料理人 中川善博の陰陽料理」カテゴリーアーカイブ

マクロビオティックの陰陽バランスは毒消しの目安でもあります

5月24日に東京で開催する予定の「マクロビオティックの陰陽で考える食べ方生き方講座」に関して、ご質問メールが何件か寄せられました。
その中で体調について書かれているメールがあったのですが、「ああ、毒消しがうまく出来ていないんだなぁ」と思える内容のものがありました。
その方には、過去記事をご紹介しておいたのですが、同じような人が他にもいらっしゃると思いますので、もう一度記事をリンクしておきます。
毒消しの考え方や方法および注意点のまとめ

それから、こんな記事もあります。
ブルーベリージャムとパンの馬鹿喰い後日談(毒消しも)
発酵食品の偉大さ、糠漬けの力強さに感動した出来事でした。
「甘いものを食べたら発酵食品を!」が合言葉になったらいいな。

ところで、今月の幸せコースはお魚料理でした。
一匹のお魚を丸ごとさばくところから始まって、お刺身や焼き魚、煮魚も作るのです。
マクロビオティックの料理教室でありながらお魚料理を教えることにビックリされるでしょうが、海に囲まれた日本人にはやはりお魚料理は欠かせないものだと思います。
それから陰陽バランスを取るためにも、お魚の陽性さが必要な人もおられますから、マクロビオティックを知っているからこそお魚料理の基本は知っておくべきだと思います。

さて、このお魚ですが、お刺身・焼き魚・煮魚のうちどの料理方法が一番陽性でしょうか?
そして、それらの毒消しは何でするでしょうか?
こんなことを考えながらお料理をするのがマクロビオティックの楽しいところです。

ところで、このお魚料理の授業では、煮魚の美味しさに皆さんが感動されていました。
毎年見られる反応なのですが、煮魚嫌いの人が喜んで食べる美味しさです。
そこには陰陽をしっかり駆使した結果の美味しさがあるので、毒消しもされた結果の完成品なのだと思います。

マクロビオティックは決して動物性を食べてはいけない考え方ではなく、動物性を摂るときには陰陽バランスも取りましょうということです。
それは主に毒消しの組み合わせを知っていることで可能になります。
昔からあった食べ方にはそんな組み合わせが多いですね。
そして、糠漬けも昔の家庭では多かったのに、今はほとんど作らない家庭が増えてしまいました。
でも、むそう塾生たちは1年中糠漬けを食べられる環境を手に入れています。
やればできるのです。現代でも。
ただ、その正しい方法が伝わっていないだけです。
こんな汚染の時代だからこそ、発酵食品を見直して積極的に摂ってほしいなと思います。
毒消しとしても。

 
 

カラスガレイ 煮魚 マクロビオティック料理教室 むそう塾

 
 

(カラスガレイの煮付け 料理:陰陽京料理人  中川善博)

 
 
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「味を迎えに行く」

ここ数日、何冊かの料理本に目を通していました。たまたまそんな流れが来たのですが、その1冊が先にご紹介した「天皇陛下料理番の和のレシピ」でした。他にも私の手元にあった本を吟味すると、やはりマクロビオティックの視点から受け入れ難い面があります。いくら長い間食通を唸らせたお店の主が書いた本であっても、それはお店で提供する場合のお料理なのです。ということは、グルメ料理ばかり食べていては体に悪いということの裏返しでもあります。何と言ってもお砂糖がホイホイ使われているレシピはお勧めできません。

中川さんにお聞きすると、昔はお砂糖をよく使ったお料理の時代もあったそうです。ですから、時代背景やその料理人さんの趣向も影響するので、いくら盛付けが素晴らしくても、その本をご紹介するのは控えることになってしまいます。器の選び方と材料の切り方のバランスまで考えると、本当に参考になる本がありません。というか、サッと器が用意されて、この器に合う料理をせよという課題をこなせる実力がないとダメということになります。そんな視点で合格する本なんてそうそうあるものではありません。

ですから、OBENTERSの皆さんが毎朝中川さんから受けている指導内容は凄く高度な世界ということになります。ただ美味しいだけでなく、まずは健康を考え、「格」を落とさず、素人でも作りやすく、さらに陰陽で洗い直したお料理のレベルなのです。ここまで追究したマクロビオティック料理はきっと他にないはずです。改めて中川さんとの出会いに感謝し、少しでも長く指導していただきたいと心から思ったことでした。

ある本に良い言葉を見つけました。「味を迎えに行く」という表現です。これは季節の素材にはその時季特有の旨味があるので、それがどれだけの味を出してくれるかで変わってくるから、いつも同じように調味料を加えれば良いのではないことを言っています。素材の持ち味を極限まで引き出すために「味を迎えに行く」という表現は素晴らしいなあと感心しました。

それからこれは経験的に多くの人が分かっていることですが、お料理は冷めると味が2割ぼやけると書いてありました。ですからおせち料理やお弁当を食べて美味しいと感じるためには、味を濃い目にするのですが、2割という数字はなんだかちょっと多いような気がしてしまった私です。私がお料理は作りたてが一番美味しいと感じるのは、温度の影響もありますが、素材の味が一番感じられるからです。味に関してあれこれ書き出すと切りがないのでこの辺でやめますが、マクロビオティックを知った今となっては、やはり陰陽バランスの取れたものが一番美味しく感じます。

 
 

椎茸の旨煮 マクロビオティック料理教室 むそう塾

 
 

(椎茸の旨煮 料理:陰陽京料理人  中川善博)

 
 
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中川式玄米ちらし寿司・稲荷寿司の凄さ!

