子育て中は何かと不満が溜まりやすいものです。
でもね、その多くは心の準備が不完全なために起きると私は思っています。
では、その心の準備とはなにか?
それは①親になることの意味と②子供の本質の把握です。
まず親になることの意味ですが、それは単純に「思いどおりにならない」ことを学ぶのです。
子供は容赦なく自分の欲求をぶつけて来ます。
ですから、それに対応するために、親はあらゆることを中断しなければなりません。
お掃除をしていても、お食事をしていても、お料理を作っていても、もちろん眠っていても。
子供が小さければ小さいほど、母親のすることばかりでそれはそれは大変です。
優雅な独身時代とは真逆の時間の追われ方にノイローゼになる人もいるくらいです。
そんなとき、ほんの少しの間でも子供をみてくれる人がいたら、泣きたいほど嬉しくなります。
トイレだって子供がハイハイしてついて来るので、ドアを開けて子供の顔を見ながら用をたすことも日常的になります。
完全に時間の使い方がズタズタになって、そこから一番必要なことをこなして行くのが育児中の暮らし方ですね。
そんな「思いどおりにならない」ことを予め予想していたとしても、確実に予想を上回る現実になるのですから、その現実に不満を持つのではなく、最初から「思いどおりにしようとしない」覚悟を持てばよいわけです。
これは諦めとは違って、子育ての一定時期は子供に時間を提供する覚悟ですね。
親の介護とは違って、子育ては成長が予測できるので、精神的にはずっと楽です。
先の見えないものほどつらいものはありませんから。
次は子供の本質の把握です。
結論を端的にいうと、「子供の世界のリズムを知る」ことです。
子供は宇宙のリズムそのものですから、親がどんなに自分のリズムに合わせようとしても無理なのです。
仮に親のリズムに合わせようとして、それが成功したかのように思えても、それは子供に我慢を強いているだけで、遅かれ早かれ違ったところでその分が吹き出てきたりします。
あるいはそれが内攻していく場合もあります。
ですから、もう最初から子供のリズムに合わせてしまうことが一番子供のご機嫌がよくなるし、ご機嫌取りに費やす時間の無駄も省けます。
ここで一つ問題があります。
専業主婦(夫)の状態で子育てをしていられたら、子供のリズムに合わせることも可能でしょうが、仕事を持っている人にはそれが出来ませんという声があります。
でもね、これは簡単です。
気持ちを切り替えるだけでいいのです。
だらだらと子供の欲求に応えるのではなく、ある程度は大人のペースで準備をしておいて、子どもの行動にキリをつける時を子供のリズムで判断してあげれば良いのです。
その判断のポイントは、子供が満足したかどうかです。
口のきけない子供でも、満足すればおとなしくなります。
まだぐずっている時は満足していない時です。
よく、満足していない子供を力ずくで納得させようとする親を見かけますが、あれこそが時間の無駄というものです。
子供の本質は、誰がなんといっても「自分の思ったように生きる生き物」なので、そのことを理解して、決して親の思ったとおりに育てようとしないことです。
そうはいっても、親はついつい自分の思ったとおりに育てようとしてしまう生き物なのです。
小さい時には小さいなりに、大きくなれば大きいなりに、見栄や虚栄心がないまぜになって子供をまるで親の所有物であるかのように育てようとします。
そんなことをするから子供は猛反発してくるわけです。
ですから、子供は別人格で、その人格を伸ばすお手伝いが子育ての本質であることを肝に銘じなければなりません。
子育てをするということは、その期間、大人とは違う世界のリズムが入り込むわけですから、大人は決して自分のリズムを貫き通そうとするのではなく、常に切り替えが必要です。
この子供の世界のリズムというのは、大人に癒やしを連れてきます。
自分もかつてあったはずの自由でまったりした拘束のない世界。誰の顔色を伺うでもなく、ノビノビと行動できた世界。
そんな世界を子供からもらいながら、大人はもう一度「生き直す」のです。
子育てをしながら、実は親が自分育てをしていて、そこからたくさんの気づきや発見をもらっているのです。
ですから、多くのことを子供に望むより、そこに「生きていてくれるだけでいい」と思えるようになったら、とても子育てが楽しくなります。
私は子供は親の「生き直し」のためにやって来るのだと思っています。
子育ての機会を得られた人は子供から、子供へのご縁がなかった人は別のことから「生き直し」のチャンスをもらえます。
大事なことは、それを煩わしいと思ってしまわないことです。
どんな人にもチャンスはやって来ます。
しかし、そのチャンスを活かせるかどうかは個人差があります。
