中川式糠漬け」カテゴリーアーカイブ

糠床がご機嫌


京都に行く前に糠床を混ぜていたら、食べ忘れていた茄子が出てきました。
よ?く糠床の旨味を吸収して塩辛さより旨味が勝っていました。
浅漬けにはない旨味です。
中川式糠漬けを知る前は、浅い漬かりの糠漬けが大好きだった私ですが、中川さんの糠漬けを知ってからは一変しました。
糠床の旨味が野菜に移行して、得も言われぬ美味しさに変化するので、すっかりその旨味の虜になってしまいました。
まるで熟女の色気のように(#ポッ#)
ところで、私の糠床は5日間も混ぜられないことがしょっちゅうです。
京都に行っている間はどうしようもないので、ここは割りきって糠床の休息日と決めています。
京都に行く前に入れた野菜は帰宅するとよ?く漬かっています。
今夜も底の方から出てきた写真の茄子は、たぶん3週間くらい糠床に入っているものです。
薄く切るとそのままでも美味しいです。
キュッとした酸味が夏には何よりの特効薬。
今年は少しゆるくしただけでドボドボの糠床にはしませんでした。
昨年、秋バージョンに移行するときに一つ学んだからです。
秋への移行は少しの足し糠で理想的な硬さになるはずです。
そうそう。
糠床って案外部屋の暑さに強いんだなって知りました。
これは温湿度計を糠床容器の横において測ってみた結果感じたことです。
今年の糠床は五感と計測結果を同期させるための勉強をしました。
暖かいほうが糠床が喜ぶのは本当です。
可愛いものです。
 

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糠床のお散歩


私は京都にいる方が長いので、糠床はいつも蓋がしてあって閉塞感があります。
そこできょうはお部屋の窓を開けて、糠床の蓋も取って、しばらく自然の空気に触れさせています。
人間ならばさしずめ外へのお散歩というところでしょうか。
蓋を取っておくと何だか糠床もノビノビしているような感じがします。
ま、糠床の気分転換ですね。
糠床には酸素の好きな菌とそんなに酸素が好きではない菌がいます。
そんな彼らのご機嫌をとるため、あの手この手でいじくり回すより、案外「好きなように」させてやるのが良い結果を生むように思います。
つくづく子育てと同じだなぁと感心してしまいます。
今回は4泊5日で糠床を放置したままでしたが、帰宅したら上に産膜酵母が張っていて良い感じでした。

表面が黒くなるのは発酵が弱まっている証拠なので、帰宅したらまず表面の色と匂いを確認します。
白っぽければまずは一安心といったところです。
 

ちなみに午前11時30分の床の気温と湿度はこんな感じ。
表示は今朝リセットしましたから、まだあまり変わっていません。
床から150センチも離れると2.5度は室温が上がりますので、目の高さでは29.4度の室温です。
外気温とは雲泥の差ですね。
微生物の管理はいかに自然を体現できるかにかかっているように思います。
思い込みでもなく、慣れでもなく、気象庁の発表する数字でもなく、糠床の置かれている「その場所」と「糠床の中」を自然体にしてあげることなのだと思うのです。
だからたまにはお散歩もいいだろうなと考えるわけです。
さて、そろそろ気分転換はお終いにして蓋をしてあげましょう。
ご機嫌よく発酵を続けてくれますように。
 

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糠床と塩分の関係

 

今年も美味しい糠漬けがこの糠床から生まれて来ています。
美味しい糠漬けを口にするたびに「ああ、日本人で良かったなぁ」と思います。
毎年糠床から学ぶことがあって、今年もまたその引き出しが増えることでしょう。

写真の糠床は硬そうに見えるかも知れませんが、手を入れるとふかふかしています。
穴を掘ればそこに水分が溜まってきますが、この水分が美味しさの源です。
簡単に捨てることのないようにしましょう。
私は大事に大事にこの水分をコントロールしています。
また、よく発酵している糠床なら米糠が乳酸菌のエサになるので、硬さ調整の目的だけでなく、「糠床のごはん」として少し糠床にプレゼントしてあげます。
ほんとに少しでも糠床が喜ぶので可愛くなってしまいます。

去年は塩分の感じ方でレベルアップした気がしましたが、今年は酸っぱさと塩分のバランス状態で塩分の感じ方が変わることを学びました。
酸味の強さで塩分が薄く感じたり、逆に発酵が弱いために塩分が強く感じたりするのですが、その相関関係がかなり理解できました。
ですから自分の舌でしょっぱいと感じても、本当に塩分が多くてしょっぱいのではなく、発酵との関係でしょっぱく感じているだけのことがあります。
そうして塩分を足さないで塩足らずになって、腐敗に向かう人が毎年結構多いですね。

