人生、何が幸いするかわかりません。
今の私は毎日が陰陽の実験をしているような感じです。
覚悟していたとはいえ、9月1日に夫がリハビリ病院を退院した日から、想像以上の日々が続きました。
一番困ったのは夫の下痢対応です。
こちらの記事にも書いたように、夫は5月から入院や手術を経て、薬だらけの日々を送っていたので、8月中旬から下痢が続いているとのことでした。
体もすっかり痩せて、ガリガリになっていたので、必要な栄養が摂れていないと判断し、退院したらまずは下痢を止めることを最優先課題にしました。
薬が大量に入っているので、腸内細菌叢がメタメタにやられているための下痢と判断して、まずは腸内環境を改善することに目標設定しました。
食養の常道として下痢には葛です。
ですから、9月1日に退院した日から葛練りを食べてもらいました。
ここで鉄火味噌が登場したのはいうまでもありません。
最初は水様便に近い状態だったのに、そこから辛うじて薄っすらと粘度のある便に変わった時、初めて夫は葛の効果だと認識してくれたようです。
大森英櫻先生に教えてもらった食養と葛の話を夫にしながら、食べ物でも体調を変えられることを一生懸命に話しました。
この話は過去にもしたことがあるのですが、当時は素通りしていたのでしょう。
それからは、トイレに行くたびに便を流さない状態で私に見せることをしてくれました。
まるで、子育てをしているときのようです。
徐々に便の状態がアメーバ状になり、ほわ〜っと丸味を帯び、おぼろげに細長くなり、徐々に粘度が増して1本の形になったときには、思わず拍手をしてしまいました。
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ところで、腸内細菌といえば、むそう塾には乳酸菌たっぷりの糠漬けがあります。
しかし、夫は糠漬けが嫌いで食べてくれなかった過去があります。
(私が独身時代から育てていた糠床で漬けた糠漬けを夫は食べてくれなかった。中川さんの美味しい糠漬けも食べてくれなかった。)
でも、息子情報によると、夫を鰻屋さんに連れて行ったとき、「しょっぱいものが食べたい」と言って、お新香を一皿別に注文して、大量に食べていたとのことでした。
やはり。
夫の体は相当陰性になっているので、体の声としてしょっぱいもの(陽性)が欲しかったのでしょう。
だから、ここは糠漬けで強行突破しようと考えて、中川さんにうんと浅漬かりの糠漬けをお願いして、夫に食べてもらいました。
すると、「これなら食べられる」と言うではありませんか!\(^o^)/
それからというもの、家には3段階の糠漬けが冷蔵庫に並ぶようになりました。
保存容器に各人の名前を書いて、漬かり具合が異なる糠漬けが待機しています。
中川さんの糠漬けを食べてもらってから、夫の便はちゃんと塊としての形状になり、1本につながって出るようになりました。
やっと食べ物で腸内細菌叢を改善できたようです。
やれやれと胸をなでおろしたのは言うまでもありません。
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なお、夫が退院して、自宅で最初に食べてもらったものは、「温度玉子」でした。
夫は薬で超陰性になっているし、ガリガリの体にタンパク質が必要と判断して、中川さんからもらっていた「温度玉子」を京都から持参していたのです。
2個を一気に食べてもらって、陽性をしっかり補ってもらいました。
夫は病気をする前は、コンビニで「温泉卵」を時々購入していたので、それならちゃんとした卵で作った「温度玉子」を食べてもらおうと思ったのでした。
ちゃんとした出汁と調味料で作ったタレが安心できるのは言うまでもありません。
「美味しい」と言って食べてくれたので、ホッとしたところです。
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【マクロビオティックに感謝 陰陽に感謝 恩師に感謝】
こんなふうに、私が今まで学んできたことの総集編として、あらゆる場面で陰陽を意識して向き合う日々ですが、これがとても学びになります。
教わったとおりといいますか、まさに教科書どおりの展開になっていくので、私が塾生さんにお伝えしてきたことが間違っていなかったと、改めて確認している日々でもあります。
マクロビオティックに出合ったこと、そして、数々の偉大な師から学ぶことができたこと、そして、陰陽の考え方で答えを導いて行けることに、自然と感謝の気持ちが湧いてきます。
夫の病気は悪いことばかりでなく、私にこんなプレゼントをもたらしてくれました。
すべてのことに感謝の日々です。

(9月1日に夫が食べた温度玉子 京料理人 中川善博製)



