マクロビオティックでは陰陽でそれをコントロールすることが可能なので、ぜひ陰陽の運転の仕方を身につけて、たった一度の人生を思いっ切り生きてください。
今あなたの周りで起きていることは、あなたを育てるためだと思って受け容れることから始めましょう。
(さとみさんのお子さん)
美風さん、おはようございます。
子育ては、「自分の思い通りに時間を使うことはできない」と予想はしていましたが、私は覚悟が足りず、苦しさばかりが募りました。
子供は宇宙のリズムで生きている。
子供は自分の思ったように生きる生き物。
それを理解できていれば、子育ては貴重で尊い学びと喜びの機会になりますね。
私は我慢を強いられて育った子供です。その膿が今、噴き出しています。
心身を病んで、かなりの遠回りをしてやっと美風さんのおっしゃることが、
わかるようになりました。
とてもためになる記事をありがとうございました。
ゆりかさん、こんにちは。
どなたも予め覚悟をしてから出産をしていないと思います。
ある程度の予測をしている人はいるでしょうけどね。
ですから、覚悟をするといいですよ〜ということを書きました。
ゆりかさんはこれからです。まさに生き直しのまっただ中なので、一瞬一瞬を大切に生きてください。
美風さん、お返事をありがとうございました。おかげさまで、生き直しが出来てきた、やっとスタートした感じです。
これから、いかに日々を過ごしていくか。過去に縛られ、新しい世界にビクビクしていた毎日はとても苦しかったですが、これからは一瞬一瞬を大切に生きていきます。
美風さん、むそう塾にめぐりあえたこと、深く感謝しています。
ゆりかさん、こんばんは。
お子さんの力って凄いですね。
大の大人を生き直しさせるだけのエネルギーを持っているのですから。
願わくば、どうぞこのエネルギーを存分に活かしてあげてください。
あなたのためにだけ消費しないように。
美風さん、こんにちは。
>そんな世界を子供からもらいながら、大人はもう一度「生き直す」のです。
本当にその通りですね。
精神的に満たされない子供時代を味わってきた私に、無垢な愛の温かさを子供達は教えてくれました。
時々、育ててくれてありがとうなんて言ってくれることがありますが、とんでもない!こちらこそ生まれてくれてありがとうと心から思います。
子供を授かった事で全く別な人生を生き直させて頂いている、美風さんのおっしゃる通りですね。
子育てを通して、相手を正しく理解する為にはその人を冷静に観察する事、話に真剣に耳を傾ける事が不可欠なことだと分かりました。
それは相手のリズムを理解する、ということに繋がって行くのだと思います。
それが出来れば、相手のリズムに合わせたり乱さないように工夫したりすることができて、氣の流れを乱さずに自分の要求を叶える事も可能になるように思います。
子育て以外の場面でも、自分の欲求は横に置いておいてまず相手を理解するように心がけてから、とても生きやすくなりました。
本当に生き直させてもらっています。
私にとって子育ては何にも代え難いありがたい体験です。
全てのお母さんにとってもそうであって欲しいと心から思います。
てんこさん、こんにちは。
>それは相手のリズムを理解する、ということに繋がって行くのだと思います。
>それが出来れば、相手のリズムに合わせたり乱さないように工夫したりすることができて、氣の流れを乱さずに自分の要求を叶える事も可能になるように思います。
そうなんです。
いかに相手のリズムを理解できるかが子育てでは問われ、それは大人の実社会でも問われるわけです。
私らしい視点(笑)でたとえるなら、「不感症ではダメ」なのです(^_-)-☆
あらゆる面で感度抜群の生き方ができれば、すごく人生は充実するよと声を大にして言いたいです。
私も子育てからいっぱい学びましたし、今も学びが続いています。
子育てを通じて、人間のことをもっと深く理解することが可能になりましたし、それがまた限りない好奇心をかきたてます。
私ってどこまでも人間が好きなんだなぁと思う日々です。
はじめまして。
マクロビオティックに興味があり、マクロ美風さまのブログをいつも拝見しております。
子供が生まれて1年半。今回のこの記事はとても心に沁みました。これからも心折れそうになった時はこの記事を読もうと思いました。あたたかいお話、ありがとうございます。
むそう塾の愛クラスを受講したいのですが、子供が小さいため、まだ一日家をあけることが出来ません。いつかマクロ美風さまと中川さまにお会いできますように。
むそう塾で学べる日を楽しみにしております。
naoさん、初めまして。
初めていただいたコメントなのに、お返事が遅くなってすみません。
拙ブログをお読みくださっているとのこと、ありがとうございます。
お子さんが1歳半なら、これからまだまだ大変な日々が続きますね。
きっとストレス満載なのではないでしょうか?