糠漬けが初めてでない人はもうお気づきだと思いますが、足し塩をしたばかりの時には塩辛く感じます。
でも、時間とともにその塩辛さはまろやかさに変わっていきます。
これは糠床に限らずお料理の世界では誰でも感じることですね。
材料に反応してお塩の角が取れてくるからです。
これがもっと進むと「なれ」(熟れ=熟成)の世界になります。
その「熟(な)れ」が次なる旨味を引き出してくれるのですが、そのことを頭の中で予測しながら塩分濃度を考えなくてはなりません。
もちろん糠床は発酵させること自体が難しいのですが、ひとたび発酵に至ると、塩分濃度のコントロールも難しいかもしれません。

糠漬け初心者は材料から出る水分のことを忘れて、セオリーどおりにしようとします。
しかし細かなセオリーなんて作れません。
すべては発酵のご機嫌次第なんですから。
マニュアル世代にはどうしても難しく感じる糠漬けですが、よ?く考えてつき合っていけば本当に正直な生き物だと感心します。
正解か不正解かが刻々と判って、誠にやりがいのある相手です。
さあ、「じゃい安」仲間の皆さん、今年も糠床相手にあなたの観察力に磨きをかけてください。
繊細さを要求されますから、この機会に人間性も向上させましょう。

 

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中川式糠漬けがここにあり!



(写真の茄子は3日、胡瓜は4時間での漬け上がり)
いよいよ本格的に糠漬けの美味しい季節がやってきました。
梅雨っていやなイメージもありますが、発酵には欠かせない条件です。
高温多湿。
この状態が糠床の発酵には最適なのです。
ですから冷蔵庫で糠漬けというのがいかにメチャクチャかお判りいただけますね。
写真は先日中川さんがササッと用意してくださった糠漬けです。
糠床を覗くとまだ「どぼ漬け状態」ではないのですが、それでもお茄子がこんなに見事に漬かっています。
むそう塾でいうところの瑠璃茄子というのは、単に糠床から出した時に綺麗な茄子紺の色になっているだけではなく、時間が経ってもその色がキープされていなければなりません。
食べ残しを冷蔵庫に入れた場合、翌日になっても写真の色がキープされている状態を瑠璃茄子と言います。
幸せコースで糠床を増やしていた人も、夏至までにはこんな茄子が漬かる状態になることが理想的です。
じゃい安を購入されたかたは、当然このような茄子が漬かる状態になっているはずなので、瑠璃茄子投稿をどんどんしてくださいね。
最初はじゃい安でスタートしても、それを維持していることはその人の腕なのですから、瑠璃茄子投稿でその腕をご披露ください。
それは自分への励みにもなるし、他の人から学ぶこともたくさんあるからです。
それとは反対に糠床のSOSが今年も届くようになりました。
SOSになるには必ず原因があります。
私も自分の失敗体験を通じて、なぜそうなるのかが少しずつ理解出来るようになって来ました。
振り返ってみると、最初の頃は笑えるようなことをしても平気でいました。
知らないというのは恐ろしいものです。
「そりゃあ失敗するだろう」ということも判らないのです。
ですから、皆さんも知らないことがいっぱいおありのはずなので、失敗を教訓として次につなげてほしいと思います。
完全にダメになっていなければ、この季節ですとまだ復活が可能です。
ぜひ最後まで諦めることなくお世話をしてください。
あ、そうそう。

むそう塾の授業で味見をしてくださいと糠床を持参される方の多くは、密閉容器に少ない量という人が多すぎます。
それでは糠床の状態を正しく反映できないことをご理解できますか?
酸素のことを考えたらどのように持参すれば良いのかお判りですよね?
それから持参したらすぐ冷蔵庫に入れようとする行為もダメです。
それだけでもう糠床をダメにしている理由が判ります。
持参される場合は細心の注意をはらって、ワンカップ(200cc)ほどの量を窒息しない状態で持参してください。
多くのご家庭が正真正銘の糠漬けで笑顔と健康を勝ち取ってくださいますように。
 

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漬け物比べ


某お料理屋さんで「漬け物盛り合わせ」を頼んだら、こういうのが出てきた。
う?ん。。。
他のお料理が仮に美味しかったとしても、お漬物が今一つだとちょっと悲しくなる。
一番悲しいのは、定食や御膳セットについているお漬け物とまったく同じ物が「盛り合わせ」に入っているとき。
一つのテーブルに同じお漬物が器を変えただけで並ぶのは繊細さに欠ける。
でも、こんなお店が結構多い。
きっとお漬物よりお料理に氣が行っているからだろうね。
お漬物ではそんなに単価を高く出来ない事情もあるのだと思う。

サササッと切っただけのお漬物だけど、中川式糠漬けはやっぱり美味しい。
中川式糠漬けの美味しさの秘密は「発酵による旨味」だとつくづく感じる。
 

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