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京料理人 中川善博が作り出した新しい味に、みんなが大興奮!

2021年12月5日は、京料理人 中川善博の凄さが炸裂した日でした。
京料理ではないのに、こんなに美味しく作れてしまう不思議。
それは、彼のたゆまぬ向上心ゆえなのでしょう。

昨日、「自由人コース2」で登場したお料理たちに、皆さんが大興奮でした。
試作した日に、その美味しさにウズウズしている私が漏洩しないように、中川さんから固く言い渡されていたので、やっとこの日を迎えてホッとしました(笑)

 
 

(ブッシュ・ド・ノエル 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

中川さんが結婚する前に、パティシエだった奥様のお菓子作りのお手伝いをした秘話を語りながらケーキを教えてくれました。
天国の奥様がクスッと笑っておられるかもしれません。
塾生さんも、ブッシュ・ド・ノエルを作るたびにその秘話を思い出されることでしょう。

復習のために、全体の写真も載せておきます。

*   *   *

【新作料理】

(地鶏のレッグ 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

試作会のときの私の気持ちを、お察しいただけましたでしょうか?
食べたことのないお味。
ソースの名前も決まっていない。
でも、すごく美味しい!

1回目の試作で私がOKしてしまうほど美味しかったのですが、ソースがさらに美味しくなるように調整した結果が、皆さんが夢中で召し上がってくれたお味です。
凄いですよねぇ。
どこにもないお料理がまぶしかったです。

*   *   *

(エスカルゴ フランスからのお取り寄せ)

 
 

私が独身の頃、某ホテル出身のシェフが自分のレストランを持ち、そこのエスカルゴとワインがとても美味しかったので、クリスマスメニューに加えてもらいました。

ようこさんのコメントにお返事を。
ようこさんならお分かりいただけると思いますが、カウンターに座ってシェフの手元を見ながらワインをいただくのは、最高に幸せな時間ですよね。
当時はシャンソンとワインが大好きだったのです。
お料理の話をしながら時間を過ごすのが、昔から大好きでした。

>忙しい講座の合間を縫って新メニューを開発される日々を「成長があって楽しい!」とさらっと言ってしまえる中川さんに改めて頭の下がる思いです。

そうなんです。
中川さんはそういう人なんです。
錆びた生き方をしたくないんでしょうね。
包丁も心もいつも磨き上げた状態でいたいのだと思っています。

*   *   *

人間は生きている限り成長できる。
私はそう思って生きています。
中川さんはそれを着実に実行されています。
そんな素敵な人と一緒にお仕事ができる環境に感謝の日々です。

 
 
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天然鮎と養殖鮎の違い むそう塾の鮎の塩焼き 瓢亭さんの場合 

今は養殖された海産物が多い。
そこそこのお料理屋さんでも養殖ものを使っていることが多い。
採算のことがあるからだろう。
デパ地下に並んでいるお刺身を見ても、天然物は少ない。
だから、子どもたちは養殖物を「普通」だと思ってしまうかもしれない。

たとえば鮎。
天然鮎は胸びれと尾びれが黄色で美しい。
天然鮎の口先は、養殖物より長めでちょっと尖り気味。
養殖物の口先は丸め。
これは自ら餌を取りに行くか与えてもらうかの違いによる。

 
 

では、天然鮎の塩焼きをご紹介しよう。

【むそう塾の秘伝コース8月の授業より】

(料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

瓢亭さん別館のランチで別注文料理より】

 
 

【子持ち鮎の場合 瓢亭さん本館のコース料理より】

 
 

【おせちに入れる子持ち鮎を焼いたところ むそう塾】

(料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

画像検索をしたら、こういう鮎の塩焼きが登場した。
せっかくの天然鮎なのに、この料理方法はもったいない。
鮎の美味しさがお塩で消されてしまうから。

 
 

ほんまもんの料理方法を知っておくと、どんな場面でも臆することがない。
大切な財産だ。

 
 
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「活け車海老の具足煮」と海老の鮮度 おせち料理

【車海老の具足煮は生きた海老でないとダメなのか?】

先日、「おせち料理三種とおせちの詰め方講座」を開催した。
まだ「秘伝コース」のおせち料理を習っていない人でも、この三種類を詰めれば、初めておせちを作ってもサマになる内容だ。

