5月30日から6月7日まで9日間入院した夫は、入院中に4kg体重が減って帰宅しました。
予期せぬ内出血と、それに伴う腫れのため、左足はパンパンになってドス黒い色に変わりました。
白いのは爪だけです。(その爪を自分では切れません)
痛みはないのですが、靴下がはけない、靴がはけないということで、素足にサンダルで左足を引きずるように、スローモーションの歩き方をしています。
まだまだ日常生活を普通に送ることはできないので、すぐそばの仕事場に2時間くらい顔を出して帰宅する日々です。
痩せ細った夫はいかにも病人という格好で、かつて俳優の「竹脇無我」にそっくりと言われた若い頃の面影はすっかりなくなりました。
亡くなった夫のお兄さんも、晩年は面長なお顔になっていたので、老いるとはそういうものかもしれません。
だから、丸顔のまま老けるのは、(若く見えますから)ある意味で幸せなことなのでしょう。
そんなわけで、退院後の夫に体力をつけるべく、あれこれお料理を作っている私ですが、夫は食べ物の好き嫌いが多いので、メニューに頭を悩ませます。
小さいときから食べ慣れているお料理が好きなようで、ここはかなり頑固です。
と同時に、食べられないものが多くて不幸だなぁとも思います。
私が京都に戻ってしまうときのために、作り置きをするのですが、すぐ食べられる状態でないとダメで、1工程加えるとダメなのです。
最低限できるようにしてもらったのが、お出汁を温めてお味噌を溶くということです。
そのために一番出汁を製氷皿でいっぱいキューブにしてきました。
1個50cc分なので、食べたい量だけお鍋に入れればよいので簡単です。
今は体がお味噌汁を求めているようで、毎回おかわりして飲んでくれました。
本物の鰹節と昆布とお味噌で、陽性のエネルギーをどんどん送り込んでほしいです。
もちろん、鉄火味噌も食べています。
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ところで、こんな面白いことがありました。
パンを食べるといって、夫が冷蔵庫からバターを出してきたのですが、それが無塩バターなのです。
「あれ? そんなの私は買っていないけど、それはお菓子用だよ」というと、「血圧が高いから塩分はない方がいいんだ」というではありませんか(泣)
私の夫がこんなことを言っているなんて…
あれだけ高血圧のことを本も教えて、ブログにも書いているのに…
テレビの言いなりになるなんて…
帯状疱疹ワクチンも接種するなんて…
それなのにそれなのに、甘いものは食べるのです(泣)
「お酒を飲まないから甘いものがほしいんだよね〜」と言いながら。
夫の仕事場にはお菓子置き場というのがあって、いつでも誰でもよりどりみどりでお菓子が食べられるようになっているのです(泣)
それで私は言いました。
「ご飯をもっと多く食べてね」と。
夫は小さなご飯茶碗に一膳しか食べないので、それでは足りないよ。あとでお菓子が欲しくなるよと言い続けていたのに、拒否されていたのでした。
でも、動脈硬化の一因は甘いものの摂り過ぎもあるので、ご飯をおかわりして最低でも200gは食べるようにすると、甘いものがいらなくなるよと伝えました。
巷で言われているような糖質制限は、主食の場合は気にしないでとも。
さあ、私のいうことを信じてくれるでしょうか?
動かないで白米ばかり食べると太るのですが、お刺身とかお肉は息子が買ってきて補ってくれるでしょうから、あとは野菜をせっせと食べてほしいです。
それで、お野菜の煮物も作り置きしてきました。
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今回のことで思いました。
夫はずーっとお料理をしないで78年生きてきました。(来月79歳になります)
それはある意味で恵まれていることです。
しかし、お料理ができると、もっと楽しさが増えるし、健康的にもなれるので、幸せ度が増すように思います。
特に晩年になって、お料理を作ってくれる人が身近にいなくなった場合には、生死に直結する問題となります。
今はコンビニがあるとか、宅配があるとかいいますが、自分で作れたらもっと幸せ度が増します。
そんなわけで、電気炊飯器でご飯だけは炊けるようになってもらいました。
あとは夫の幸せ度を増すために、私が帰宅したら夫にできることを増やしてみようと思います。
まずは京都からお味噌汁の具や、おかずを送らなくては。
あ、そうそう。
前回、中川さんが教えてくれた切り方でべったら漬けを切ったら、夫はその切り方は気に入らないそうなのです。
昔ながらの切り方がよいのだそうな。
ことごとく新しいことが気に入らない人なんだなと思った次第です。
それから、思うように歩けないので、マンションの郵便受けまで行くのも億劫なようです。
それで、新聞は配達で購読するのをやめてネットで読むようにしたら?というと、読みたい欄もあるんだというのです。
いやいや、今は新聞紙と同じようにコラムも全部読めますよ。
動けなくなったら、古新聞の収集日も負担になるでしょうから、色々生活のあり方を見直したらいいよねと言って来ました。
新しいことは苦手な夫ですが、こういう時代になったら、こっちが社会の流れに合わせていかないと、とんでもなく置いてけぼりの暮らしになるか、生死をさまようことになるのが現実です。
苦手だからというのではなく、若い人に頭を下げてでも必要なツールにはつながれるようにしておく必要性を痛感したことでした。

(糸こんにゃくの金平 作り置きおかずより)