マクロビオティックにおける果物の陰陽と伝統栄養学の五性

私がマクロビオティックを知って、桜沢如一先生の本を読み進めていったところ、陰性はよくないのだと思ってしまいました。
当時通っていたマクロビオティックのスクールでは、陽性にする料理方法を習うし、講座で教えてくれた先生の言葉の端々にも、「陰性はダメね〜」という感じが溢れていたからです。

男の先生も女の先生も「陽性礼賛」といった感じに受け止めました。
しかし、それは陽性一辺倒ではなくて、もっと奥の深い意味での陽性だったということに気がつくまで、年単位の時間を要しました。
その間に私は陽性化して、陰性の必要性を体で実感していました。
この体験は大きかったです。

そんな経験を経て、基本は中庸でありながら、弾力のある陽性さを持ち合わせていることが一番良いのだと理解できたのです。
陽性の人には陰性が必要だし、陰性の人には陽性が必要であるという、ただこれだけのことであるにもかかわらず、現実には「その方法」がわからない人が多いんですよね。

ネットでマクロビオティックを知ったり、本を読んだりして、自己流で始めると、多くの場合あまり良い方向にはいきません。
それは元々の自分の体質や体調をきちんと把握できていないのと、食べ物の陰陽を大雑把にしかしていないためです。
さらに、「やめどき」を見逃してしまうことも要因になります。

 
 

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マクロビオティックでは、食べ物を「陰性」「陽性」で判断しますが、伝統栄養学(東洋医学的食養生や薬膳の基本になる栄養学)では、「五性」(ごせい)に分類して、もう少し細かく判断します。(栄養素やカロリーを分析するのは現代栄養学)
「五性」というのは、飲食物が体内に入って身体に作用する性質で分けます。

」:身体を温める
」:身体を温める程度が軽い
」:身体を温めることも冷やすこともしない
」:身体を冷やす程度が弱い
」:身体を冷やす

食品の特徴や働きを少しつけ加えると、次のようになります。
熱性温性」:内臓の働きが活発になり、血や気のめぐりもよくなって、新陳代謝が高まる。汗をかきやすい人や、熱がこもりやすい人はとりすぎに注意。

平性」:穏やかな性質のため、毎日食べても特別な注意をはらう必要がなく使いやすい。病後や小さな子ども、高齢者にも向いている。

涼性寒性」:体に潤いを与える作用がある。体内の余分な熱をとる。機能を鎮静させる。便通をよくする。冷えがある人や胃腸が弱い人はとりすぎに注意。

 
 

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実は私。マクロビオティックを始めてから³年ほど、果物をとても控えていました。
理由は陰性だと思ったからです。
塾生さんの食事日記を拝見しても、果物をあまりとっていないケースがあって、その人の体質を考えると果物はとってほしいなぁと思うことがあります。

果物をとらない場合、甘いものやアルコールに手が伸びるので、それなら果物をとってほしいと思います。
今の私は毎日何かしらの果物をいただきます。
ですから、お菓子はひと月に²回くらいしか食べたいと思いません。

昨日もデパ地下で果物を買って来たのですが、今は一択で「さくらんぼ」です。
これは私が単にさくらんぼ大好き人間だからです(笑)
ちなみに、さくらんぼは「温性」なので、実に私向きなのです。

今は「ライチ」も出回っていて、あの瑞々しさからは「涼性」を想像されるでしょうが、実はライチは「温性」なんですよ。
ライチは酢豚に入れてもとても美味しいので、もちろん買ってきました。
皆さんもご自分に合った果物を、日々の生活に上手に取り入れてみてください。

 
 

高島屋 京都店にて)

桃も売られていました。
桃も「温性」なので、多くの人に特におすすめです。
潤いも補給してくれるので、肌荒れや便秘の人、肩こりや頭痛の人にもおすすめです。

 
 
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