そのお料理の一つに「車海老の具足煮」がある。
煮る前に海老の下処理があるのだけど、生きた車海老をつかむのに抵抗のある人が毎年何人かいる。

逃げる車海老を追いかけるのも、この講座の風物詩みたいなもの(笑)
本当に半泣きになってしまう人もいる。
過去にもそういう動画をYou Tubeにアップすると、「かわいそうだから死んだ海老でやれ」とコメントがつくことがある。

その人のお気持ちは分からないでもない。
しかし、ここは生きた車海老が必要なのだ。
活きていないと、紅白の縞がきれいに出ない。
きていないと、煮たあとの車海老の形が「つ」の字にならない。
だから、背わたを取ったら大急ぎで煮る工程に移る

 
 

(車海老の具足煮 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

 
 

鮮度の良い海老で作ると、こんなにキュッと丸まる。
このお料理は「腰が曲がるまで」をイメージするものだから、こうでなくては意味がないのだ。

 
 

【背わた取りの要領 かぎ針編み】

ちょっと当日の様子をご紹介しよう。
それぞれのお顔の表情が面白い(^^)

 
 

 
 

中川さんが背わた取りの説明をしているときに、「かぎ針編み」の例が出てくる。
「えっ?」と私は思った。
中川さんはいつかぎ針編みをしたのだろう?
小さい時、お婆ちゃんがしていたのだろうか?
はたまた、高校生の頃の彼女がしていたのだろうか?

「爪楊枝を入れたところから出す」を伝えたかったときの説明だ。
そんな細かい観察力と説明が、京料理人中川善博の世界でもある。

 
 

【背わた取りでいじりすぎると】

背わた取りで爪楊枝を入れた部分を広げてしまうと、その穴から海老の体液が出てきて白く、見苦しくなる。
(下の緑の丸の中)
みんなで背わた取りした海老を一緒に煮ているので、それが混じっていたのだろう。

 
 

 
 

【酸欠注意】

ところで、この講座の開催日は祭日だった。
前日に大阪から、酸素を供給しながら送ってもらっていたが、授業前に電池が消耗したらしく、数十匹の海老が酸欠で死んでしまった。
大慌てで錦市場のお魚屋さんに片っ端から連絡して、やっと活け車海老を入手できた。

材料の鮮度勝負のお料理は、いつもハラハラする。

 
 

【過去動画もどうぞ】

・活け車海老の背わたのぬきかた 2014.12.14

 
 

・京料理人が教える車海老の背わたの取り方 2017.11.13

 
 
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「やってみせ」てくれた 燃えるはずの素材が燃えない料理法 

山本五十六の言葉で次のようなものがある。

やってみせ
言って聞かせてさせてみて
誉めてやらねば人は動かじ

 
 

はからずも私は先日、「やってみせ」の場面を体験した。
「『肴』 秋」講座で登場するお料理は、まさに中川さんがみんなに「やってみせ」てくれたのだった。

いつもの授業では、中川さんのお料理の世界の一部分しか出ていない。
しかし、この日のお料理を見ていると、「このためにあの技術があるのか!」という衝撃があった。

プロというのは本当に凄い技術を身につけているものだ。
その技術を身につけるまでの苦労を思うと、今まで高いと感じていたお店の料金も安く感じるほどだ。

 
 

たとえば「秋鱧吉野杉板焼」。
最後の仕上げのところは、豪快なやり方だ。

 
 

焼き上がってみると、燃える素材のはずの杉板も竹の皮も燃えていない。
中に入っている松茸の形の焦げていない部分が模様になって粋だ。

 
 

杉板の中には、ふわふわの鱧と松茸がどーんと入っている。
(松茸を表に見せていないところが、いかにも京都らしい控えめな方法。)
鱧のやわらかさやお味に歓声があがっていた。

中川さんによるとこれは古い仕事で、日本でもこれを知っている人は8人いるかいないか。
他に知っている人はもう亡くなってしまったと。
厳しい修業が嫌われて、お料理の世界のレベルがどんどん下がっていることを嘆いていた。

 
 

今、鱧の骨切りを頑張っている人なら、このお料理の凄さがより一層身にしみたに違いない。

包丁が砥げる。
桂剥きができる。
同じ厚さで切れる。
同じ幅で刻める。
水を操れる。
火を操れる。

全部授業で教えてきたことばかりだ。
それを実際に「やってみせ」てくれて、夢が持てただろうか?
あるいは気が遠くなっただろうか?