溢れる情報に翻弄されたり、目の前の子供に振り回されたりして、母親が自分を見失いがちになるのが今頃です。
これからはお子さんのお食事の悩みも増えるでしょうから、美味しいお料理を作れるようになるとかなり悩みが減りますよ。
頑張って愛クラスにいらしてください。
お待ちしています!
美風さん、こんばんは。
子供が生き直しのチャンスを与えてくれるということについて、全くその通りだと日々痛感しています。
子供を授かる前からずっと、我が子には絶対に自分と同じ思いはさせたくない、させないようにしようと考えていました。
両親は精神的に未熟で自分の事しか考えられず、また物心ついてから大人の夜の世界を連れ回されるような環境でしたので、自分に子供ができたら、子供であること、子供でいられる時間を十分に尊重したいと思っていました。
長男が生まれてからの5年は、彼が成長していく姿、純粋な感性やものの見方捉え方、そして与えてくれるまっすぐな愛情に、自分の中の取り残してきた子供の部分が一緒になって成長させてもらったように思います。(未熟な自分には、とても、辛い時期でした。)
そして次男を授かったこれからは、早く私の中の子供は卒業し、子供が独り立ちするその時まで共に歩きながら、導き、大きな愛情で包んでやれるよう、たくましい母でありたいと思っています。
ところで、長男が生まれた時は産後の肥立ちが悪く、精神的にも落ち込み、赤ちゃんのお世話が辛く思う事が多いかったです。泣き止まない赤ちゃんと一緒に泣いていることもしばしばでした。
しかし今回は、赤ちゃんとの時間がとても愛おしいです。
赤ちゃんが目覚め、飲み、寝るサイクルを繰り返し、螺旋を昇っていくように成長していく姿は神秘的ですし、そのリズムに寄り添うことは喜びでもあります。
それを楽しめることは、心身ともに元気であることが大きいと思いました。
先日夫が、「むそう塾に通っていなかったら次男は生まれなかったね。本当に良かったね。」と言いました。
私も全く同じ気持ちでした。
今こうして、自分の家族との幸せを噛み締められるのもむそう塾があるおかげです。いつも本当にありがとうございます。
けいたんちゃん、こんにちは。
>子供であること、子供でいられる時間を十分に尊重したいと思っていました。
これは深い言葉ですね。同感です。
私の周りでも子供を連れて居酒屋さんに出入りする親がいて複雑な思いがしましたが、それでも育児放棄するよりはいいかと思い直したことがあります。
案外と子供は子供で親と一緒の時間を楽しんでいる場面もあったからです。
まさに今生き直し中のけいたんちゃんが綴る文章には、深みがありますね。
アトピーで苦しむ息子を育てていた私なんか、息子を殺して自分も死のうとまで思い詰めた瞬間がありましたから、子育て中の心理変化はよく理解できます。
>それを楽しめることは、心身ともに元気であることが大きいと思いました。
そうなんです。心身が健康でないと子育てを楽しむゆとりが出てこないんです。
ですからむそう塾では、妊娠前から口を酸っぱくして陽性の大切さを伝え続けているのです。
幸いにもお二人目を幸せコースで授かり、上級幸せコースで出産して、毎月京都まで通い続けられるほど健康になられたけいたんちゃんにホッとしています。
地道に陽を摂りながら、徐々に体力がついて来たのだと思います。
ご主人様のお言葉も嬉しかったです。よろしくお伝え下さいませ。
来年はもっともっと健康になりましょう。
なれます!