中川さん 味見してください

私は常々不思議に思っていることがある。
それは塾生さんが中川さんに味見をして下さいと言って持参される玄米ご飯や糠漬けを、中川さんは一口食べただけ、あるいは匂いを嗅いだだけで言い当ててしまうことだ。
この驚きの最初は、昨年の「陰陽ひとり立ち講座」の頃、塾生さんが糠漬けを持参して、匂いを嗅いだ中川さんが「死んでる！」と言ったことに始まる。
一切れ噛んで「やっぱり死んでる！」と言う。
私が味見すると、美味しいとは思えないけれど、死んでると言い切れる確信がない。
どうして中川さんは瞬時に言い切れるのだろう？
それから新年会を東京で開催した時、塾生さんが持参した手づくり味噌を味見して、お味噌の保管場所まで特定した時には、周りにいた一同もビックリしたものだ。
最近、中川さんのそばで味見をさせてもらっているうちに、ちょっとだけ判る味が出て来た。
何回も何回も回数を繰り返すうちに体で判って来る味を、中川さん経由でお勉強させてもらえることに、もったいない有難さを感じた。
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そうそう、吉兆さんでのお食事の写真について。
あの時にはお店でお品書きはなかった。
でも、中川さんのブログではきちんとお料理名と材料までも書かれていた。
見事に。
中川さんにそのことをお聞きすると、「はい、作り方も全部書けますけれど、それはいやみになるので書きませんでした。自分がされて嫌なことはしません」と気持ちの良い答えが返ってきた。
さすが。
吉兆さんでのお食事は、中川さんの解説付きで大変勉強になった。
お料理は勿論だけれど、器のこと、経営のこと、写真のこと、社会情勢のことなど、勉強になることがいっぱいだった。
その中から私が学んだこと。
それはやっぱり、体に染み込むほど重ねた経験が、揺るぎない確信になるのだということだった。
自分で実際にしたからこそ分かる。
何回も経験したからこそ分かる。
それが味見をして瞬時に原因が判ることに繋がっているのだった。
味見をしてくださいと言って、判断してくれる人のいる幸せ。
これはなかなか手に入らない幸せだ。
中川さんのアドバイスを大事に受け取ってもらいたいなと改めて思った。