むそう塾がいつもお世話になっている、京都上賀茂の京野菜農家さんが先日配達をしてくださったとき、「これで今年の胡瓜はおしまいです。トマトもこれから根を抜きます。」とおっしゃっていて、「ああ、夏が終わるんだなぁ」と思いました。
今は「大暑」ですから、暑さ真っ盛りですが、8月7日の「立秋」を境に、季節は秋に向かって行きます。
お盆の最中はまだまだ暑いですから、秋といってもピンと来ないのですが、自然界は人間より敏感に宇宙の秩序を感じて生きています。
ですから、自然相手の農家さんは、ちゃんと宇宙の秩序どおりにお野菜を栽培しているわけです。
トマトや胡瓜の後には、「すぐき菜」が育てられて冬の「すぐき漬け」に備えます。
一方、糠床は人間より繊細なセンサーを持っていて、ちゃんと樽の中で季節の変化を感じていますから、立秋を境に糠床の状態も秋仕様に変えて行きます。
春から夏の状態と同じではいけないことを知っておきましょう。
私達は季節の変化とともにお洋服を着替えますが、糠床はまるでデパートのお洋服売り場のように、季節を先取りして生きているのです。
中川式糠漬けを育てている新人さんは、これからが要注意です。
窓を開けていると、東山の方からたくさんのヒグラシの合唱が聞こえて来ます。
まるで、これから去りゆく夏を惜しむかのように。
昆虫もまた季節とともに生きていて、季節を忘れがちな人間が病気になるのも無理はないかなと思えてしまいました。
そんな人間はせめて、食べ物だけでも「旬」を大事にしたいですね。
マクロビオティックでも、「旬のお野菜」のエネルギーをいただくことによって、より健康になることを目指していますが、こうして農家さんと直接接していないと、旬を肌で感じられなくなってしまいます。
せめて食べ物の旬を意識したお料理をするようにしましょう。
旬の食べ物をいただくことによって、その季節に必要なエネルギーを補い、体調を調えますが、いただく人の体調によって、食材や料理方法を変えることをマクロビオティックでは陰陽で考えていきます。
旬とともに大切にしたい考え方であり、旬のエネルギーを最大限に活用する方法でもあります。
(京都上賀茂産のトマト 料理:京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
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