、八つの食材によって成り立っています。
一つ目は、根菜類。ニンジンやゴボウ、大根、イモなど、土の中に入っている根っこや茎ですね。
二つ目は、菜っ葉。白菜、ホウレンソウ、小松菜などがこれに含まれます。
三つ目は、青果。トマトやキュウリ、それからリンゴやブドウ、ナシなどのくだものもここに入ります。
四つ目は、山菜ときのこ。ワラビやゼンマイ、シイタケやシメジなどの山の幸です。
五つ目は、豆類。特に大豆は“畑の肉”と呼ばれるほどの豊富なタンパク質を摂取できるので、豆腐や納豆にして毎日の食卓にのぼるだけでなく、発酵させて、味噌や醤油の原材料として活躍します。
六つ目は、海草。ワカメやヒジキ、海苔などのことですね。
七つ目は、主食の米。それから麦。
最後の八つ目は、動物タンパク質です。日本人は昔から牛や豚などの肉を食べなかったかわりに、魚を食べてきました。だけど、食卓に必ず魚がのぼったかというと、そうではありません。魚は日本人の民族食のひとつで、肉より栄養を摂取する効率がよいというデータもあるくらいですが、海から離れた土地に住んでいた人にとっては、なければないですむ食材でした。
つまり、和食というのは最初に挙げた、七つの食材で構成されています。それらの食材に共通しているのは、植物だということです。
植物というのは、動物のように自分で移動することができませんから、生きていくための栄養を摂取するには、太陽の光を浴びて光合成するか、地に根をおろして栄養素を吸い取るしかありません。
地面の栄養素というのは、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛などのミネラルです。和食を食べてきた日本人は、つねに豊富なミネラルを摂取していたわけです。
食べ物が人間に大きな影響を与えると言いましたが、食べ物は体のつくりだけでなく、心にも大きな影響を与えるんです。というのも、和食に豊富に含まれているミネラルは、副腎髄質というところから分泌されるアドレナリンという興奮ホルモンの働きのバランスを整え、ストレスを軽減する作用があるからです。日本人の性格がおだやかで、困難な事態にも冷静に対処することができるのは、和食パワーのおかげだと私は思っています。
ところが、戦後60年間で肉や油の消費量は急速に増え、日本人のミネラルの摂取量は4分の1に落ちてしまいました。これは、“あの人は切れ者だ”とか“頭がキレる”という具合に、かつて褒め言葉だったはずの“キレる”という言葉が逆の意味に使われるようになったことと無関係ではないでしょう。
それから、ミネラルのひとつである亜鉛は、“セックス・ミネラル”ともいわれていて、精子をつくるための重要な役割を果たします。もしかしたら、女性化して“草食男子”と呼ばれている現代の若者が現れるのは、当然のことだったのかもしれません。
また、日本人の死因の上位を生活習慣病が占めているのも、肉や油にかたよった食習慣が原因になっていることも言うまでもありません。
だから私は、声を大にして主張します。
日本人よ、和食にかえれ!
和食を食べて、日本人らしさを取り戻せ! と
(菜の花のからし浸け 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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