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中川式おせち料理の技術力に唸った日

昨日は秘伝コースに通われている塾生さんも、まだ幸せコースの塾生さんも、皆さんがそれぞれに頑張っておせちの投稿をしてくださいました。
投稿してくださった人数は27名でした。
むそう塾でいつも中川さんから習っていたお料理、それに何品かのお料理を加えるともうおせちが出来上がるわけですが、問題は詰め方です。
この詰め方は毎朝のお弁当投稿で指導されていますので、お弁当投稿をしている人たちは慌てなかったようですね。
さすがです。

ところで、皆さんからのご感想を読ませていただくと、おせち料理を作っている時に走馬灯のように色々なことが想い出されたと書かれているものが多かったです。
そうなんです。こうして1年間をおせち料理を作りながら振り返り、そして心の整理をして新しい年を迎える覚悟のようなものが出来上がっていくんですよね。
コトコトと煮ている時に、湯気を見ながら気持ちは穏やかになっていきます。
実際はメニューの多さに大忙しなのですが、それでも心は案外と落ち着くのがおせち料理作りかと思います。

中川さんから教えてもらったお料理は美味しいものばかりなので、作り甲斐もありますし、実際に食べていただいて絶賛された人も多いことでしょう。
すでに来年の予約を受けて帰宅された塾生さんもいらっしゃるようです。
あの美味しさなら当然だろうなあと納得する私です。

ところで、今回は37種類のおせち料理が発表されたのですが、全部詰めるには重箱が小さかったので、実際には36種類を詰めてあります。
写真の下の方に埋もれていて見えなかったものもあるのですが、美味しさとともに技術力が問われるのがこの「日の丸独活」でした。
感動で鳥肌がたった塾生さんもいらしたのではないかと思います。
出来上がった時に歓声が上がっていましたから。

 
 

日の丸独活 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(日の丸独活 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

ここでも桂剥きの技術がついてまわる何とも難易度の高いお料理でした。
こんなお料理も出来るようになるために、中川さんは桂剥きを最初にきちんと教えようとされていたんだなあと思って、その技術力に唸ってしまいました。
もし塾生さんのおせちにこの日の丸独活が詰めてあったら、「よく頑張ったね」と思いながら、その頑張りを称えてあげてください。

舞ちゃんがこちらで皆さんのおせちをまとめてくれています。
亀甲が入っていて?と思われる方がいらっしゃると思いますが、約束事として八角形と六角形(亀甲)では、お料理や器の向きのとらえ方が異なることを忘れていた人がいたために、中川さんからTweetされたものでした。
亀甲の方が安定感に欠けるような気がして間違えてしまうのでしょうか?
ちなみに八角形の場合は次のようになります。

 
 

マクロビオティック京料理教室 むそう塾 お皿の向き

 
 

(八角形のお皿の向き)

幸せコースの盛り付けの授業でも解説していますし、毎朝のお弁当投稿でも指摘されているのですが、それでもうっかり間違ってしまうものなのでしょうね。
これが現実なので、これを踏まえてまたコツコツとアドバイスして行きたいと思っています。
とにもかくにも、頑張っておせちを作られた皆様、お疲れ様でした。
そして、こうしながら確実に美味しく、正しく、自信の持てるおせち料理が作れるようになって行きますので、今年の年末にはより進化したおせちを作りましょう。
さらに、新しい塾生さんのおせちデビューも楽しみにしています。

 
 

<関連記事>
【中川善博の料理】 2015年 秘伝コース12月 おせち料理
「中川式おせち」

 
 
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中川式おせち

2015年の最後はおせち投稿が凄い勢いでした。
むそう塾がマクロビオティックの料理教室としてだけではなく、きっちりと京料理の基本を何年もかけて教え続けた成果が表れていたおせちだったと思います。
中川さんのブログでも「おせち投稿」のカテゴリーを設けて、たくさんの投稿をまとめていますので、どうぞご覧になってください。

今年の秘伝コースではむそう塾が始まって以来初めてのおせちの授業がありました。
単発でのおせち講座はあったのですが、37種類を一気に中川さんが教える授業はありませんでした。
それはおせち料理の大変さを知り抜いている中川さんだからこそ、作る人が少ないのではないかと思っていたからです。
しかし、現実は予想に反して、塾生さんの方からおせちを教えてほしいという熱いラブコールがありました。
そこで、「教えるなら本気で美味しいものだけを教える」ということになったのでした。

おせちを教えることになってからの中川さんの様子は、今まで見たことのない表情が続きました。
一番の課題が素人でも作れるレベルにアレンジすることです。
そして、何日も時間のかかるお料理をいかにして短時間で仕上げられるようにするか、しかも美味しく、という難題がありました。
それを毎日考え続けて、全種を誰もが作れるように教えてくれたのでした。
目の充血がその間の緊張感を物語っていました。
こんな大変なことを引き受けてくださった中川さんには改めてお礼を申し上げたいです。

*   *   *

ところで、中川さんが教えてくださったおせちの中で、私が感心したのは「蕨烏賊」です。
細かい作業を必要とする手の込んだお料理方法で、いかにも京料理らしい繊細で美しいお料理だなあと思いました。
日本人の丁寧さに感心するお料理方法でしたよ。

 
 

マクロビオティック京料理教室 むそう塾 おせち

 
 

(おせち 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

切り分ける前はこんな感じに仕上げます。

蕨烏賊 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(蕨烏賊 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)

難易度の高いお料理ですが、秘伝コースレベルなら串打ちにも慣れているので出来ることでしょう。
見て美しいだけでなく、食べるととても美味しいお料理がぎっしり詰まった中川式のおせち。
今年作らなかった人は、美味しいので来年はぜひ挑戦してみてくださいね。

では、良いお年をお迎えください!

