優しい味

先日、マクロビオティックのベテランさんとお話をしていて感じたことがある。
「あ?、窮屈になっているな?」と。
いわゆる陽性になりすぎているのである。
マクロビオティックでいうところの「締まり過ぎ」である。
それは、日々の食事から来ることが多い。
かくいう私も、ちょっと油断をすると陽性化しやすい環境にいるので、つとめて意識して陰性を心がけるようにしている。
「むそう塾」を始めてから、「なかがわ」さんのお料理を口にする回数が多くなって来た。
そうすると、確実に体と思考が変化しているのが分かる。
自宅に戻って来てからも、かつて使っていた調味料の陽性さが気になるようになって来た。
そこで、より陰性の調味料に変えると落ち着くのである。
調味料を変えてしばらく経った頃、ふっと気づいた。
「あ?、今までの味は陽性だったんだな?」ということに。
質の良い陰性は摂るようにしていたつもりだったけれど、それでは追いつかないくらい陽の割合が多かったのだと思う。
ご飯の炊き方も、お味噌汁も、おかずも今までのやり方を変えてみた。
何も知らない夫と息子の反応を見ると上々だ。
またここで一つ気づいた。
「今までの私の味は優しくなかったかもしれない」と。
美味しいとか、陰性とかいうこととは別に、食べた人の心をいつまでも癒し続けられるかどうかの問題である。
そんな意味において、私の味は優しさが足りなかったかも知れないと感じたのだ。
             *    *    *    *
知らず知らずのうちに、マクロビオティックの檻の中で井の中の蛙になっていたかも知れない。
それと似たことを、先のベテランマクロビアンに感じたのだ。
中川さんと一緒に「むそう塾」を始めたことによって、私自身が檻の中から抜け出せたように思う。
意識してその塀を越えようとして来たはずだったのに、人間の意識なんてたかが知れているんだね。
無意識のもつ重要さは20代の時から知っていて、それを取り入れた生活と考え方をして来たつもりだったけれど、一人の力は小さいものなんだなと思った。
思わぬところから、思わぬ発見があった。
「食べる」・「お料理」。
こんな平凡なところに、自分の心を変えてくれる最高のキーが隠されているなんて。
やっぱり、マクロビオティックって素敵だな。
「マクロビ井戸端会議」「美風ゼミ」で、散々そのことを訴え続けながら何年も全国を歩いたけれど、また私は次の階段を昇った感じがする。
「なかがわ」さんのお料理には、優しさがある。
このお料理に親しんで、本物の優しい味を知ったことに感謝。

カテゴリー: マクロビオティックが楽しい♪ パーマリンク

コメント

  1. みみん より:

    こんにちは、突然の書き込み失礼します。
    突然、と言ってもずっと楽しく拝見させていただいています。玄米菜食ではありません中にはが。。。
    (私自身は玄米や全粒粉の香りが好きなのですが、どうも身体には合わないようで白米なのです。)

    「優しい味」でふと思い出しました。
    マクロビで推奨されるようなお料理やパンをいただくことが時々あるのですが、力強さはあるものの優しい味が感じられないものも中にはあるのですよね。
    どちらかというと母や祖母の普通の家庭料理のほうが優しくて、なぜだろう?って不思議でした。
    今日の記事を読んでなるほどと思ったのです。素材うんぬんより先に、料理人の温かくて優しい心がとても大切なのかもしれないですね。

    和食でも、イタリアンやフレンチでも「優しい」と感じるお料理があります。そんなお料理を食べると本当に身体が楽になります。私にも禁止事項ばかりの時期がありましたが、ここ最近は知識を取り去って何でも食べるようになりました。そうすると、ダメな食べ物があるのではなく、自分の感覚を大切にしていなかっただけなんじゃないかと感じるようになりつつあります。(うまく言葉で伝え切れなくて、もどかしいです)

    中川さんのお料理は本当に美味しいのでしょうね~。できることならお料理習いたいとも思いますが、毎日の玄米投稿を拝見できるだけでもありがたいです。これからもお二人ともがんばってくださいね♪

  2. Ni(3-3) より:

    こんばんは。

    いつも素敵なメッセージをありがとうございます。

    優しいお料理をいただくと、自然と優しくなれますね。

    そんな風に、なりたいと思います。

  3. マクロ美風 より:

    みみんさん、初めまして。
    コメントをいただきまして、ありがとうございます。
    あらま、玄米がお身体に合わないのですか?
    それは不思議ですね~。
    きっとまだ試していないことがおありのような気がします。
    よほどのご病気がない限り、玄米が合わない人は少ないのでね。
    お身体の調子、玄米の種類、玄米の炊き方、それまでの食生活など、色々な点からもう一度チェックされることをお勧めします。
    その結果、きっとみみんさんに合う玄米ご飯が食べられるようになると思うのですが・・・。

