「これからのマクロビオティック料理」に、“はな”さんから寄せられたコメントが考えさせられるものでした。
(はなさんは、マクロビオティックのカフェで働いていらっしゃいます。)
<はなさんのコメントを抜粋します>
>今日お店で「京都で食べた精進料理はとても美味しかったので、ここのも期待していたのに。こんな味ではリピートしようとは思いません。」とハッキリおっしゃったお客様がいらっしゃいました。(この方は男性で食後に血圧を下げるお薬を出して飲まれていたりしたので、普段の食事とは随分違う内容だったのかも知れません。)
>他の社員の方に伝えた所「そういう食事なんだから味はあまり考えてはいけない。いちいちお客様の言っている事を取り入れていたらやって行けない」との事でした。
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はなさんが働いていらっしゃるお店が、どのくらいの営業年数で、どのようなお料理をどのような味付けでお出ししているのか分からないまま記事を書くのは無責任になりますが、確実に言えることがあります。
それは、マクロビオティックのお店であってもお料理を提供するお店に変わりはないということです。
ということは、まず最低条件として「美味しさ」は追求しなければならないと思うのです。
なぜなら、他の一般的なお店では、「美味しさ」に凌ぎを削って過当とも思える競争を繰り広げている現実があるからです。
(良し悪しは別として)
その現実がある以上、その中で生き残る覚悟がなければ、安易にお店を出すべきではないと思います。
道楽としてお店を出しているのならいざ知らず、通常はそれで「喰っていくため」に、みんな真剣勝負なのです。
そこに、マクロビオティックのお店だからと言って例外はないと思うのです。
ひとたび飲食店として暖簾を出したからには、経営者の理想は別として、お客様は「美味しい味」・「いい雰囲気」を求めて来るものです。
その時に、お客様の要望に応えられないお店は、容赦なく淘汰されて行くのです。
ですから、「マクロビオティック料理は味を追求するものではない」と割り切ってしまうことに、私は大いに疑問を感じます。
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よく、マクロビオティック実践者にありがちなのですが、マクロビオティックをしている人とばかり接して、世の中の一部分だけで生きている人がいますね。
あれはハッキリ言ってマクロビオティック音痴、あるいはマクロビオティックオタクだと思います。
やはり人間は、実社会で普通に生きるべきだと、ずーっと思っています。
現実の世の中は、マクロビオティックの目指すものとは程遠くても、現実から離れて同好会的になってしまうことは、大いにマクロビオティック的ではないとも思います。
・普通の社会で、一般の食事をしている人と、同じ土俵で勝負をする。
・そんな日常の中に、自分の付加価値としてマクロビオティックを中心にもっている。
私はそんな姿が理想なのですが、皆さんはいかがお考えでしょうかね?
ですから、はなさんのコメントの後段にある、「いちいちお客様の言っている事を取り入れていたらやって行けない」という姿勢には、私は納得できません。
確かに不特定多数の人を相手にするお店としては、そういう側面があるのは事実です。
しかし、お店は支持してくれるお客様がいて、初めて成り立つものです。
ですから、美味しさはもちろん、お客様の声には真摯に耳を傾けるべきだと私は思います。
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往々にして、文句を言うお客様は、心のどこかに「残念だなぁ」という思いがあるからキツイことをおっしゃるのです。
本当に「この店は駄目だ」と思ったら、ひと言も言わずに立ち去ります。
ですから、文句を言って下さるお客様のご意見には、きちんと耳を傾ける姿勢やフォローがあってしかるべきだと思うのです。
どんなに精一杯やっても、すべてのお客様に納得していただけるとは限りません。
特に食べ物は、「美味しさ」の感じ方に個人的な好みや体調も手伝って、余計ややこしくなります。
それでも、文句を言ってくれたお客様は、逆に「お得意様にするチャンス」でもあるのですから、しっかりフォローして笑顔でお帰りいただく気持ちが必要ではないでしょうか。
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とは言っても、中にはどう考えても救いようのない人がいるのも事実です。
(これが結構いるんですよねぇ?泣)
私が飲食店経営に関わっていた頃(昔ですが)、そんな人をいっぱい見ました。
でも、上質のお客様には必ずこちらの営業姿勢はご理解いただけますから、諦めずにコツコツと自分が納得できる経営を続けるべきだと思います。
私はご縁あって、あちこちのマクロビオティック料理のお店にお邪魔する機会があります。
総じて言えることは、長く続いているお店はお味も経営者の姿勢もきちんとしています。
お食事をいただいている途中から癒されます。
そして、いただいた後にホワ?っとした幸せ感に包まれます。
トロンとしたような心地よさです。
そんなお味が出せるようになるには、「氣」の充実が欠かせないので、作り手(and経営者)の「氣のもちかた」も反映していると確信します。
最後に、「氣」のいいお店が増えて、一般の人達からマクロビオティック料理を選択していただけることが、私の究極の夢です。
ですから、つい熱い記事になってしまいました。
ご容赦を。