むそう塾では2009年に「幸せコース」を始めたときから、一貫して「包丁砥ぎ」を教えてきました。
私は元々刃物に興味があって、自分で包丁を砥いでいましたから、中川さんの包丁砥ぎがカリキュラムに入るのは良いことだと思っていました。
しかし、いざ授業が始まってみると、中川さんの包丁砥ぎは私が知っていた砥ぎ方と違うのです…。
???
でも、説明を聞いていると、一つひとつ納得できます。
なるほど、そういうことなのか。
そういうわけでこの方法になっているのか。
でも、中川さんが幸せコースで真剣にお教えしても、そのとおりに再現できる人がとても少ないのです。
生まれて初めて包丁砥ぎをする人がほとんどで、刃物に対する怖さもあったのでしょう。
そうこうしているうちに、なんとなく包丁を砥がなくなる人が出てきたり、切れ味が悪くなっても「ま、いいや」という感じになっているのかもしれません。
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なぜ包丁砥ぎが難しいのか?
それは、頭で理解したことを体に染み込ませられないからだと分かってきました。
誰でもそこそこ切れるようにはできるのですが、京料理人中川善博の求めるレベルはとても高かったのです。
最高の切れ味でお料理にピッタリの切り出しをすることは、食材の質のみならず、お料理の味を左右する重要な基本だったのです。
ピリピリとする緊張感とともにプロの世界が動いていることは、とてもよく理解できました。
でも、素人の私たちはそこまでの技術を会得しなければダメなのでしょうか?
そんな疑問も湧いてきますが、今年はそのプロの技術を会得された塾生さんが登場しました。
授業に来られる度に包丁を持参して、中川さんからアドバイスを受け、コツコツと砥ぎ続けました。
そして遂に免許皆伝のレベルになりました。
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そんな姿を見ている他の塾生さんが、私も自分で砥げるようになりたいと「包丁砥ぎ講座」を希望されました。
過去には何度も開催された包丁砥ぎ講座ですが、今では使う砥石も変わりましたし、包丁の状態によって指導も変わるので、新しい内容で講座を開催するのもいいかなということになりました。
AI時代の今、技術はますます貴重な存在になりました。
京料理人中川善博が生きているうちに、本物の技術を学んで、しっかりと自分のものにする一つの選択として、私はむそう塾の存在が価値あるものと思っています。
短縮・簡単・楽チンなどでは得られない世界がむそう塾にはあります。
会得するのに少し時間がかかっても、決して損をしない技術は、心の充足につながります。
ショートカットでは得られない本物の醍醐味を味わう人生こそ、私が求め続けていた生き方でもあります。
そんな世界に共感していただける皆さんが増えることを、心からお待ちしています。

(蛇籠蓮根 京料理人 中川善博 マクロビオティック京料理教室 むそう塾)
この写真は、むそう塾をオープンした頃、桂剥きのお手本に中川さんが剥いたものです。
あまりにも美しくて、私が感動して写真に収めました。
京料理のお店に行くと、時々「蛇籠(じゃかご)にむいた蓮根が使われていることがあります。
「蛇籠」という言葉は着物にも、生け花にも、建築にも使われていますのでどこかで見かけることがあるかもしれません。
そんなときに思い出してくれたら嬉しいです。
※【砥ぐについて】
一般的には「研ぎ」の文字を使いますが、むそう塾では「砥ぎ」の文字を使います。
その理由は包丁は砥石の泥で砥ぐものだからです。