    >素材うんぬんより先に、料理人の温かくて優しい心がとても大切なのかもしれないですね。

    私はかねがね「お料理は心で作るもの」だと思って来ました。
    どんな食材であっても、心を込めて作ったお料理には、作り手のエネルギーが注入されています。
    それが美味しさや優しさを引き出すんですね~。

    中川さんはとても陽性な方ですが、お料理に関しては物凄く繊細で、陰性の極みであるような発想もされます。
    その発想が私には足りなかったのです。
    面白いものです。
    陽性の人から陰性の素晴らしさを引き出して貰えたのですから。
    だからマクロビオティックって、面白いんですよね~。

  4. マクロ美風 より:

    Niさん、こんばんは。

    >優しいお料理をいただくと、自然と優しくなれますね。

    本当にそう思います。
    優しいお料理は、たとえ陽性の食材を使っていても、限りなく陰性の要素を併せ持つのではないかと思うのです。
    ですから、自然と中庸に近づいて、心地良さだけが残るような気がします。

  5. みっこ より:

    「井の中の蛙大海を知らず されど空の高さ知る 」

    で、のんびりまったりやさしいお味を楽しみたいものです。

    私のブログの27日付けで、美風さんのブログの文中リンクをはらせていただきました。

    お差支えなどございましたら、お教えくださいませ。

  6. マクロ美風 より:

    みっこさん、こんばんは。

    >「井の中の蛙大海を知らず されど空の高さ知る 」
    >で、のんびりまったりやさしいお味を楽しみたいものです。

    本当に「のんびりまったり」という時間が、私には最高の憧れです。
    でも、「なかがわ」さんにお邪魔してお食事をいただくと、たとえようのないゆったり感に浸ることができます。
    いつもいつもその原因を考えていました。
    その答えがきょうの記事です。

    先日、みっこさんとお久しぶりにお会いして、安定したお姿に懐かしさを感じました。
    日々を丁寧に暮らしていらっしゃる証拠ですね。
    私も見習わなくては^^;

    なお、リンクの件ですが、差し支えございません。
    ご丁寧にありがとうございました。

  7. Me (1-2) より:

    美風さん、おはようございます。
    「優しい味」という言葉、なかがわさんのお料理にぴったりですね。
    私はお昼をいただくと、いつもほっとした、安心したような気持ちになって、後からだんだん元気が出てきます。
    初めてお店に伺った時、「ああ、こういうの食べたかった!」と思いました。

    「なかがわ」さんでお昼をいただくようになってから、料理や食事、
    本当の「美味しさ」、美しさなどについて、たくさんのことに気づかされました。
    そして、まごころが一番のごちそうだということを、頭ではなく体と心で納得できた気がしました。
    とても大切な事を、さりげなく教えていただいているように思います。
    (自分自身でそんな料理ができているかというと、反省することばかりですが・・(苦笑))。

    「美味しい」「楽しい」からこんなに世界が広がるなんて、
    料理って、本当にすごい事だな、素敵な仕事だな、と思います。

  8. マクロ美風 より:

    Meさん、おはようございます。

    >「なかがわ」さんでお昼をいただくようになってから、料理や食事、
    >本当の「美味しさ」、美しさなどについて、たくさんのことに気づかされました。

    本当にそうですよね。
    「おいしい」って「美味しい」とも書きますよね。
    お味に美しさがあるということを知って文字を当てはめた人って、相当なお方だったろうな~と勝手に想像しています。

    >そして、まごころが一番のごちそうだということを、頭ではなく体と心で納得できた気がしました。

    このことに気づくのは、受け手のセンスが良い証拠ですね~。
    Meさんのたおやかさが、それを物語っていると思います。
    Meさんのその雰囲気が私は好きです。

    >「美味しい」「楽しい」からこんなに世界が広がるなんて、
    >料理って、本当にすごい事だな、素敵な仕事だな、と思います。

    たとえば華道や茶道、柔道や剣道など、「道」と名のつくものを究めると、同じようなことを会得できると桜沢先生は書かれています。
    これはお料理をする人についての場面ですが、この他にお料理は相手をも巻き込める幅広さがありますよね。
    そこが凄いところだと思います。

    日常的に繰り返して楽しく行える。
    これは最強の力になります。
    お互いに大切にしましょうね、お料理のこと。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です