いや、そのどれでなくてもいい。
実際に食べた経験は、将来思わぬところであなたを助けてくれる。
点と点が結ばれるときが必ず来るからだ。
体験は尊い。

私もよい体験をさせていただいた。
そして、改めて中川さんを尊敬した。

 
 
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お料理が楽しく美味しくなるための秘訣 その1

いつも塾生さんを意識した記事が続いてしまうので、きょうは一般の人向けの記事を書きます。

 
 

【お料理の味が毎回違う理由】

お料理って、ただなんとなく作っている人が多いと思うのですが、よく作るお料理であっても、作るたびに出来上がりが微妙に違うことってありますよね。
もしご家族がいたら、「きょうはしょっぱくなっちゃって、ごめん」なんて言いながら出すことがあるかもしれません。

お料理が毎回同じように出来上がらない理由には、つぎのようなことが考えられます。
1 食材の質がちがう
2 食材の量が違う
3 調味料の量が違う
4 調味料のメーカーが違う
5 切り方が違う
6 加熱時間が違う
7 火力が違う
8 鍋が違う
9 メンタル面が違う

 
 

【計量をするか、しないか?】

お料理をするとき、計量をしない人も多いと思います。
いや、どちらかというと、計量しない人の方が圧倒的に多いでしょう。
つねづね目分量でお料理をしている環境で育ったから、というのもあると思います。

しかし、実は目分量で作れるようになるには、きちんとした経験で「目や手で計れるようになっていること」が必要なのです。
お婆ちゃんやお母さん、あるいはプロの人たちが計量せずにお料理をしていても、そこには「経験での計量」がされているのです。

ですから、まだその経験がない人は、まず計量をしてお料理をすることをお奨めします。

 
 

【本やネットを参考にお料理する場合】

お料理本やネットで紹介されているお料理を作ろうとする場合、必ず分量が表示されていますが、その時の「大さじ」や「計量カップ」の分量は、微妙に違いがあることをご存知でしたか?

たとえば、「15cc」や「15ml」と表示されていても、その商品によって微妙に差があるので、本に書いてあるとおりに計っても、その著者の味にならない場合があるのです。
似たような味にはなるでしょうが、本のとおりの味になるかは別問題です。

ですからむそう塾では、全員に教室と同じ道具で計量してもらうようにしています。
これでやっと美味しいお料理のスタートラインに立てるわけです。

 
 

【性格が反映される計量と火加減】

信じていただけないかもしれませんが、計量や火加減には性格が反映されます。
これは13年間、多くの塾生さんを見てきて間違いのない実感です。

弱気な人は計量を少なめにする傾向にあり、強気の人は計量が山盛りになる傾向にあります。
どちらも困ります。
計量は「すりきり」が正しい計り方です。

火加減はもっと個人差が激しくて、Aさんの弱火はBさんの強火と同じだったりして、ビックリすることが多々あります。
でも、ご本人はその認識がないので、教室でそのたびに適切な火加減を指導しています。

火加減は直接お料理に影響するので、計量と同じく注意を要します。

 
 

【癖を直す】

誰しもいっぱい癖はあるのですが、お料理に関しては可能な限り癖を直した方が美味しさに近づきます。
でも、癖って自分では分からないものなんですよね。
ですから、第三者に指摘される機会を増やしましょう。

その一つがお料理教室です。
客観的に見て直してもらえるチャンスが、教室にはたくさんあります。
そして、それを直したらどんな良いことが起きるのかも教えてくれますし、ご自分でも体験できるようになります。

お料理を美味しくするためには、一人で模索するより、効率的な方法を教えてもらった方が近道だと言い切れます。
特に包丁の使い方や、砥ぎ方は、独学では困難を極めます。
しかるべき人に教えてもらって、楽しくお料理が出来るようになりましょう。

 
 

 
 
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