 
 
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京料理人 中川善博作の「鯖寿司」から感じたこと

azukkiさんのブログで紅葉のお写真が載っていました。
故郷の景色を見下ろすお気持ちっていいものだろうなあと想像します。
そして、絵のことがコメント欄に書かれていました。
それを読んでふっと心が中学生時代に飛んで行きました。
実は私は絵を描くのがとても好きだったのです。
小学生の時には絵だけでなく、漫画を描いて回覧していました。
シリーズものは次回作を待たれるので、結構忙しかったです(笑)

中学時代の美術の先生は一風変わったタイプで、私のことをとても可愛がってくれて、自由に好きなように美しさへの楽しみ方を教えてくれました。
絵を描いても彫刻をしても、私の知らない世界への夢を掻き立てるような講評をしてくれました。
そのせいか、高校に進んでもコツコツと1人で油絵を描いていました。
新聞部でしたが。

美しい物を観る。美しいことに感動する。
それは心に躍動感がみなぎって、血液の動きが加速されるような錯覚に陥ります。
事実、心地良いことは血液が浄化されるような気がしますし、ストレスの多い生活は血液を濁らせます。
美しい物を愛で、真の意味での美しい生き方ができたらどんなに気持ちが良いことだろうと思えた朝ですが、なかなか人生は反対のことも多いですね。
それもまた陰陽なりということでしょうか。

美しいものに囲まれた京都にせっかく部屋を借りたのですから、こうしてパソコンに向かっているのではなく、外に出て行かなくてはもったいないですね。
昨日、息子が京都に来たので、今日は一緒に紅葉を楽しんで来ようと思います。
雨が降らなければいいな。

 
 

鯖寿司 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(鯖寿司 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室  むそう塾)

この鯖寿司には、見えないところに下の写真のような細かい仕事がしてあります。
曲線を描いている鯖の表面に包丁で刻みを入れるのは、高度な包丁技術があってのことです。
手首が硬くては出来ない仕事ですね。
中川さんの腕の凄さをこんなところでも確認できます。
それにしても、美しいなあ。

鹿の子の刻み 鯖寿司 マクロビオティック京料理教室 むそう塾

 
 

(鹿の子の刻み)

絵の話からなぜ急に鯖寿司の写真が?と思われたことでしょうが、お料理には美しさが欠かせませんので、絵とつながるところが多々あるのです。
今の私は絵筆を持つ時間がまったくないので、日々中川さんのお料理の美しさで感動しています。

私たちはよく、「美味しい」っていいますが、見た目の美しさだけでなく、「味にも美しさがある」ものが本当の味かと思います。
そこには人間と同じく、あるものだけが自己主張しすぎてもいけないし、あるものだけを控えすぎてもいけないのです。
全体で一つの美しさを創りあげる気持ちが必要ですね。

お料理にも人間社会の縮図を感じならが向き合っている今日このごろです。

 
 
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中川式かぶら蒸しが美味しすぎます!

中川式蕪蒸し マクロビオティック京料理教室 むそう塾2

 
 

(中川式かぶら蒸し 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室  むそう塾)

秘伝コースで二日間お伝えした中川式の蕪蒸し。
私が今まで食べてきた蕪蒸しは水っぽかったことを知りました。
過去に京都でも蕪蒸しを食べてきたのに・・・。
やはり中川さんの手にかかると、京都の有名なお料理ももっと美味しくなることを知りました。
美味しくて倒れそうになったとおっしゃった塾生さんもいらしたほど、本当に濃厚で美味しかったです。
もう自分で作らなければ、あの美味しさは味わえません。

来年秘伝コースに来られる方は、今から楽しみにしていてね♪
マクロビオティック京料理教室ならではの絶品お料理です。

 
 
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まさにマクロビオティック料理! 蒸し鮑

マクロビオティック料理というと、動物性排除のイメージが強いのですが、そんなことはありません。
そう思っていらっしゃる方は、こちらのページの記事をお読みくださいね。
アワビのような硬い食材を軟らかくする料理方法は、マクロビオティックを知らない先人の知恵が大いに参考になります。
昨日の秘伝コースで紹介された料理方法は、まさにマクロビオティック料理なのでした。
陰陽を最大限に使いこなしてこそ引き出されてくる濃厚なお味は、まさにマクロビオティックの陰陽を勉強するには最適な教材かと思います。
そして、美味しい!

 
 

マクロビオティック京料理教室 むそう塾 蒸し鮑

 
 

(  蒸し鮑 料理:京料理人  中川善博 マクロビオティック京料理教室  むそう塾)

とろけるような舌触りをお届け出来ないのが残念です。

 
 
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