先日上級幸せコースでお伝えした玄米ちらし寿司の復習メールが、続々と中川さんのところに届きます。
どれも美味しくて大喜びの内容なのですが、やはり今年も玄米嫌いのご家族がペロリと玄米のちらし寿司を召し上がった内容がありました。
玄米チャーハン・玄米の炊き込みご飯・玄米のちらし寿司・玄米の稲荷寿司などは、むしろ白米より美味しくてコクがあるのです。
ですから、毎年玄米嫌いの人でも喜んで食べてくれるのです。
特にお寿司の凄さは、何と言っても寿司飯の絶妙な加減にあると思います。
この寿司飯は中川さんが京料理人だけではなく、マクロビオティックの陰陽を完全に駆使した結果の美味しさです。
健康的な美味しさを手にできる玄米のお寿司シリーズは、まだまだ4月の稲荷寿司まで続きます。

<Tさんのメールより>

どの具も美味しくて、特にご飯と木の芽を口に入れた時の、何とも言えない爽やかさが美味しかったです! はぁ〜幸せ。

夫は、食卓に置かれたちらし寿司を見た第一声が「おぉ〜っ!凄い!!」で、普段は玄米を食べないのですが玄米だと分かっていてペロリと平らげてしまいました!!

自宅で、全て自分の手で作ってみて、このお料理を作り上げられることが本当にありがたいなと思いました。手間暇がかかる大変さは確かにあるのですが、喜んで食べてくれる人がいて、料理を作る場所や時間があって、材料を買うことができて…愛クラスから一貫して伝えてくださっている「感謝の気持ち」を改めて強く感じました。
ありがとうございました。

 
 

中川式玄米稲荷寿司 陰陽京料理人 中川善博  京都 むそう塾

 
 

(中川式玄米ちらし寿司 料理:陰陽京料理人  中川善博)

 
 
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中川式玄米ちらし寿司の美味しさにしみじみ思うこと

玄米ちらし寿司2 むそう塾

 
 

(中川式玄米ちらし寿司 料理:陰陽京料理人  中川善博)

1年ぶりに中川式の玄米ちらし寿司をいただきました。
このちらし寿司の美味しさは、何と言っても寿司飯にあると思います。
ふっくらと優しく炊き上がった玄米ご飯でなければ出せない寿司飯の美味しさです。
一般的にマクロビオティックのお寿司というと、梅酢を使ったりして悲しいお味のものが多いのですが、中川式の寿司飯は驚くほど美味しくてさっぱりしていて、いやな甘ったるさがありません。
スッキリしていて、とてもさっぱりしているので、他の食材のお味がよく判ります。

中川さんのお料理にいつも感じるのは、その時にいただくお料理全体でオーケストラのようにハーモニーを意識して味付けをされていることです。
同じお料理であっても、その時に一緒にいただく他のお料理との関係で微妙に味付けや切り方を加減してあるのです。
ですから、すべてのお料理を食べ終わったときに、お口の中に違和感がなくて気持ちがゆったりと満足感に浸れます。

このちらし寿司は玄米ご飯の上に色々な具が載っているのですが、食べ進むと玄米ご飯の美味しさとともに、上の具一つひとつの美味しさがハーモニーを奏で始めます。
その楽しさに浸っているうちに、気がつけば食べ終わっていたという感じです。
復習をされた塾生さんのご家族が、「いくらでも食べられる」とおっしゃったそうですが、まさにそんな感じですね。
甘ったるいお寿司が多い時代ですが、中川さんのお寿司はキレのある小気味よいお味です。
サーッと吹き抜ける薫風のごとく、美味しさを残して去って行くのでした。

上の盛付けを真上から見るとこんな感じです。
盛付けの参考になさってください。
特にOBENTERSの人は青線・赤線を意識して見てください。

 
 

玄米ちらし寿司1 むそう塾

 
 

このちらし寿司を習った塾生さんがおっしゃっていました。
「ラーメンのスープとうどん屋さんのお出汁、それに唐揚げとお寿司。これだけでも上級に来て良かったです。一生使えるお料理だから、授業料はむしろ安いくらいです。」と。
嬉しかったです。
本当に一生使えるんですよね。そして次世代にも伝えて行けるんです。
これから塾生さんの各家庭で何かあるたびにこのお寿司が登場することでしょう。
しっかりご家庭の味として受け継いでください。
(ご家庭の味と言っても、実は一流料亭を超えるお味なんです^^)
自信を持って振る舞ってくださいね。

 
 
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里芋と烏賊の炊いたん(京料理人 中川善博の料理)

里芋と烏賊の炊いたん 京料理人 中川善博

 
 

(里芋と烏賊の炊いたん 料理:京料理人  中川善博)

先日いただいた中川さんのお惣菜ですが、例によって美味しかったので記事にします。
私の作る「里芋と烏賊の煮物」はお汁が少ないのですが、中川さんの作った「里芋と烏賊の炊いたん」は、鍋を覗くとお汁がたっぷりあって、その中に里芋と烏賊が沈んでいました。
そして、器に盛りつけたらお汁をかけるのは勿論ですが、このお汁がすごく美味しくてゴクゴクと飲んでしまいました。
何度飲んでも喉が渇かないお味で、ほんのりした甘さが美味しかったです。
ちなみに、このお汁にはお出汁は使っていないそうです。
そして、これも例によってお汁が濁っていません。

つくづく中川さんのお料理はお汁を追究したお味なんだなあと思った次第です。
あの「涼麺」の悶絶麺つゆを始めとして、「うどん屋さんのだし」やラーメンスープに至るまで、「汁使いの達人」と言えますね。

 
 
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